【マターリ】★30代以上で麻雀しませんか?2【関東】

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330はい、お茶です ◆GGQ31ZFjpI
『ろくでなしブルース』その1
待ち合わせの時間迄まだ20分ある。
新宿に着いた私は思い出横丁の小さな店で軽い食事を取った。
今日は長い一日になる事は判っていた。いくらタフでも腹が減っては戦えない。
3分でマグロ丼をお茶と一緒に流し込むと、代金を払いクラブへと向った。
そのビルの入り口に二人の男が待っていた。
「やあ、早かったね」私は言った。
「当然さ、『あの人』とは違う」名前を訊かなくとも私には誰の事かは理解出来た。
程なく彼女が現れた。「お待たせしました」優しくも凛とした口調で彼女は言った。
「いっ、いいえ今来たばかりですよ」先に着いてしまった事で悪い事をしたような、
彼女はそんな気持にさせる女性だ。
私達4人はエレベーターに乗り込んだ。丁度待ち合わせの時間のPM7:00。
陽は沈んだばかり。まだ空は明るさを残していた。

最初、そして二回目の半荘を勝ったのは私だった。
この三人に私は今まで何度と無く辛酸を舐めさせられて来た。
「よし今回は私が主導権をとったぞ」と思った油断だろうか、
三回目はJa氏が、四・五回目はK9氏がトップだった。
私はその三回を2位で切り抜けた。それでもいつもに比べれば上々の滑り出しだ。
六・七回目はJ氏が連勝した。私は二回続けて3位で振るわなかった。
しかしどうしたというのだ、あの勇猛果敢沈着冷静な、
ジャンヌ・ダルクの様な彼女の活躍が見られない。
今夜の彼女はじっとシンデレラの様に耐えていた、魔法使いが現れる時を。

そこに『あの人』がやってきた。AM2:00頃だった。
331はい、お茶です ◆GGQ31ZFjpI :03/06/07 13:34 ID:+lkbXByu
『ろくでなしブルース』その2
「やあ、ろくでなしども。がんばっているかね?」
Ku氏はそう言うと差し入れだと行って、栄養ドリンク剤を差し出した。
「やあ、大丈夫かい?君の入院をみんな心配していたんだ」
「麻雀で夜更かしなんて、病み上がりの身体に毒じゃないのかい?」
「私もずっと貴方の事が心配だったわ。でも元気そうで安心した」
彼女は元気な彼の姿を見て安心したのか、心なしか目が潤んでいた。
しかし彼の口から出る言葉と言えば、
「がっはっは、あの婦長ときたら、ちょっと看護婦に手を出したらガミガミ怒りやがって...」
いつもと変わらぬそんな彼に私達はほっと胸をなでおろすのだった。
K9氏が抜け、みんなの暖かい眼差しの中Ku氏が加わり次のゲームが始まった。

その回が終わり、もう誰も彼の身体を心配する者はいなかった。
彼はもう7時間も打ち続け、疲れの見え始めている我々を軽くひねり、
その回ダントツのトップになったのだ。
ラスは私、彼女は3位だった。彼は魔法使いではなかったのだ。
「さて病み上がりだし帰ろうかな?」
誰もその方が良いとは言わなかった。朝までまだ時間がある。

そのあと入れ替わりで3回ゲームをし、私とJa氏とK9氏がトップを取った。
Ku氏のプラス分は最後には消えていた。彼の陰謀は打ち砕かれた。
最終的に勝ったのは私とJa氏だった。

AM8:00頃、我々は店を後にした。陽はもう高く昇っていた。
「結局13時間か、随分遊んだな」 
「まったく君達はしょうがない奴等だな」
「あなたにそんな事を言われたく無いわ」
我々はいつもの様に路上で別れ、それぞれの帰路についた。
だれもが心で思っていた「もう当分麻雀はいいや...22日まではね」