嗚咽 その4

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760大人の名無しさん
3日前妹が死んだ。22歳だった。
交通事故だったけど、妹は悪くなかった。ただ相手の不注意と、不運が重なった。
それだけのことであっけなく死んだ。即死だった。
連絡を受けて飛行機に飛び乗り、病院に着くまでは信じられなかった。
でも妹は死んでいた。
家族と親戚と友達と、来年の春に結婚するはずだった彼氏が病室にいた。
両親は妹に取りすがって泣き崩れ、彼氏は床に崩れ落ちていた。
事故の相手は若い主婦で、旦那と一緒に床に頭をこすり付けて土下座して、号泣しながら謝ってきた。
彼氏が殴りかかろうとしたのを、俺が止めた。
母親は顔も上げられず、父親が相手をにらみつけて震える声で
「金なんていらない。娘をかえしてくれ」
と言った。

なあ、ひかり。
今からでもいい、戻ってきてやれよ。
もう一度、父さんと母さんの娘になってやれ。
どれだけお前を可愛がっていたか、知ってるだろ?
それにもう一度、彼氏の恋人になってやれ。
あんなにお前を愛してくれる男なんて他にはいないぞ。
それからもう一度、
俺の妹になってくれないか?
俺の妹は、生涯お前一人だ。
ひかり、早すぎたんだよ。帰ってきてくれ。どうすればいいのかわからない。