506 :
大人の名無しさん:
ある花火職人と孫の話。(孫がオレのツレ)
83歳のおじいさんの職人と23歳の孫の話。早くして父親がなくなり、あと
を継ぐ事になった孫。地元でも有名な頑固じじいで、オレらも子供の頃から
よく怒鳴られてた。高校になっても悪友で、いつもは花火職人なんてダセー
から絶対あとは継がないって言ってた。ヤツが22歳のとき女と遊びまくって
子供を作って、結婚した。おじいさんがキレまくってたのを良く覚えてる。
で家を追い出されて、オレんとこの離れに家族3人で住んでた。
である日の花火大会に、ブルーと赤とピンクの星型の花火。おじいさん
のプレゼント。ツレが泣いてた。オレには何がなんだかわかんなかったけど
奴のお母さんから前日におじいさんからプレゼントがあるって聞いてたらしい。
それ以来アイツは花火職人になった。
だいぶたってから、あいつから今度の花火大会は初めてオレが仕切るから
見に来いって。ツレ誘ってみんなで見に行った。いつもと変わらない花火
だったかもしれないけど、オレには凄く綺麗に見えて感動した。友達が上げてる
花火。人に夢を与える仕事。羨ましく思った。
507 :
大人の名無しさん:03/07/28 17:32 ID:x/441gL1
花火も終盤。職人達がざわめきだした。オレらは近寄れる所まで近寄った。
おじいさんが倒れたらしい。怒鳴り声で「オレの孫の初舞台に騒ぐんじゃねー!」
と聞こえた。駆け寄ろうとする孫にも「職人なら花火を止めるな!観客にいらん気もたすな!」
って怒鳴ってた。ツレはよそ見することなく花火を挙げ続けてた。遠くに救急車が止まり、
職人達におじいさんは運ばれ誰にも気付かれる事なく救急車に乗った。
花火が終わってみんなで病院に駆けつけた。おじいさんはもう逝ってた。
駆けつける5分前。最後まで意識はあったらしい。救急車に乗るときに見た
孫の花火を見て自分がもうダメだと分かってたおじいさんは、「ずっといい花火や」
って泣いてたらしい。最後まで息子の花火を誉めて、それ以外何も話すことなく
逝ったらしい。ツレの泣き声が階の違う待合室まで聞こえてきた。オレらもみんな
声出して泣いた。
みんなでおじいさんの部屋片付けてたら、孫の写真と新しいハッピ。これを
見てまた泣いたって。今はそのハッピを着てツレは最高の花火をあげ続けてる。
おじいさんのために作った4号玉。天国から見えましたか?
これは実話です。自分のこうゆう話はないんでツレの話。