引きこもりは本当に“怠け者”!? 95%が精神障害を持つ現実と偏見の間
山梨県立精神保健福祉センターの近藤直司氏は、全国5カ所の精神保健福祉センターに訪れた、
引きこもり当事者152人の診断結果をグラフで表した。その報告によると、最も多かった要因は「発達
障害」の27%で、4人に1人を占めた。以下、「不安障害」が5分の1強の22%、偏りを持った「パーソナリ
ティー障害」が18%、うつなどの「気分障害」が14%、統合失調症を中心とする「精神病勢障害」が8%、
「適応障害」が6%と続き、識別できない「その他」は5%に過ぎない。
引きこもりというと、これまではよく「怠け者」とか「甘え」、「親の甘やかし」などと言われてきた。しかし、
本人のやる気や自らの努力だけでは、どうにも身体を動かすことのできない実態が、公的な国の研究
報告でも浮かび上がってきたのだ。
「引きこもりが、ただの状態像であれば、何でこんなに苦しんでるのに、偏見やレッテルを張られるのかと
本人は思うだろう。やはり、目には見えない障害や特性で、緊張、恐怖、不信があれば、人間関係に
入れず、自分のコントロールでは取れない。何らかの疾病や障害名を付けなければ、社会は理解できない
だろう。本人の中で声を上げる人が少ないので、我々が代弁せざるを得ない。引きこもりは、WHOの言う
“生活機能障害”だと思っています」
ダイヤモンド
http://diamond.jp/series/hikikomori/10009/