☆★顔晒し雑談スレッド@メンサロpart421★★

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この時期、蔵六は多忙であった。黒船作りをやりなが
ら軍事関係の書物の翻訳もやり。更にイネの相手もし
ていたのである。この男の人生は何故か他者から必要
とされ多忙の内に過ぎていくという性質を持ち、なか
なか自分の意志で進むべき道を決められない定めであ
った。蔵六は、不思議な気持ちでいた。「蘭学」という
技術によりただの村医者であった自分が宇和島藩の殿
様に必要とされる人間となっている。敬作という最近
の飲み友達も蘭学者で結局の所蘭学がつなげた仲であ
る。そして、、これは蔵六にとってめんどうな事だが
住み込みの生徒であるシーボルト・イネも蘭学が引き
付けたものだった。蔵六は自分を蘭学という技術を持
った一個の機械と感じていた。