☆★顔晒し雑談スレッド@メンサロpart421★★

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158 ◆iK5PCnsLvI
「3年前、黒船が来て日本中が驚愕した。しかし3年後
のこの宇和島藩で蒸気機関の船が動いている。これが
アジアにおける初めての蒸気船である。」宗城は3年前
の黒船来航以来、思いつづけていた目標を達成した感
慨にふけっていた。この蒸気船作りは、莫大な金が掛
かった。宇和島藩では蒸気船開発に関して「お潰し方」
と陰口をする者も多かった。この金食い虫の計画は、
宇和島藩を潰してしまうという意味だ。
159 ◆iK5PCnsLvI :2008/04/14(月) 01:45:09 ID:f2BFxuAl
何故、宗城はそこまでの反対を押し切って蒸気船作り
を断行したのか。宗城はこのような内容の言葉を口に
している。「欧州が今日の様に栄えたのは産業革命が
あったからである。その象徴的な成果が蒸気船である。
しかし幕府は鈍い。宇和島藩がまず蒸気船を完成する
事により刺激を与えるのだ。日本が滅びて宇和島藩だ
けが生き残る事などはありえないのだ。例え宇和島藩
がなくなろうともやるべきだ」船は動いた。動力の大
きさに問題があったが、それは単に動力を大きく作れ
ば良い。「黒船作り」は成功といえた。
160 ◆iK5PCnsLvI :2008/04/14(月) 01:45:16 ID:f2BFxuAl
この間、蔵六の人生は他者に翻弄されている。敬作の
無理な頼みによりシーボルト・イネを同じ屋根の下に
住まわせている。蔵六はあくまで己を教師という立場
に封じそれ以上に出ようとはしない。蔵六を好いて宇
和島まで来たイネとしてはたまらないが、その関係を
打開するきっかけを作れないでいた。決まった時間に
蔵六はイネの部屋に来て蘭学の講義を2時間行う。敬
作の依頼により毎日きっかり2時間は教えた。しかし
イネはそれだけでは物足らず蔵六の部屋に度々訪れて
は「蔵六先生、分からない部分があるのですが、、、」
などと言って困らせていた。