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中西正二村:
東北の奥地に人知れず忽然としてある数人の部落を、中西正二村という。
村長は、38歳の通称・村人からブタマルキと呼ばれている小さな場末の中西正二
庄屋であった。庄屋といっても、その生活は極悪・貧困であり生活保護を受けてい
た。しかし、生活保護受給者で、全く体は健全で隣町の王将から必ず餃子5人前を
注文しているので、生活保護ということは秘密事項であった。しかし、実際は、
村人全員が知っている公の秘密であり、知らぬのは餃子を散らかしながら汚く食べる
裸の王様で知恵遅れの名主、中西正二だけであった。
庄屋の中西正二家は、年老いた優しい病弱の母親と白血病といいながら、元気よく、
王将の餃子5人前、焼き飯2人前、生ビール6杯、スブタ二人前、をあっというまにボロボロこぼしながら
だんだん食べるピッチが早くなり、手づかみでかきこむような勢いであった。さらに
タバコを毎日、60本。北朝鮮製のキムチ、たくわんが大好きであった。裏には、
ブタを飼っていた。
庄屋の中西正二は、何もしないで、年老いた母親に飯・フロ・寝る・タバコ・忙しい・餃子5人前が
口癖で、少しでも意にかなわないと、ババァ遅いぞ飯が本当に王将なんだろうな、タバコはどうした
ババァと奇声をあげ、家庭内暴力をする始末である。年老いた母親は、白いごはんとたくわんだけで
あった。日々、年老いた母親に栄養失調がせまってきた。名主の中西正二は、実の年老いた母親に俺が食べ散らかした
残飯でも食べてろといい、名主の名前で次々と村人の娘を妊娠させるので、中西家の親戚は増える一方であった。