【母子】ヤフーチャット４【家庭】

パソコンの電源を切ると男は曇った眼鏡を拭いた。
（今日も１部屋に君臨してきたブヒ）
生暖かい息を吐きながら手元にある王将の餃子５人前を貪る。
その姿はさながらエサにありついた豚のようだ。

エサを与えている老婆は、無論この豚の死を望んでいる。
昨夜も近所中に響き渡る「鳴き声」で恫喝されたばかりだ。
児童ポルノ所持で警察の不審者リストにも載ってしまったばかりか
過去には性犯罪による逮捕歴まである。
（こんな醜い人間を育ててしまった）
後悔と自責の念に苛まれながらも、その豚を恐れエサを与える毎日。
いっそ屠殺して自分も死のうか。何度そう思ったか分からない。
そんな彼女の心労も知らず今日も男は食い、犯し、喚く。
この世に地獄と言うものがあるのなら、まさにこの家がそう呼ばれるに相応しい。

豚は通称オ○○。本名をな○○○○○○じ。
後にネット会で最低最悪の悪名を轟かせる動物であった。