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プ ロ ジ ェ ク ト\ ヽ P r o j e c t X
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挑戦者たち /|_/ /\メンヘラーズ
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\/ \__ノ
(エーックス…)
(トモロヲの語り&オープニング)
『メンタルヘルス板』、時代がら、そこにはたくさんの人々が集っていた。
しかし、スレッドが増え続け、専門知識を求めるものの不満が高まった。
これは、危機に瀕した『メンタルヘルス板』を救うべく専門板(?)確立に
たちあがった人々の壮大な物語である。
(♪風の中のすばる 砂の中の銀河)
「メンヘラー語らいの場…」
<映像:メンタルヘルス板のロゴから下ヘスクロール>
(♪みんな何処へ行った 見送られることもなく)
「厳しいサーバ負荷」
<映像:落ちついて書き込みしてください画面>
( ♪草原のペガサス 街角のヴィーナス)
「チャット状態…」
<映像:24時間雑談スレッドのタイムスタンプ>
( ♪みんな何処へ行った 見守られることもなく)
「自殺関連スレッドの横行」
<映像:ネット自殺特集番組のオープニング>
(♪地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかり見てる)
「情報を探せ!」
<映像:「専門知識」をもとめ何時間もクリックを続ける厨房>
(♪つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を)
「へへー、おおそれながら」
<映像:籠の殿様に走りよる百姓:時代劇の直訴シーン>
(♪つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう)
「見えた! 専門知識の泉」
<映像:メンヘル板から次々と減っていく雑談系スレッド>
(タイトルバック)
『奇跡の追放劇、雑談スレッドを抹殺しろ』
〜メンヘル板よ永久に〜
(ゼンバタン)
今夜のプロジェクトXは、自らの欲望のまま
雑談スレッドの追放に尽くした2chネラーの物語です。
それでは当時の様子を振り返ってみましょう。
(トモロヲの語り)
平成15年6月2日、メンタルヘルス板へ、行った。
今日も大勢の参加者で混雑していた。マニアックで怖かった。
よく見ると、奇妙なスレッドが立っていた。
「メンヘルサロンはじめました」と、書いてあった。
目を、疑った。
「アホか」「馬鹿か」、そんな言葉が頭をよぎった。
「冷やし中華はじめました」じゃないんだぞ、そう、思った。
そして、お前達、たかが移転如きでスレッド立てるな、とも思った。
専門スレッド、専門スレッドと連呼するものが、いた。
「そのくらい本でも読めよ!」、思わず口から漏れそうになった。
自治厨も、いた。
病気をよそに自治論議。おめでたかった。
厨房の一人が「雑談スレッドは敵だ」といった。悲しい。もう、見ていられなかった。
思わず、「病者同士でなにやってんだ」、叫びそうになった。
メンヘル板は、もっとまったりとしているべきであるという、信念が、あった。
向かいに座った奴といつ雑談が始まってもおかしくない、癒すか癒されるか、
そんなメンヘル板の雰囲気がよかった。
殺伐専門バカは、すっこんでろ、偽らざる本心だった。
そして、ようやく、自分のいたスレッドが見つかった。よそのカテゴリーだった。(滅)
そのとき、ここまで追ってきた自治厨が、自治スレッドをここでも、たてた。
キレた。もう、限界だった。
自治なんてきょうび流行らない、得意げな顔で何が秩序だ、
怒りが込み上げた。
本当にメンヘルサロンのことを考えているのか、問いたかった。
問い詰めたかった。小一時間、問い詰めたかった。
ただウケがほしいだけではないかと、ただ自分の気にいらないものを排除したいのではないか、と。
メンタルヘルス板通の間での最新流行は、堅苦しくない情報交換、だった。
通のスレッド、雑談系。
実際、自治を、やるやつがいるとは聞いていた。
そのかわり、レスは少な目だった。
そして、参加者に背を向け板分割。これが、最強だった。
しかし、これをやると次から雑談屋に警戒されるという危険も伴った。
まさに、諸刃の剣、だった。
とても素人に薦められるものでは、なかった。
「情報価値のない雑談はかってにやってろ」、直訴した男の、最後の言葉だった。
(ゼンバタン)
ゲストをお招きします。自治厨さんです。
(クニイアナ)
雑談スレッドが氾濫したとき、どんなお気持ちでした?
(自治厨さん)
自分は、だめだめ...だと思いましたね。だけど、そういう状況を意に介さずに
「最凶の自治厨」に1歩でも近づかねば、
もっと削除依頼を出さねば、と痛切に感じました。
<テロップ:個人のプライバシー保護の為音声は変えて放送しています>
(ゼンバタン)
それでは、その後のプロジェクトです。
(トモロヲの語り)
快挙を成し遂げた、自治厨さん。
ネットにはいつも、専門知識がゲットできる板があった。
気にいらないものは消すので、レスは、少なかった。
<映像:削除依頼を大量にかけまくる自治厨さん>
そんなある日、突然事故に遭い、板にこなくなった。
訴訟だった。
その様子を聞いた、別の自治厨さん。
感銘を受けた。
『自治』の奥深さに、魅せられた。
自分のつけていた固定ハンドル名が、急に色あせて見えた。
コテハンを辞め、毎回、名無しで書き込むようになった。
削除依頼をやってみた、お父さん。
削除人に無視され、残った。悔しかった。
自分が信じられなくなった。
酒を飲み、荒れた。
家族の幸せを願って、家を出た。
山谷近くの公園で新しい生活を始めた。
今も、あの時の興奮を覚えている。
削除依頼の、お父さん。
反発してきた息子、成人式のアンケートの「尊敬する人」という設問に
父の名を、挙げた。
「自分の意志をごり押ししたおとうさんは、えらい」
家の床の間には、今でも当時の作文が掲げられている。
(♪語り継ぐ人もなく 吹きすさぶ風の中へ)
(♪紛れ散らばる星の名は忘れられても)
分割賛成さんには、肌身離さず大切にしていたお守りが、あった。
その中には、あの分割の日、勝利を誇示するスレッドの、ログが入っている。
(分割賛成さんの台詞)
我々の『自治』に賭ける意気込み全てを、私にくれた。って思ってますから
一生、お金、というのじゃなく、宝物としてずっと使わず持っていたいですね。
<テロップ:病院にはきちんと通いましょう>
(トモロヲの語り&エンディング)
「気にいらないやつは片っ端から削除依頼」
今でも、メンヘルサロン板では、この展開を想定した自治が連日行なわれている。
(♪ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない)
今日も2chの小さな世界で、ずっと閉ざされた部屋の明かりは自治厨さんを包みこんでいる。
(♪ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない)
(タイトルバック)
『奇跡の追放劇、雑談スレッドを抹殺しろ』
〜メンヘル板よ永久に〜