それが白紙になった。清原のトレード話がきたからである。時期は特定できないが、
フロントが突然「清原を取るつもりです」と言ってきた。これがおかしい。事前の相談
は一切なかった。ボクの球団構想に清原は入ってない。
球団が、清原のような大ベテランのスーパースターを獲得するのは、その選手が、チーム
にいい影響を与え、改革にプラスになる、という価値を認めた場合である。米国でもスカ
ウティングリポートでは、その影響力が二重丸で評価される。
清原は巨人で、はっきり答えが出た。あれだけの選手なのだから、醜態をさらしてもらいたく
ない、とも思う。その清原を「取る」というのは、商売のための客寄せ選手ということでは
ないか。清原は、もうしまいの選手である。読売のトップから押し付けられた、という話も
あったが、清原は、楽天を育てていくうえで大きな障害になる。ボクが伝えてきたこととは
相いれない。ボクは別の補強を意見したが、考慮されなかった。
何かが裏で動いたのだろう。ボクは楽天と縁を切ることにした。
楽天は、成績不振で田尾監督を解任した。が、今年の戦力でダレが勝てるか。戦前、専門家
は100敗すると予想した。そういう戦力を与えて、不振だから新監督を一年でクビにする。
こういう人事では球団は強くならない。監督は育たない。商売第一、儲け優先では、野球の
レベルも上がらず、日本のプロ野球界に展望を持つのは難しいと思う。