コンタクトレンズについての質問スレ (by system)
16 :
system ◆systemVXQ2 :
>>7 統計的検出力としては十分ですが、観察期間としては短すぎると言えます。ただし、角膜内皮変化は
(さまざまな調査結果から)酸素透過性不足によって起きると考えられており、シリコーンハイドロゲルでは
計算上酸素不足は起きないことと考え併せると、シリコーンハイドロゲルの場合、角膜内皮への影響は
無視できる〜非常に少ないと判断すべきでしょう。
>>8 1. CL後面の汚れや欠陥を除いて、方位性のないリング状のステイニングを生ずる原因は非常に少なく、
汚れや欠陥ではもっと明瞭なステイニング、主訴となりますから、用剤の使用と併せて、鑑別は容易だと思います。
2. したがって、典型的なドーナツ状ステイニングの場合、100%近く、ケア用品とCLの問題で生ずると考えられます。
3. 硬い、つまりモジュラス(ヤング率、弾性係数)が高いものに生じやすいと考えられます。例えばシリコーンハイドロゲル。
あとは、周辺部が厚めのデザインのレンズですね。
ブルーフリーフィルターなしで容易に認められるレベルのステイニングは要注意、自覚症状を伴うものや
染色なしで認められるレベルの角膜上皮障害は要対処と考えています。糸井先生、工藤先生あたりが
お詳しいでしょう。糸井先生は気さくに質問に答えて下さいますから、セミナーの時に質問されたら良かったと思います。
17 :
system ◆systemVXQ2 :2009/12/14(月) 17:48:07
>>10 多くの論文で、コンタクト上の点眼は悪影響を起こさないことが示されています。ただしニューキノロン系の
点眼薬は単体で、あるいは他の点眼薬との混合によって、pH変化による薬剤の析出が生じ、レンズの
白濁やレンズ上への薬剤の析出などが起きることが報告されています。酸性下で溶解濃度が高く、
中性化によって沈殿してしまうからです。これらの薬剤についてはコンタクト上の点眼は避けるべきでしょう。
また懸濁薬はもともと涙液中溶存濃度の変化がトリッキーであり、コンタクトの存在によって
さらにややこしくなる事が考えられます。これも避けるべきでしょう。
>>11 late staining のチェック、角膜知覚のチェックなどですが、そうでなくとも角膜潰瘍の形状や
周囲の角膜上皮の状態から容易に見分けがつくと思います。ですから、正直言って、コンタクトによる
角膜上皮障害を偽樹枝状角膜炎と診断したことはありませんし、迷った覚えもありません。例数はゼロです。
強いて近い形の角膜上皮障害を起こす条件を考えると従来型ソフトになるでしょう。
18 :
system ◆systemVXQ2 :2009/12/14(月) 18:12:00
>>13 免疫〜アレルギーは専門外ですが、臨床経験として。
抗ヒスタミン作用の有無によって使用時期を、とか言いますが、実際いろいろ使ってみて薬剤間に
明瞭な差があるとは感じられません。「メディエーター遊離抑制薬と抗ヒスタミン薬の併用」するぐらいなら、
非ステロイド抗炎症剤の併用の方がずっとましです。パタノールも最初期待しましたが、実感として
インタールと変わらない。むしろインタールの方が「しみる」分だけ評判がいいぐらいです。逆に、
パタノールについては涙液量の減少を報告する論文もありましたが、これも実感できた例はありません。
結局、実際の処方としては抗アレルギー剤(ひとまとめ)、非ステロイド抗炎症剤、低濃度ステロイド、
高濃度ステロイドの4つしかない、という印象です。抗アレルギー点眼は基本的には
対症療法ですから、自覚症状を必要十分軽減するまで投薬(単剤、あるいは併用)を行い、十分抑制した後は
当然漸減します。コンタクト装用を最小限にする、リスクの説明と不調時の対処を明確にするといった
当然の注意を除き、コンタクト非装用者への対処と変わりはありません。症状を抑制するのに十分な
強さの点眼から始めますから、必要があれば0.1%リンデロン点眼でも処方しております。