長野 田中康夫知事にアドバイスしよう(3)

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858「河川再生」への取り組み
「河川再生」への取り組み…欧米先進国の事例

国際シンポジウム「21世紀の公共事業のあり方を求めて」では、オーストリア・
オランダ・アメリカからの4人の講演者によって、それぞれの国内や地域で取り組まれて
いる「河川再生・湿地回復」の進行状況が次々に報告された。

アメリカでかつてインターナショナル=リバーズ=ネットワークの副代表を務め、
現在はリビングリバーズの理事長を務めているオーエン=ラマーズ氏。
グレンキャニオンダムは、貯水量330億トン・発電量は先のスネーク川にある4つのダムの
総発電量を上回る1350メガワットというアメリカで19番目に大きい規模のものだが、ダム
撤去の波はその巨大ダムにまで押し寄せていることが報告された。
実は45年も前にこのダムに反対する運動はあったのだが、当時は運動が盛り上がらなかった
そうだ。しかしその後、このダムの影響が上流のグランドキャニオンにまで及んでいることが
明らかになり、また、蒸発や地下への浸透によって貯水量の4倍もの水が失われていることも
明らかになった。
つまり、ダムを撤去したほうが水資源が豊かであるということがわかったのだ。しかも、
1983年には、雪解けと大雨が重なり、ダムのキャパシティーを超えた大量の水がこのダムに
流れ込み、それによってダム決壊の一歩手前まで行くという事態が発生し、砂地に建設され
た巨大なダムが大災害の元凶になり得るということもスライド写真を用いて報告された。
「巨大ダムがアメリカのエネルギーを支え繁栄をもたらしてきたことは事実だが、持続的な
発展を望むならばエネルギーの消費を抑える方策を真剣に探るべきであり、アメリカでも
ヨーロッパでも、世論は自然保護はあたりまえという認識で一致している。そして世間の
関心は『いつやるか』に向けられている」と、ラマーズ氏はこの日の講演を結んだ。
http://kjc.ktroad.ne.jp/001217repo.html