指定管理者制の評価者、評価される側(財団法人浦安市施設利用振興公社)から現金数百万円
公共施設の運営を民間業者などに任せる指定管理者制度をめぐり、文部科学省が所管する財団法人の主任専門委員が、
運営能力の評価に関わった千葉県浦安市の外郭団体から「助言料」として、約4年間で計数百万円を受け取っていたことがわかった。
評価される側から金を受け取っていたことになり、財団法人側は「公正性に疑念を抱かれる」として、評価業務を4月から中断している。
主任専門委員の男性は、財団法人「日本体育施設協会」(東京都新宿区)内の組織「スポーツ施設研究所」に所属。
指定管理者の運営・管理能力の評価に必要な調査をしたり、資料を作成したりする立場だった。
助言料を渡していたのは「浦安市施設利用振興公社」。同市内のスポーツ・文化施設の管理・運営を任されている。
また、主任専門委員は、指定管理者の選定委員を務めた東京都狛江市の非公開文書を同公社に渡していた。
文書には、狛江市の指定管理業務の受注に成功した団体の提案書なども含まれていた。
狛江市教育委員会は「守秘義務違反にあたる可能性がある」としている。主任専門委員は浦安市の選定委員は務めていないという。
朝日新聞の取材に対し、主任専門委員は助言料を受け取っていたことを認め、
「公社に不定期に出向いて質問に答えていた。評価に手心を加えたつもりはないが、疑念を持たれても仕方がない」と説明した。
同公社は「委員から指定管理者制度の現状や他市の情報などを提供してもらった」としている。
同公社は指定管理者制度が始まるまで、浦安市の公共施設の運営業務を独占的に受注し、年間10億円以上の収入を得てきた。
制度導入に伴い、民間との受注競争に備える必要があったという。同協会は主任専門委員から聞き取り調査を複数回実施。
評価業務を中断する一方で、再発防止に努めるとしている。(赤井陽介)
http://www.asahi.com/national/update/0615/TKY201106150260.html