5法人へ貸付金1泊2日返済で赤字隠し 大阪府、計850億円
大阪府が財政赤字を隠すため、5つの出資法人への貸付金を年度末の3月31日にいったん全額返済させて歳入とし、新年度の4月1日に改めて貸し付けていたことが8日、府の包括外部監査で分かった。
返済が困難な法人は3月31日と翌日の2日間、金融機関から借り入れ、帳尻合わせをしていた。1泊2日の借入でつなぐことから府庁内ではこの手法を「オーバーナイト」と呼んでいたという。
府は平成20年度決算で11年ぶりの黒字を計上したが、試算によると、一時返済がなければ約850億円の赤字だったという。
監査結果報告書などによると、赤字隠しにかかわったとされるのは、府育英会、大阪産業振興機構、府産業基盤整備協会、府土地開発公社、府住宅供給公社の5法人。
府は5法人への貸し付け方法を10年度以降、長期から短期(1年)に変更した。出資法人側は一時返済に伴い、資金を金融機関から借入したため、約750万円の余計な利息負担をしており、監査では「不当な操作」と指摘した。
府は今後、長期借入に切り替えるなどして改善を図るといい、橋下徹知事は「どこの自治体でもやっていることだが、こういう手法を許す公会計制度がおかしい」と述べた。
報告書はこのほか、府が出資法人への土地貸付額を見直すことなどで約84億8千万円の財政改善効果があると指摘している。
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100208/lcl1002081449002-n1.htm
大阪府ずさん財政運営、次々露見 対応追われる橋下氏
出資法人への貸付金を一時返済させ一般会計決算を黒字と見せ掛けていたことが、8日に明らかになった大阪府。
基金から「借金」の形で繰り入れたり、今後巨額の損失が顕在化する可能性の高い企業会計があったりと、露見するのはずさんな財政運営の実態ばかり。
怒り心頭の橋下徹知事は「府庁も府議会も今まででたらめな財政運営をやってきた。粉飾、粉飾の繰り返し」と述べつつ、対応に追われている。
新たに判明した、長期貸付資金を3月31日に一度返済させ4月1日に再び貸す手法。府財政課によると1998年度ごろから5法人で始め、歳入が多くあるように見せていた。この手法を使わないと財政再生団体に転落すると試算されている。
基金の借り入れも98年度ごろにスタート。
当時、府の法人2税収入はピークの89年度の約8千億円から約半分に減少しており、苦肉の策として、文化振興や福祉など特定の目的のために積み立てた7基金から約6600億円を借り入れてしのいだ。
その結果、基金の残高は名目では計8千億円以上あるが、実際には一般会計で既に使ってしまったため計約2千億円しかない。
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020801000837.html
貸付金一時返済で黒字に 大阪府、包括外部監査「不当な操作」
大阪府が財政赤字を隠すため、5つの出資法人への貸付金を年度末の3月31日にいったん全額返済させて歳入とし、新年度の4月1日に改めて貸し付けていたことが8日、府の包括外部監査で分かった。
返済が困難な法人は3月31日と翌日の2日間、金融機関から借り入れ、帳尻合わせをしていた。1泊2日の借入でつなぐことから府庁内ではこの手法を「オーバーナイト」と呼んでいたという。
府は平成20年度決算で11年ぶりの黒字を計上したが、試算によると、一時返済がなければ約850億円の赤字だったという。
監査結果報告書などによると、赤字隠しにかかわったとされるのは、府育英会、大阪産業振興機構、府産業基盤整備協会、府土地開発公社、府住宅供給公社の5法人。
府は5法人への貸し付け方法を10年度以降、長期から短期(1年)に変更した。出資法人側は一時返済に伴い、資金を金融機関から借入したため、約750万円の余計な利息負担をしており、監査では「不当な操作」と指摘した。
府は今後、長期借入に切り替えるなどして改善を図るといい、橋下徹知事は「どこの自治体でもやっていることだが、こういう手法を許す公会計制度がおかしい」と述べた。
報告書はこのほか、府が出資法人への土地貸付額を見直すことなどで約84億8千万円の財政改善効果があると指摘している。
http://www.sankei-kansai.com/2010/02/08/20100208-020239.php
大阪府:決算、実際は赤字 08年度、852億円 会計操作10年以上
橋下徹知事の財政再建策により11年ぶりの黒字決算になったとされた大阪府の08年度一般会計が、実際は852億円の赤字だったことが8日、府包括外部監査人の指摘で明らかになった。
出資法人への単年度の貸付金を一時的に回収する会計操作が行われていたためで、監査人は同日、是正を求めた。
こうした会計操作は税収不足を取り繕うため10年以上続いており、府は10年度予算で、一部を金融機関からの融資に切り替える方針だ。
問題とされたのは、府育英会や土地開発公社など5法人への貸付金1192億円。3月31日に全額回収し、翌4月1日に同額を貸し付けることで、一般会計の歳入を水増しする形になっていた。
監査人は、この貸し付けが「長期貸付」に当たると指摘。法令違反はないが「歳出入の数値が操作されており不当」と是正を求めた。
返済がなかった場合、貸付金は歳入から未収金の扱いとなり、08年度決算は103億円の黒字から852億円の赤字になると指摘した。
府によると、貸し付けは98〜99年度に長期から単年度に切り替えた。「税収減で赤字が膨らみ、『財政再建団体』に転落するのを避けるため」(府財政課)のやりくりだった。
法人側は、一時返済のため複数の都銀から多額の資金を2日間借り入れ、利息750万円を負担していた。
府は08年末の財政運営の見直し策で、単年度貸し付けを「当面は必要最小限なもの」に限ることを決めた。
10年度予算案で、3法人への貸付金を、府が債務保証した上で金融機関の融資に切り替える方針。必要に応じて利子補給などの支援を行う考えだ。【竹島一登】
http://www.mainichi.jp/kansai/hashimoto/news/20100208ddf001010026000c.html
大阪府、財政84億円改善可能――外部監査結果公表、出資法人の余剰金寄付や繰り上げ返済で
大阪府の包括外部監査人は8日、府の出資法人に余剰金の寄付や貸付金の繰り上げ返済を求めることで、府の財政を84億8400万円改善する効果が期待できるとする監査結果を公表した。
年1回行う同監査は今回、府が出資する140法人(2009年3月末時点)を対象に調査。
監査人は、財団法人大阪府タウン管理財団など7法人の余剰金のうち約35億円について、「府の財政状況を踏まえれば府に還元すべきである」などと指摘した。
また、大阪府育英会など5つの指定出資法人への貸付制度(08年度の貸付総額は約1193億円)についても是正を指摘。
財政難の府は1998年度末から、長期貸し付けを単年度貸し付けに変更。貸付金を年度末にいったん返済させて再び翌日に貸し付け、歳入不足を表面化させないようにしていたことが判明した。
橋下徹知事は8日、記者団に「こうした単年度貸し付けを許すような公会計制度がおかしい。でたらめな財政運営は禁止すべきだ」と批判。
府財政課は、育英会など3法人については2010年度から単年度貸し付けを廃止し、民間金融機関から借り入れさせる方針。ほか2法人も今後廃止する。
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news007549.html
「財政の数値操作は不当」外部監査人 大阪府出資5法人
大阪府の包括外部監査人の中西清公認会計士は8日、府出資法人に対する監査結果を公表した。年度末に五つの出資法人に貸付金を返済させ、年度明けに再び貸す府の会計処理を問題視し、「財政の根幹となる数値の操作は不当」と指摘した。
この手法をとらなければ、府が「黒字」としていた2008年度決算は約853億円の赤字だったという。
問題の5法人は府育英会、府土地開発公社など。府は決算上の歳入不足を穴埋めするため、98年度から5法人への長期貸し付けを単年度ごとに変更し、年度末に法人に貸金を返済させる手法を始めた。
法人側が返済日と翌日の2日間だけ民間から借りて資金をつなぐ手法は、金融業界でも使われる「オーバーナイト」という言葉で呼ばれていた。
中西監査人は「ただちに是正すべきだ」と意見し、是正していれば、08年度決算の実質赤字比率は、地方財政健全化法の財政再生基準5%を上回り、「財政再生団体」に指定される5.55%と算定した。
出資法人に貸す際の統一的な審査基準が府にない点も問題視。貸付期間や利率も部局の判断任せで「不明瞭(ふめいりょう)」とした。
さらに出資法人へ貸し付けの大半が無利子なのは「実質的な利子補給」と指摘。その総額が約37億円に上るとして「補助金並みのコントロールが必要」と述べた。
府は新年度以降、法人への単年度貸し付けを原則廃止する方針。(池尻和生)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201002080047.html