大阪市立近代美術館設立 あり方検討委が提言
基本計画策定から10年以上宙に浮いたままの大阪市立近代美術館設立をめぐり、外部有識者らでつくる近代美術館あり方検討委員会(委員長・河本信治京都国立近代美術館学芸課長)は22日、
市民らが運営主体を担い、散歩感覚で楽しめる「新たな美術館像」を打ち出した提言を市に提出した。
市は、「大阪市立近代美術館(仮称)基本計画」を1998年に策定し、ビジネス街で文化施設も集中する中之島地区(北区)に建設用地を確保。すでに収集した美術コレクションは4400点を超えるが、厳しい財政状況などを背景に計画は進んでいなかった。
検討委は、従来の「ハコモノ」型計画では「持続可能な美術館として機能するのは不可能」と分析。美術館に興味のない人も空間や機能を散歩感覚で楽しめる整備手法を提案した。
敷地や施設内を貫く空間を設け、歩行者が楽しめるとともに、美術館機能やNPOの活動拠点、教育活動と連携できる場所にするよう強調。そこから展示空間や作業現場も見え、館の内外を融合させる工夫を求めた。
運営については、市民やNPOを中心に、美術館活動全体をコントロールできる組織を立ち上げ、運営姿勢や評価基準を外部に向けて発信する体制を提案。また、美術館と周辺施設が連携し、文化ゾーンを形成して地域の環境価値を高めるよう提言した。
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/100123/20100123030.html
大阪市の近代美術館計画:平松市長、16年度完成へ意欲 募金も /大阪
◇「100億円集めたい」
大阪市の平松邦夫市長は22日、北区中之島を予定地にした市立近代美術館構想について「先頭に立って募金もやりたい。100億円ぐらいは集めたい」と述べ、財源に寄付を募るアイデアも表明し、実現に強い意欲を示した。
専門家による検討委が同日、新たな美術館のコンセプトを答申。平松市長は「信任を得られると思って突き進みたい」とした。
同美術館は市制100周年記念事業で83年に計画され、モディリアーニや佐伯祐三らの絵画など約4400点を収集(購入はうち約1000点)。
98〜03年にかけ159億7000万円で国有地も購入し、98年に整備費280億円の基本計画を策定したが、財政難のため、宙に浮く状態が続いていた。
平松市長は08年12月に建設方針を表明。新年度予算に調査費を計上し、10年度内にも、コンセプトに基づき、規模を縮小して美術館の基本計画を作り直す。
寄付を集めるため、全国でキャラバン展示会なども実施する考え。完成・開館は早くても16年度になる見通し。【石川隆宣】
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20100123ddlk27010369000c.html