◇「選択と集中」
国内の港湾をめぐっては、シンガポールや香港、上海といったアジア主要港がコンテナの取扱量の世界上位を占めるなか、神戸をはじめとする国内港湾の世界的地位が急速に低下。
その強化策として選定されたのがスーパー中枢港湾で、東京湾(東京港、横浜港)、伊勢湾(名古屋港、四日市港)、阪神港(神戸港、大阪港)の3湾6港が指定されている。
国交省は船舶の大型化などに対応するための環境整備として、さらに重点港を選ぶなど、「選択と集中」を進める方針。スーパーを上回るという意味で「ハイパー中枢港湾」などと呼ばれている。
関係者によると、これまで東京湾、伊勢湾もハイパー中枢港湾の選定に向け協議会を設立するなどの準備を進めているほか、福岡、新潟などでも公募に向けた動きがあるという。
◇橋下知事意欲
大阪府の橋下徹知事は「日本を成長させるためにエンジンは2つ必要。首都と関西圏に港湾も空港も必要だ。国家的に見て、関西では阪神港しかない。
申し訳ないが、日本のために中部は譲ってほしい」と、ハイパー中枢港湾の選定に向け意欲を示している。
阪神港を成長させるための戦略として、大阪府では物流ネットワークの強化と先端産業の拠点化を目指す取り組みを充実させる構想を掲げており、
今後、成長が期待できるリチウム電池や自動車用電池といった電池産業などに着目。
大阪市の埋め立て地「夢洲」を先行開発地区とし、環境・新エネルギー産業の集積を図り、約2700億円の設備投資と3200人以上の雇用創出を目指すという。(2010年1月 5日 07:10)
http://www.sankei-kansai.com/2010/01/05/20100105-018888.php