◇資金調達の壁 「環境」で活路
スタジアム構想を巡っては昨年12月、日本サッカー協会の田嶋幸三専務理事と鬼武チェアマンが大阪市の平松邦夫市長を訪ね、実現に向けて協議していくことで合意した。
構想の背景には、日本が目指す2018、22年のW杯招致がある。国際サッカー連盟(FIFA)は現在、W杯の開幕戦や決勝戦の開催に8万人以上のスタジアムを求めているが、
国内にはなく、「実現すれば、招致に追い風となるのは間違いない」(田嶋専務理事)と同協会は意気込む。
ただ、事業主体や、数百億円とされる資金の調達方法は未定のまま。財政難の大阪市に事業費負担の余力はなく、平松市長が「先立つものがなく、乗り越えなければならないハードルが多い」と言うように実現への道筋は険しい。
市は今後、国立競技場としての建設を国に働きかける方針だが、事業仕分けなどで歳出削減を図る民主政権下での実現を不安視する声も多い。
平松市長は「未来産業と言われる環境ビジネスに結びつく方向性が出れば、国も拒否しにくいのでは」と話しており、「環境」を前面に押し出し、活路を見いだしたい考えだ。(2010年1月5日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100105-OYO1T00403.htm?from=top http://osaka.yomiuri.co.jp/photo/20100105-807586-1-L.jpg