■府市連携
破綻した市の3セクビルを府が買い取るWTC庁舎は、「府市連携」のシンボルでもある。
現在、港湾局や水道局など七つの市部局(約1950人)のほか、市関係の9団体(約260人)が入居。市は、隣接する市の第3セクター・アジア太平洋トレードセンター(ATC)に移す。
このため府内部には「市部局と連携する府部局を移転させるべきだ」との意見が強く、水道部や商工労働部などが有力候補に挙がる。
担当者が「まるで難解なパズルだ」と頭を抱える一方、橋下知事はこう話す。
「戦略的にどの部局を移していくか。ものすごく面白い知的創造作業だ」
■第2知事室
橋下知事は読売新聞の取材に対し、「週3、4日は僕も詰めますよ」と語り、自らの執務スペースをWTCに確保する考え。
各部局が政策や課題などを知事に説明する「知事レク」は1日平均5回。橋下知事は「民間では、テレビ会議も普通。ここにいるときは、ビル内の部局と話をすればいい」と話す。
また、橋下知事は「外国からの賓客は、ここで接遇したい」とも言い、西日本一ののっぽビルを“迎賓館”としても利用する考えだ。
一方、買い取りを認めた府議会は「知事の好き放題になるのではないか」(ベテラン府議)と懸念する。
知事与党の自民党府議は「知事は移転条例案が否決された重みを受け止めるべきだ。しっかりと議論し、知事の勝手にはさせてはいけない」と話し、警戒感を強めている。
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/h_osaka/20091125-OYO8T00795.htm