大阪WTC:府庁移転 府議会議場に平松市長「力合わせ未来を」−−意見交換会
大阪市の第三セクタービル、WTC(大阪ワールドトレードセンタービルディング)への大阪府庁舎移転構想を巡り、
平松邦夫市長は21日、府議会本会議場で共産を除く府議との意見交換会に臨み、「府と市が力を合わせ未来を切り開いていく中心を担ってほしい」と移転を訴えた。都道府県議会の議案に関し市長が出向いて説明するのは極めて異例。
議事録の残らない非公式会合で、民主、自民、公明、自民党・維新の会の4会派が「市の意向を直接確かめるべきだ」と招請。移転反対の共産は「根回しに過ぎない」と不参加。
平松市長はまず、「視点をアジアに広げ、進取の気風あふれる大阪精神を生かすべきで、その象徴が府庁移転」と強調。産業振興部門や府市連携の担当部局をWTCに隣接するアジア太平洋トレードセンター(ATC)への移転方針も示した。
4会派側から「移転時までに具体化する夢洲(ゆめしま)・咲洲(さきしま)地区の活性化策は何か」「財源は」など6項目の質問があった。
府・市・経済界で短期的に取り組む企業誘致などの活性化策について、平松市長は「12年度末までに半分程度の項目は実現させる」と表明。
鉄道・高速インフラの整備など中・長期的な課題は、「府・市・経済界で受益と負担に見合った制度創設に取り組む」とするにとどめた。府議からは一定の評価のほか、「具体性が不足している」との感想もあった。
橋下徹知事は開会中の府議会に、移転条例案とWTC購入予算案の2案を提案しており26日にも採決の予定。
一方、府庁移転構想に関し、貝塚市の吉道勇市長らが府内27市長の連名で午後、「自分の主張のみを正当化するかたくなさが事態を複雑化している」と慎重な対応を求める要望書を知事に提出した。【石川隆宣、福田隆】
http://mainichi.jp/kansai/news/20091021ddf001010004000c.html