■視点
◇あるべき姿、徹底議論を
3月の府議会でWTCへの府庁舎移転案が否決された際、「大阪市の本気度が見えない」ことが理由の一つに挙げられた。15日の協議会は「本気度」を示せたのか。
橋下徹知事は協議会を終えて「(大阪)市長がリーダーシップを取り、府と経済界も動き出した。これまでと違う」と手応えを語った。
しかし、この場で出た経済特区案や企業誘致は国の協力を引き出す必要があったり、実現性が不透明であるなど、府議会を納得させる力を持つものか疑問符が付く。
府議会内には元々「大阪市が失敗した開発の尻ぬぐい」という思いが根強く、再挑戦にも「3月と状況が変わらない」と否定的な意見が多い。
橋下知事は堺市長選(27日投開票)で政党「相乗り」候補の対立候補を推し、反発を招くなどあつれきを生んでおり、府庁舎移転案の見通しは予断を許さない。
政治的対立に終始するのではなく、あるべき府庁舎像をめぐる本来の徹底議論を期待したい。【福田隆】
http://www.mainichi.jp/kansai/hashimoto/news/20090915ddf041010020000c.html