河村たかし市長、就任半年 「市議会解散」へ始動
28日で就任半年を迎える名古屋市の河村たかし市長が、「市議会の解散」に向けて動き始めた。「河村改革」に反対を重ねる市議会に業を煮やし、
解散請求(リコール)に必要な約36万5千人分の署名集めの準備を関係者に要請した。市民の支持に自信を持つ河村市長は市議会と徹底抗戦の構えだが、
支持者からは「そこまで突っ走って良いのか」と慎重論も出ている。
「行き詰まったときにワシがどうするか、腹の中では秘策を練っておる」。22日から書店に並び始めた河村市長の著書「名古屋から革命を起(おこ)す!」
には、市議会の反対で公約を達成できなかった場合の対応について、意味深長な言葉で書かれている。
関係者によると、この秘策が政令指定市では前代未聞の「リコールによる市議会解散」という。
背景には、就任半年にして「河村改革」が行き詰まっていることがある。9月議会では「市民による議場での3分間スピーチ」「塾経営者の教育委員への
登用」と、河村市長が提案した政策が立て続けに市議会から「ノー」を突きつけられた。2大公約である「市民税減税」「地域委員会」についても慎重論が
根強く、先送りの姿勢が見え始めている。
15日の市議会からの「申し入れ」も後押しした。減税条例案を審議する市議会の財政福祉委員会が「審議中の案件なので、減税実現が既成事実であるかの
ような広報を議会の了解なしに進めないように」との趣旨で副市長に申し入れをした。
申し入れを受け、河村市長は緊急の記者会見を開き、「市長にしゃべるなというのは民主主義の崩壊だ」と市議会にかみついた。市議会側は「市長に
『しゃべるな』とは一言も言ってない。批判はお門違い」と反発するが、河村市長は申し入れを受けてから周囲に「いよいよだ」と漏らしたという。
http://www.asahi.com/politics/update/1026/NGY200910260001.html