斉藤洋三・鹿児島県阿久根市長
◇行財政改革で生き残り目指す
行財政改革の先進都市としても知られる鹿児島県阿久根市(2万4600人)。
その基礎を築いた斉藤洋三市長(さいとう・ようぞう=71)は1996年9月の市長
就任時に、「市の財政状況を正直に出してほしい。そうしないと市長として政治判断
を誤る」と市職員を前に述べた。その一方で、県には財政課長ポストへの人材派遣を要請。
財政課長には「1年間ですべての数字を掌握してくれ」と求めた。
当時について斉藤市長は、「1年という時間をかけて洗いざらい出てきたが、この結果、職員も住民も危機感を持った。
夕張市の問題よりも前の時点だ」と振り返る。
借金体質をどう変えるかが課題として浮き彫りになった。次から次へと手を打っていく。
不採算の国民宿舎の民間委託を進める一方、組織改革にも取り組み、27課を19課に削減。
「結果が良かったこともあって、やればできるんだという気持ちが職員にも出てきた」と話す。
ところが平成の大合併では、2市4町の枠組みで合併を進めてきたものの、同市だけが周辺から取り残された。
「近隣市町から『阿久根は行革を厳しくやっている』と警戒され、単独のまま今に至っている。
かつては4万人強だった人口も今は2万5000人。これからは人口規模も20万、30万なければ行政コストは削減できないだろう」と残念そうだ。
http://www.melma.com/backnumber_82511_4071522/ >>726 交通上の谷間―斉藤洋三市長は自らが舵を取る阿久根市を
こう表現する。3月13日の九州新幹線部分開業により沿線5市で
唯一、新幹線駅がない市となったためだ。しかし、そう語る市長の
表情に、悲観的な様子はない。「時代の要請にあった新たな
集客ソフトの創出により、市経済を活性化したい」と前向きだ。
お寺の住職というユニークな職歴を持つ斉藤市長の、現実を
直視して最適な市政運営を模索するという方針が垣間見える。
「自然と人が共生するまち」実現に向けた市政運営方針を聞いた。
http://www.kyushu01.com/01/0406/0406-078.html 斉藤洋三
1959年中央大経済学部卒。60年大谷専修学院卒業後、
同年5月、浄土真宗大谷派明信寺住職に就任、90年11月の
退任までおよそ30年間務める。この間、76年には社会福祉
法人顕浄会理事、77年には盲養護老人ホーム「蓮の実円」
園長も兼務。96年9月、阿久根市長に初当選。2000年9月から
2期目。阿久根市出身、1936年11月7日生まれ。