関空強化策、国交相が橋下知事に約束──財務、アクセス改善や国際物流基地の整備
大阪府の橋下徹知事は20日、国土交通省を訪ねて金子一義国交相と会談した。金子国交相は焦点の関西国際空港の強化策について、空港会社の財務構造改善や都心部からのアクセス向上などに積極的に取り組む考えを表明した。
橋下知事は府側の要求に沿った内容として一定の評価を示したが、財源や実施時期は盛り込まれていないため実現には不透明感が残る。
会談終了後、橋下知事は報道陣に対し「関空は国の空港であり、関西再生の中心となるインフラであると国交相は明確に認めた」と強調。
相次ぐ減便に悩む関空の「救済」には慎重だったものの、「(国が策定する)関西再生ビジョンの中で関空の機能強化策を盛り込むことを約束していただいた」と話した。
国交省が橋下知事へ示した関空強化策によると、関西の主要プロジェクトとして、大阪・梅田と関空を30分台で結ぶ鉄道、
なにわ筋線の建設など空港アクセスの利便性向上に取り組むほか、大阪ベイエリア地区をアジアの一大物流拠点と位置付け、関空に低コストの国際物流基地を整備する方針を盛り込んだ。
また、巨額の有利子負債を抱えている関西国際空港会社についても、財務構造の抜本的な改革を図る方針を伝えた。
関空会社は空港島の造成に始まる1兆5000億円もの1期事業費の7割を借入金などで調達した。結果として、現在でも1兆1200億円近い有利子負債を抱え、「グループの利息の支払いに年間260億―270億円を要する」(村山敦社長)厳しい財務状況にある。
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news005134.html