橋下徹大阪府政を語ろう Part8

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773名無しさん@お腹いっぱい。
【パッチワークの島】(1)関西ベイエリアの未来は

大阪港に浮かぶ3つの人工島。下から咲洲、中央に夢洲、右上が舞洲=本社ヘリから「不合理」な街どこへ

 大阪府の橋下徹知事が打ち出した「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC)への府庁移転構想で注目される大阪市のベイエリア。
埋め立て地で構成されるこの地域は国内有数の国際コンテナ港や日本最大のフェリーターミナル、西日本最大の見本市会場もあり物流やイベントに欠かせない。
だが、バブル時代に手がけたプロジェクトの失敗もあり、実情は「その場しのぎのパッチワーク」とも言われる。この地を活性化し関西再生につなげることは可能なのか。現場から考えたい。

 ■ノーサンキュー

 「おはよう」。ベイエリアの咲洲にある市営ニュートラム、コスモスクエア駅で小学生たちがあいさつを交わしていた。いずれも駅前のベイエリアマンションに住む児童たちだ。
市立小学校に登校するため、毎朝、駅で待ち合わせをしている。マンションから小学校まで2キロと離れていない。
通常なら徒歩通学だが、通学路は赤字で閉鎖された市のワインミュージアムや空きビル、雑草だらけの空き地の間を通り、人の気配がほとんどないため、各家庭が交通費を負担してニュートラム通学している。

 当初の市の計画では、最先端産業を集める予定だった咲洲。ところが、計画が頓挫し売れ残った土地を処分するため、市は平成16年からマンション建設を認め、現在も600戸のマンション群の建設が進む。
送迎バスで子供をマンションから幼稚園に送り出した母親は「府庁がWTCビルに来るのは、どちらかといえばノーサンキュウ。ますます不便になりそう」という。
774名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 00:29:24 ID:???
 ■トレーラー渋滞

 この地域の幹線道路では、コンテナ埠頭(ふとう)で荷受けするために集まるトレーラーが慢性的な渋滞を作る。
大阪府トラック協会海上コンテナ部会の吉川公滋部会長は昨年12月、渋滞は行政の不作為が原因として法的措置も辞さないとする異例の抗議文を市港湾局に突きつけた。
吉川部会長は「ここでは港湾機能も物流も商業施設も人の生活もなんでもかんでもごちゃごちゃになっているんです」と憤る。

 埋め立てた土地を売ることで、このエリアを作ってきたのは市港湾局。市幹部でさえ「市のなかでもっとも不合理な事業」と評するこの地域に、府はこれまで、興味を示すことは全くなかった。
ところが昨年8月、事情は変わった。橋下知事が咲洲にあるWTCへの府庁移転構想をぶちあげたからだ。橋下知事は「関西再生の光が見えた」と府庁移転先として絶賛。
大阪市の平松邦夫市長も歓迎の意思を示した。しかし移転に必要な府議会の3分の2以上の同意は難しく、構想は正念場を迎えている。

 ■問題の始まり

 伊藤忠の元副社長で、昨年までWTCのとなりにある商業施設「アジア太平洋トレードセンター」(ATC)を運営する市の第三セクター社長を務めた秋本穣氏は「橋下知事が、WTCを買収して問題の大半が解決するように考えているなら大きな間違いだ。
WTCは不合理の極みにあるこの島の問題の始まりに過ぎない」という。

 そのうえで、秋本氏は経営者として大阪ベイエリアを見続けた視点から、こう期待も話した。

 「関西は今、国際的には完全に取り残され、国内でも名古屋の後塵(こうじん)を拝し、このままでは福岡にも負ける。関西にとって中心にある大阪港やベイエリアの機能は極めて大切だ。
これだけの立地条件がある土地を官民で合理的に開発、運営することができれば、関西再生のラストチャンスになり得る」

http://www.sankei-kansai.com/2009/01/27/20090127-005701.html
775名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 00:29:32 ID:???
【パッチワークの島】(2)お台場と南港 異なる軌跡たどった2つの新都心

 大阪南港・咲洲にある高級ホテル「ハイアットリージェンシー大阪」の悩みは、目の前の道路に横断歩道がないことだ。
宿泊客や従業員の多くが隣の大阪ワールドトレードセンターの銀行やコンビニエンスストアを利用するため、中央分離帯を乗り越えて道路を渡る。

 ホテルは横断歩道をつけてほしいと要望をしているが、縦割り行政に阻まれ、実現は難しい。街作り担当が横断歩道の設置に理解を示しても、交通や安全を担当する部署は別だ。

 「回遊性が高まれば、街全体にとっていいことだと思うのですが…」と谷口俊司社長。ある窓口で相談すると担当者は「それなら中央分離帯の植え込みをもっと高くしなければ」と真顔で話したという。

 ベイエリアの街作りを主導してきた港湾局は今、過去の事業の後始末と用地を売らなければ資金ショートする厳しい財政状況に翻弄(ほんろう)され、リーダーシップを失っている。

                  ◇

 最初の第三セクター事業「海遊館」の成功に沸いていた十数年前の港湾局は違った。市幹部OBは「バブル時代の港湾局は大阪市の関東軍だった。
何しろ金を持っていた。海底トンネルで出入りするなにわの海の時空館なんかは、よう作りよったと当時も思ったが今さら批判するのは気が進まない。『おかしい』という雰囲気は当時、市にはなかった」と振り返った。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/216535/
776名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 00:29:42 ID:???
【パッチワークの島】(3)関西ベイエリアの未来は

国際見本市会場 「活性化し再建の切り札に」

 大阪府の橋下徹知事は昨年4月17日、東京ビッグサイトの見本市会場にいた。
府内43市町村の首長との意見交換会で財政再建への協力を呼びかけ、「涙」を見せた日の午後のことだ。見本市の主催者である企画会社「リードエグジビションジャパン」の石積忠夫社長の著書を読み、自ら希望しての視察だった。

 3日間で一流企業から5万6000人余りを集めた見本市のにぎわいを見た橋下知事は視察後、石積社長の口癖「ひょっとしたらできるかもしれない」を引用し「明日から頑張る」と話した。
関西経済の活性化のため、大阪南港・咲洲に府庁を移し、大規模な見本市会場設置に意欲を示し始めるのはそれからだ。

 現在、咲洲には、約7万平方メートルの国際見本市会場「インテックス大阪」がある。開設者は大阪市だ。広さは東京ビッグサイト、幕張メッセに継いで国内3番目で関西最大。
ベイエリア地域の重要な集客施設だが、全体の入場者数は減少が続き、面積稼働率はわずか20%(平成18年度)に過ぎない。

 ■行政が支え成功

 世界最大の国際見本市会場があるドイツ・ハノーバー市。27館、約50万平方メートルに及ぶ広大な展示場があり、年間60?70の見本市が開催される。
大規模イベントのたびに人口50万人の都市に20万人規模で人口が増え、レストランやスーパー、銀行、警察署まで設置される。
見本市チケットは有料だが、期間中の公共交通機関は無料。ホテルが少ないため、催しが行われている間、一般家庭が民宿のように来場客を受け入れる仕組みもある。
777名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 00:29:49 ID:???
 見本市の主催者であるドイツ産業見本市社の株主は、ハノーバー市とニーダーザクセン州で、民間資本は入っていない。つまり、行政が見本市を徹底して支え、民間が集う仕組みが確立しているのだ。
「本当の意味で官民一体が成功のポイント」と同社日本代表部の樋渡知博代表がいう。そして「今や見本市の効果は日本より中国や韓国の方がよく知っていて国際競争は激化している」とも述べた。

 ■簡素でも大規模に

 インテックス大阪の広さは世界100位。規模も運営方法もハノーバー市の見本市と比べるべくもない。大規模な国際見本市の開催は設立以来数回だけで、平成7年以降開かれていない。
「いくら大風呂敷を広げても大阪では海外の見本市のような来場者は望めない」(市幹部)。市は規模拡大には消極的だ。

 だが、そのインテックスでも毎年活況を呈する見本市がある。冒頭のリード社が主催する『関西機械要素技術展』だ。素人受けはしないが、むしろ専門性に活況の鍵がある。
3日間で100?200人規模の有料セミナーも20回前後開催され、来場者の滞在時間が長く、会場内のレストランも「同規模のイベントに比べ売り上げも2、3倍違う」という。

 石積社長は「大阪の多くの見本市の現状は、本当の努力をしたことがないのに、最初から無理と言っているように感じる。不況のいまこそ見本市産業の育成は経済復活の切り札。
第一歩は今すぐ簡素でも大規模な見本市会場を造ることだ。国内でも見本市の夜は明けつつある。誰もやっていないからこそ可能性があるんです」と話した。

http://www.sankei-kansai.com/2009/01/29/20090129-005808.html
778名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 00:30:09 ID:???
【パッチワークの島】(4)港の役割分担どう線引き

 大阪港に限らず、日本の港湾の置かれた状況は厳しい。世界の物流がコンテナ船中心になり、上海や釜山などアジアの港が取扱量を伸ばすなか、60以上の国際コンテナ港が点在する日本は大きく立ち遅れた。
国内の主要5港の取扱量をすべて集めても及ばない大規模港がアジアに相次いで出現している。平成14年に立案され、東京湾、伊勢湾、大阪湾の港が対象になった国のスーパー中枢港湾構想にはそんな国内港の競争力を強化する狙いがあった。

 大阪市は今年を大阪港の変革の年と位置づけてきた。夏、夢洲と咲洲を結ぶ夢咲トンネルが開通し大阪港の3つの人工島が初めて直接結ばれる。秋には、夢洲で最新のスーパー中枢港湾埠頭の一体運用がスタート。
3年後には全体の半分のコンテナが夢洲で処理され、咲洲のトレーラー渋滞も減らせると見込んでいた。

 しかし、想定外の不況で、肝心の貨物量の減少が現実味を帯びてきた。
新埠頭の一体運用を担うため、在阪の港湾運送事業者らで設立した夢洲コンテナターミナルの参画業者からは「貨物量の落ち込みによっては採算が取れなくなる」と悲鳴があがる。
参画業者は設立当初の14社から8社になり、3月にはさらに1社が撤退する予定だ。

   ■ ■ ■

 国内のトップランナーとして今、全国から視察が絶えないのが、名古屋港のスーパー中枢港湾埠頭、飛島コンテナ埠頭だ。
トヨタの100%子会社である陸運会社を筆頭株主に埠頭運営会社が設置され、荷物の6割を自動車関連が占める。特徴は徹底した自動化だ。

 昨年12月に開港した第2埠頭では、注意喚起のため『メリーさんの羊』の電子メロディーが流れると無人トレーラーや無人クレーンが一斉に動き始めた。有人と無人のトレーラーが行き交う交差点も自動制御だ。
779名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/31(土) 00:30:23 ID:???
 飛島コンテナ埠頭の内山人司社長は「太平洋側に3つもスーパー中枢港湾はいらない。いかに早く、低コスト、高サービスの港を確立して、背後の消費人口ではかなわない京浜(東京、横浜)や阪神(大阪、神戸)と差別化できるかにかかっている」という。

   ■ ■ ■

 大阪港の場合、すぐ隣のライバル港、神戸港との役割分担が不明確だという問題もある。高度成長を支えた港町として輸出に強い神戸港に対し、大阪港の強さは本来、消費地との近さを生かした輸入だ。
阪神大震災以降、中国や東南アジアなどの中小コンテナ船の新規航路を取り付け、「百均」の商品や中国の冷凍食品、バナナなど多くの格安商品が大阪港から輸入されるようになった。

 しかし来年度には大阪港同様、神戸港のポートアイランドにもスーパー中枢港湾埠頭が完成する。大型船が続々と入港するような貨物量が見込めないなか、両港の「スーパー埠頭」が、宝の持ち腐れになる可能性も否定できない。
港湾事情に詳しい岡山大の津守貴之准教授は「両港の役割分担はあいまいでチグハグ。特に中国や東南アジアからの輸入中心の大阪港は安い港でないと突破口は開けない。
どうやって安くするのか。スーパー中枢港湾構想を打ち出した国も含めて本当に考えなければ、求められる役割を果たせない」と話した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090129/lcl0901292316007-n1.htm