[ 6 選 ] 北 九 州 市 長 選 2 0 0 7 [ 可 否 ]
[ 北九州市長選2007 ] ” 次期北九州市長 ” に望むこと《2》 - 中心街の都市政策を深く考える page 1/5
次期北九州市長選の報道の中では、コメントとして 「 中心街に対する活性化策 」 を掲げる候補者もいる。
地価下落傾向にありながらも、市内で最も路線価の高い小倉北区の中心街の活性化策を論じると言うコト
は、ある種の 「 危険性 」 も伴う。
それはどういうコトなのかと言うと、「 市が土地を買い上げる 」 などと言い始めたときに、膨大な税金を投
入する必要が出てくる、と、言うコトなのである。
緊縮財政枠の真っ只中に加えて国からの交付金減額の時代になると、こういった膨大な税金投入は市政
のパワーバランスを著しく欠く恐れがあり、緊急時の軌道修正が非常に難しくなるコトも予想範囲内に入れ
ておくべきである。
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ヲ・ヲォ〜レ様は、こう言った中心街の都市政策において、税金投入のロスを最小限に抑えるために、他
の提言文面において、都心機能の東小倉湾岸地域への代替移転を提唱してきた。
都心部と東小倉湾岸地域とでは、路線価に倍以上の差がある上に、まとまった広い土地を取得できる機
会も与えられている。
高度な治安維持の可能な ” 環境力 ” を確保するには、現行の都心部では別途相応の民間警備コストが
掛かる。
もちろん、それはどこに居ようともコストは掛かるが、その頻度と額を考えると、都心部の土地を買うのは
不可思議にも思えてくる。
民間企業が土地を買って何をしようとそれは構わない。しかし、行政がそれらに税金を投入するのは健全
な財政運営の観点から見ても危険である。
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新規進出の物件を順次東小倉湾岸地域に置き換えるコトによって、土地取得や民間警備に要するコスト
を半減させる数値目標を持たせる。
こうするコトによって中心街に市関連の施設を建設する際にしても、それらを東小倉に置き換え、土地取
得に要する額は従来の半額未満で済み、トータルの費用においても相応に減額できる効用を持つ。
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例えば、現行の市役所本庁舎建物はそろそろ築40年を迎え、そう遠くはない将来に建て替えの計画が
提示されるコトになる。
これを東小倉湾岸地域に移転新築すれば、土地取得に要する費用は中心街で新規に取得する費用に
比べても理論上半額未満で済み、まとまった土地を確保する際に発生する複数地権者との交渉に要す
る時間も半分未満で済む。
小倉駅から現行の市役所本庁舎までの直線距離と、東小倉湾岸地域中心部(末広2丁目付近)までの
直線距離はどちらも約700m前後で、小倉駅を基準点とした場合の距離は、現行の西小倉も東小倉湾
岸地域も変わらない。
これに高浜1丁目付近のJR鹿児島線上に東小倉旅客新駅を新設すれば駅から徒歩圏で簡単に往来
でき、現行の西小倉の本庁舎との距離の条件は同じになる。
西小倉の本庁舎の土地を民間資本に売却すれば、新規の民間資本の誘致が可能になり、そこに新しい
雇用の機会が創出される。
一方、東小倉に本庁舎が移転すれば、東小倉での都市機能集積において一定の求心力を持つようにな
り、そこにも新しい民間資本の集積と雇用の機会が創出される。
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中心街の高い土地を厳しい財政枠の中から無理をして買うのではなく、近接の ” 新天地 ” である東小
倉湾岸地域に移転させるコトによって、トータルコストの減額と、民間資本の誘導の面において、一石二
鳥の相乗効果を持たせるコトが可能になる。
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中心街の活性化策を履行していく上で、都市の過密化を解消する動きも合わせて考慮する必要がある。
従来の都市再開発ではビルド&スクラップ(代替地への建て替え)のみであったが、これからはビルド&
スプレッド(代替地への建て替えと、現在地と代替地の過密化解消)を併せて履行していく必要がある。
つまり、都心機能の移転代替地として想定している東小倉湾岸地域に同じ容積率で建て替えるのではな
く、過密化解消の発想を盛り込んだ建て替え案を履行し、元の場所にも同様に過密化解消の発想を盛り
込んだ再開発案を履行していく。
こうするコトによって不快な喧騒と雑踏は和らぎ、長く居ても疲労度合いの少ない都心形成が可能になる。
近年の郊外ではそれら特有の快適さが都心部に対するアドバンテージとして定着しているが、それらの
格差を解消するのにも大いに役立つ。
しかし、都心部と郊外とではそれらの特性は異なる。地価に大きな開きがある上に、そもそも都心部は公
共交通機関を利用しやすいように設計されている。
理想を掲げるとすれば、都心部からは駐車場を全廃し、乗降の簡単なLRT(路面電車)を再導入し、バス
やタクシー、緊急車両以外は乗り入れ禁止にしたいところである。
…商店街(アーケード街)にしても、さらなる近代化を議論すべきである。
[ 北九州市長選2007 ] ” 次期北九州市長 ” に望むこと《2》 - 中心街の都市政策を深く考える page 4/5
現行の商店街を、ニ層モール形式による新しいアーケード街に再開発して、小倉駅やモノレールの各停
留所の2階部分からも直接出入りできるようにすればかなり便利になる。
現行の建物の2階部分を出入口として使えるワケだから売り場面積も単純計算で2倍になり、集積度も
2倍に拡張可能になる。
小倉駅北口のペデストリアンデッキにしても、動く歩道を真ん中に移動して脇にテナントスペースを拡張さ
せるぐらいの商魂が欲しい。地下街ならぬ 「 空中街 」 だ。
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地方都市での中心街、こと商店街の活性化策を論じるときに、ダウンサイジング(縮小化)を主軸とした
展開になりがちであるが、アーケードを取り壊してマンションに建て替えるだけの発想では面白くない。
本格的な二層モール形式のアーケード街再開発案は、新鮮味もあれば、集積度も回遊性も向上する。
もちろん、建設費用の面で考えると実現は遠い未来になるだろうし、財源確保もおそらく難しいだろう。
しかし、将来目標を持たずに衰退を待つだけのアーケードではなく、実現の可能性は低いが強い夢を持
ち続けるのとでは各事業者の精神風土にも大きな違いが出てくる。
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そういった面を考えた上で、先入観を以って始めから難しいと思うのではなく、できるコトを少しずつ続け
ていくコトが、最終的に道を開くものであると思う。
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” 次期北九州市長 ” にとって、これらの政策を履行するのは、1期目ではまず不可能なのは既に承知
している。
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これからの4年間はハコモノよりも…新しく厳しい財政枠で市政を立て直すコトのほうが重要なのだから
それは仕方がない。
新規の市民負担のない再開発案を提示できるようになるには、それ相応の期間年数は必要になる。
しかし、その先には強い夢があるコトを思えば…この先の4年間はあっと言う間に過ぎていく。
どの候補が当選しようとも、いずれも市長新人候補なのだからはじめはうまくいかない。
財政が立て直せるようになって、そのときにでも思い出してもらえれば、それでいい。
ヲ・ヲォ〜レ様は、わずか4年間を待つぐらいの ” 度量 ” は持ち合わせている。
ゆえに、これまで続けてきたコトを、そのまま続けていくコトがベストである。
これからも、” 次期北九州市長 ” は、少々荒削りではあるが、「 北九州99万市民で育てる市長 」 になる
ものとしてその動向を見守っていく。