>>108 落選した“田中チルドレン”の複数の陣営が「『田中があんな言い方をする
なら票を入れない』と支持者から言われた」とうつむくのが、田中の直接応援で
の演説内容だ。“チルドレン”らと戦った不信任賛成派の現職らに、「追い風」
にもなったようだ。
「(今の県議会は)私の言うことは何でも『非々』、だよ。ヒーヒー言って
いるうちに、マントヒヒだよ」(十二日、更埴市で)
田中一流のこうした“口撃”は、県内各地で波紋を広げた。応戦したある現職
県議の陣営幹部は、「あれでこっちは引き締まった。保守層の人を中心に、知事
の言葉に嫌気がさした人も多かっただろう」と分析する。
県議選で、明確に「田中支持」を掲げた候補四十六人(本紙調べ)の得票総数
は約三十六万二千票で、有効投票総数の34・9%。これは、出直し知事選での
田中の得票率64・3%の約半分に過ぎない。
旧来型の組織選挙に批判的で、依然高い人気を誇る田中だが、自らのテコ入れ
が対立陣営の「組織」を勢いづかせたのは、皮肉にも映る。(文中敬称略)