無限に付いて語る。実無限VS可能無限

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193132人目の素数さん
形式的言語を上手く設計して,その体系の中で理論を表現すれば,
ゲーデルの方法によって,それを自然数の中にコード化できる。
このとき,ある原始帰納的述語Fを,
F(P,T)が真⇔Tが命題のゲーデル数でPがその証明のゲーデル数
となるように作ることができる。これがメタ数学の証明論の立場。
対角線論法によって,自分自身の証明不能性をあらわす命題を
構成すれば,不完全性定理が導ける。
もし形式的言語の「意味」をすてて記号列の操作とのみとらえれば
すべての定理はこのもとで,自然数に関する命題に還元される。

しかしこれは,実際には,数学的理論が完成し,さらにある定理
の証明がみつかってから後にそうできるということで,
理論それ自体をどう作り,ある定理がなりたちそうであると見通したり
様々な知識や直感に導かれてその証明をみつけるという
実際の営みはそれ以前になされていなければならない。
ZFの元での,選択公理と連続体仮説の無矛盾性と独立性が
証明されたあとも,ゲーデル自身は実在論者で,
連続体問題に決着がつけられるための,集合論の新しい公理
を生涯にわたって求め続けたのは有名な話だ。