不完全性定理を教えれ

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1132人目の素数さん
ゲーデルの不完全性定理を分かりやすく教えてくれんか。
2132人目の素数さん:2001/02/13(火) 22:05
sine
3132人目の素数さん:2001/02/14(水) 21:08
んーと、何を教えて欲しいのかにも依るんですが。
第1不完全性定理自体の字面は、岩波数学辞典に依ると、
「自然数の理論を形式化して得られる形式的体系においては、
その体系が無矛盾である限り、必ず、Aおよびその否定が
ともに証明不可能な論理式Aが存在する」
ってことです。
ちょっと必要な要素を読み落としやすい言い方だなぁ、これ。

形式化とか形式的体系って言うのは、Hilbertの形式主義の考え
方でってことですね。だから、ここでいう公理って言うのは
有限の立場で与えられているっていうことになる。これ重要。
まあ平たく言えば、定義可能ってことですね。
そうじゃなくて、モデルとってきてそこで真な命題全部ぶち込んだ
公理系とか考えちゃうと、当然これは成り立たないわけです。

自然数の理論を、ってのも結構曖昧ですね。
要するに、普通の自然数論と相反しなければいいんですが。

そういう体系だと、「その体系の中で」それ自体もその否定も
証明できないような論理式があるってことですね。
「その体系の中で」ってのも重要で、より大きい体系の一部として
見てやれば全部の論理式を証明することも可能なわけで。(続く)
4続き:2001/02/14(水) 21:09
証明するってなると、これはかなり面倒です。
しかも内容がなく単に面倒な場所が多いので嫌われてます。
アイデアとしては、いわゆるGodel numberを使って、論理式とか
証明とかを全部、自然数論の中で帰納的にcodeして、あとは
対角線論法に持っていくってことなんですが。
帰納的にcode出来るかどうかが鍵だからそこで手は
抜けないのだけれども、でもほとんど単純作業になるんで。

にしても、第1不完全性定理を今の形で完全に証明したのは
GodelじゃなくてRosserなんですね。知らなかった。
Godelはω-無矛盾という無矛盾よりちょっと強い条件を使って
証明したようです(論文読んでいないので伝聞にて)。
もっとも、Godelのアイデアがこの定理の証明の中心で
あることには間違いないのですけれども。(続く)
5続き:2001/02/14(水) 21:11
第2不完全性定理は以下のようなもの。再び岩波数学辞典。
「自然数の理論を含む形式的体系Sが有限の立場で与えられ、
しかもSが無矛盾であるならば、Sのなかで形式化されるような
論法だけによっては、Sの無矛盾性を証明することは不可能である」

…なんでこっちでは有限の立場ときちんと断っているんだろう?
これは第1不完全性定理の系と言えると思います。
見落としやすい点はすでに第1の方で説明したので省略。
おまけにこっちの方がよりくどく書いてあるしね。

というわけで、Peano算術の中でからPeano算術の無矛盾性とか、
ZFCの中でZFCの無矛盾性とかを証明するのは不可能なわけです。
変なのは、逆に矛盾するような公理系ならば何でも証明できるから、
自分自身の無矛盾性も証明できちゃうってことですね。
まともな人は自分がまともだと説明できないのだけれども、
厨房はまともだと言い張れるってこと、かな?

とりあえずこんな感じで。
なんか疑問とか間違いとかあったらどうぞ。

っていうか、これ系の話やるの久しぶりだったので疲れた
6嵐山勘三郎:2001/02/23(金) 12:34
げーでる ですね。
俺も知りたいのでゼミでもやりますか?
7コラッツ:2001/02/24(土) 15:01
岩波科学ライブラリーの「ゲーデルの謎を解く」って本が分かりやすいですよ。
83-5の人:2001/02/25(日) 02:04
うーん、自分の書き込みがあんまりにも不親切なんでやりなおしで
最初から書いてこうかと思ってたんだけど。
いい本があるならいいかな。ちょっと参考に見てみたいところだけど、
今海外なのでちょっと辛い。
9嵐山勘三郎:2001/02/26(月) 13:17
>7
そうなんですか?
10嵐山勘三郎:2001/02/27(火) 13:16
age
11132人目の素数さん:2001/03/30(金) 17:42
前原昭二先生の数学基礎論の本がわかりやすくていいでしょう。
朝倉かどこかから出てたような気がしますが。
12132人目の素数さん
アンビリーバブル