圏論 / カテゴリー論 / Category Theory 4

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622132人目の素数さん
>>620
哲学者であったラッセルが数学を扱ったのは,既存の数学
全てがその上に載るほどの強度をもった論理体系をつくろうという
野心の表れだったと認識しています.したがって,彼の体系による
数学の十分な展開が失敗した時点で哲学としても立脚点を失います.
(数学を全く無視したとしても彼の論理体系は面白いという弁護を
することも出来るでしょうが,取り合いません).

ラッセルが失敗したのは大きく分けて二つの点においてだと思います.

1.循環的な定義による矛盾を回避するためにあまりにも込み入った分岐型が
出現し,それらは,もし数学者が行うような解析学において適用された場合
に,「自然な言語」としては不適切なほど込み入っており,数学的な自然に合わせるために
還元の公理,つまり異なる型を同一視する規則を入れなければならなかった.
結局のところ込み入りすぎていて実用に耐えないので数学の基礎付として失敗だし
還元の公理の哲学的意味など論じたくてもない.

2.定義可能でないような集合,まあラッセルは集合とは言わなかったと思うけど
そのようなものを認めるかどうかにおいてラッセルのとった拒絶の態度はそれによって
生み出される数学そのものを障害児にしてしまいかねなかった.数学についての
まともな見識を持たない人が数学の基礎づけをしたなどと豪語してはいけません.