【神々の】ガロア生誕200周年記念スレ【愛でし人】

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218Kummer ◆SgHZJkrsn08e
命題 87(二項定理)
A を可換環とし、x, y を A の元とする。
このとき、任意の整数 n ≧ 0 に対して
(x + y)^n = Σ[0 ≦ k ≦n] C(n. k)x^ky^(n-k) となる。
ここで、C(n. k) = n!/(n-k)!k! である。

証明
良く知られているので省略する。
219Kummer ◆SgHZJkrsn08e :2011/11/09(水) 00:15:31.84
命題 88
A を可換環で抽象体(>>197)を部分環として含むとする。
さらに A の標数(>>214)は p > 0 とする。
このとき A の任意の元 a, b に対して (a + b)^p = a^p + b^p である。

証明
>>218より、(a + b)^p = Σ[0 ≦ k ≦ p] C(p. k)a^kb^(p-k)

ここで、C(p. k) = p!/(p-k)!k! である。
即ち、C(p. k)k! = p!/(p-k)!
1 ≦ k ≦ p - 1 のとき p!/(p-k)! は p で割れるから C(p. k)k! ≡ 0 (mod p)
一方、k! は p で割れないから C(p. k) ≡ 0 (mod p) である。
よって、C(p. k)a^kb^(p-k) = 0 である。
よって、(a + b)^p = a^p + b^p である。
証明終
220Kummer ◆SgHZJkrsn08e :2011/11/09(水) 00:23:42.72
定義 89
A を可換環で抽象体(>>197)を部分環として含むとする。
さらに A の標数(>>214)は p > 0 とする。
A の元 a に a^p を対応させる写像を ψ とする。
>>219より A の任意の元 a, b に対して (a + b)^p = a^p + b^p である。
さらに (ab)^p = (a^p)(b^p) であり、1^p = 1 であるから
ψ は A の自己準同型である。
これを A のFrobenius自己準同型と呼ぶ。