統計的手法で、ジャンケンで勝つ方法
桜美林大学芳沢光雄教授が1999年に11,567回のじゃんけんのデータから分析した結果から、
次の2つの法則が発見されています。
法則1:ひたすらパーを出す
グーが出る確率は35.0%、チョキは31.7%、パーは33.3%。パーを出せば勝つ確率が35.0%です。
法則2:あいこになったらその手に負ける手を出す
2回続けてじゃんけんをすると同じ手が続くのは22.8%。33.3%ではない。
ということで、あいこに負ける手を出すのがよい。
例えばパーであいこの場合、次はグーを出すとよい。
なぜそうなるかは、実際にケースを考えてみましょう
カナダに本拠地がある世界じゃんけん協会(World Rock Paper Scissors Society)では
以下の技を紹介している。
1.初心者にはパー
初心者が最初にグーを出す確率が高い
2.ベテランにはチョキ
ベテランは初心者ではないのでグーは出ない、従ってパーかチョキだが、
チョキを出せば負ける確率が少なくなる
3.同じ手が続けば次にその手に負ける手を出す
上記芳沢教授の法則2と同じです
4.宣言して実行する
例えば「グーを出す」と言うと、相手は疑ってパーを出してこないため。
5.考えさせない
せかすと、直前に勝った手を出す確率が高まる
6.順番を刷り込む
勝負の前にグー・チョキ・パーと口に出しながら手の形を見せると、相手の頭に刷り込まれる
7.困ったらパー
世界大会でもチョキの出る確率が一番低いので、パーを出せば負けにくい
さらに、統計推理研究所の石黒教授が作った「じゃんけんソフト」では、
人間対コンピューターで先に30点取った方が勝ち、という勝負で、
延べ5万回の勝負でコンピュータの勝率が6割を超えている。
30点先取り、という点がミソで、このソフトでは14のクセを織り込んで、
勝負しながら人間のパターン解析を行い、出す手を決定していくというもの。
「人間がソフトの手を読もうとすると、それがクセになるので、逆にソフトの勝率が上がる。
全くでたらめに出せれば、それが一番強い」と石黒教授が述べている。
これは、コンピューター対人間で勝負事をする際に、人間が勝つための真理を突いていると言える。
グー・チョキ・パーそれぞれが出る確率は1/3だから、勝つも負けるも確率は同じ、と思いがちだが、
それは間違いということが判明した
ソース:THE NIKKEI MAGAZINE (2007/12/16号)