岩波書店5月
『数学基礎論』新井敏康 著
まさに数学基礎論の本格的な教科書・解説書です。そのすごさは、下記の目次概要からでも察せられることと思います。
T部 入門篇 第1章 1 階論理入門 第2章 計算理論入門 第3章 不完全性定理
U部 基礎篇 第4章 「基礎篇」の準備 第5章 モデル理論 第6章 計算理論 第7章 集合論 第8章 証明論
付録A 補遺 付録B 演習略解 付録C 文献案内
特別な予備知識を仮定せずに、数学基礎論における核心的な結果、技法やアイデアをもれなく説明されています。
必ず取り上げられる「不完全性定理」や「連続体仮説の独立性証明」などの結果が、どのような考え方によって得られたのかを、
その完全な証明を通して解説される本は、海外を眺めてもまだないと言えましょう。
また解説のみならず、より深い理解のための演習問題と丁寧な解答を付しました。
各章あたり平均して50問以上という充実ぶりです。
著者の新井氏は、本テーマで2004年度日本数学会秋季賞を受賞されました。
推薦のことばに、「新井氏の研究の源にあるのは、人間が長い間かけて構築してきた数学および数学の整合性に対する深い信頼であり、
新井氏の仕事は、その信頼を究極的な形で数学的に表現するという数学基礎論本来の問いかけに対する最も先端的な道を切り開いた」とあります。
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