821 :
132人目の素数さん :2010/03/07(日) 17:54:23
いま、病院なの?
822 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 18:25:05
例
C を圏とする。
S を C の対象とする。
C/S を C における S 上の対象の圏(
>>463 )とする。
C/S の対象 X → S と Y → S の積(
>>747 )とは
ファイバー積 (X×Y)/S (
>>800 )に他ならない。
823 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 18:35:43
>>741 の双対
定義
I を小さいグラフ(
>>325 )とし、C を圏とする。
F を Diag(I, C) (
>>369 )の対象とする。
即ち F:I → |C| は射(
>>326 )である。
ここで |C| は C をグラフとみたものである(
>>344 )。
Δ: C → Diag(I, C) を対角関手(
>>734 )とする。
F から Δ への普遍射(
>>572 ) (X, u) を F の余極限(colimit)と呼び
(X, u) = colim F または略して X = colim F と書く。
ここで、X ∈ Ob(C) であり、u: F → Δ(X) は Diag(I, C) における射である。
F の余極限は F の順極限(direct limit)と呼ばれる場合がある。
この場合 colim F は lim[→] F と書く。
さらにまた F の順極限は F の帰納的極限(inductive limit)とも
呼ばれる場合がある。
この場合 colim F は ind.lim F と書く。
colim F において添字グラフ I を明記したい場合は colim (F(i)), i ∈ I と書く。
また I の一般元 i だけを使って colim (F(i)) と略記する場合もある。
lim[→] F および ind.lim F も同様である。
824 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 18:44:22
>>742 の双対
定義
I を小さいグラフ(
>>325 )とし、C を圏とする。
F を Diag(I, C) (
>>369 )の対象とする。
即ち F:I → |C| は射(
>>326 )である。
ここで |C| は C をグラフとみたものである(
>>344 )。
Δ: C → Diag(I, C) を対角関手(
>>734 )とする。
X ∈ Ob(C) に対して射 α: F → Δ(X) を
基底 F から頂点 X への錐(cone)とも呼び、α: F → X と略記する。
825 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 18:48:32
>>743 の双対
錐(
>>824 ) α: F → X とは
射 f_i: F(i) → X の族 (f_i), i ∈ I で
I における任意の射 i → j に対して次の図式を可換にするものである。
F(i) → F(j)
↓ ↓
X → X
F の余極限(
>>823 )とは錐 α: F → X であり、次の条件 (UC) を満たすもののことである。
条件 (UC):任意の錐 β: F → Y に対して
射 X → Y で次の図式を可換にするようなものが一意に存在する。
F(i) → F(i)
↓ ↓
X → Y
ここで i は I の任意の対象であり、F(i) → F(i) は恒等射である。
826 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 18:57:25
>>765 の双対
定義
I を小さいグラフ(
>>325 )とし、C を圏とする。
F を Diag(I, C) (
>>369 )の対象とする。
即ち F:I → |C| は射(
>>326 )である。
ここで |C| は C をグラフとみたものである(
>>344 )。
X ∈ Ob(C) に対して F から X への錐(
>>824 )全体の集合を Cone(F, X) と書く。
即ち Cone(F, X) とは Hom(F, Δ(X)) のことである。
錐 α: F → X から錐 β: F → Y への射 u: α → β とは
射 u: X → Y で次の図式を可換にするもののことである。
F(i) → F(i)
↓ ↓
X → Y
ここで i は I の任意の対象であり、F(i) → F(i) は恒等射である。
F を基底とする錐の全体を Cone’(F) と書く。
Cone’(F) は錐間の射を射とすることにより圏となる。
Δ: C → Diag(I, C) を対角関手(
>>734 )とすると、
Cone’(F) は (F↓Δ) (
>>477 ) に他ならない。
827 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 19:00:25
>>767 の双対
I を小さいグラフ(
>>325 )とし、C を圏とする。
F を Diag(I, C) (
>>369 )の対象とする。
即ち F:I → |C| は射(
>>326 )である。
ここで |C| は C をグラフとみたものである(
>>344 )。
colim F (
>>823 ) は Cone’(F) (
>>826 ) の始対象に他ならない。
colim F は関手 Cone(F, -): C → Set の普遍元(
>>579 )でもある。
828 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 19:32:42
>>783 の修正
定義
C を圏とする。
任意の小さいグラフ(
>>325 ) I と任意の射 F:I → |C| に対して
lim F (
>>741 ) が存在するとき C を完備(complete)という。
829 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 19:34:52
>>828 の双対
定義
C を圏とする。
任意の小さいグラフ(
>>325 ) I と任意の射 F:I → |C| に対して
colim F (
>>823 ) が存在するとき C を余完備(cocomplete)という。
830 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 19:55:47
定義 X を集合とする。 R を X 上のある関係とする。 即ち R は X×X の部分集合である。 X 上の関係 S を xSy ⇔ x = y または xRy または yRx で定義する。 x, y を X の元とする。 X の有限個の元の列 x = x_0, x_1, ...x_n = y があり、(x_(i-1))S(x_i) (i = 1, 2, ...n) のとき xTy と定義する。 このとき関係 T は R を含む最小の同値関係である。 T を R から生成された同値関係と言う。
831 :
132人目の素数さん :2010/03/07(日) 20:00:36
モデレータの保守作業
832 :
132人目の素数さん :2010/03/07(日) 21:48:18
このスレ主の書き込みの曜日と時間帯をエクセルで表にしてみました
833 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 22:04:58
>>368 の修正
定義
G をグラフ(
>>325 )とし、C を圏とする。
グラフの射 T:G → |C| (
>>344 ) を
C における G 型の図式(diagram of type G in C)と言う。
このとき記法の濫用で T:G → C を図式と呼ぶ。
834 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 22:09:27
定義
G を小さいグラフ(
>>325 )とし、C を圏とする。
このとき図式(
>>833 ) T:G → C を小さい図式と呼ぶ。
835 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 22:20:14
例
Set を小さい集合(
>>321 )全体の圏とする。
I を小さいグラフ(
>>325 )とし、F:I → Set を図式(
>>833 )とする。
S = ΣF(i) を集合族 (F(i)), i ∈ I の直和集合とする。
x ∈ F(i) と y ∈ F(j) は射 u:i → j で F(u)(x) = y となるものがあるとき
x 〜 y と書く。
S における関係 〜 で生成される同値関係を R とする。
p:S → S/R を標準写像とする。
i ∈ I に対して u_i:F(i) → S を標準単射とする。
f_i = p(u_i) とおく。
X と射 f_i:F(i) → S/R の族 (f_i), i ∈ I は colim F (
>>823 ) である。
よって、Set は余完備(
>>829 )である。
836 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 22:21:43
>>835 >S における関係 〜 で生成される同値関係を R とする。
S における関係 〜 で生成される同値関係(
>>830 )を R とする。
837 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 22:42:26
>>747 の双対
定義
C を圏とする。
I を小さい集合とする。
I は小さい離散グラフ(
>>745 )と見なせる。
F:I → C を図式(
>>833 )とする。
F は I を添字集合とする C の対象の族 (X_i), i ∈ I に他ならない。
colim F (
>>823 )を F の余積(coproduct)または和(sum)と呼び、
ΣF、ΣX_i, i ∈ I または略して ΣX_i と書く。
和 ΣX_i は C の対象 X と射 u_i: X_i → X の族 (u_i), i ∈ I の組である。
しかし記法の濫用だが X を ΣX_i で表す。
各 u_i を X_i から X への標準射と呼ぶ。
I が有限集合 {1, ..., n} のときは
ΣX_i を (X_1)+...+(X_n) とも書く。
特に C の対象 X, Y に対して順序対 (X, Y) は
離散グラフ {1, 2} から |C| への射 F と見なせる。
このとき、ΣF を X+Y と書く。
838 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 22:47:25
>>749 の双対
定義
C を圏とする。
I を小さい集合とする。
(X_i), i ∈ I を C の対象の族 (X_i), i ∈ I とする。
X = ΣX_i (
>>837 )とし、u_i: X_i → X を標準射(
>>837 )とする。
Y を C の対象として f_i: X_i → Y を射の族 (f_i), i ∈ I とする。
このとき、射 f: X → Y で次の図式を可換にするようなものが一意に存在する。
X_i → X_i
↓ ↓
X → Y
ここで i は I の任意の元であり、X_i → X_i は恒等射である。
このとき、各 f_i を f の i 成分または略して成分と呼ぶ。
(f_i), i ∈ I を f の成分の族と言う。
f を (f_i), i ∈ I を成分の族としてもつ射と言う。
839 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 22:55:00
>>753 の双対
定義
C を圏とする。
I を小さい集合とする。
(X_i), i ∈ I と (Y_i), i ∈ I を C の対象の族とする。
X = ΣX_i (
>>837 )とし、u_i: X_i → X を標準射(
>>837 )とする。
Y = ΣY_i とし、v_i: Y_i → Y を標準射とする。
各 i に対して射 f_i: X_i → Y_i が与えられているとする。
このとき射 f: X → Y で (v_if_i), i ∈ I を成分の族(
>>838 )にもつものが
一意に存在する。
このとき次の図式は可換である。
X_i → Y_i
↓ ↓
X → Y
ここで i は I の任意の元である。
f を (f_i), i ∈ I の余積または和と呼び Σf_i, i ∈ I または Σf_i と書く。
I が有限集合 {1, ..., n} のときは
Σf_i を (f_1)+...+(f_n) とも書く。
840 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 22:56:59
>>753 の修正
定義
C を圏とする。
I を小さい集合とする。
(X_i), i ∈ I と (Y_i), i ∈ I を C の対象の族とする。
X = ΠX_i とし、p_i: X → X_i を射影(
>>747 )とする。
Y = ΠY_i とし、q_i: Y → Y_i を射影とする。
各 i に対して射 f_i: X_i → Y_i が与えられているとする。
このとき射 f: X → Y で (f_ip_i), i ∈ I を成分の族(
>>749 )にもつものが
一意に存在する。
このとき次の図式は可換である。
X → Y
↓ ↓
X_i → Y_i
ここで i は I の任意の元である。
f を (f_i), i ∈ I の積と呼び Πf_i, i ∈ I または Πf_i と書く。
I が有限集合 {1, ..., n} のときは
Πf_i を (f_1)×...×(f_n) とも書く。
841 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:00:05
>>758 の双対
例
C を圏とする。
C においては任意の対象 X, Y に対して X+Y (
>>837 )が存在するとする。
C×C を積(
>>586 )とする。
このとき各 (X, Y) ∈ Ob(C×C) に対して X+Y ∈ Ob(C) を対応させ、
射 (f, g):(X, Y) → (X’, Y’) には射 f+g (
>>839 )を対応させることにより、
関手 +:C×C → C が得られる。
ただし、各 (X, Y) に対して X+Y を Ob(C) の元として確定させる標準的な方法が
あるとは限らない。
一般には X+Y は同型を除いて一意に決まるだけである。
従って、(X, Y) → X+Y を関手として定めるには一般には選択公理が必要である。
842 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:03:41
例
Set を小さい集合(
>>321 )全体の圏とする。
I を小さい集合とする。
(X_i), i ∈ I を C の対象の族とする。
(X_i), i ∈ I の直和集合は余積 ΣX_i (
>>837 ) である。
843 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:05:48
>>842 の修正
例
Set を小さい集合(
>>321 )全体の圏とする。
I を小さい集合とする。
(X_i), i ∈ I を Set の対象の族とする。
(X_i), i ∈ I の直和集合は余積 ΣX_i (
>>837 ) である。
844 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:07:59
例
Ab を小さいアーベル群全体の圏とする。
(A_i), i ∈ I を Ab の対象の族とする。
(A_i), i ∈ I の直和アーベル群 ΣA_i は (A_i), i ∈ I の余積(
>>837 ) である。
845 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:14:48
>>762 の双対
例
P を前順序集合(過去スレ008の139)とする。
P は
>>281 より圏と見なせる。
x と y を P の元とする。
z が x と y の余積(
>>837 )であるとは
z が集合 {u ∈ P; x ≦ u かつ y ≦ u} の最小元であることと同値である。
即ち z = sup(x, y) である。
P が順序集合のときは sup(x, y) はそれが存在すれば一意に決まる。
P が順序集合でないときは一般に sup(x, y) は同型を除いて一意に決まるだけである。
ここで、P の元 z と w が同型であるとは z ≦ w かつ w ≦ z となることである。
P の始対象とは P の最小元のことである。
s を P の最小元とするとき、任意の x ∈ P に対して x = sup(x, s) である。
即ち x = x+s である。
846 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:16:48
>>763 の双対
例
C を圏とする。
s を C の始対象(
>>288 )とする。
X を C の任意の対象とする。
このとき、X+s および s+X は X と同型である。
847 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:19:22
848 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:21:10
>>764 の双対
例
C を圏とする。
X_1、...、X_n (n ≧ 2)を C の対象とする。
Y = (X_1)+...+(X_(n-1)) と Y+(X_n) が存在するとき、
Y+(X_n) は (X_1)+...+(X_n) に同型である。
よって、C が始対象をもち C の任意の対象の対 (X, Y) に対して
X+Y が存在すれば C の任意の有限個の対象の余積(
>>837 )が存在する。
849 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:33:50
>>772 の双対
定義
C を圏とする。
I を2点 a, b と2個の射 u:a → b, v:a → b からなるグラフ(
>>325 )とする。
C を圏とする。
図式 F:I → C (
>>833 )とは C における2個の射
f:X → Y
g:X → Y
のことである。
colim F (
>>823 )を射 f と g の差余核(difference cokernel)
またはコイコライザー(coequalizer)と呼び、Coker(f, g) と書く。
850 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:38:59
>>849 の修正
>>772 の双対
定義
C を圏とする。
I を2点 a, b と2個の射 u:a → b, v:a → b からなるグラフ(
>>325 )とする。
C を圏とする。
図式 F:I → C (
>>833 )とは C における2個の射
f:X → Y
g:X → Y
のことである。
colim F (
>>823 )を射 f と g の差余核(difference cokernel)
またはコイコライザー(coequalizer)と呼び、Coker(f, g) と書く。
即ち CokerKer(f, g) は C の対象 K と射 u:Y → K の組で次の条件を満たすものである。
(@) uf = ug
(A) h:Y → Z で hf = hg となるものがあるとき
w:K → Z で h = wu となるものが一意に存在する。
このとき、用語の濫用で K を f と g の差余核またはコイコライザーとも呼ぶ。
851 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/07(日) 23:41:30
>>774 の双対
定義
C を圏とする。
X と Y を C の対象とする。
f:X → Y
g:X → Y
を射とする。
下の図式において X → Z が Coker(f, g) (
>>850 )のとき、この図式は完全であると言う。
X ⇒ Y → Z
ここで ⇒ は2本の射 f, g を表す。
852 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 00:21:47
>>779 の双対
例
Set を小さい集合(
>>321 )全体の圏とする。
X と Y を Set の対象とする。
f:X → Y
g:X → Y
を射とする。
Y の元 u と v は u = f(x) かつ v = g(x) となる x ∈ X があるとき u 〜 v と書く。
Y における関係 〜 で生成される同値関係を R とする。
p:Y → Y/R を標準写像とすれば、これが Coker(f, g) (
>>850 )である。
853 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 00:36:34
>>780 の双対
命題
C を圏とする。
X と Y を C の対象とする。
f:X → Y
g:X → Y
を射とする。
次の図式を考える。
X ⇒ Y → Z
ここで ⇒ は2本の射 f, g を表す。
この図式が完全(
>>851 )であるためには
任意の T ∈ Ob(C) に対して、次の図式が完全(
>>774 )であることが必要十分である。
Hom(Z, T) → Hom(Y, T) ⇒ Hom(X, T)
証明
>>779 と Coker(f, g) の定義(
>>850 )から明らかである。
証明終
854 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 00:38:51
>>852 の修正
>>779 の双対
例
Set を小さい集合(
>>321 )全体の圏とする。
X と Y を Set の対象とする。
f:X → Y
g:X → Y
を射とする。
Y の元 u と v は u = f(x) かつ v = g(x) となる x ∈ X があるとき u 〜 v と書く。
Y における関係 〜 で生成される同値関係(
>>830 )を R とする。
p:Y → Y/R を標準写像とすれば、これが Coker(f, g) (
>>850 )である。
855 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 00:42:43
>>781 の双対
例
Ab を小さいアーベル群全体の圏とする。
A と B を Ab の対象とする。
f:A → B
g:A → B
を射とする。
このとき、Coker(f, g) (
>>850 ) は標準写像 B → Coker(f - g) である。
これが差余核という名前の由来である。
856 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 00:46:59
>>794 の双対
定義
C を零対象(
>>791 )をもつ圏とする。
f:X → Y を C における射とする。
0:X → Y を零射(
>>791 )とする。
このとき、Coker(f, 0) (
>>850 )を f の余核(cokernel)と呼び Coker(f) と書く。
即ち Coker(f) は C の対象 K と射 u:Y → K の組で次の条件を満たすものである。
(@) uf = 0
(A) h:Y → Z で hf = 0 となるものがあるとき
v:K → Z で h = vu となるものが一意に存在する。
このとき、用語の濫用で K を f の余核とも呼ぶ。
857 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 00:48:38
>>795 の双対
例
Ab を小さいアーベル群全体の圏とする。
f:A → B を Ab における射とする。
Coker(f) (
>>856 ) は f の通常の意味の余核である。
即ち、Coer(f) = B/f(A)
858 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 00:54:04
>>796 の双対
例
Grp を小さい群全体の圏とする。
f:G → H を Grp における射とする。
このとき、Coker(f) (
>>856 ) は標準射 H → H/N である。
ここで N は f(G) で生成される H の正規部分群である。
859 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 01:01:55
命題
C を圏とする。
X と Y を C の対象とする。
f:X → Y
g:X → Y
を射とする。
K = Coker(f, g) とする。
このとき標準射 Y → K は全射(
>>345 )である。
証明
>>853 より、任意の T ∈ Ob(C) に対して、
Hom(K, T) → Hom(Y, T) は単射である。
よって、Y → K は全射(
>>345 )である。
証明終
860 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 01:17:51
>>800 の双対
定義
I を3点 a, b, c と2本の射 c → a、c → b からなるグラフ(
>>325 )とする。
c → b
↓
a
C を圏とする。
図式 F:I → C (
>>833 )とは C における次の図式のことである。
図式 (1)
Z→ Y
↓
X
P = colim F (
>>823 ) が存在すれば、次の図式が可換になる。
図式 (2)
Z → Y
↓ ↓
X → P
このとき P を図式 (1)の押し出し(pushout)または
ファイバー余積(fibered coproduct)またはファイバー和(fibered sum)
と言い、P = (X+Y)/Z と書く。
P はまた X と Y の Z 上のファイバー余積またはファイバー和とも言う。
f:Z → X
g:Z → Y
のとき P を (f, g) の押し出しまたはファイバー余積またはファイバー和と言う。
図式 (2)を押し出し四角形(pushout square)と言う。
861 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 08:29:20
>>803 の双対
C を圏とする。
f:Z → X
g:Z → Y
を C における射とする:
F を次の図式とする。
Z→ Y
↓
X
u:X → T、v:Y → T を射とし、次の図式が可換であるとする。
Z → Y
↓ ↓
X → T
即ち、uf = vg である。
よって、u:X → T、v:Y → T は F から T への錐(
>>824 )である。
即ち、
Cone’(F, T) (
>>826 ) = {(u, v) ∈ Hom(X, T)×Hom(Y, T); uf = vg}
= (Hom(X, T)×Hom(Y, T))/Hom(Z, T) である。
ここで、(Hom(X, T)×Hom(Y, T))/Hom(Z, T) は
Set におけるファイバー積(
>>801 )である。
ファイバー余積(
>>860 ) (X+Y)/Z が存在するとする。
標準的に Hom((X+Y)/Z, T) ⇔ (Hom(X, T)×Hom(Y, T))/Hom(Z, T) である。
ここで ⇔ は全単射を表す。
即ち、共変関手 T → (Hom(X, T)×Hom(Y, T))/Hom(Z, T) は
(X+Y)/Z により表現(
>>729 )される。
862 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 08:34:41
>>804 の双対
C を圏とする。
f:Z → X
g:Z → Y
を C における射とする:
余積(
>>837 ) X+Y が存在するとする。
p:X → X+Y
q:Y → X+Y
をそれぞれ標準射とする。
このとき、2本の射
pf:Z → X → X×Y
qg:Z → Y → X×Y
が得られる。
このとき、Coker(pf, qg) (
>>850 )が存在すれば
(X+Y)/Z (
>>860 ) = Coker(pf, qg) である。
863 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 08:37:57
>>806 の双対
命題
圏 C においては任意の2個の対象(同じ対象も含む)の余積(
>>837 )と
任意の差余核(
>>850 )が存在するとする。
このとき、C においては任意のファイバー余積(
>>860 )が存在する。
証明
>>862 より明らかである。
864 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 08:41:17
865 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 09:00:35
>>815 の双対
>>862 の主張はファイバー余積(
>>860 )と差余核(
>>850 )の定義に戻って考えれば
明らかであるが形式的に証明しよう。
C を圏とする。
f:Z → X
g:Z → Y
を C における射とする。
余積(
>>837 ) X+Y とファイバー余積(
>>860 ) (X+Y)/Z が存在するとする。
T を C の任意の対象とする。
>>861 より、Hom((X+Y)/Z, T) ⇔ (Hom(X, T)×Hom(Y, T))/Hom(Z, T) である。
p:X → X+Y
q:Y → X+Y
をそれぞれ標準射とする。
>>801 より、
(Hom(X, T)×Hom(Y, T))/Hom(Z, T) → Hom(X, T)×Hom(Y, T) ⇒ Hom(Z, T)
は完全(
>>774 )である。
ここで ⇒ は f と g からそれぞれ引き起こされる2本の射である。
標準的に Hom(X, T)×Hom(Y, T) ⇔ Hom(X+Y, T) であるから
Hom((X+Y)/Z, T) → Hom(X+Y, T) ⇒ Hom(Z, T) は完全である。
よって、
>>853 より、
Z ⇒ X+Y → (X+Y)/Z は完全(
>>851 )である。
即ち (X+Y)/Z = Coker(pf, qg) である。
866 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 09:05:58
>>800 の修正
定義
I を3点 a, b, c と2本の射 a → c、b → c からなるグラフ(
>>325 )とする。
b
↓
a → c
C を圏とする。
図式(
>>833 ) F:I → C とは C における次の図式のことである。
図式 (1)
Y
↓
X → Z
P = lim F (
>>741 ) が存在すれば、次の図式が可換になる。
図式 (2)
P → Y
↓ ↓
X → Z
このとき P を図式 (1)の引き戻し(pullback)または
ファイバー積(fibered product)と言い、P = (X×Y)_Z と書く。
P はまた X と Y の Z 上のファイバー積とも言う。
f:X → Z
g:Y → Z
のとき P を (f, g) の引き戻しまたはファイバー積と言う。
図式 (2)を引き戻し四角形(pullback square)と言う。
867 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 09:08:25
>>860 の修正
定義(
>>866 の双対)
I を3点 a, b, c と2本の射 c → a、c → b からなるグラフ(
>>325 )とする。
c → b
↓
a
C を圏とする。
図式 F:I → C (
>>833 )とは C における次の図式のことである。
図式 (1)
Z→ Y
↓
X
P = colim F (
>>823 ) が存在すれば、次の図式が可換になる。
図式 (2)
Z → Y
↓ ↓
X → P
このとき P を図式 (1)の押し出し(pushout)または
ファイバー余積(fibered coproduct)またはファイバー和(fibered sum)
と言い、P = (X+Y)_Z と書く。
P はまた X と Y の Z 上のファイバー余積またはファイバー和とも言う。
f:Z → X
g:Z → Y
のとき P を (f, g) の押し出しまたはファイバー余積またはファイバー和と言う。
図式 (2)を押し出し四角形(pushout square)と言う。
868 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/03/08(月) 09:15:50
>>812 の双対
定義
C を圏とする。
X と Y を C の対象とし、余積 X+Y (
>>837 )が存在するとする。
p:X → X+Y
q:Y → X+Y
をそれぞれ標準射(
>>837 )とする。
f:X → T
g:Y → T
を C における射とする。
このとき、射 h:X+Y → T で hp = f、hq = g となるものが一意に存在する。
この h を (f, g) で表す。
869 :
132人目の素数さん :2010/03/08(月) 09:27:49
おはよう クマーは月曜日も朝から晩まで2ちゃんですな?
870 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :
2010/03/08(月) 10:35:47 >>851 の修正
>>774 の双対
定義
C を圏とする。
X と Y を C の対象とする。
f:X → Y
g:X → Y
を射とする。
下の図式において Y → Z が Coker(f, g) (
>>850 )のとき、この図式は完全であると言う。
X ⇒ Y → Z
ここで ⇒ は2本の射 f, g を表す。