代数的整数論 011

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179132人目の素数さん
〔フェルマーの小定理〕
pが素数のとき a^p -a ≡ 0, (mod p)

〔系〕
pが素数で、gcd(a,p)=1 のとき a^(p-1) -1 ≡ 0, (mod p)

(略証)
 aについての帰納法による。
・a=1 のとき、明らか。
・a^p -a ≡0 とする。
  1≦k≦p-1 ⇒ p | C[p,k] より
 (a+1)^p -(a+1) = a^p -a + Σ[k=1,p-1] C[p,k] a^k ≡ 0, (mod p)

http://mathworld.wolfram.com/FermatsLittleTheorem.html
180132人目の素数さん:2009/05/09(土) 21:51:24
〔オイラーのTotient定理〕
 gcd(a,n)=1 ⇒ a^φ(n) -1 ≡ 0, (mod n)
 φ(n) はnの剰余類の正則元の数。(Eulerのtotient函数とか云うらしい・・・)

(略証)
nの剰余類 Z/(n) のうち、gcd(x,n)=1 となるx(正則元)全体の集合を考える。
 {x|gcd(x,n)=1, x∈Z/(n)} = G,
Gは乗法について閉じている。
∴ Gは乗法群をなす。 [Z/(n)]† とも書くらしいが・・・
 a∈G, a≠1, aの位数をrとする。
 位数rの巡回群{1,a,a^2,・・・・,a^(r-1)} = H はGの部分群となる。
ラグランジュの定理( #H | #G )から、
 r | φ(n),
 a^φ(n) ≡ 1^{φ(n)/r} = 1, (mod n)      (終)

http://mathworld.wolfram.com/EulersTotientTheorem.html
181132人目の素数さん:2009/05/09(土) 22:34:11
〔小定理の逆〕
 ∀x; x^n -x ≡ 0, (mod n)
ならば、nは素数。

(略証)
 背理法による。
 (左辺) を f(x) とおく。
 f(x+1) - f(x) = (x+1)^n - x^n -1
   = Σ[k=1,n-1] C[n,k] x^k
   = Σ[k=1,n-1] (n/k)C[n-1,k-1] x^k,
 nは合成数と仮定したから、nの素因数をpとする。
  C[n-1,p-1] = (n-1)(n-2)・・・・(n-p+1)/(p-1)!,
 はpで割り切れないから、x^p の係数はnで割り切れない。
 上式は 恒等的に ≡0 (mod n) ではない。
 n次式だから高々n個の根しかない。
 ∃a; f(a+1) - f(a) ≠0,  (mod n)
 ∴ f(a+1)≠0, または f(a)≠0,   (終)
182132人目の素数さん:2009/05/09(土) 23:11:21
〔小定理の系の逆〕 ・・・は成り立たない。
 gcd(a,n) =1 ⇒ a^(n-1) ≡ 1, (mod n)
を満たす合成数nが存在する。orz

 3・11・17=561, 5・13・17=1105, 7・13・19=1729, 5・17・29=2465, 7・13・31=2821, など
これを カーマイケル数と呼ぶらしい。

http://en.wikipedia.org/wiki/Carmichael_number
http://en.wikipedia.org/wiki/Knödel_number

nがカーマイケル数となる条件は、
 1. nは平方因数をもたない。
 2. p|n ⇒ (p-1)|(n-1)
http://d.hatena.ne.jp/smoking186/20081217/1229474226