松坂和夫先生の本(著作,書籍)

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59132人目の素数さん
松坂和夫「集合、位相入門」の濃度のところはひどい。
p.66 Card A を A と対等な集合のなす類とするとこまでは、歴史的にも
普通だ。集合としてとりたけでば、ランク最小のものの集合とすればよいが
これは公理的集合論のはなしだから、よいと思う。13行目、14行目の 
「A の濃度を表す標識として、自然数 n を用いることにしても全くさしつ
かえない」
というのは、全くおかしい。何故差し支えないのかなんの説明もない。また、
その後のアレフなど色々現われるが、濃度というのは、全く恣意的に符号を
張りつけてよいように見える。そのように、さしつかえなく符号がつけられ
るなら、何故、選択公理が問題となるのかわからない。もちろん、よく解釈
すれば自然数の範囲に限ってこうするとも考えられるが、この本では、自然数
が定義されていない。そうなると、1、2、、、と書ける自然数について
「全くさしつかえない」のか? とても本人がわかって書いているとは思え
ない。