1 :
132人目の素数さん :
2007/08/24(金) 06:25:18
2 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 07:30:02
K を可換とは限らない体とする。 | | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 K はこの絶対値による位相で完備とする。 E を K 上の n 次元の分離位相ベクトル空間(過去スレ006の583)とする。 F を K 上の位相ベクトル空間とする。 過去スレ006の684 より、E から F への任意の線形写像は連続である。 E が K 上無限次元の場合は、このことは成り立たない。 Schwartz の解析学教程から例を挙げる。 R を実数体とし、E を実係数多項式全体とする。 u ∈ E のとき |u| = sup {|u(x)|; 0 ≦ x ≦ 1 } と定義する。 | | により E は R 上のノルム空間(過去スレ006の561)になる。 f : E → R を f(u) = u(3) で定義する。 f は R-線形写像である。 E の点列 (u_n) を u_n(x) = (x/2)^n で定める。 |u_n| = (1/2)^n だから lim u_n = 0 である。 f(u_n) = (3/2)^n だから lim f(u_n) = +∞ である。 よって f は連続ではない。
3 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 08:21:05
Kummer ◆g2BU0D6YN2 の似顔絵を作ったよ! ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | クマ──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
4 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 09:29:16
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはようKummer ーーー!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | つ / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
5 :
Kummer ◆qujuPhyHAI :2007/08/24(金) 12:13:40
6 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 12:44:37
解析には、-∞, +∞ の記号が頻繁に現れる。 これを合理化しよう。
7 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 12:48:47
定義 R~ を実数体 R に -∞, +∞ で表わさられる2点を追加した集合とする。 任意の a ∈ R に対して a < +∞, -∞ < a, -∞ < +∞ と定義 することにより、R~ は全順序集合になる。 R~ には、任意の a ∈ R, b ∈ R に対して (a, b), (a, +∞], [-∞, b) の形の区間で生成される位相を入れる。 このように定義された順序構造と位相をもった集合 R~ を 補完数直線と言う。
8 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 13:24:35
命題 R の任意の閉区間 I = [a, b] は連結である。 証明 I が連結でないとする。 R の開集合 U と V があり、 I ⊂ U ∪ V I ∩ U と I ∩ V は空集合でない。 I ∩ U ∩ V は空集合である。 x ∈ I ∩ U y ∈ I ∩ V をとる。 x < y と仮定してよい。 x_0 = sup (I ∩ U) ∩ (-∞, y) とおく。 I ∩ U = I - V だから I ∩ U は R の閉集合である。 よって x_0 ∈ I ∩ U である。 x_0 ≦ y であるが x_0 ≠ y だから x_0 < y である。 よって x_0 < z < y となる z ∈ I ∩ U がある。 しかし、x_0 = sup (I ∩ U) ∩ (-∞, y) だから z ≦ x_0 である。 これは矛盾である。 証明終
9 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 13:52:36
命題 R の空でない部分集合 A が区間であるためには、A の任意の2元 a, b, a < b に対して [a, b] ⊂ A となることが必要十分である。 証明 必要なことは明らか。 逆にこの条件が満たされたとする。 A が上にも下にも有界でないとする。 R の任意の元 x に対して a < x < b となる A の元 a, b がある。 仮定から [a, b] ⊂ A だから x ∈ A である。 よって R = A である。 A が上に有界で、下にも有界でないとする c = sup A とおく。 x < c のとき a < x < b ≦ c となる a, b ∈ A がある。 仮定から [a, b] ⊂ A だから x ∈ A である。 よって A = (-∞, c) または A = (-∞, c] である。 他の場合も同様である。 証明終
10 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 14:07:22
命題
R の任意の区間は連結である。
証明
I を R の区間で、一点のみではないとする。
x ∈ I とすると、x < y または y < x となる y ∈ I がある。
x < y と仮定する。
>>9 より [x, y] ⊂ I である。
>>8 より [x, y] は連結である。
即ち、I の任意の2点は I の連結部分集合に含まれる。
即ち、I はその任意の点の連結成分になる。
よって I は連結である。
証明終
11 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 14:10:01
>I を R の区間で、一点のみではないとする。 x ∈ I とすると、x < y または y < x となる y ∈ I がある。 このところのx, yははじめから任意にIの中からとっているという ことを書いておくべきでしょう。
12 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 14:19:02
>>11 有難うございます。
>>10 は以下のように修正します。
命題
R の任意の区間は連結である。
証明
I を R の区間で、一点のみではないとする。
x, y を I の任意の異なる2点とする。
x < y と仮定する。
>>9 より [x, y] ⊂ I である。
>>8 より [x, y] は連結である。
即ち、I の任意の2点は I の連結部分集合に含まれる。
即ち、I はその任意の点の連結成分になる。
よって I は連結である。
証明終
13 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 14:30:43
命題
R の部分集合 A が連結であるためには A が区間であることが
必要十分である。
証明
十分なことは
>>12 で証明されている。
逆に A が連結であるとする。
A が一点なら区間である。
A が一点でないなら、A の元 a, b で a < b となるものがある。
>>9 より [a, b] ⊂ A を示せばよい。
[a, b] ⊂ A でないとする。
a < x < b となる x で A に含まれないものがある。
A ⊂ R - {x} だから A = A ∩ (R - {x})
R - {x} = (-∞, x) ∪ (x, +∞)
だから
A = (A ∩ (-∞, x)) ∪ (A ∩ (x, +∞))
a ∈ A ∩ (-∞, x)
b ∈ A ∩ (x, +∞)
だから A は空でない A の開集合の直和となる。
よって、A は連結でない。
証明終
14 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 14:46:58
命題
R の空でない開集合は高々可算個の互いに交わらない開区間の合併である。
証明
U を R の空でない開集合とする。
I を U の連結成分とする。
x ∈ I なら、x ∈ U だから a < x < b で (a, b) ⊂ U となる
a, b ∈ R がある。
>>12 より (a, b) は連結である。
よって、(a, b) ⊂ I である。
即ち、I は R の開集合である。
I は連結だから
>>13 より開区間である。
Φ を U の連結成分全体の集合とする。
I ∈ Φ のとき I はある有理数 r を含む
f(I) = r として(厳密には選択公理を使って)、
写像 f : Φ → Q を定義する。
f は単射だから Φ は高々可算である。
証明終
>>14 >I ∈ Φ のとき I はある有理数 r を含む
>f(I) = r として(厳密には選択公理を使って)、
とありますが、選択公理は必要ないのではないですか?
なぜなら、有理数の全体 Q は、選択公理なしでも整列できるからです。
(N×N から Q の上への写像があるからです。)
そこで、Q の整列順序 R を一つ固定して、
各 I ∈ Φ に対し、f(I) ∈ I を、順序 R に関する I の
最小元と置けばよいのです。
>>15 訂正:
× 順序 R に関する I の最小元
○ 順序 R に関する I∩Q の最小元
17 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 14:59:54
>>15 なるほど、そうですね。
有難うございます。
18 :
Kummer ◆yDkzOiyyOw :2007/08/24(金) 15:39:31
糞スレだと思って開いてしまった奴はどれが良いか答えろ A)マジレスすると戸田恵梨香にねっとりとディープキスされながら玉を揉まれつつ、 新垣結衣に優しく乳首を吸われながら激しく手コキされて射精したい。 B)マジレスするとマジックミラー越しに夏帆に見られながら、 リアディゾンに極太ディルドを突っ込みながらバックからアナルを犯して射精したい。 C)マジレスするとに相武紗季に前立腺マッサージをされてチンポが敏感になった状態で、 井上真央に言葉攻めされながら足コキされて射精したい。 D)マジレスすると額にバイブを取り付けられた状態で、榮倉奈々に眼前で バイブオナニーされながら酒井若菜にローションパイズリされて射精したい。 E)マジレスすると長澤まさみと沢尻エリカに「あたしの方が気持ちいいでしょ?」 と言われながら交互にフェラされてどっちがいいか決めかねたまま射精したい。 F)マジレスするとマナとカナと3人で舌を絡めながら仁王立ちした状態で 脱ぎたてパンティでチンポを包まれながらW手コキされて射精したい。
19 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 16:06:57
補題
R の一点でない区間 I から R への写像 f が I から f(I) への
位相同型とする。
a, b, a < b を I の2点とする。
f(a) < f(b) なら a < x < b のとき f(a) < f(x) < f(b) である。
f(a) > f(b) なら a < x < b のとき f(a) > f(x) > f(b) である。
証明
a, b, a < b を I の2点とする。
f(a) < f(b) の場合のみ証明すればよい。
c を a < c < b となる任意の実数とする。
f(a) < f(c) < f(b) であることを示す。
f(a) < f(b) < f(c) とする。
>>12 より [a, c] は連結だから f([a, c]) も連結である。
>>13 より f([a, c]) は区間である。
よって f(b) ∈ f([a, c]) である。
即ち x ∈ [a, c] で f(x) = f(b) となるものがある。
x ≠ b だから、これは f が単射であることに矛盾する。
f(c) < f(a) < f(b) としても同様に矛盾となる。
証明終
20 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 16:17:34
補題
R の一点でない区間 I から R への写像 f が I から f(I) への
位相同型とする。
a, b, a < b を I の2点とする。
f(a) < f(b) とする。
a < x < b なら f(a) < f(x) < f(b)
b < x なら、f(b) < f(x) である。
x < a なら f(x) < f(a) である。
証明
a < x < b なら
>>19 より f(a) < f(x) < f(b)
b < x なら、まず f(a) < f(x) である。
何故なら f(a) > f(x) なら
>>19 より
f(a) > f(b) > f(x) となって矛盾だから。
よって 再び
>>19 から f(a) < f(b) < f(x) となる。
同様に x < a なら f(x) < f(a) である。
証明終
21 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 16:41:46
命題
R の一点でない区間 I から R への写像 f が I から f(I) への
位相同型なら f は狭義単調である。
証明
a, b, a < b を I の2点とし、f(a) < f(b) とする。
x < y を I の2点とする。
1) a < x < b のとき。
a < x < y < b なら
>>19 より f(a) < f(x) < f(b)
よって再び
>>19 より f(x) < f(y) < f(b)
b < y なら、
>>20 より f(b) < f(y)
よって f(x) < f(y)
2) b < x のとき。
b < y だから
>>20 より f(b) < f(y)
よって
>>19 より f(b) < f(x) < f(y)
3) x < y < a のとき
>>20 より f(x) < f(a)
よって
>>19 より f(x) < f(y) < f(a)
4) x < a < y < b のとき。
>>20 より f(x) < f(a),
>>19 より f(a) < f(y)
よって f(x) < f(y)
5) x < a < b < y のとき。
>>20 より f(x) < f(a), f(b) < f(y)
よって f(x) < f(y)
証明終
Kummer さま、こんにちは。
>>19 ,
>>20 ,
>>21 の証明を見ると、
f:I → f(I) に関する条件は、「連続な単射」 で充分ですね?
もちろん I が有界閉区間のときは、コンパクトになるから、
f は位相同型になってしまいますが。
おそらくは、
>>22 以降に書かれるかもしれません。
邪魔してしまってスミマセン m(_ _)m
23 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 17:30:48
>>22 >f : I → f(I) に関する条件は、「連続な単射」 で充分ですね?
おっしゃる通りです。
連続な単射ですから、練炭と名づけましょう。
25 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 17:32:43
>>22 >邪魔してしまってスミマセン m(_ _)m
とんでもないです。
内容に関する質問、ご意見は歓迎です。
26 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 17:42:55
補題
f を R の閉区間 [a, b] から R への連続かつ狭義単調な写像とする。
f([a, b]) = [f(a), f(b)] である。
証明
a ≦ x ≦ b なら f(a) ≦ f(x) ≦ f(b) だから
f([a, b]) ⊂ [f(a), f(b)] である。
>>8 より [a, b] は連結である。
f は連続だから f([a, b]) は連結である。
>>13 より f([a, b]) は区間である。
f(a) ∈ f([a, b]), f(b) ∈ f([a, b]) であり、
f(a) < f(b) だから
>>9 より [f(a), f(b)] ⊂ f([a, b]) である。
以上から、f([a, b]) = [f(a), f(b)] である。
証明終
27 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 17:55:09
補題
f を R の一点でない区間 I から R への連続で狭義単調な写像とする。
a < b を I の2点とする。
f((a, b)) = (f(a), f(b)) である。
証明
a < x < b なら f(a) < f(x) < f(b) だから
f((a, b)) ⊂ (f(a), f(b)) である。
f(a) < s < f(b) とする。
f は a と b でそれぞれ連続だから
a < x < y < b となる x, y で
f(x) < s < f(y) となるものがある。
>>26 より f([x, y]) = [f(x), f(y)] だから
s ∈ f([x, y]) ⊂ f((a, b)) である。
よって (f(a), f(b)) ⊂ f((a, b)) である。
証明終
28 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 18:18:43
命題
R の一点でない区間 I から R への写像 f が I から f(I) への
位相同型であるためには f は連続で狭義単調であることが
必要十分である。
証明
必要性は
>>21 で証明されている。
f は連続で狭義単調であるとする。
>>27 より f は開写像である。
よって f は I から f(I) への位相同型である。
証明終
29 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 18:53:49
命題
R の空でない開区間は R と位相同型である。
証明
I を有界開区間 (a, b) とする。
f(x) = -(1/(x - a) + 1/(x - b)) とおく。
1/(x - a) と 1/(x - b) は I で狭義単調減少である。
よって、f(x) は I で狭義単調増加である。
x → a + 0 のとき 1/(x - a) → +∞, 1/(x - b) → 1/(a - b)
x → b - 0 のとき 1/(x - b) → -∞, 1/(x - a) → 1/(b - a)
よって x → a + 0 のとき f(x) → -∞
x → b - 0 のとき f(x) → +∞
よって f(I) = R である。
>>28 より f は位相同型である。
f の逆写像を g とする。
g : R → I である。
R の区間非有界開区間 J に対して g(J) は I に含まれる開区間である。
g(J) は有界だから、上で示したことから R に位相同型である。
よって J も R に位相同型である。
証明終
>>26 ,
>>27 ,
>>28 では、f を狭義単調と仮定していますが、
>>19 ,
>>20 ,
>>21 を踏まえた上で、f は、実は連続な単射(1-1写像)
であればよいわけですよね?
一方、
>>29 では、直接に狭義単調増加関数を定義しています。
>>29 のほかに、区間 I から R の中への、
1-1 であることのみわかっている連続写像 f に対して、
>>19 〜 >21 が、本質的に適用できて、
初めて f が狭義単調であることが判明するような例が、あるのでしょうか?
少々細かくて、恐縮ですが。
31 :
Kummer ◆yDkzOiyyOw :2007/08/24(金) 19:40:13
)i☆i( ;O;+ ;o+: ;i|*|i、 ;;o;+、 ;;O+; |'゙゙+''゙゙*''゙゙+''゙゙゙'+''゙゙*゙゙''+゙゙| ゙!!'''゙'''''゙''''''゙''''''''''゙'''''''゙'''、!!゙ / \ / ''''''''' '''''''' i | (●), 、(●) | ! `ー ,,ノ(、_, )ヽ、,,. ノ 丶_ `-=ニ=-. ノ f~~r 、''''‐-: ''''~~"~ ""~~~,,,,{, _,,,,,,_ /,ィ〔/T‐ェ', ''''' ~~ ヽ ,.'''~ ゙i ~~''t-'7:::i' ! !::::::::~''- ., -‐く i , t-l l::/:::::l l l:::::::::::::::::::゙i' - .,_ `i i゙''''f l::::l l/::::::;l ll l:::::::::::::::::::;!:::::::::::~ ''''''‐-t-' l_l l::::! /::::::::l l l l::::::::::::::::ゝ:;:::::::::::::::::::::::::゙i / \:::l. /:::::::〔,,,l:l,,,〕:::::::::::::゙!~ ~'- 、:::::::::::::::〈 .."''t---f''゙!::! ./::::::::::::::i:i:::::::::::::::::r.' ヽ;:::::::::::::ヽ 〈 〉.l::l. ,!:::::::::::::::l::l:::::::::::::::::゙t:..、 ~''‐-- 'i l---l ゙',.=く:::::::::::::::::l:::l:::::::::::;;: -! ヽ, ヽ  ̄ r::'":::::::ヽ;::::::::::;;l;;;;l. ァ ''/ .r゙;..,,,.ノ::ヽ, ゙:, ヾ:;;;;;;;::;;: ‐'' " i i‐ァ ,!r'''''' '' - 'ヽ., ,,. t' ,,. -'''"__゙' ‐---‐‐''"__,」:l,,,!l; ヽ;::~'''''''~:::::::゙;, ゙'''''''''" ゙''‐----‐''" ゙''‐---‐''" ゙''‐---‐'' 童帝 [nosex king] (1972〜2007)
32 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 20:20:34
>>27 は次のように修正します。
補題
f を R の一点でない区間 I から R への連続で狭義単調な写像とする。
a < b を I の2点とする。
f が単調増加なら f((a, b)) = (f(a), f(b)) である。
f が単調減少なら f((a, b)) = (f(b), f(a)) である。
証明
f が単調増加の場合のみ証明する。
f が単調減少の場合も同様である。
a < x < b なら f(a) < f(x) < f(b) だから
f((a, b)) ⊂ (f(a), f(b)) である。
f(a) < s < f(b) とする。
f は a と b でそれぞれ連続だから
a < x < y < b となる x, y で
f(x) < s < f(y) となるものがある。
>>26 より f([x, y]) = [f(x), f(y)] だから
s ∈ f([x, y]) ⊂ f((a, b)) である。
よって (f(a), f(b)) ⊂ f((a, b)) である。
証明終
33 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 20:25:27
>>30 例はあるんでしょうが、今は思いつきません。
34 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 20:28:44
>>33 ご回答ありがとうございました。
やはり、微妙なところなのですね。
35 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 20:39:18
>>33 Kummer さん、
前スレの a, b, c, ... とレスして行く奴は Kummer さんですか?
36 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 20:57:53
命題
R の一点でない閉区間 [a, b] は補完数直線 R~ (
>>7 ) と
位相同型である。
証明
>>29 より位相同型 f : (a, b) → R がある。
f は単調増加と仮定してよい。
f の拡張 f~ : [a, b] → R~ を f~(a) = -∞, f~(b) = +∞ で
定義する。
任意の M > 0 に対して、f(x) = M となる x ∈ (a, b) がある。
x < y < b なら M < f(y) である。
即ち、x → b - 0 のとき f(x) → +∞
同様に、x → a + 0 のとき f(x) → -∞
従って f~ は連続である。
f は
>>32 より、(a, b) の開区間を R の開区間に写すから
f~ は、[a, b] の開区間を R~ の開区間に写す。
従って、f~ は開写像である。
f~ は全単射だから位相同型である。
証明終
37 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 21:03:16
>>35 内容に関係ないんで、ノーコメントと言いたいところですが、
例外的にお答えしましょう。
違います。
彼は、容量オーバーを気遣ってるんでしょう。
容量オーバーすると DAT 落ちに失敗する場合があるらしいです。
38 :
34 :2007/08/24(金) 21:11:07
>>37 >>35 は私の質問でないのですが、ありがとうございます。
私も気にはなっていたのです。
これからもがんばってください。
39 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 21:14:43
40 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 21:24:30
命題
R から R への写像 f を f(x) = -x で定義する。
f の補完数直線 R~ (
>>7 ) への拡張 f~ : R~ → R~ を
f~(+∞) = -∞
f~(-∞) = +∞
で定義すると f~ は R~ の位相同型である。
証明
f は位相同型である。
x → +∞ のとき -x → -∞
x → -∞ のとき -x → +∞
であるから
f~ は連続である。
明らかに f~ は全単射である。
(f~)^2 = 1 であるから f~ の逆写像は f~ である。
よって f~ は位相同型である。
証明終
41 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 21:28:19
>>40 の結果を踏まえて、-(+∞) = -∞, -(-∞) = +∞ とする。
42 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 21:48:06
命題 R×R から R への写像 f を f(x, y) = x + y で定義する。 A = (-∞, +∞] B = [-∞, +∞) とおく。 f の拡張 g : A×A → A を x ∈ R のとき g(x, +∞) = +∞ g(+∞, x) = +∞ で定義する。 f の拡張 h : B×B → B を x ∈ R のとき h(x, -∞) = -∞ h(-∞, x) = -∞ で定義する。 g と h はともに連続である。 証明 a ∈ R のとき (x, y) → (a, +∞) なら x + y → +∞ である。 よって g は (a, +∞) ∈ A×A において連続である。 同様に、g は (+∞, a) ∈ A×A において連続である。 よって g は連続である。 同様に h も連続である。 証明終
43 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 21:57:15
学生の頃の数学の成績はどの程度だったのでしょうか
44 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 21:58:10
>>42 を次のように修正する。
命題
R×R から R への写像 f を f(x, y) = x + y で定義する。
A = (-∞, +∞]
B = [-∞, +∞) とおく。
f の拡張 g : A×A → A を
g(+∞, +∞) = +∞
x ∈ R のとき
g(x, +∞) = +∞
g(+∞, x) = +∞
で定義する。
f の拡張 h : B×B → B を
h(-∞, -∞) = -∞
x ∈ R のとき
h(x, -∞) = -∞
h(-∞, x) = -∞
で定義する。
g と h はともに連続である。
証明
(x, y) → (+∞, +∞) なら x + y → +∞ である。
a ∈ R のとき (x, y) → (a, +∞) なら x + y → +∞ である。
よって g は A×A において連続である。
同様に h も連続である。
証明終
45 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 21:59:50
>>44 の結果を踏まえて、
(+∞) + (+∞) = +∞
x ∈ R のとき
x + (+∞) = +∞
(+∞) + x = +∞
(-∞) + (-∞) = -∞
x ∈ R のとき
x + (-∞) = -∞
(-∞) + x = -∞
と定義する。
46 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 22:10:58
命題
補完数直線 R~ (
>>7 ) に対して (R~)^* = R~ - {0} と書く。
関数 xy は公式
(+∞)(+∞) = +∞
(-∞)(-∞) = +∞
x ∈ R で x > 0 のとき
x(+∞) = (+∞)x = +∞
x(-∞) = (-∞)x = -∞
x ∈ R で x < 0 のとき
x(+∞) = (+∞)x = -∞
x(-∞) = (-∞)x = +∞
に従って (R~)^* × (R~)^* へ連続延長される。
証明
>>44 と同様なので省略する(読者に任す)。
47 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 22:36:43
定義 X を集合とする。 X×X から [0, +∞] ⊂ R~ への写像 f で次の条件を満たすものを X 上の擬距離と言う。 1) 任意の x ∈ X に対して f(x, x) = 0 2) 任意の x, y ∈ X に対して f(x, y) = f(y, x) 3) 任意の x, y, z ∈ X に対して f(x, y) ≦ f(x, z) + f(z, y)
48 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 23:17:40
ここは Kummer ◆g2BU0D6YN2 の成長を見守るスレですか?
49 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 23:41:45
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おやすみKummer ーーー!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | つ / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
50 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 23:49:24
ぼくはくま Kummer Kummer Kummer けんかはやだよ Kummer Kummer Kummer ∩___∩ ∩___∩ |ノ ヽ |ノ ヽ / (゚) (゚) | / (゚) (゚) | | ( _●_) ミ | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、` ̄ ̄ヽ /彡、 |∪| ミ / __ ヽノ Y ̄) | ( (/ ヽノ_ | (___) Y_ノ ヽ/ (___ノ \ | | / | /\ \ / /\ | | / ) ) ( ( ヽ | ∪ ( \ / ) ∪ \_) (_/ ∩___∩ (ヽ | ノ ヽ /) (((i ) / (゜) (゜) | ( i))) ライバルは /∠彡 ( _●_) |_ゝ \ ( ___、 |∪| ,__ ) | ヽノ /´ | / ,.、,、,..,、、.,、,、、..,_ /i ;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i '、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'
荒らすな!!ばか!
52 :
132人目の素数さん :2007/08/25(土) 00:00:21
ぼくはくま Kummer Kummer Kummer けんかはやだよ Kummer Kummer Kummer ∩___∩ ∩___∩ |ノ ヽ |ノ ヽ / (゚) (゚) | / (゚) (゚) | | ( _●_) ミ | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、` ̄ ̄ヽ /彡、 |∪| ミ / __ ヽノ Y ̄) | ( (/ ヽノ_ | (___) Y_ノ ヽ/ (___ノ \ ⊂ | | つ / | /\ \ / /\ | | / ) ) ( ( ヽ | ∪ ( \ / ) ∪ \_) (_/ ∩___∩ (ヽ | ノ ヽ /) (((i ) / (゜) (゜) | ( i))) ライバルは /∠彡 ( _●_) |_ゝ \ ( ___、 |∪| ,__ ) | ヽノ /´ | / ∩ ,.、,、,..,、、.,、,、、..,_ /i ;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i '、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'
54 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 09:29:29
>>47 の不等式を三角不等式と言う。
この三角不等式こそ解析の基礎である。
55 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 09:33:58
擬距離の例
1) 距離空間の距離は擬距離である。
2) X を集合とする。
任意の x に対して f(x, x) = 0, x ≠ y なら f(x, y) = +∞
と定義すると、 f は X 上の擬距離である。
>>45 より
0 + (+∞) = +∞
(+∞) + (+∞) = +∞
だから f は三角不等式を満たす。
3) 集合 X 上で定義された任意の有限実数値関数 g に対して
f(x, y) = |g(x) - g(y)| と定義すると、f は X 上の擬距離である。
56 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 09:38:12
>>54 解析は不等式、代数は等式を主に扱うと言ってもあながち間違い
ではないだろう。
57 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 09:46:55
f を集合 X 上の擬距離とする。 実数 a > 0 に対して U_a = { (x, y) ∈ X×X ; f(x, y) < a} とおく。 U_a 全体は X 上の一様構造の基本近縁系になる。 過去スレ006の196の 1) V ∈ Φ_0 なら Δ ⊂ V 2) V, V' ∈ Φ_0 のとき W ⊂ V ∩ V' となる W ∈ Φ_0 がある。 3) V ∈ Φ_0 のとき W ⊂ V^(-1) となる W ∈ Φ_0 がある。 4) V ∈ Φ_0 のとき WW ⊂ V となる W ∈ Φ_0 がある。 を確認すればよい。 例えば 4) は、 三角不等式より任意の実数 a > 0 に対して (U_a)(U_a) ≦ U_2a となることから分かる。 1), 2), 3) も容易である。
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはようKummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
59 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 09:52:25
定義
f を集合 X 上の擬距離とする。
実数 a > 0 に対して U_a = { (x, y) ∈ X×X ; f(x, y) < a}
とおく。
>>57 より U_a 全体は X 上の一様構造の基本近縁系(過去スレ006の195)
になる。
この一様構造を f により定義された一様構造と言う。
X 上の二つの距離が同じ一様構造を定義するとき、これ等の擬距離は
同値であると言う。
60 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 10:03:56
X 上に二つの擬距離 f, g があるとする。 Φ(f), Φ(g) をそれぞれ f, g により定義された一様構造とする。 Φ(f) ⊂ Φ(g) であるためには 任意の実数 a > 0 に対して、実数 b > 0 が存在して g(x, y) < b なら f(x, y) < a となることが必要十分である。
61 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 12:11:51
命題
区間 [0, +∞] から [0, +∞] への写像 ψ が次の条件を満たすとする。
1) ψ(0) = 0
2) ψ は単調増加である。
3) ψ は 0 の近傍で連続かつ狭義単調増加である。
4) 任意の x , y ∈ [0, +∞] に対して ψ(x + y) ≦ ψ(x) + ψ(y)
このとき、集合 X 上の任意の擬距離 f に対して
g = ψf は f と同値な擬距離である。
証明
g が擬距離であることは明らかである。
ψ は 0 で連続だから
任意の実数 a > 0 に対して、実数 b > 0 が存在して
0 ≦ x < b なら ψ(x) < a となる。
よって、任意の実数 a > 0 に対して、実数 b > 0 が存在して
f(x, y) < b なら g(x, y) < a となる。
ψ は 0 の近傍で連続かつ狭義単調増加だから
>>28 より ψ は 0 の近傍で位相同型である。
よって、0 の近傍で ψ の逆関数 φ が存在し
連続かつ狭義単調増加である。
よって、g(x, y) が十分小さければ、f(x, y) = φg(x, y)
よって、任意の実数 a > 0 に対して、実数 b > 0 が存在して
g(x, y) < b なら f(x, y) < a となる。
>>60 より f と g は同値な擬距離である。
証明終
62 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 12:17:58
例えば、√x, log(1 + x), x/(1 + x), inf(x, 1) は
>>61 の条件を
満たしている。
x/(1 + x) と inf(x, 1) は [0, +∞] で有界だから
任意の擬距離と同値な有限かつ有界な擬距離が存在する。
63 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 12:38:19
定義
(f_λ), λ ∈ L を集合 X 上の擬距離の族とする。
各 f_λ で定義された一様構造(
>>59 )の上限(過去スレ006の220)を
族 (f_λ) によって定義された一様構造と言う。
X 上の二つの擬距離の族が同じ一様構造を定義するとき、これ等の族は
同値であると言う。
64 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 12:57:45
命題
f を集合 X 上の擬距離とする。
f で定義された一様構造(
>>59 )が分離的、すなわちその一様構造が定める
位相空間がハウスドルフ空間であるためには、
f(x, y) = 0 となるのが x = y の場合に限ることが必要十分である。
この条件は f が X 上の距離であるということと同じである。
証明
読者に任せる。
65 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 13:06:35
補題 f を集合 X 上の有限擬距離、即ち +∞ を取らない擬距離とする。 x, y, z を X の任意の3点とすると、 |f(x, z) - f(y, z)| ≦ f(x, y) 証明 f(x, z) ≦ f(x, y) + f(y, z) よって f(x, z) - f(y, z) ≦ f(x, y) f(y, z) ≦ f(y, x) + f(x, z) よって f(y, z) - f(x, z) ≦ f(x, y) よって |f(x, z) - f(y, z)| ≦ f(x, y) 証明終
66 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 13:14:39
命題
f を集合 X 上の有限擬距離とする。
X×X に X の f による一様構造の積一様構造(過去スレ006の230)を
入れる。
f : X×X → [0, +∞) は一様連続である。
証明
>>65 より、
X の任意の4元 x, y, a, b に対して、
|f(x, y) - f(a, b)| ≦ |f(x, y) - f(a, y)| + |f(a, y) - f(a, b)|
≦ f(x, a) + f(y, b)
従って、任意の ε > 0 に対して、f(x, a) < ε, f(y, b) < ε なら
|f(x, y) - f(a, b)| < 2ε となる。
証明終
67 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 13:51:09
命題
f を集合 X 上の距離とする。
f は擬距離だから X に一様構造を定義する。
f は距離だから
>>64 より X はこの一様構造で分離一様空間になる。
分離一様空間 X の完備化(過去スレ006の293)を X^ とする。
f は連続写像 f^ : X^×X^ → [0, +∞) に拡張される。
f^ は X^ の距離であり、X^ の一様構造はこの距離により定義される
一様構造と一致する。
証明
>>66 より f は X×X で一様連続だから
一様連続写像の延長定理(過去スレ006の272)より、
f は一様連続写像 f^ : X^×X^ → [0, +∞) に拡張される。
不等式延長の原理(過去スレ006の473)より、f^ は X^ の擬距離になる。
X の完備化としての X^ の一様構造を Φとし、
f^ により定義される X^ の一様構造を Ψ とする。
f^ : X^×X^ → [0, +∞) は Φ の積 Φ×Φ で一様連続だから
任意の ε > 0 に対して Φ の近縁 V があり、
(x, x') ∈ V, (y, y') ∈ V なら
|f(x, y) - f(x', y')| < ε となる。
特に (x, y) ∈ V なら |f(x, y) - f(x, x)| < ε となる。
f(x, x) = 0 だから |f(x, y)| < ε となる。
これは Ψ ⊂ Φ を意味する。
他方、Φ と Ψ は X で同じ一様構造を導入する。
さらに、X は Φ で完備である。
過去スレ006の474より Φ = Ψ である。
X^ はハウスドルフ空間だから
>>64 より f~ は距離である。
証明終
68 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 14:01:17
命題
(f_λ), λ ∈ L を集合 X 上の有限擬距離の族とする。
族 (f_λ) によって定義された X の一様構造は分離的であるとする。
分離一様空間 X の完備化(過去スレ006の293)を X^ とする。
各 f_λ は連続写像 (f_λ)^ : X^×X^ → [0, +∞) に拡張される。
(f_λ)^ は X^ の擬距離であり、X^ の一様構造は
族 ((f_λ)^) により定義される一様構造と一致する。
証明
>>67 の証明と同様である。
69 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 14:43:23
補題 X を一様空間とする。 X の近縁の列 (U_n), n ≧ 1 で任意の整数 n ≧ 1 に対して (U_(n+1))^3 ⊂ U_n となるものがあるとする。 写像 g : X×X → [0, +∞) を次のように定義する。 すべての n に対して (x, y) ∈ U_n なら g(x, y) = 0 (x, y) ∈ U_n で (x, y) ∈ X×X - U_(n+1) なら g(x, y) = 1/2^n (x, y) ∈ X×X - U_1 なら g(x, y) = 1 x, y を X の任意の2点とする。 z_0 = x, z_p = y を満たすすべての有限列 z_0, . . . , z_p に対して、 Σg(z_i, z_(i+1)) ≧ (1/2)g(x, y) となる。 左辺の和は i = 0 から i = p - 1 に関するものである。 証明 p に関する帰納法による。 p = 1 のときは明らかである。 a = Σg(z_i, z_(i+1)) とおく。 和は i = 0 から i = p - 1 に関するものである。 g(x, y) ≦ 1 だから a ≧ 1/2 のときは Σg(z_i, z_(i+1)) ≧ (1/2)g(x, y) である。 よって a < 1/2 と仮定する。 g(z_0, z_1) + . . . + g(z_(q-1), q) ≦ a/2 となる q の最大値を h とする。 g(z_0, z_1) + . . . + g(z_h, z_(h + 1)) > a/2 となる。 従って g(z_(h + 1), z_(h + 2)) + . . . + g(z_(p-1), z_p) ≦ a/2 となる (続く)
70 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 14:44:04
>>69 の続き。
帰納法の仮定より、
(1/2)g(x, z_h) ≦ g(z_0, z_1) + . . . + g(z_(h-1), h) ≦ a/2
よって g(x, z_h) ≦ a
(1/2)g(z_(h + 1), y)
≦ g(z_(h + 1), z_(h + 2)) + . . . + g(z_(p-1), z_p) ≦ a/2
よって g(z_(h + 1), y) ≦ a
g(z_h, z_(h + 1)) ≦ a
1/2^k ≦ a となる最小の整数 > 0 を k とすれば、 k ≧ 2 で、
(x, z_h) ∈ U_k
(z_h, z_(h + 1)) ∈ U_k
(z_(h + 1), y) ∈ U_k
よって
(x, y) ∈ (U_k)^3 ⊂ U_(k-1)
よって
g(x, y) ≦ 1/2^(k-1) ≦ 2a
証明終
71 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 15:21:12
定理
X を可算な基本近縁系をもつ一様空間とする。
Φ をこの一様構造とする。
X 上の擬距離 f が存在して f により定義される一様構造が
Φ と一致する。
証明
X の可算な基本近縁系を (V_n), n ≧ 1 とする。
帰納法により、X の対称近縁の列 (U_n), n ≧ 1 を、
U_1 ⊂ V_1, (U_(n+1))^3 ⊂ U_n ∩ V_(n+1) となるように定義する。
(U_n), n ≧ 1 は X の基本近縁系である。
>>69 の写像 g : X×X → [0, +∞) に対して、
x, y を X の任意の2点としたとき、
f(x, y) = inf Σg(z_i, z_(i+1)) とおく。
右辺の下限は、z_0 = x, z_p = y を満たすすべての有限列
z_0, . . . , z_p に対して取る。
(続く)
72 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 15:22:01
>>71 の続き。
f が対称で三角不等式を満たすことは容易にわかる。
f(x, y) ≦ g(x, y) は明らかだから f(x, x) = 0 である。
よって f は擬距離である。
>>69 より f(x, y) ≧ (1/2)g(x, y) である。
即ち、(1/2)g(x, y) ≦ f(x, y) ≦ g(x, y) となる。
任意の実数 a > 0 に対して
W_a = { (x, y) ∈ X×X ; f(x, y) < a} とおく。
>>59 より W_a 全体は f による X 上の一様構造の基本近縁系になる。
任意の実数 a > 0 に対して
1/2^k < a となる整数 k > 0 をとれば (x, y) ∈ U_k なら
f(x, y) ≦ g(x, y) ≦ 1/2^k < a
よって、U_k ⊂ W_a
逆に、f(x, y) ≧ (1/2)g(x, y) だから、
任意の k > 0 に対して、
f(x, y) ≦ 1/2^(k+1) なら g(x, y) ≦ 1/2^k である。
よって W_(1/2^(k+1)) ⊂ U_k である。
以上から W_a は Φ の基本近縁系である。
証明終
73 :
γ◇Homotopy :2007/08/25(土) 15:33:03
>>71 Kummer さま、こんにちは。
(U_n) の構成では、従属選択公理を使っていますね?
74 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 15:37:15
>>73 そうでしょうが、数学やる人はほとんど気にしてません。
75 :
γ◇Homotopy :2007/08/25(土) 16:36:27
>>74 どうも失礼しました m(_ _)m
私の師が、昔、選択公理を使わずに実数論を展開することに
ハマっていたので、つい。
76 :
1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/25(土) 16:51:36
Reply:
>>75 実数空間の構成には選択公理は要りません。どこに選択公理が現れますか?
>>76 (1)区間 I 上の実数値関数 f が、a∈I で連続なるための条件は、
a に収束する任意の点列 (a_n) に対して、点列 (f(a_n))
が f(a) に収束することの証明。
普通にやると、可算選択公理を誰しも使うと思う。
(2)R の有界閉区間上の連続実数値関数は、一様連続であることの証明。
これも帰謬法で証明する場合、普通は可算選択公理を使う。
尤も、次の命題は、集合論 ZF 内で証明可能:
命題:コンパクトハウスドルフ空間 X から、一様空間 Y への連続写像は、
一様連続。
まあ、基礎論に興味の無い人には、どうでも良いことですが A^ ^;
>>77 日本語がおかしいので、訂正
× a に収束する任意の点列 (a_n) に対して、点列 (f(a_n))
が f(a) に収束することの証明。
○ a に収束する任意の点列 (a_n) に対して、点列 (f(a_n))
が f(a) に収束することであることの証明。
79 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 17:08:14
>>75 可算選択を気にしないという意味です。
非可算選択を気にする数学者はわりといると思います。
81 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 17:38:29
定理
X を一様空間とし、Φ をこの一様構造とする。
X 上の擬距離の族 (f_λ), λ ∈ L が存在して
(f_λ) によって定義される X の一様構造が Φ と一致する。
証明
Φ の任意の近縁 V に対して、
帰納法により、X の対称近縁の列 (U_n), n ≧ 1 を、
U_1 ⊂ V, (U_(n+1))^2 ⊂ U_n となるように定義する。
(U_n) は X のある一様構造 Φ_V の基本近縁系となる。
一様構造の族 (Φ_V), V ∈ Φ の上限(過去スレ006の220)を
Ψ とする。
V を Φ の任意の近縁とする。U ⊂ V となる U ∈ Φ_V がある。
よって V ∈ Ψ である。
従って、Φ ⊂ Ψ である。
Ψ ⊂ Φ は明らかだから Φ = Ψ である。
>>71 より Φ_V はある擬距離 f_V の定める一様構造と一致する。
(f_V), V ∈ Φ が求める擬距離の族である。
証明終
82 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 20:16:44
補題 (f_λ), λ ∈ L を集合 X 上の擬距離の族とする。 sup {f_λ; λ ∈ L } は X 上の擬距離である。 証明 f_λ(x, y) ≦ f_λ(x, z) + f_λ(z, y) だから sup f_λ(x, y) ≦ sup (f_λ(x, z) + f_λ(z, y)) ≦ sup (f_λ(x, z)) + sup (f_λ(z, y)) 証明終
83 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 20:21:05
定義
(f_λ), λ ∈ L を集合 X 上の擬距離の族とする。
H を L の有限部分集合とする。
>>82 より f_H = sup {f_λ; λ ∈ J } は擬距離である。
L の任意の有限部分集合 H に対して f_H がこの族に属すとき、
(f_λ) を擬距離の充填族と言う。
84 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 20:35:00
補題
(f_λ), λ ∈ L を集合 X 上の擬距離の族とする。
H を L の任意の有限部分集合とする。
>>82 より f_H = sup {f_λ; λ ∈ J } は擬距離である。
L の有限部分集合の全体を Φ(L) とする。
族 (f_H), H ∈ Φ(L) は充填族(
>>83 )であり、
(f_λ) と同値(
>>63 )である。
証明
f_1, . . . , f_n を (f_λ) に属す有限部分列とする。
実数 a > 0 に対して
U_a = {(x, y) ∈ X×X ; f_1(x, y) < a, . . ., f_n(x, y) < a}
とおく。
U_a の全体が (f_λ) で定義される一様構造の基本近縁系である。
f = sup{f_1, . . .,f_n} とおけば、
U_a = {(x, y) ∈ X×X ; f(x, y) < a}
である。
証明終
85 :
132人目の素数さん :2007/08/25(土) 20:39:38
86 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:05:15
命題
X を一様空間ととする。
x を X の任意の点、A を X の閉集合で x を含まないとする。
連続関数 f : X → [0, 1] で
f(x) = 0
A の上で f = 1 となるものが存在する。
証明
U = X - A とおく。
x ∈ U で、U は開集合である。
>>81 より X 上の擬距離の族 (f_λ), λ ∈ L が存在して
X の一様構造は (f_λ) によって定義される一様構造と一致する。
>>84 より (f_λ) は充填族と仮定してよい。
ある実数 a > 0 とある λ ∈ L があり、
U_a(x) = {(x, y) ∈ X×X ; f_λ(x, y) < a} とおくと、
U_a(x) ⊂ U となる。
従って、y ∈ A のとき、f_λ(x, y) ≧ a となる。
f(z) = inf(1, (1/a)f_λ(x, z)) とおく。
f が求めるものである。
証明終
87 :
γ◇Homotopy :2007/08/25(土) 21:21:00
> U_a(x) = {(x, y) ∈ X×X ; f_λ(x, y) < a} とありますが、 U_a(x) = { y ∈ X ; f_λ(x, y) < a} すべきでは?
88 :
γ◇Homotopy :2007/08/25(土) 21:22:38
>>87 変な日本語の訂正
× すべきでは?
○ とすべきでは?
89 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:38:29
補題
>>55 で述べたように、
集合 X 上で定義された任意の有限実数値関数 g に対して
f(x, y) = |g(x) - g(y)| と定義すると、f は X 上の擬距離である。
f により定義される一様構造は、g を一様連続にするような最も粗い
一様構造である。
証明
f により定義される一様構造は、実数体 R の一様構造の g による
逆像(過去スレ006の224)であることに注意すればよい。
90 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:39:33
91 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:47:36
命題
X を位相空間で次の性質 (CR) を持つとする。
(CR) x を X の任意の点、A を X の閉集合で x を含まないとする。
連続関数 f : X → [0, 1] で、f(x) = 0
A の上で f = 1 となるものが存在する。
このとき、X は一様区間になりその定める位相構造が X の位相構造と
一致する。
証明
X から [0, 1] への連続写像全体を Λ とする。
f ∈ Λ のとき [0, 1] の一様構造の f による逆像(過去スレ006の224)
を Φ_f とする。
Φ = sup {Φ_f ; f ∈ Λ} とする(過去スレ006の220)。
Φ は、Λ に属するすべての写像を一様連続にするような
最も粗い一様構造である。
U を X の開集合で x ∈ U とする。
性質 (CR) より f ∈ Λ で f(x) = 0, X - U の上で f = 1 となる
ものが存在する。
{ y ∈ X ; |f(x) - f(y)| < 1/2 } ⊂ U である。
>>89 により、これは U が Φ による位相で x の近傍であることを
意味する。
x は U の任意の点だから U は Φ の開集合である。
従って X の位相は、Φ が定める位相より粗い。
他方、明らかに Φ が定める位相は X の位相より粗い。
よって両者は一致する。
証明終
92 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 21:56:15
定理
位相空間 X がその位相と両立する一様構造をもつためには
次の性質 (CR) を持つことが必要十分である。
(CR) x を X の任意の点、A を X の閉集合で x を含まないとする。
連続関数 f : X → [0, 1] で、f(x) = 0
A の上で f = 1 となるものが存在する。
証明
必要なことは
>>86 で、十分なことは
>>91 で証明されている。
93 :
93 :2007/08/25(土) 21:57:53
√9=3
94 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/25(土) 22:03:28
定義
ハウスドルフ位相空間 X が
>>92 の性質 (CR) を持つとき
X は完全正則であると言う。
相も変わらず良スレ
96 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 06:37:35
定義 位相空間 X にある距離が定義され、その距離による位相と X の元の位相が一致するとき X は距離付け可能と言う。
97 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 06:50:21
位相空間 X が距離付け可能(
>>96 )なとき、X の位相と両立する距離は
無数にある。しかも、これ等は同値とは限らない。
例えば、(R+)^* を正の実数全体のなす乗法群とする。
(R+)^* には位相群としての一様構造と、R の部分空間としての
一様構造が入るが、これ等は同値ではない。
98 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 06:53:34
定義 一様空間 X にある距離 d が定義され、d による一様構造と X の元の一様構造が一致するとき X は距離付け可能と言う。 このとき、距離 d は X の一様構造と両立すると言う。
99 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 07:08:24
命題
一様空間 X が距離付け可能(
>>98 )であるためには、
X が分離的であり、可算基本近縁系をもつことが必要十分である。
証明
必要なことは明らかである(距離空間の基本事項は既知とする)。
十分なこと。
>>71 より X の一様構造と両立する擬距離 f が存在する。
f は有限な擬距離と仮定してよい。
これは
>>71 の証明からも分かるし、
>>62 からも分かる。
X は分離的だから
>>64 より f は距離である。
証明終
100 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 08:11:01
補題 X を集合とする。 (A_n), n ∈ N を X の高々可算な部分集合の族とする。 ここで、N は整数 > 0 全体の集合である。 A = ∪A_n は可算である。 証明 A_n は高々可算だから、A_n から N への単射 f_n が存在する。 写像 f : A → N×N を次のように定義する。 x ∈ A のとき、x ∈ A_n となる最小の n を k とする。 f(x) = (k, f_k(x)) と定義する。 f が単射なことは明らかである。 N×N は可算だから A も可算である。 証明終
101 :
132人目の素数さん :2007/08/26(日) 08:32:53
ハウスドルフ位相空間 X で、インメルマンターンを行ったとき X は完全正則であると言う。 ミンコフスキー空間へのローレンツ変換により アインシュタインの宇宙方程式は厳密解が存在しないことが明らかである。 ドイツの数学者カール・シュバルツシルトは、 1916年に、完全球体の質量mの天体が空間に静止しているとき リーマン空間がどのようになるかを調べた。 そうすると、天体は自らの重みでつぶれていき、 ある半径(シュバルツシルトの半径)になると、 重力が無限大になることが証明された。 重力崩壊による特異点の発生である。
102 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 08:44:25
補題
I を可算無限集合とし、Φ(I) を I の有限部分集合全体とする。
Φ(I) は可算である。
証明
I = N と仮定してよい。
ここで、N は整数 > 0 全体の集合である。
Φ(N) から N への写像 f を f(J) = max(J) で定義する。
n ∈ N に対して A_n = f^(-1)(n) とおく。
Φ(N) = ∪A_n である。
A_n は有限集合だから
>>100 より Φ(I) は可算である。
証明終
103 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 09:09:45
命題
可算個の擬距離の族により定義された一様構造(
>>63 )は、
それが分離的であれば距離付け可能(
>>98 )である。
証明
(f_n), n ∈ N を集合 X の擬距離の族とする。
ここで、N は整数 > 0 の集合である。
H を N の任意の有限部分集合とする。
>>82 より f_H = sup {f_n; n ∈ H } は擬距離である。
N の有限部分集合の全体を Φ(N) とする。
族 (f_H), H ∈ Φ(N) は充填族(
>>83 )であり、
(f_n) と同値(
>>63 )である。
任意の整数 m > 0 と任意の H ∈ Φ(N) に対して
V_(H,m) = { (x, y) ; f_H(x, y) < 1/m } の全体は
(f_n) により定義される X の一様構造の基本近縁系である。
>>102 より Φ(N) は可算であるから、Φ(N)×N は可算である。
>>99 より X は距離付け可能である。
証明終
104 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 09:35:55
命題
距離付け可能(
>>98 )な一様空間の可算個の積は距離付け可能である。
証明
(X_n), n ∈ N を距離付け可能な一様空間の族とする。
ここで、N は整数 > 0 の集合である。
X = ΠX_n とおく。
p_i : X → X_i を射影とし、
g_i = (p_i)×(p_i) : X×X → (X_i)×(X_i) とおく。
H を N の任意の有限部分集合とする。
各 i ∈ H に対して V_i を X_i の可算基本近縁系に属す近縁とする。
V_H = ∩(g_i)^(-1)(V_i) とおく。
V_H の形の集合全体は X の基本近縁系である。
H を固定したとき V_H の全体は可算集合の有限個の積を
添字として持つので可算である。
>>102 より、N の任意の有限部分集合全体は可算である。
よって H を動かしたとき V_H の全体は
>>100 より可算である。
X は分離だから、
>>99 より X は距離付け可能である。
証明終
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはようKummer ーーー!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | つ / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
106 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:25:11
>>104 において、各 X_n に距離が与えられたとき、
X = ΠX_n の距離を具体的に定義してみよう。
107 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:26:36
命題
(X_n), n ∈ N を距離空間の族とする。
ここで、N は整数 > 0 の集合である。
各 X_n の距離を d_n とする。
X = ΠX_n とおく。
(x, y) ∈ X×X, x = (x_n), y = (y_n) のとき、
d(x, y) = Σ(1/2^n)d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n))
とおけば、d は X の距離であり、X の積一様構造と両立する。
証明
関数 x/(1 + x) は [0, +∞) で単調で
x → +∞ のとき 1 を極限に持つ。
従って x/(1 + x) ≦ 1 である。
よって、d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n)) ≦ 1 である。
よって
(1/2^n)d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n)) ≦ (1/2^n)
Σ(1/2^n) = 1 だから
過去スレ006の55より、Σ(1/2^n)d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n)) は
収束し、Σ(1/2^n)d_n(x_n, y_n)/(1 + d_n(x_n, y_n)) ≦ 1 となる。
>>62 より d_n(u, v)/(1 + d_n(u, v)) は X_n の距離で
d_n と同値である。
よって D_n(u, v) = (1/2^n)d_n(u, v)/(1 + d_n(u, v)) も
d_n と同値である。
(続く)
108 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:27:39
>>107 の続き。
X の積一様構造を Φ とし、X の距離 d による一様構造を Ψ とする。
各 n に対して D_n(x_n, y_n) ≦ d(x, y) だから
一様空間 (X, Ψ) から X_n への射影 p_n は一様連続である。
よって過去スレ006の232より、(X, Ψ) から (X, Φ) への恒等写像は
一様連続である。
即ち、Φ ⊂ Ψ である。
各 n に対して
d(x, y) ≦ ΣD_i(x_i, y_i) + 1/2^(n+1)(1 + 1/2 + 1/2^2 + . . . )
= ΣD_i(x_i, y_i) + 1/2^n
である。
ここで Σ は i = 1 から n に関する和である。
任意の ε > 0 に対して
1/2^n < ε となる整数 n > 0 を取る。
1 ≦ i ≦ n となる各 i に対して D_i(x_i, y_i) < ε/2n とする。
このような (x, y) 全体は Φ の近縁である。
d(x, y) ≦ ΣD_i(x_i, y_i) + 1/2^n < nε/2n + ε/2 = ε
よって、(X, Φ) から (X, Ψ) への恒等写像は一様連続である。
即ち、Ψ ⊂ Φ である。
証明終
109 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:30:03
>>107 の補足。
d(x, y) が X の距離であることは容易に分かる。
110 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:49:06
命題
位相群 G の左または右一様構造(過去スレ006の200)が
距離付け可能(
>>98 )なための必要十分条件は
G が分離的で単位元の可算基本近傍系が存在することである。
証明
必要正は明らかである。
G が分離的で単位元の可算基本近傍系 (V_n) が存在するとする。
U_n = { (x, y) ∈ G×G ; x^(-1)y ∈ V_n } とおく。
(U_n) は G の左一様構造に関して可算基本近縁系である。
従って、
>>99 より G の左一様構造は距離付け可能(
>>98 )である。
右一様構造に関しても同様である。
証明終
111 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:54:32
命題
位相群 G が位相空間として距離付け可能(
>>96 )なら、
G の左または右一様構造(過去スレ006の200)も
距離付け可能(
>>98 )である。
証明
G が位相空間として距離付け可能なら、G は分離的で
単位元の可算基本近傍系を持つ。
よって、
>>110 より G の左または右一様構造も
距離付け可能である。
証明終
112 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 11:56:40
定義
位相群 G が位相空間として距離付け可能(
>>96 )なとき、
G を距離付け可能な群と言う。
113 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 12:01:12
定義 群 G 上の距離 d が G の任意の元 x, y, z に対して d(zx, zy) = d(x, y) となるとき d を左不変と言う。 d(xz, yz) = d(x, y) となるとき d を右不変と言う。
114 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 12:22:11
命題
距離付け可能な群(
>>112 ) G の左一様構造(過去スレ006の200)は、
左不変(
>>113 )な距離により定義される。
右一様構造(過去スレ006の200)は、右不変(
>>113 )な距離により
定義される。
証明
G は単位元の可算基本近傍系 (V_n) を持つ。
各 n に対して V_n は対称で、(V_n)^3 ⊂ V_n と仮定してよい。
各 n に対して、
U_n = { (x, y) ∈ G×G ; x^(-1)y ∈ V_n } とおく。
(U_n) は左一様構造の基本近縁系であり、各 n に対して
U_n は対称で、(U_n)^3 ⊂ U_n である。
>>71 のようにして (U_n) から G の左一様構造と両立する距離 f を
定義する。
G の任意の元 z に対して、(x, y) ∈ U_n なら
(zx)^(-1)zy = x^(-1)y ∈ V_n だから (zx, zy) ∈ U_n である。
逆に (zx, zy) ∈ U_n なら (x, y) ∈ U_n である。
従って、
>>69 で定義した関数 g は、g(zx, zy) = g(x, y) を満たす。
よって、f も、f(zx, zy) = f(x, y) を満たす。
即ち f は左不変である。
右一様構造に関しても同様である。
証明終
Kummer びろーん ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / \ ヽノ / / / | _つ / | /UJ\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
116 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 12:54:05
G を距離付け可能なアーベル群(
>>112 )とする。
>>114 より G の一様構造は不変距離 d により定義される。
|x| = d(0, x) と書く。
|x| = 0 なら d(0, x) = 0 だから x = 0 である。
|-x| = d(0, -x) = d(x, x - x) = d(x, 0) = |x|
|x + y| = d(0, x + y) ≦ d(0, x) + d(x, x + y)
= d(0, x) + d(0, x + y - x) = d(0, x) + d(0, y) = |x| + |y|
以上から | | は次の3条件を満たす。
1) |x| = 0 と x = 0 は同値である。
2) 任意の x ∈ G に対して、|-x| = |x|
3) 任意の x, y ∈ G に対して、|x + y| ≦ |x| + |y|
Kummerびろーん びろろ〜ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
中学の時、夏休みにこたつで寝てた高校生の姉ちゃんに、 つい出来心で胸を指でつついてしまった。 起きる気配がなかったので、死ぬほど緊張しながら手のひらでオッパイさわってみた。 そのまましばらくじっとしてて、安全を確認しながらそっともんでみた。 「う〜ん」とかいって少し頭が動いたので、あわててはなれて、寝たふりをした。 その日の夕食の後、部屋にもどろうとした俺に、廊下で姉ちゃんが話し掛けて来た。 「お前、さっちねえちゃんのオッパイさわったろ!」 全身から一気に血の気が引いて、
119 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 13:24:09
命題
G をアーベル群とする。
G から R+ への写像 x → |x| が定義され、
>>116 の条件 1), 2), 3) を
満たすとする。
d(x, y) = |x - y| は G 上の不変距離(
>>113 )であり、
d の定義する位相により G は位相群になる。
G の位相群としての一様構造は d により定義される一様構造と一致する。
証明
d(x, y) が G 上の不変距離であることは読者に任す。
任意の実数 a > 0 に対して V_a = { x ∈ G ; |x| < a } とおく。
V_a 全体を Φ_0 とおく。
Φ_0 は明らかにフィルター基底(過去スレ006の77)である。
>>116 の条件 2) より -V_a = V_a
>>116 の条件 3) より V_a + V_a ⊂ V_2a
Φ_0 が生成するフィルターを Φ とすれば Φ は
過去スレ006の590の条件 1), 2), 3) を満たす。
従って、過去スレ006の590より
Φ が G の単位元 0 の近傍全体と一致するような G の位相が
唯一つ存在し、その位相により G は位相アーベル群となる。
x, y ∈ G のとき x - y ∈ V_a は d(x, y) < a と同値である。
従って、G の位相群としての一様構造は d により定義される一様構造と
一致する。
これから d の定義する位相と G の位相アーベル群としての位相は
一致する。
証明終
| ̄| ! ̄|┌┘└‐P│└PPi ノ ,r┐ |ヽ、__,ノ/| ! r、 ヽ |_|丿 ! 厂| hヾ l ┌─‐!∠ 、ー' ,! __ノ | .! | ) } ∠__ノ/___j___,!l、_).!、_ ̄ ̄| ∠__ノ |____ノ | '‐' _ノ
_ノ~ \,r‐'' ̄~`ーく \ _/ ̄~7 > ヽ、 ヽ ,.-‐' l /~ _,.-イ `ヾ ー-、`''  ̄ヽ / 人fニ"~ __/ | ̄ ゙ー-、 ヾ. ) | ,.r'"~ ̄`tn.jー‐r―――‐' ヽ / ヽ/ ( /ノ 「ヾ' ∧ \ く / ヾ. /U `i ノ \ ヽ ,ィハ く / | .|' ゙i 、 i .f'゙=' \ / _|/ | ト、 \ トハ ,! `ー-、__/ー'Tフ~| l! \ヽヽ. \ トヾ,ハ. .」 r'"' !l |,_,_,,,_,__.. \゙、\:、、ゞヽ,,;゙ ト i| ( i'~ゝ、! ,イノ''''''''''''''''` ヽゝ ,ィ‐r=ッ レ'リ ) ( ヽi r'j ! " _,;;rr=ェッ、 '~`゙'゙`` :| i' ( ( ) ゙i ヽり, '~´`´´` ::. r' ヽヽ ノ \ 从 | ) )) ゙ー'ヘ _. _. | (,, ( ヽ _,,...-''___|_____) おまいら、代数的整数論くらいで騒ぐなよ ,ハ. / :;;;;;;;;;;;( ((;;). ノ \ `゙ー  ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ / `ァ:.._ ノ / / | ヽ ノ \:.ヾ‐-:::...-‐'" / | | \
重複の為 糸冬了 /::::::::::/ノ::::::::ノ::::::::ヽ:人::::::::::ヽ:::::::::::::::) (::::::::::/ ):::ノ::::ノ ) ソ ヾ::::::::::::丶::::ヽ (:::::::::/ 彡 ノ ノ :: 彡:/)) ::::::::::) (::::::::::/彡彡彡彡彡 ミミミミミミミ :::::::::::) ( ::::::://■■■■ヽ===/■■■■ヽ |:::::::::) | =ロ ■■■■■‖ ‖■■■■■ロ===| |:/ ‖■■■■ /ノ ヽ \■■■■ ヽ|ヽ |/ ヽ`======/ .⌒ ` ========ノ. ..| | .( 。 ・:・ヤ。c .(● ●) ;モ・u。*@・:、ヤ)ノ ( 。;・0モ*・o; / :::::l l::: ::: \ :。・;%:・。o ) (; 8@ ・。:/ / ̄ ̄ ̄ ̄\:\.モ・:。;・ユ0.) .\。・:%,: ):::|.  ̄ ̄ ̄ ̄ | ::::(: :o`*:c/ \ ::: o :::::::::\____/ :::::::::: / (ヽ ヽ:::: _- ::::: ⌒:: :::::::: -_ ノ \丶\_::_:::::_:::: :::::_/::::::: / | \_::::::::::: :::::::::: ::: :::::___/|
125 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 18:47:44
補題 X を位相空間、 F を位相アーベル群とする。 f と g を X から F への連続写像とする。 写像 h : X → F を h(x) = f(x) + g(x) で定義する。 h は連続である。 証明 X から F×F への写像 u を u(x) = (f(x), g(x)) で定義する。 F×F の位相は直積位相だから u は連続である。 μ : F×F → F を μ(x, y) = x + y で定義する。 F は位相アーベル群だから μ は連続である。 h = μu だから h は連続である。 証明終
126 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:01:17
補題 A を可換とは限らない位相環(過去スレ006の189)とする。 X を位相空間、 F を 左 A-位相加群(過去スレ006の372) とする。 λ を A の任意の元、f を X から F への連続写像とする。 写像 h : X → F を h(x) = λf(x) で定義する。 h は連続である。 証明 μ : A×F → F を μ(λ, x) = λx で定義する。 F は 左 A-位相加群だから μ は連続である。 よって、λ を固定したとき、写像 g_λ : x → λx は連続である。 h = (g_λ)f だから h は連続である。 証明終
127 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:14:29
>>125 を位相群の場合へ拡張する。
補題
X を位相空間、 G を位相群とする。
f と g を X から G への連続写像とする。
写像 h : X → G を h(x) = f(x)(g(x))^(-1) で定義する。
h は連続である。
証明
X から G×G への写像 u を u(x) = (f(x), g(x)) で定義する。
G×G の位相は直積位相だから u は連続である。
γ : G×G → G を γ (x, y) = xy^(-1) で定義する。
G は位相群だから γ は連続である。
h = γu だから h は連続である。
証明終
128 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:23:51
X を位相空間、 G を位相群とする。
X から G への連続写像全体を C(X, G) と書く。
f, g ∈ C(X, G) に対して f と g の積写像 fg : X → G を
fg(x) = f(x)g(x) で定義する。
単位写像 1 : X → G を 1(x) = 1 で定義する。
g ∈ C(X, G) に対して 1g^(-1) = g^(-1) を対応させる写像は、
>>127 より連続である。
よって
>>127 より f, g ∈ C(X, G) に対して fg = f(g^(-1))^(-1) を
対応させる写像も連続である。
以上から C(X, G) は群になる。
129 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:29:11
>>128 は位相群が位相空間の圏において群対象(group object) で
あることから圏論からも形式的に導ける。
130 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:34:01
A を可換とは限らない位相環(過去スレ006の189)とする。
X を位相空間、 F を左 A-位相加群(過去スレ006の372)
とする。
X から F への連続写像全体を C(X, F) と書く。
>>126 と
>>128 より、
C(X, F) は自明な仕方で左 A-加群となる。
131 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 19:52:04
命題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間(
>>561 )とする。
L(E, F) を E から F への連続な線形写像全体とする。
f ∈ L(E, F) のとき |f| を f のノルム(過去スレ006の690)とする。
即ち、|f| = sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| ≦ 1 }
L(E, F) は | | で K 上のノルム空間になる。
証明
Hom(E, F) を E から F への(必ずしも連続とは限らない)線形写像全体
とする。
C(E, F) を E から F への連続写像全体とする。
>>130 より C(E, F) は K 上の線形空間である。
L(E, F) ⊂ C(E, F) であり、
λ, μ ∈ K, f, g ∈ L(E, F) のとき
λf + μg ∈ C(E, F) ∩ Hom(E, F) = L(E, F)
よって、L(E, F) は C(E, F) の線形部分空間である。
過去スレ006の692より、任意の f ∈ E と x ∈ E に対して
|f(x)| ≦ |f||x|
これから、|f| = 0 なら f = 0 となる。
任意の f, g ∈ E に対して
|(f + g)(x)| = |f(x) + g(x)| ≦ |f(x)| + |g(x)| ≦ (|f| + |g|)|x|
よって、|f + g| ≦ |f| + |g|
任意の λ ∈ K と任意の f ∈ L(E, F) に対して
|λf| = sup{|λf(x)| ; x ∈ E, |x| ≦ 1 }
= |λ|sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| ≦ 1 }
= |λ||f|
証明終
132 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 23:22:24
補題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とし、
f: ΠE_i → F を K-多重線形写像とする。
f が連続なら実数 a > 0 が存在して
任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して、
|f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| となる。
証明
f は (, . . . , 0) で連続だから、実数 δ > 0 が存在して
|x_i| ≦ δ (1 ≦ i ≦ n) なら |f(x_1, . . . , x_n)| ≦ 1 となる。
K 上の絶対値は自明でないから 0 < |λ| < 1 となる λ ∈ K がある。
まず、すべての i について x_i ≠ 0 とする。
k_i を (|λ|^n)|x_i| ≦ δ となる整数 n の中で最小のものとする。
(|λ|^(k_i))|x_i| ≦ |λ|δ なら (|λ|^(k_i - 1))|x_i| ≦ δ
となって k_i の最小性に反するから
|λ|δ < (|λ|^(k_i))|x_i| である。
|λ^(k_i)x_i| ≦ δ だから
λ^(k_1 + . . . + k_n)|f(x_1, . . . , x_n)| ≦ 1
一方、|λ|δ < (|λ|^(k_i))|x_i| だから
1/|λ|^(k_i) < |x_i|/(|λ|δ)
よって、a = 1/(|λ|δ)^n とおけば、
|f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n|
これは、x_i = 0 となる i があるときにも成り立つ。
証明終
133 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 23:56:15
補題
K を可換とは限らない体とし、
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とし、
f: ΠE_i → F を K-多重線形写像とする。
実数 a > 0 が存在して、任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して、
|f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| となるとする。
このとき f は連続である。
証明
(a_1, a_2, . . . , a_n) を ΠE_i の任意の点とする。
f は多重線形だから
f(x_1, x_2, . . . ,x_n) - f(a_1, a_2, . . . , a_n)
= f(x_1 - a_1, x_2, . . . ,x_n)
+ f(a_1, x_2 - a_2, x_3, . . . , x_n)
.
.
.
+ f(a_1, . . . , a_(n-1), x_n - a_n)
となる。
|x_i - a_i| ≦ r (1 ≦ i ≦ n) なら、
|x_i| ≦ |a_i| + r (1 ≦ i ≦ n)
|f(a_1, . . . , a_(i-1), x_i - a_i, x_(i+1), . . . , x_n)|
≦ arΠ(|a_k| + r)
ここで、積の k は k ≠ i, 1 ≦ k ≦ n となる k を動く。
c = max{|a_i|; 1 ≦ i ≦ n} とおくと、
|f(x_1, x_2, . . . ,x_n) - f(a_1, a_2, . . . , a_n)|
≦ nar(c + r)^(n-1)
r → 0 のとき nar(c + r)^(n-1) → 0 だから
f は、(a_1, a_2, . . . , a_n) で連続である。
証明終
134 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/26(日) 23:59:04
>>132 と
>>133 をまとめて次の命題が得られる。
命題
K を可換とは限らない体とし、
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とし、
f: ΠE_i → F を K-多重線形写像とする。
f が連続であるためには、f が次の条件を満たすことが
必要十分である。
実数 a > 0 が存在して、任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して、
|f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| となる。
Kummerおやすみー びろろ〜ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
136 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 07:48:01
定義
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
ΠE_i から F への連続な K-多重線形写像の全体を
L(E_1, . . . , E_n; F) または略して L((E_i); F) で表す。
>>130 より L((E_i); F) は K 上の線形空間である。
137 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 07:49:55
定義
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
f ∈ L((E_i); F) に対して f のノルム |f| を次のように定義する。
任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して
|f(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| となるような
a ≧ 0 の下限を |f| とする。
138 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08:02:32
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
任意の f ∈ L((E_i); F) に対して
|f| = sup |f(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n|
である。
ここで、x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) は、各 x_i ≠ 0 となる元を動く。
証明
s = sup |f(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n| とおく。
従って、x_i ≠ 0 (1 ≦ i ≦ n) のとき、
|f(x_1, . . . , x_n)| ≦ s|x_1|. . . |x_n|
となる。
この不等式は x_i = 0 となる i があっても成り立つ。
従って、|f| ≦ s である。
他方、|f| の定義から
任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して
|f(x_1, . . . , x_n)| ≦ |f||x_1|. . . |x_n| となる。
従って、x_i ≠ 0 (1 ≦ i ≦ n) のとき、
|f(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n| ≦ |f|
となる。
よって、s ≦ |f| である。
証明終
139 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08:12:42
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
L((E_i); F) は | | によりノルム空間となる。
証明
任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して
|(f + g)(x_1, . . . , x_n)|
≦ |f(x_1, . . . , x_n)| + |g(x_1, . . . , x_n)|
≦ |f||x_1|. . . |x_n| + |g||x_1|. . . |x_n|
= (|f| + |g|)|x_1|. . . |x_n|
よって、|f + g| ≦ |f| + |g| である。
任意の x_i ∈ E_i, x_i ≠ 0 (1 ≦ i ≦ n) と、
任意の λ ∈ K に対して、
>>138 より、
|λf| = sup |λf(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n|
= |λ| sup |f(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n| = |λ||f|
|f| = 0 なら f = 0 は明らかである。
以上から、L((E_i); F) は | | によりノルム空間となる。
証明終
140 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08:19:05
141 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08:28:18
命題 K を可換とは限らない体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 E, F, G を K 上のノルム空間とする。 f ∈ L(E; F), g ∈ L(F; G) に対して, gf ∈ L(E; G) で |gf| ≦ |g||f| 証明 gf ∈ L(E; G) は明らかである。 任意の x ∈ E に対して、 |gf(x)| ≦ |g||f(x)| ≦ |g||f||x| よって、 |gf| ≦ |g||f| 証明終
142 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08:36:08
K を可換体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
E を K 上のノルム空間とする。
1 を E の恒等写像とする。
|1| = 1 は明らかである。
>>139 と
>>141 より L(E; E) は K 上のノルム環(過去スレ006の694)に
なる。
143 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 08:46:45
144 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 11:50:40
命題 K を可換体とする。 |x| を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。 E, F を K 上のノルム空間とする。 F が完備なら L(E; F) も完備である。 証明 (f_n), n ≧ 0 を L(E; F) の Cauchy 列とする。 任意の x ∈ E と任意の整数 n, m ≧ 0に対して |f_m(x) - f_n(x)| ≦ |f_m - f_n||x| 従って、任意の x ∈ E に対して (f_n(x)), n ≧ 0 は F の Cauchy 列 である。 F は完備だから (f_n(x)) は収束する。それを f(x) と書く。 f が線形写像であることは容易にわかる。 (続く)
145 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 11:52:56
>>144 の続き。
任意の実数 ε > 0 に対して整数 p ≧ 0 があり、
n, m ≧ p に対して
||f_m - f_n| < ε だから
|f_m(x) - f_n(x)| ≦ ε|x|
|f_m - f_n| < ε だから
|f_m| ≦ |f_n| + ε
よって、任意の x ∈ E に対して
|f_m(x)| ≦ (|f_n| + ε)|x|
p, n, x を固定して、m → ∞ とすると、
|f(x)| ≦ (|f_n| + ε)|x|
よって
>>134 より、f は連続である。
|f_m(x) - f_n(x)| ≦ ε|x| において
p, n, x を固定して、m → ∞ とすると、
|f(x) - f_n(x)| ≦ ε|x|
よって
|f - f_n| ≦ ε
よって f_n → f となる。
証明終
146 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 11:56:17
命題
K を可換体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
F が完備なら L((E_i); F) (
>>136 ) も完備である。
証明
>>144 と同様である。
147 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 12:12:00
関数列および関数からなるフィルタ−の一様収束について 基本的なことを述べる。
148 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 13:09:12
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 V が Y の近縁のとき、集合 {(f, g) ∈ F(X, Y)×F(X, Y); 任意の x に対して (f(x), g(y)) ∈ V} を W(V) と書く。 V, V' が Y の近縁のとき、次の 1), 2), 3) が成り立つことは容易にわかる。 1) W(V) ⊂ W(V') 2) W(V)^(-1) = W(V^(-1)) 3) W(V)^2 = W(V^2) 従って、V が Y の近縁全体を動くとき、W(V) 全体は F(X, Y) の一様構造の基本近縁系(過去スレ006の195)となる。
149 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 13:27:20
定義
>>148 の F(X, Y) の一様構造を一様収束の構造という。
この一様構造で定義される位相を、一様収束の位相と言う。
F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131)
するとき、Φ は f に一様収束すると言う。
F(X, Y) の点列 (f_n), n ≧ 0 がこの位相で f に収束するとき、
(f_n) は f に一様収束すると言う。
150 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 14:23:04
定義
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ を X の部分集合の集合とする。
A ∈ Σ のとき、写像 φ_A : F(X, Y) → F(A, Y) を
φ_A(f) = f|A で定義する。ここで、f|A は f の A への制限である。
各 A ∈ Σ に対して、F(A, Y) に一様収束の構造(
>>149 )をいれたとき、
各 φ_A を一様連続にするような F(X, Y) の最も荒い一様構造を、
Σ 上での一様収束の一様構造、または、Σ-収束の一様構造と言う。
これは、F(A, Y) の一様収束の構造の
φ_A による逆像(過去スレ006の224)を α_A としたとき、
sup {α_A; A ∈ Σ} (過去スレ006の220)である。
F(X, Y) に Σ-収束の一様構造を与えた空間を F_Σ(X, Y) と
書く場合がある。
F(X, Y) に一様収束の構造(
>>149 )を入れた空間を F_u(X, Y) とも
書く。
Σ-収束の一様構造から定まる位相をΣ-収束の位相または
Σでの一様収束の位相と言う。
F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131)
するとき、Φ は Σ 上で f に 一様収束すると言う。
Kummerおはようー びろろ〜ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
152 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 14:35:29
例
X をハウスドルフ位相空間とし、K を実数体または複素数体とする。
Σ を X のコンパクト部分集合全体とする。
F(X, K) の点列 (f_n), n ≧ 0 が Σ 上で f に一様収束する(
>>150 )
とは、X 上で (f_n) が f にコンパクト一様収束または広義一様収束((杉浦の解析入門)
することと同じである。
153 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 16:02:07
定義 X と Y を集合とする。 F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。 H ⊂ F(X, Y) と x ∈ X に対して、H(x) = { f(x) ; f ∈ H } と 書く。 Φ が F(X, Y) 上のフィルター基底のとき、{H(x) ; H ∈ Φ} を Φ(x) と書く。Φ(x) は Y 上のフィルター基底である。 A ⊂ X のとき H|A = { f|A ; f ∈ H } と書く。 f|A は f の A への制限である。 H|A ⊂ F(A, Y) である。
154 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 16:03:49
定義
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ を X の各点よりなる集合の集合とする。
Σ 上での一様収束の一様構造(
>>150 )を X での単純収束の
一様構造という。
F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131)
するとき、Φ は X 上で f に単純収束すると言う。
これは、X の各点 x で Φ(x) (
>>153 ) が f(x) に収束すること
と同値である。
155 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 16:13:15
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ を X の部分集合の集合とする。
Γ_0 を Y の基本近縁系とする。
A ∈ Σ と V ∈ Γ_0 に対して
W(A, V) =
{(f, g) ∈ F(X,Y)×F(X,Y);任意の x ∈ A に対して (f(x), g(y)) ∈ V}
と書く。
>>150 の sup {α_A; A ∈ Σ} より、
A が Σ の元を動き、V が Γ_0 を動いたとき W(A, V) の有限個の
共通部分全体が Σ 上での一様収束の一様構造の基本近縁系となる。
156 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 16:30:40
>>155 の記号を使う。
Σ 上での一様収束の一様構造(
>>150 )において、
Σ' を Σ の元の有限個の合併に含まれる集合の全体とする。
A, B ∈ Σ と V ∈ Γ_0 に対して
A' ⊂ A なら W(A, V) ⊂ W(A', V)
W(A ∪ B) = W(A, V) ∩ W(B, V) だから
Σ' 上での一様収束の一様構造と Σ 上での一様収束の一様構造は
同じである。
よって Σ ははじめから次の性質をもつと仮定してよい。
1) A ∈ Σ で A' ⊂ A なら A' ∈ Σ
2) A, B ∈ Σ なら A ∪ B ∈ Σ
このとき、A が Σ の元を動き、V が Γ_0 を動いたとき W(A, V) の
全体が Σ 上での一様収束の一様構造の基本近縁系となる。
157 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/27(月) 18:44:14
X を集合、 Y を位相アーベル群とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
F(X, Y) は自明な仕方でアーベル群になる。
Σ を X の部分集合の集合とする。
(f_i), i ∈ I を F(X, Y) の元の族とする。
I の有限部分集合全体を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して Σf_i, i ∈ J を S(J) とおく。
Ψ(J) = { S(H) ∈ Φ(I) ; J ⊂ H } とおく。
J を動かしたとき Ψ(J) 全体は F(X, Y) のフィルター基底である。
これを Ψ_0 とする。
Ψ_0 が Σでの一様収束の位相(
>>150 )で極限をもつとき、
族 (f_i) は Σ 上で一様に総和可能と言う。
(u_n), n ≧ 0 が F(X, Y) の元の列のとき、
部分和 Σu_i (0 ≦ i ≦ n) を S_n とおく。
列 (S_n) が Σ 上で一様収束するとき、
級数 Σu_i は Σ 上で一様に収束すると言う。
158 :
3 :2007/08/28(火) 00:50:47
159 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 04:53:21
命題
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ を X の部分集合の集合とする。
Y が分離的で Σ が X の被覆なら F(X, Y) の
Σ-収束の一様構造 (
>>150 )は分離的である。
証明
任意の A ∈ Σ と Y の任意の近縁 V に対して
(f, g) ∈ W(A, V) とする。
ここで、W(A, V) は
>>155 で定義したもの。
Y は分離的だから過去スレ006の214より A 上で f = g である。
Σ は X の被覆だから X 上で f = g である。
過去スレ006の214より F(X, Y) は分離的である。
証明終
160 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 05:25:00
補題 α, β を集合 X 上の一様構造で、β ⊂ α とする。 α の基本近縁系で β の位相で閉な近縁からなるものがあるとする。 X のフィルター Φ が α で収束するためには Φ が α の Cauchy フィルターで β で収束することが 必要十分である。 証明 必要性は明らかである。 Φ が α の Cauchy フィルターで β の位相で x に収束するとする。 V を β の位相で閉な α の対称近縁とする。 M ∈ Φ で V 程度に小さい(過去スレ006の235)ものがある。 y ∈ M なら M ⊂ V(y) である。 V(y) は β の位相で閉だから β の位相 での M の閉包 cls(M) は V(y) に含まれる。x ∈ cls(M) だから x ∈ V(y) である。 V は対称近縁だから y ∈ V(x) よって M ⊂ V(x) である。 即ち Φ は α の位相で x に収束する。 証明終
161 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 05:51:26
定義(
>>154 の一般化)
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
A を X の部分集合、Σ を A の各点よりなる集合の集合とする。
Σ 上での一様収束の一様構造(
>>150 )を A での単純収束の
一様構造という。
F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131)
するとき、Φ は A 上で f に単純収束すると言う。
これは、A の各点 x で Φ(x) (
>>153 ) が f(x) に収束すること
と同値である。
162 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 06:01:58
命題
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ を X の部分集合の集合とする。
F(X, Y) のフィルター Φ が Σ-収束の位相(
>>150 )で
f に収束するためには、Φ が Σ-収束の一様構造(
>>150 )で
Cauchy フィルターであり、B = ∪{A ∈ Σ} で f に
単純収束(
>>161 )することが必要十分である。
証明
B での単純収束の一様構造(
>>161 ) は Σ-収束の一様構造より荒い。
>>160 より、任意の A ∈ Σ と Y の任意の閉近縁 V に対して
W(A, V) が B での単純収束の位相で閉であることを言えばよい。
x ∈ A のとき、u ∈ F(X, Y) に u(x) を対応させる写像は
B での単純収束の位相で一様連続である。
よって (u, v) ∈ F(X, Y)×F(X, Y) に (u(x), v(x)) を
対応させる写像 ψ_x も連続である。
W(A, V) = ∩{(ψ_x)^(-1)(V); x ∈ A} であり、V は閉だから
W(A, V) は単純収束の位相で閉である。
証明終
163 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 06:33:27
定理
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ を X の部分集合の集合とする。
Y が完備なら F(X, Y) の Σ-収束の一様構造(
>>150 )も完備である。
証明
Φ を Σ-収束の一様構造での F(X, Y) の Cauchy フィルターとする。
B = ∪{A ∈ Σ} とおく。
x ∈ B のとき、u ∈ F(X, Y) に u(x) を対応させる写像は
Σ-収束の一様構造で一様連続である。
よって、Φ(x) (
>>153 ) は Y 上の Cauchy フィルター基底である
(過去スレ006の240)。
Y が完備なら Φ(x) は Y で収束する。
その極限点の一つを f(x) とおく。
x が B に含まれないとき、f(x) は Y の任意の点にする。
このとき、Φ は B 上で f に単純収束する。
>>162 より Φ は Σ-収束の位相で f に収束する。
証明終
164 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 09:23:11
命題
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Φ を X 上のフィルター(過去スレ006の75)とする。
H = {f ∈ F(X, Y); f(Φ) は Y の Cauchy フィルターの基底}
とおくと、H は F(X, Y) の一様収束の位相(
>>149 )で閉である。
証明
g が H の一様収束の位相での閉包に含まれるとする。
Y の任意の対称近縁 V と任意の x ∈ X に対して (g(x), f(x)) ∈ V
となる f ∈ H がある。
f(Φ) は Y の Cauchy フィルターの基底だから、M ∈ Φ があり、
任意の x, y ∈ M に対して (f(x), f(y)) ∈ V となる。
(g(x), f(x)) ∈ V, (g(y), f(y)) ∈ V だから
(g(x), g(x)) ∈ V^3 である。
即ち、g ∈ H である。
証明終
165 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 09:39:40
命題
X を位相空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
x ∈ X に対して、
E(x) = {f ∈ F(X, Y); f は x で連続}
とおく。
E(x) は F(X, Y) の一様収束の位相(
>>149 )で閉である。
証明
Φ を x の近傍全体とする。
f ∈ E(x) なら f(Φ) は f(x) に収束する。
従って、f(Φ) は Y の Cauchy フィルターの基底である。
逆に、f ∈ F(X, Y) で、
f(Φ) が Y の Cauchy フィルターの基底であるとする。
任意の U ∈ Φ に対して x ∈ U だから f(x) ∈ f(U) である。
即ち、f(x) は f(Φ) の接触点(過去スレ006の132)である。
従って、過去スレ006の248より、f(Φ) は f(x) に収束する。
よって、f は x で連続、即ち f ∈ E(x) である。
以上から E(x) は
>>164 の H と一致する。
従って、
>>164 より E(x) は一様収束の位相で閉である。
証明終
166 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 09:52:50
定理(Weierstrass)
X を位相空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とし、
C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。
C(X, Y) は F(X, Y) の一様収束の位相(
>>149 )で閉である。
証明
x ∈ X に対して、
E(x) = {f ∈ F(X, Y); f は x で連続}
とおく。
C(X, Y) = ∩{E(x); x ∈ X} である。
>>165 より、任意の x に対して、E(x) は一様収束の位相で
閉であるから C(X, Y) も閉である。
証明終
167 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 10:11:23
命題
X を位相空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とし、
C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。
F(X, Y) は一様収束の一様構造(
>>149 )で一様空間と考える。
C(X, Y) は F(X, Y) の部分空間として一様空間である。
Y が完備なら C(X, Y) もこの一様構造で完備である。
証明
>>163 より F(X, Y) は一様収束の一様構造(
>>149 )で完備である。
>>166 より、C(X, Y) は F(X, Y) の一様収束の位相(
>>149 )で閉である。
従って、完備一様空間の閉集合として C(X, Y) は完備である
(過去スレ006の250)。
証明終
168 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 10:20:46
定義
X を位相空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ を X のコンパクト部分集合全体とする。
F(X, Y) の Σ-収束の一様構造(
>>150 )をコンパクト収束の一様構造と
言い、これで定まる位相をコンパクト収束の位相という。
169 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 10:30:31
命題
X を局所コンパクト空間(過去スレ006の128)、
Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とし、
C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。
C(X, Y) は F(X, Y) のコンパクト収束の位相(
>>168 )で閉である。
証明
f ∈ F(X, Y) をコンパクト収束の位相での C(X, Y) の接触点とする。
X の任意のコンパクト集合 K と Y の任意の近縁、任意の x ∈ K に
対して (f(x), g(x)) ∈ V となる g ∈ C(X, Y) がある。
>>166 より、C(K, Y) は F(K, Y) の一様収束の位相(
>>149 )で閉である。
よって f|K ∈ C(K, Y) である。
X は局所コンパクトだから f ∈ C(X, Y) である。
即ち、C(X, Y) はコンパクト収束の位相で閉である。
証明終
170 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 10:33:52
命題
X を局所コンパクト空間(過去スレ006の128)、
Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とし、
C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。
Y が完備なら C(X, Y) はコンパクト収束の一様構造(
>>168 )で
完備である。
証明
>>163 より F(X, Y) はコンパクト収束の一様構造で完備である。
>>169 より、C(X, Y) は F(X, Y) のコンパクト収束の位相で閉である。
従って、完備一様空間の閉集合として C(X, Y) は完備である
(過去スレ006の250)。
証明終
171 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 11:03:39
命題
X を集合、 Y を距離空間とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
F(X, Y) の一様収束の構造(
>>149 )は距離付け可能(
>>98 )である。
証明
d を Y の距離とする。
δ(f, g) = sup {d(f(x), g(x)); x ∈ X} は F(X, Y) の擬距離(
>>47 )
である。
δ が定義する一様構造(
>>59 )は明らかに F(X, Y) の一様収束の構造と
一致する。
>>62 より δ と同値な有限な擬距離 δ' が存在する。
>>159 より、F(X, Y) の一様収束の構造は分離だから
>>64 より、δ' は距離である。
証明終
172 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 13:49:57
定義 X を集合、 Y を距離空間とする。 f を X から Y への写像とする。 f(X) が Y の有界集合であるとき、f を有界写像と言う。
173 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 13:57:52
命題
X を集合、 Y を距離空間とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
B(X, Y) を X から Y への有界写像(
>>172 )全体とする。
B(X, Y) は F(X, Y) の一様収束の位相(
>>149 )で開かつ閉である。
証明
f ∈ B(X, Y) とする。
f は有界だから、任意の x, y ∈ X に対して、
d(f(x), f(y)) ≦ M となる実数 M ≧ 0 がある。
任意の x, y ∈ X に対して、d(f(x), g(x)) ≦ 1 なら
d(g(x), g(y)) ≦ d(g(x), f(x)) + d(f(x), f(y)) + d(f(y), g(y))
≦ M + 2
従って、g ∈ B(X, Y) である。
即ち、B(X, Y) は開集合である。
逆に f ∈ F(X, Y) で f が一様収束の位相で B(X, Y) の接触点なら
任意の x ∈ X に対して、d(f(x), g(x)) ≦ 1 となる g ∈ B(X, Y) が
存在する。上と同様に、f ∈ B(X, Y) である。
従って、B(X, Y) は閉集合である。
証明終
174 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 14:05:53
命題
X を位相空間、 Y を距離空間とする。
C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。
C^b(X, Y) を X から Y への有界連続写像全体とする。
C^b(X, Y) は C(X, Y) の一様収束の位相(
>>149 )で開かつ閉である。
さらに Y が完備なら C^b(X, Y) も完備である。
証明
C^b(X, Y) = B(X, Y) ∩ C(X, Y) だから
>>173 より
C^b(X, Y) は C(X, Y) の一様収束の位相で開かつ閉である。
Y が完備なら
>>167 より C(X, Y) は完備である。
従って、完備一様空間の閉集合として C^b(X, Y) も完備である
(過去スレ006の250)。
証明終
175 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 14:20:43
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
X を集合、 Y を K 上のノルム空間とする。
B(X, Y) を X から Y への有界写像(
>>172 )全体とする。
B(X, Y) は K 上の線形空間である。
f ∈ B(X, Y) に対して、|f| = sup {|f(x)|; x ∈ X} とおく。
B(X, Y) は | | により K 上のノルム空間になる。
このノルムによる一様構造は一様収束の構造(
>>149 )である。
176 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 14:38:59
命題
K を可換体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
X を集合、 Y を K 上のノルム環(過去スレ006の694)とする。
B(X, Y) を X から Y への有界写像(
>>172 )全体とする。
B(X, Y) は
>>175 のノルム | | により K 上のノルム環になる。
証明
B(X, Y) が単位元 1 をもつ K 上の結合的な代数になることは
明らかである。
>>175 より B(X, Y) は K 上のノルム空間である。
f, g ∈ B(X, Y) に対して
|fg| = sup {|f(x)g(x)|; x ∈ X} ≦ sup {|f(x)||g(x)|; x ∈ X}
≦ sup{|f(x)|; x ∈ X}sup{|g(x)|; x ∈ X} = |f||g|
1 ∈ B(X, Y) にたいして、|1| = sup {|1|; x ∈ X} = 1
証明終
177 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 14:46:33
定義
X を距離空間、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ を X の有界集合全体の集合とする。
Σ 上での一様収束の一様構造(
>>150 )を X での有界収束の
一様構造という。
F(X, Y) のフィルター Φ がこの位相で f に収束(過去スレ006の131)
するとき、Φ は X 上で f に有界収束すると言う。
178 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/28(火) 15:08:58
命題
X を集合、 Y を距離空間とする。
Σ を X の部分集合の集合とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
(B_Σ)(X, Y) を Σ の元を Y の有界集合に写すような
X から Y への写像全体とする。
(B_Σ)(X, Y) は F(X, Y) の Σ-収束の位相(
>>150 )に関して閉である。
証明
F(X, Y) から Π{F(A, Y); A ∈ Σ} への写像 ψ を、
ψ(f) = (f|A), A ∈ Σ で定義する。
ψ は F(X, Y) に Σ-収束の位相を与え、各 F(A, Y) に一様収束の
位相を与えたとき連続である。
(B_Σ)(X, Y) = ψ^(-1)(ΠB(A, Y)) である。
ここで B(A, Y) は A から Y への有界写像(
>>172 )全体とする。
>>173 より B(A, Y) は F(A, Y) の閉集合である。
従って、ΠB(A, Y) は ΠF(A, Y) の閉集合である。
よって、(B_Σ)(X, Y) は F(X, Y) の閉集合である。
証明終
179 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 07:12:52
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
ΠE_i から F への連続な K-多重線形写像の全体を
L(E_1, . . . , E_n; F) または略して L((E_i); F) で表した(
>>136 )。
E = ΠE_i (1 ≦ i ≦ n) とする。
F(E, F) を E から F への写像全体とする。
L((E_i); F) は F(E, F) の単純収束の位相(
>>161 )で閉である。
証明
L((E_i); F) は F(E, F) の元 f の中で
1) f(x_1, ... , x_i + y_i, ... , x_n)
= f(x_1, ... , x_i, ... , x_n) + f(x_1, ... , y_i, ... , x_n)
2) f(x_1, ... , λx_i, ... , x_n) = λf(x_1, ... , x_i, ... , x_n)
という関係をもつもの全体である。
x_1, ... , x_i, y_i, ... , x_n を固定したとき、
1) の両辺は f の関数として、F(E, Y) の単純収束の位相で連続である。
同様に、x_1, ... , λ, x_i, ... , x_n を固定したとき、
2) の両辺は f の関数として、F(E, Y) の単純収束の位相で連続である。
Y はハウスドルフだから(過去スレ006の264)より
L((E_i); F) は F(E, F) の単純収束の位相で閉である。
証明終
180 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 07:38:44
補題
X を集合、 Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ と Σ' を X の部分集合の集合とする。
Σ ⊂ Σ' なら、F(X, Y) 上の Σ-収束の一様構造(
>>150 )は
Σ'-収束の一様構造より粗い。
証明
X 上の Σ-収束の一様構造を σ とし、
Σ'-収束の一様構造を σ' とする。
>>155 より、A が Σ の元を動き、V が Y に近縁全体 を動いたとき
W(A, V) の有限個の共通部分全体が σ の基本近縁系となる。
W(A, V) ∈ σ' でもあるから σ ⊂ σ' である。
証明終
181 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 10:03:34
>>179 を次のように修正する。
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
E = ΠE_i から F への(連続とは限らない) K-多重線形写像の全体は、
F(E, F) の単純収束の位相(
>>161 )で閉である。
証明
E から F への K-多重線形写像の全体は、F(E, F) の元 f の中で
1) f(x_1, ... , x_i + y_i, ... , x_n)
= f(x_1, ... , x_i, ... , x_n) + f(x_1, ... , y_i, ... , x_n)
2) f(x_1, ... , λx_i, ... , x_n) = λf(x_1, ... , x_i, ... , x_n)
という関係をもつもの全体である。
x_1, ... , x_i, y_i, ... , x_n を固定したとき、
1) の両辺は f の関数として、F(E, F) の単純収束の位相で連続である。
同様に、x_1, ... , λ, x_i, ... , x_n を固定したとき、
2) の両辺は f の関数として、F(E, F) の単純収束の位相で連続である。
F はハウスドルフだから、過去スレ006の264より
本命題の主張が得られる。
証明終
182 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 10:07:19
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
ΠE_i から F への連続な K-多重線形写像の全体を
L(E_1, . . . , E_n; F) または略して L((E_i); F) で表した(
>>136 )。
E = ΠE_i (1 ≦ i ≦ n) とする。
F(E, F) を E から F への写像全体とする。
L((E_i); F) は有界収束(
>>177 )の位相で F(E, F) の閉集合である。
証明
E から F への連続とは限らない K-多重線形写像の全体を
M(E, F) とする。
>>180 より、単純収束の位相は有界収束の位相より粗い。
よって
>>181 より M(E, F) は有界収束(
>>177 )の位相で
F(E, F) の閉集合である。
Σ を E の有界集合全体とする。
(B_Σ)(E, F) を Σ の元を F の有界集合に写すような
E から F への写像全体とする。
>>134 より、
L((E_i); F) = M(E, F) ∩ (B_Σ)(E, F)
>>178 より、(B_Σ)(E, F) は有界収束の位相でF(E, F) の閉集合である。
よって L((E_i); F) も有界収束の位相でF(E, F) の閉集合である。
証明終
183 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 10:13:52
命題
>>182 の条件のもとで F が完備なら
L((E_i); F) は有界収束の一様構造で完備である。
証明
>>163 より F(E, F) は有界収束の一様構造で完備である。
>>182 より、L((E_i); F) は F(E, F) の有界収束の位相で閉である。
従って、完備一様空間の閉集合として L((E_i); F) は完備である
(過去スレ006の250)。
証明終
184 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12:11:05
命題
K を実数体または複素数体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間とする。
>>139 より L((E_i); F) は | | によりノルム空間となる。
このノルムによる一様構造は有界収束の一様構造(
>>177 )と一致する。
証明
E = ΠE_i とおく。
A ⊂ E が有界であるとは、
実数 M > 0 があり、任意の x ∈ A に対して
|x_i| ≦ M (1 ≦ i ≦ n) となることである。
任意の M > 0 と ε > 0 に対して W(M, ε) を
|x_i| ≦ M (1 ≦ i ≦ n)となる任意の x = (x_i) ∈ E に対して
|f(x) - g(x)| < ε となる (f, g) ∈ L((E_i); F)×L((E_i); F)
全体の集合とする。
W(M, ε) 全体は L((E_i); F) の有界収束の一様構造の
基本近縁系である。
任意の M > 0 と ε > 0 に対して、
>>137 より、|x_i| ≦ M (1 ≦ i ≦ n) なら
|f(x) - g(x)| ≦ |f - g|M^n
よって、|f - g| < ε/M^n なら (f, g) ∈ W(M, ε)
逆に、任意の ε > 0 に対して、(f, g) ∈ W(1, ε) なら
|x_i| ≦ 1 (1 ≦ i ≦ n) のとき |f(x) - g(x)| < ε
よって過去スレ006の 690 と 692 より
|f - g| ≦ ε
証明終
185 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12:15:43
>>184 を K が自明でない絶対値をもつ任意の可換体の場合に証明しようと
したが出来なかった。
Bourbaki には出来るように書いてあるが良くわからない。
186 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12:25:12
訂正
>>136 において K が可換でないとき L((E_i); F) は K 上の線形空間に
ならない。
何故なら、λ, μ ∈ K, f ∈ L((E_i); F) のとき
λf(μx) = λμf(x) は μ(λf(x)) と等しいとは限らないから。
K が可換なら L((E_i); F) は K 上の線形空間である。
187 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12:49:17
命題(Weierstrass)
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
X を集合、 Y を K 上のノルム空間とする。
B(X, Y) を X から Y への有界写像(
>>172 )全体とする。
>>175 より B(X, Y) は K 上のノルム空間になる。
Y が完備で (f_n), n ≧ 0 を B(X, Y) の点列とする。
Σ|f_n| < +∞ なら Σf_n は B(X, Y) で一様収束する。
証明
>>163 より F(X, Y) の 一様収束の一様構造は完備である。
>>173 より B(X, Y) は F(X, Y) の一様収束の位相で閉である。
よって B(X, Y) は完備である(過去スレ006の250)。
よって、過去スレ006の735より、Σf_n は B(X, Y) において
総和可能である。
よって、Σf_n は X で一様収束する。
証明終
188 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12:55:47
代数的整数論では Haar 測度が効果的に使われる。 準備として、これについて述べようと思う。 Haar 測度についてはその重要性にもかかわらず良書が少ない。 このスレが Haar 測度を理解しようと思っている読者の一助になれば 幸いである。 測度論についてはその基本事項は知っているのが望ましいが、 ここで使用する範囲の事項は述べる。 従って、測度論を知らない読者でもここで述べる範囲の事柄は 理解できると思う。 Haar 測度については次の書物を参考にする予定である。 Hewitt-Roth の Abstract harmonic analysis I, II Bourbaki の積分論 Weil の L'integration dans les groupes topologiques et ses applications 壬生の位相群論概説(岩波書店) Rudin の Real and complex analysis Halmos の Measure theory
189 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12:58:29
定義 X を集合とする X の部分集合の集合 Φ で空でないものが次の条件を満たすとき、 Φ を集合環(ring of sets)と言う。 1) A, B ∈ Φ なら A ∪ B ∈ Φ 2) A, B ∈ Φ なら A - B ∈ Φ
190 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12:59:06
命題 Φ を集合環とすると次が成り立つ。 1) 空集合は Φ に属す。 2) A, B ∈ Φ なら A ∩ B ∈ Φ 3) A, B ∈ Φ なら A△B = (A - B) ∪ (B - A) ∈ Φ 証明 1) Φ は空でないから A ∈ Φ がある。 A - A は空集合で、Φ に属す。 2) A, B ∈ Φ なら A ∩ B = A - (A - B) ∈ Φ 3) は明らかである。 証明終
191 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 12:59:47
>>190 の A△B = (A - B) ∪ (B - A) を A と B の対称差と言う。
192 :
132人目の素数さん :2007/08/29(水) 13:00:46
>>185 K を自明でない絶対値を持つ可換体とする。
t ∈ K を、0<|t|<1 なるようにとって固定する。
E_i の単位球を B_i, B=Π B_i とする。(積は、i = 1,・・・,n に関してとる)
u,v ∈ L((E_i); F) とする。
|u - v| ≦ ε ならば、任意の 整数 m, 任意の z ∈ |t|^m B に対して、
|u(z) - v(z)| ≦ |t|^{mn} ε
したがって、ノルム | | から定まる L((E_i); F) の一様構造は、
有界収束の一様構造より細かい。
逆に、任意の z ∈ B に対して、|u(z) - v(z)| ≦ a とする。
x_i ∈ E_i, x_i ≠ 0 をとる( 1 ≦ i ≦ n )。
整数m(i) を、|t| ≦ |t|^m(i) |x_i| ≦ 1 なるようにとる。
しからば、z = (x_1,・・・, x_n), および
z'=(t^m(1) x_1,・・・, t^m(n) x_n) に対して、
|u(z) - v(z)| / Π|x_i| = |u(z') - v(z')| / Π |t|^m(i) |x_i|
≦ |u(z') - v(z')| / Π |t|^n
≦ a / Π |t|^n
すなわち、|u - v| ≦ a / Π |t|^n .
()
したがって、有界収束の一様構造は、ノルム || で定まる一様構造より細かい
Q.E.D
193 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13:01:12
命題
X を集合とする
X の部分集合の集合 Φ で空でないものが集合環であるためには
次の条件を満たすことが必要十分である。
1) A, B ∈ Φ なら A ∩ B ∈ Φ
2) A, B ∈ Φ なら A△B = (A - B) ∪ (B - A) ∈ Φ
証明
必要性は
>>190 で証明済みである。
1) と 2) が成り立つとする。
まず、A と B が交わらなければ A ∪ B = A△B であることに注意する。
A, B ∈ Φ なら
A - B = A△B ∩ A ∈ Φ
A ∪ B = A△B ∪ (A ∩ B)
だから、上の注意より
A ∪ B = (A△B)△(A ∩ B) ∈ Φ
証明終
194 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13:16:59
195 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13:19:28
命題
X を集合とする
X の部分集合の集合 Φ で空でないものが集合環であるためには
次の条件を満たすことが必要十分である。
1) A, B ∈ Φ なら A ∪ B ∈ Φ
2) A, B ∈ Φ なら A△B = (A - B) ∪ (B - A) ∈ Φ
証明
必要性は明らかである。
1) と 2) が成り立つとする。
まず A ⊃ B なら A△B = A - B に注意する。
A, B ∈ Φ なら
A ∩ B = (A ∪ B) - A△B = (A ∪ B)△(A△B) ∈ Φ
>>193 より Φ は集合環である。
証明終
196 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13:21:38
定義
X を集合とする
X の部分集合の集合 Φ が集合環(
>>189 )で X ∈ Φ のとき
Φ を集合代数(algebra of sets)と言う。
197 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13:22:29
定義 X を集合とする X の部分集合の集合 Φ で空でないものが次の条件を満たすとき、 Φ をσ-集合環と言う。 1) A_n ∈ Φ, n =1 , 2, ... なら ∪A_n ∈ Φ 2) A, B ∈ Φ なら A - B ∈ Φ
198 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 13:23:15
定義
X を集合とする
X の部分集合の集合 Φ が σ-集合環(
>>197 )で X ∈ Φ のとき
Φ を σ-集合代数と言う。
199 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14:20:27
命題
Φ を σ-集合環(
>>197 ) とする。
A_n ∈ Φ, n =1 , 2, ... なら ∩A_n ∈ Φ
証明
A = ∪A_n とおく。
A ∈ Φ であり、各 n > 0 に対して A - A_n ∈ Φ である。
よって
∩A_n = A - ∪(A - A_n) ∈ Φ
証明終
200 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14:25:00
命題
σ-集合環(
>>197 ) は集合環(189)である。
証明
Φ は空でないから A ∈ Φ がある。
A - A は空集合で Φ に属す。
A_1, A_2 ∈ Φ とし、A_n (n ≧ 3)を空集合とする。
A_1 ∪ A_2 = ∪A_n ∈ Φ
証明終
201 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14:39:38
補題
X を集合とする
(Φ_i), i ∈ I を X 上の集合環 Φ_i の族とする。
Φ = ∩Φ_i は集合環である。
証明
任意の i ∈ に対して空集合は Φ_i に属すから ∩Φ_i にも属す。
従って、∩Φ_i は空ではない。
Φ が
>>189 の 1) と 2) を満たすことは自明である。
証明終
202 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14:40:59
補題
X を集合とする
(Φ_i), i ∈ I を X 上の集合代数(196) Φ_i の族とする。
Φ = ∩Φ_i は集合代数である。
証明
>>201 と同様である。
203 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14:42:41
補題
X を集合とする
(Φ_i), i ∈ I を X 上の σ-集合環(
>>197 ) Φ_i の族とする。
Φ = ∩Φ_i はσ-集合環である。
証明
>>201 と同様である。
204 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14:43:22
補題
X を集合とする
(Φ_i), i ∈ I を X 上の σ-集合代数(
>>198 ) Φ_i の族とする。
Φ = ∩Φ_i はσ-集合代数である。
証明
>>201 と同様である。
205 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14:49:22
命題
X を集合とする。
Ψ を X の部分集合の集合とする。
Ψ を含む最小の集合環が存在する。
集合代数、σ-集合環、σ-集合代数についても同様である。
証明
Ψ を含む集合環の全体を (Φ_i), i ∈ I とする。
>>201 より Φ = ∩Φ_i は集合環である。
Φ が求めるものである。
集合代数、σ-集合環、σ-集合代数についても同様である。
証明終
206 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 14:51:45
>>205 の補足。
X の部分集合全体は、集合環だから Ψ を含む集合環は必ず存在する。
集合代数、σ-集合環、σ-集合代数についても同様である。
俺は未だに、(有限/完全)加法族、(""/σ/δ)集合(環/代数/体)の 区別が付かない。というか、それぞれの定義に要請される要件が 対称差の代わりに和だったり、文脈で微妙に違うらしいので 混乱する。内容的にはいくつかの条件が定義の要件から出てきて 結果として多くの部分が重なるので、それほど気にしなくても いいのかもしれないが、いつも何かが引っかかる。
あっそう
209 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 15:08:12
>>207 >それぞれの定義に要請される要件が対称差の代わりに和だったり、
>文脈で微妙に違うらしいので
意味が良くわからないんですが。
定義が異なれば、要請される要件も当然違います。
集合環と代数学における環のことを言ってるのでしたら両者はまったく
別ものです。
210 :
1stVirtue ◇.NHnubyYck :2007/08/29(水) 15:23:45
思考盗聴で個人の生活に介入する奴は早く地球から去ったほうが良い。
211 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 15:33:29
定義
集合 X とその上の σ-集合環(
>>197 ) Φ が与えられたとき
X を可測空間(measurable space)という。
Φ の要素を Φ-可測集合または単に可測集合という。
Φ を明示するときは可測空間 X を (X, Φ) と書く。
212 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 17:00:27
定義
X を位相空間とする。
>>205 より、X の開集合全体を含む最小のσ-集合環(
>>197 ) Φ が
存在する。Φ の要素を X の Borel 集合と言う。
X は開集合だから X ∈ Φ である。
即ち、Φ は σ-集合代数(
>>198 )である。
213 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 17:29:38
定義
集合 (X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
S(f) = { x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } とおく。
R~ の任意の開集合 U に対して S(f) ∩ f^(-1)(U) が
Φ-可測(
>>211 )のとき、f を可測という。
Kummerおやすみー びろろ〜ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
215 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 17:59:21
>>213 において X ∈ Φ の場合は、f の可測性の定義は次のように
簡単になる。
命題
集合 (X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f が可測(
>>213 )であるためには
R~ の任意の開集合 U に対して f^(-1)(U) がΦ-可測となることが
必要十分である。
証明
十分なこと。
R~ の任意の開集合 U に対して f^(-1)(U) がΦ-可測とする。
S(f) = f^(-1)(R~ - [0}) であるから S(f) ∈ Φ である。
よって、R~ の任意の開集合 U に対して
S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。
よって、f は可測である。
必要なこと。
f が可測とする。
S(f) = f^(-1)(R~ - [0}) であるから S(f) ∈ Φ である。
0 ∈ U なら f^(-1)(U) = f^(-1)(U - {0}) ∪ X - S(f)
f^(-1)(U - {0}) ⊂ S(f) で U - {0} は開集合だから
f^(-1)(U - {0}) ∈ Φ である。
X ∈ Φ だから X - S(f) ∈ Φ である。
従って f^(-1)(U) ∈ Φ である。
0 ∈ U でないなら f^(-1)(U) ⊂ S(f) だから f^(-1)(U) ∈ Φ である。
証明終
216 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 18:02:33
>>213 において S(f) が出てきたのは、X が Φ-可測とは
限らないことと、f(x) = 0 となる点 x は f の積分(後で定義する)
に寄与しないからである。
しかし、応用上の大抵の場合、X ∈ Φ であり、
この場合、
>>215 で見たように S(f) は可測性の定義に不要である。
>>209 いや、通常の代数でやる群や環のことは言ってないよ。
集合環などの定義にいくつか流儀があると言ってる。
たとえば
> 対称差の代わりに和だったり
というのは、対称差の変わりに単純な和集合で閉じてることを
要請したりするという話。
集合体とかまでいくと、随分と構造がきついので定義からたくさん
条件が取り出せるので、定義の違いに依るブレがあまりでなくなるが、
加法族や集合環だと、微妙に無い様にもズレがでてくるから
よく分からないということ。
218 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 18:16:56
だから、何?
220 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 18:29:15
>>220 お前さんがどうこうではなくて、俺の個人的なことだし、
このスレの話題に限定したわけじゃなくて、もうちょっと一般のこと。
加法族とか(別に乗法族でもいいけど)に言及してるのはその所為。
ちなみに
>>219 とは別人。
223 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 18:54:18
>>222 どこが混乱するのか分かりやすく書いてもらえませんかね。
ただし、個人的なことなら書かないでください。
224 :
219 :2007/08/29(水) 18:56:37
Kummer ◆g2BU0D6YN2氏 ゴメン
>>219 は
>>217 宛
個人レベルの理解を云々書き込む意図が不明だ
結局何が言いたいのか全くわからない
225 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 19:07:32
補題 X を集合とし、A, B, C を X の部分集合とする。 C ∩ (A - B) = (C ∩ A) - (C ∩ B) 証明 x ∈ C ∩ (A - B) なら x ∈ C かつ x ∈ A かつ x ∈ X - B よって、x ∈ (C ∩ A) - (C ∩ B) 即ち、C ∩ (A - B) ⊂ (C ∩ A) - (C ∩ B) 逆に x ∈ (C ∩ A) - (C ∩ B) なら x ∈ C かつ x ∈ A かつ (x ∈ X - C または x ∈ X - B) よって x ∈ C かつ x ∈ A かつ x ∈ X - B よって、x ∈ C ∩ (A - B) 即ち、(C ∩ A) - (C ∩ B) ⊂ C ∩ (A - B) 証明終
>>223-224 2ちゃんの共有財産であるスレを私物化か?
つか、個人的な感想なんだから感想は要らないって
思ってるなら一読して放っておけばいいのに、
延々と引きずってるのはお前らだろ?
227 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 19:28:41
命題
集合 (X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から集合 Y への写像とする。
Ω = {A ⊂ Y ; f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。
Ω は Y 上の σ-集合環(
>>197 )である。
証明
空集合は明らかに Ω に属す。
従って Ω は空ではない。
よって、Ω に関して
>>197 の 1) と 2) を確かめればよい。
1) A_n ∈ Ω, n =1 , 2, ... なら
f^(-1)(A_n) ∈ Φ, n =1 , 2, ...
よって
f^(-1)(∪A_n) = ∪f^(-1)(A_n) ∈ Φ
よって
∪A_n ∈ Ω
2) A, B ∈ Ω なら
f^(-1)(A) ∈ Φ, f^(-1)(B) ∈ Φ
よって、f^(-1)(A - B) = f^(-1)(A) - f^(-1)(B) ∈ Φ
よって
A - B ∈ Ω
証明終
>226 >2ちゃんの共有財産であるスレを私物化か? だからどこが混乱するのか分かるように説明しろって言ってるんだよ。 単に個人的な感想で説明の必要がないと思ってるならスレ違いだから 書くなっての。
命題
集合 (X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f を X から集合 Y への写像とする。
Ω = {A ⊂ Y ; f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。
Ω は Y 上の σ-集合代数(
>>198 )である。
証明
X = f^(-1)(Y) ∈ Φ だから Y ∈ Ω である。
>>227 より Ω はσ-集合環だから σ-集合代数でもある。
証明終
231 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 19:55:37
定義
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f を X から位相空間 Y への写像とする。
Y の任意の開集合 U に対して f^(-1)(U) ∈ Φ のとき、
f を可測または Φ-可測という。
232 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 19:59:08
233 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 20:03:59
命題
集合 (X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f を X から位相空間 Y への写像とする。
f が可測(
>>231 )なら Y の任意の Borel 集合(
>>212 ) E に対して
f^(-1)(E) ∈ Φ である。
証明
Ω = {A ⊂ Y ; f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。
>>229 より Ω は σ-集合代数である。
f は可測だから Ω は Y の開集合を全て含む。
よって Ω は Y の Borel 集合を全て含む。
証明終
234 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 20:09:21
>>233 にあるような集合 (X, Φ) という言い方は不正確だった。
235 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 20:53:20
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f が可測(
>>213 )であるためには
任意の a ∈ R に対して f^(-1)((a, +∞]) ∈ Φ となることが
必要十分である。
証明
必要性は (a, +∞] が R~ の開集合であること(
>>7 )と、
>>215 から出る。
Ω = {A ⊂ R~ ; f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。
a_n < a で n → ∞ のとき a_n → a となる数列 (a_n) をとる。
[-∞, a) = ∪[-∞, a_n] = ∪(R~ - (a_n, +∞])
>>229 より Ω は σ-集合代数である。
(a_n, +∞] ∈ Ω だから [-∞, a) ∈ Ω
a, b ∈ R で a < b のとき
(a, b) = [-∞, b) ∩ (a, +∞] ∈ Ω
>>7 より、R~ の任意の開集合は (a, +∞], [-∞, b), (a, b) の形の
区間の和集合だから Ω に含まれる。
よって
>>215 より f は可測である。
証明終
236 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 21:45:29
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f が可測(
>>213 )であるためには、R の任意の Borel 集合(
>>212 ) E
に対して S(f) ∩ f^(-1)(E) ∈ Φ となり、
f^(-1)(+∞) ∈ Φ, f^(-1)(-∞) ∈ Φ となることが必要十分である。
証明
f が可測であるとする。
Ω = {A ⊂ R; S(f) ∩ f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。
Ω が σ-集合環であることを示す。
A_n ∈ Ω, n =1 , 2, ... なら
S(f) ∩ f^(-1)(A_n) ∈ Φ, n =1 , 2, ...
よって
S(f) ∩ f^(-1)(∪A_n) = S(f) ∩(∪f^(-1)(A_n))
= ∪(S(f) ∩ f^(-1)(A_n))) ∈ Φ
よって ∪A_n ∈ Ω
A, B ∈ Ω なら、S(f) ∩ f^(-1)(A) ∈ Φ, S(f) ∩ f^(-1)(B) ∈ Φ
よって、
>>225 より、
S(f) ∩ f^(-1)(A - B) = S(f) ∩ (f^(-1)(A) - f^(-1)(B))
= (S(f) ∩ (f^(-1)(A)) - (S(f) ∩ (f^(-1)(B)) ∈ Φ
よって A - B ∈ Φ
以上から Ω は σ-集合環である。
Ω は R の任意の開集合を含むんでいるから Ω は任意の Borel 集合を
含む。
f^(-1)(+∞) = ∩{f^(-1)((n, +∞]); n = 1, 2, ...}
f^(-1)(-∞) = ∩{f^(-1)([-∞, -n)]); n = 1, 2, ...}
であるから f^(-1)(+∞) ∈ Φ, f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。
(続く)
237 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 21:47:45
>>236 の続き。
逆に、本命題の条件が成り立っているとする。
f^(-1)((a, +∞]) = f^(-1)((a, +∞)) ∪ f^(-1)(+∞)
よって、
S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞])
= (S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞))) ∪ (S(f) ∩ f^(-1)(+∞)) ∈ Φ
f^(-1)([-∞, a)) = f^(-1)((-∞, a)) ∪ f^(-1)(-∞)
よって、
S(f) ∩ f^(-1)([-∞, a))
= (S(f) ∩ f^(-1)((-∞, a))) ∪ (S(f) ∩ f^(-1)(-∞)) ∈ Φ
(a, b) は R の開集合だから Borel 集合であり、
S(f) ∩ f^(-1)((a, b)) ∈ Φ
>>7 より、R~ の任意の開集合 U は (a, +∞], [-∞, b), (a, b) の形の
区間の和集合だから S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ
よって、 f は可測である。
証明終
238 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 22:04:06
>>236 の補足説明
>f^(-1)(+∞) = ∩{f^(-1)((n, +∞]); n = 1, 2, ...}
>f^(-1)(-∞) = ∩{f^(-1)([-∞, -n)]); n = 1, 2, ...}
>であるから f^(-1)(+∞) ∈ Φ, f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。
f^(-1)(+∞) ⊂ S(f) であるから S(f) ∩ f^(-1)(+∞) = f^(-1)(+∞)
である。
よって、
f^(-1)(+∞) = S(f) ∩ f^(-1)(+∞) = S(f) ∩ (∩f^(-1)((n, +∞])
= ∩(S(f) ∩ f^(-1)((n, +∞])) ∈ Φ である。
同様に、f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。
>>228 そんなに引きずるほどこの話題がすきなの?
240 :
132人目の素数さん :2007/08/29(水) 22:08:55
Kummerおやすみー びろろ〜ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
>>240 まともな議論もできないのか? べろーん びろんぬ
∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩
| ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒)
/⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .|
/ / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/
.( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| /
\ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ /
/ / ./ / ./ / ./ /
| _つ / | _つ / | _つ / | _つ /
| /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \
| / ) )| / ) )| / ) )| / ) )
∪ ( \ ( \ ( \ ( \
\_) \_) \_) \_)
>>239 そもそもこのスレはコテが占有していてルール違反 びろんぬ
∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩
| ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒)
/⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .|
/ / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/
.( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| /
\ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ /
/ / ./ / ./ / ./ /
| _つ / | _つ / | _つ / | _つ /
| /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \
| / ) )| / ) )| / ) )| / ) )
∪ ( \ ( \ ( \ ( \
\_) \_) \_) \_)
244 :
132人目の素数さん :2007/08/29(水) 22:13:22
245 :
132人目の素数さん :2007/08/29(水) 22:15:26
>>243 そんなに引きずるほどこの話題がすきなの?
まあKummerも自分のHPでやるべきだな 自己顕示欲が強すぎてそれもできないんだろうが
247 :
132人目の素数さん :2007/08/29(水) 22:16:50
248 :
132人目の素数さん :2007/08/29(水) 22:17:46
251 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 22:40:13
>>238 は以下の様に修正する。
{+∞} = ∩{(n, +∞]; n = 1, 2, ...} で (n, +∞] ∈ Ω だから
{+∞} ∈ Ω である。
よって、f^(-1)(+∞) ∈ Φ である。
同様に、f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。
252 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 22:45:54
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f が可測(
>>213 )であるためには、
f^(-1)(-∞) ∈ Φ となり、
任意の a ∈ R に対して S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞]) ∈ Φ となることが
必要十分である。
証明
f が可測であるとする。
>>236 より、f^(-1)(-∞) ∈ Φ である。
(a, +∞] は R~ の開集合だから S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞]) ∈ Φ と
なる。
逆に、f^(-1)(-∞) ∈ Φ となり、
任意の a ∈ R に対して S(f) ∩ f^(-1)((a, +∞]) ∈ Φ とする。
Ω = {A ⊂ R; S(f) ∩ f^(-1)(A) ∈ Φ} とおく。
>>236 の証明より Ω は σ-集合環である。
{+∞} = ∩{(n, +∞]; n = 1, 2, ...} で (n, +∞] ∈ Ω だから
f^(-1)(+∞) ∈ Φ である。
>>225 より、S(f) ∩ f^(-1)((a, b])
= S(f) ∩ (f^(-1)((a, +∞]) - f^(-1)((b, +∞]))
= (S(f) ∩ (f^(-1)((a, +∞])) - (S(f) ∩ (f^(-1)((b, +∞])) ∈ Φ
よって、(a, b] ∈ Ω である。
a, b ∈ R で a < b のとき、
a < b_n < b で n → ∞ のとき b_n → b となる数列 (b_n) をとる。
(a, b) = ∪(a, b_n] ∈ Ω である。
よって、Ω は R の任意の Borel 集合を含む。
>>236 より f は可測である。
証明終
つかそもそも見づらいしスレ跨ぐと参照性も悪いし、 こんなスレでやらずに、いっそのこと専用サイト作って TeX(+Hyperref pkg)かなんかで書いてうpして、 ここはソレを肴にヲチスレを決め込むってほうが よほど建設的だと思うんだが。
そんな高級なことは知らないだろう。このスレは若い頃にブルバキにかぶれていた オッサンが昔を懐かしむスレなんだから。
うはw 自演カッコワルイww
256 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 23:42:12
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
Y を X の部分集合とする。
Y ∩ Φ = { Y ∩ A; A ∈ Φ} とおく。
Y ∩ Φ は Y 上の σ-集合環(
>>197 )である。
証明
A_n ∈ Φ, n =1 , 2, ... なら
Y ∩ (∪A_n) = ∪(Y ∩ A_n) ∈ Y ∩ Φ
A, B ∈ Φ なら A - B ∈ Φ
>>225 より、
Y ∩ (A - B) = (Y ∩ A) - (Y ∩ B) ∈ Y ∩ Φ
証明終
KummerはKY
258 :
254 :2007/08/29(水) 23:48:07
260 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 23:50:31
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
Y を X の部分集合とする。
Φ|Y = { A ⊂ Y; A ∈ Φ} とおく。
Φ|Y は Y 上の σ-集合環(
>>197 )である。
証明
A_n ∈ Φ|Y, n =1 , 2, ... なら
A_n ∈ Φ, n =1 , 2, ... だから ∪A_n ∈ Φ
よって、∪A_n ∈ Φ|Y
A, B ∈ Φ|Y なら A, B ∈ Φ
よって A - B ∈ Φ
よって A - B ∈ Φ|Y
証明終
>>259 お前とKummerが節穴すれば、お前がKummerの自演じゃないことを
信じてやるよ。
262 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/29(水) 23:58:44
>>225 の前に次の補題を述べておけば良かった。
補題
X, Y を集合とし、f : X → Y を写像とする。
A, B を Y の部分集合とする。
f^(-1)(A - B) = f^(-1)(A) - f^(-1)(B)
証明
自明である。
えーと これででてるかな よっぽど偶然が重ならない限り俺とKummer氏のIPが一致することはないと思うけど
264 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 00:01:00
やる気のなさにワロタ
過去ログも参照しにくくなったし、ここでやる大義名分はもうないんだよな
今度はどうだ ま、Kummer氏がフシアナするかどうかはともかくとして俺と氏は全くの別人だ
269 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 00:30:03
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f と g を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、A = {x; f(x) > g(x) } ∈ Φ である。
証明
f(x) > g(x) なら f(x) > r > g(x) となる有理数がある。
よって、A = ∪({x; f(x) > r} ∩ {x; r > g(x)}), r ∈ Q
>>215 より {x; f(x) > r} ∈ Φ, {x; r > g(x)} ∈ Φ
よって、A ∈ Φ である。
証明終
270 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 00:39:13
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f と g を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、
(1) {x; f(x) ≧ g(x) } ∈ Φ
(2) {x; f(x) = g(x) } ∈ Φ
証明
(1)
{x; f(x) ≧ g(x) } = X - {x; f(x) < g(x) }
>>269 より、{x; f(x) < g(x) } ∈ Φ だから
{x; f(x) ≧ g(x) } ∈ Φ である。
(2)
{x; f(x) = g(x) } = {x; f(x) ≧ g(x) } ∩ { x; f(x) ≦ g(x) }
(1) より、{x; f(x) = g(x) } ∈ Φ である。
証明終
271 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 01:31:56
補題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への可測写像とする。
U を R~ の開集合で 0 を含まないものとする。
f^(-1)(U) ∈ Φ である。
証明
S(f) = { x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } とおく。
f は可測だから
>>213 より S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。
U は 0 を含まないから f^(-1)(U) ⊂ S(f) である。
よって、f^(-1)(U) ∈ Φ である。
証明終
272 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 01:36:50
補題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への可測写像とする。
任意の A ∈ Φ に対して A ∩ {x; f(x) = 0 } ∈ Φ である。
証明
A ∩ {x; f(x) = 0 } = A - ({x; f(x) > 0 } ∪ {x; f(x) < 0 })
>>271 より {x; f(x) > 0 } ∈ Φ, {x; f(x) < 0 } ∈ Φ
よって、A ∩ {x; f(x) = 0 } ∈ Φ である。
証明終
273 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 01:44:38
補題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への可測写像とする。
任意の A ∈ Φ と R~ の任意の開集合 U に対して
に対して A ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。
証明
U が 0 を含まない場合は、
>>271 より f^(-1)(U) ∈ Φ だから
A ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。
0 ∈ U とする。
f^(-1)(U) = f^(-1)(U - {0}) ∪ f^(-1)(0) だから
A ∩ f^(-1)(U) = (A ∩ f^(-1)(U - {0})) ∪ (A ∩ f^(-1)(0))
U - {0} は開集合だから、
>>271 より A ∩ f^(-1)(U - {0}) ∈ Φ である。
>>272 より A ∩ f^(-1)(0) ∈ Φ である。
よって、A ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である。
証明終
Kummerおやすみー びろろ〜ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
275 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 01:48:51
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f と g を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、任意の A ∈ Φ に対して、
A ∩ {x; f(x) > g(x) } ∈ Φ である。
証明
f(x) > g(x) なら f(x) > r > g(x) となる有理数がある。
よって、
{x; f(x) > g(x) } = ∪({x; f(x) > r} ∩ {x; r > g(x)}), r ∈ Q
よって、
>>273 より、A ∩ {x; f(x) > g(x) } ∈ Φ である。
証明終
∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) (゚) | .| (゚) (゚) | .| (゚) (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
277 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 08:26:58
補題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
α ≠ 0 を(有限)実数とする。
αf は可測(
>>213 )である。
証明
>>252 を使う。
任意の a ∈ R に対して
α > 0 のとき、{x ; αf(x) > a} = {x ; f(x) > a/α}
α < 0 のとき、{x ; αf(x) > a} = {x ; f(x) < a/α}
>>236 より、
S(f) ∩ {x ; f(x) > a/α} ∈ Φ
S(f) ∩ {x ; f(x) < a/α} ∈ Φ
よって、いづれの場合も、S(f) ∩ {x ; αf(x) > a} ∈ Φ である。
>>36 より、
α > 0 のとき、{x ; αf(x) = -∞} = {x ; f(x) = -∞}
α < 0 のとき、{x ; αf(x) = -∞} = {x ; f(x) = +∞}
>>236 より、
S(f) ∩ {x ; f(x) = -∞} ∈ Φ
S(f) ∩ {x ; f(x) = +∞} ∈ Φ
よって、いづれの場合も、S(f) ∩ {x : αf(x) = -∞} ∈ Φ である。
証明終
278 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 08:34:43
補題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
α を(有限)実数とする。
f + α は可測(
>>213 )である。
証明
>>252 を使う。
任意の a ∈ R に対して
{x ; f + α > a} = {x ; f(x) > a - α}
>>252 より、
S(f) ∩ {x ; f(x) > a - α} ∈ Φ
よって、S(f) ∩ {x ; f + α > a} ∈ Φ である。
>>45 より、
{x ; f + α = -∞} = {x ; f(x) = -∞}
>>252 より、
S(f) ∩ {x ; f(x) = -∞} ∈ Φ
よって、S(f) ∩ {x ; f + α = -∞} ∈ Φ である。
証明終
279 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 08:36:30
訂正
>>277 ,
>>278 >f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への可測(
>>213 )な
写像とする。
280 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09:31:39
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、 f + g も可測である。
証明
>>252 を使う。
任意の a ∈ R に対して
{x ; f(x) + g(x) > a} = {x ; f(x) > a - g(x)}
>>277 と
>>278 より、a - g(x) は可測である。
>>269 より、{x ; f(x) > a - g(x)} は可測である。
よって、f + g は可測である。
証明終
281 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09:42:34
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f を X から位相空間 Y への写像とする。
g を X から位相空間 Z への写像とする。
f と g がそれぞれ可測(
>>231 )なら
X から Y×Z への写像 h(x) = (f(x), g(x)) も可測である。
証明
U と V をそれぞれ Y と Z の開集合とする。
h^(-1)(U×V) = f^(-1)(U) ∩ f^(-1)(V) である。
よって、h^(-1)(U×V) ∈ Φ である。
U×V の形の集合の有限個の共通部分全体は Y×Z の開集合の
基底である。
従って、Y×Z の任意の開集合 W に対して h^(-1)(W) ∈ Φ である。
証明終
282 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09:50:25
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f : X → Y を可測(
>>231 )写像、
g : Y → Z を連続写像とする。
gf: X → Z は可測である。
証明
U を Z の任意の開集合とする。
(gf)^(-1)(U) = f^(-1)(g^(-1)(U))
g は連続だから g^(-1)(U) は Y の開集合である。
f は可測だから、f^(-1)(g^(-1)(U)) は X の可測集合である。
証明終
283 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09:54:41
>>280 の別証
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、 f + g も可測である。
証明
>>281 より、X から R×R への写像 h(x) = (f(x), g(x)) は可測である。
R×R から R への写像 μ(x, y) = x + y は連続である。
f + g = μh であるから、
>>282 より f + g は可測である。
証明終
284 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 09:57:00
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、 fg も可測である。
証明
>>281 より、X から R×R への写像 h(x) = (f(x), g(x)) は可測である。
R×R から R への写像 μ(x, y) = xy は連続である。
fg = μh であるから、
>>282 より fg は可測である。
証明終
285 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 10:10:43
可測空間 (X, Φ) で X ∈ Φ の場合は可測関数の性質は簡単に 証明される。 これに較べて X ∈ Φ でない場合はかなり面倒である。 しかも、応用上は X ∈ Φ の場合が圧倒的に多い。 費用対効果比は非常に悪い。 これが多くの測度論の教科書で X ∈ Φ を仮定している理由だろう。 しかし、局所コンパクト空間上の測度を考える上で、 X ∈ Φ を仮定するのは応用上はともかく理論上は制限が強いように 思われる。
286 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 10:21:43
287 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 10:30:06
測度論を我々のように、可測空間 (X, Φ) の定義から初めて、 可測関数の性質について述べるのは、初心者には不親切だろう。 しかし、理論的にはこれが一番すっきりしていると思われる。 位相空間論と同様である。
288 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 10:50:38
定義
(a_n), n ≧ 0 を補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] の数列とする。
b_k = sup{a_n ; n ≧ k} とおく。
inf{b_k; k ≧ 0} を、
lim sup(a_n) = または lim sup{a_n; n ≧0} と書く。
lim sup(a_n) を数列 (a_n) の上極限と言う。
c_k = inf{a_n ; n ≧ k} とおく。
inf{c_k; k ≧ 0} を、
lim inf(a_n) = または lim inf{a_n; n ≧0} と書く。
lim inf(a_n) を数列 (a_n) の下極限と言う。
289 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 11:04:29
定義
(f_n), n ≧ 0 を集合 X 上の補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] に
値をとる関数列とする。
lim sup(f_n)(x) = lim sup((f_n)(x)) により
関数列 (f_n) の上極限関数 lim sup(f_n) を定義する。
下極限関数 lim inf(f_n) も同様に定義する。
290 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 11:31:55
定義
(f_n), n ≧ 0 を集合 X 上の補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] に
値をとる関数列とする。
sup(f_n)(x) = sup((f_n)(x)) により
関数列 (f_n) の上限関数 sup(f_n) を定義する。
下限関数 inf(f_n) も同様に定義する。
291 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 11:50:07
補題
(f_n), n ≧ 0 を集合 X 上の補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] に
値をとる関数列とする。
α を有限実数とする。
{x ; (sup f_n)(x) > α} = ∪{x ; f_n(x) > α}, n = 0, 1. ...
である。
証明
自明である。
292 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12:02:33
補題
(f_n), n ≧ 0 を集合 X 上の補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] に
値をとる関数列とする。
α を有限実数とする。
(α_n), n ≧ 0 を有限実数列で、
α_n < α かつ lim α_n = α とする。
A_nk = {x ; f_n(x) < α_k }
A_k = ∩{A_nk ; n = 0, 1, 2, ...}
とおく。
{x ; (sup f_n)(x) < α} = ∪A_k, k = 0, 1, 2, ...
である。
証明
(sup f_n)(x) < α とする。
(sup f_n)(x) < α_k < α となる k ≧ 0 がある。
任意の n ≧ 0 に対して、f_n(x) < α_k である。
よって、x ∈ A_k である。
よって、x ∈ ∪A_k, k = 0, 1, 2, ... である。
逆に、x ∈ ∪A_k, k = 0, 1, 2, ... とする。
x ∈ A_k となる k ≧ 0 がある。
任意の n ≧ 0 に対して、f_n(x) < α_k である。
よって、(sup f_n)(x) ≦ α_k < α である。
証明終
293 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12:23:05
補題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )で X ∈ Φ とする。
(f_n), n ≧ 0 を X 上の補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] に
値をとる関数列とする。
f = sup(f_n) とおく。
f が可測(
>>213 )なら S(f) = {x ; f(x) ≠ 0} ∈ Φ である。
証明
S(f) = {x ; f(x) > 0} ∪ {x ; f(x) < 0}
>>291 より、
{x ; f(x) > 0} = ∪{x ; f_n(x) > 0}
>>271 より、{x ; f_n(x) > 0} ∈ Φ である。
よって、{x ; f(x) > 0} ∈ Φ である。
整数 k > 0 に対して
A_nk = {x ; f_n(x) < -1/k } とおく。
A_k = ∩{A_nk ; n = 0, 1, 2, ...}
とおく。
>>292 より、
{x ; f(x) < 0} = ∪A_k, k = 1, 2, ...
である。
>>271 より、A_nk ∈ Φ である。
よって、{x ; f(x) < 0} ∈ Φ である。
以上から、S(f) = {x ; f(x) ≠ 0} ∈ Φ である。
証明終
294 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12:27:27
295 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12:45:41
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を X 上の補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] に
値をとる関数列とする。
各 f_n が可測なら、f = sup(f_n) もは可測である。
証明
S(f) = {x ; f(x) ≠ 0} とおく。
>>291 より、S(f) ∈ Φ である。
α を有限実数とする。
>>291 より、
{x; f(x) > α} = ∪{x ; f_n(x) > α}, n = 0, 1. ...
S(f) ∩ {x; f(x) > α} = ∪(S(f) ∩ {x; f_n(x) > α})
S(f) ∈ Φ であり、f_n は可測だから
>>273 より、
(S(f) ∩ {x; f_n(x) > α}) ∈ Φ である。
よって、S(f) ∩ {x; f(x) > α} ∈ Φ である。
{x; f(x) = -∞} = ∩{x ; f_n(x) = -∞} である。
>>252 より、{x; f_n(x) = -∞} ∈ Φ だから、
よって、{x; f(x) = -∞} ∈ Φ である。
以上から、
>>252 より f は可測である。
証明終
296 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12:53:35
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を X 上の補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] に
値をとる関数列とする。
各 f_n が可測なら、f = inf(f_n) も可測である。
証明
>>295 と同様に証明してもいいが、次のようにしても証明できる。
inf(f_n) = -sup(-f_n) であり、
>>277 より、各 -f_n は可測である。
よって、
>>295 より、sup(-f_n) は可測である。
再び、
>>277 より、inf(f_n) = -sup(-f_n) は可測である。
証明終
297 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 12:56:39
訂正
>>277 >
>>236 より、
>S(f) ∩ {x ; f(x) = -∞} ∈ Φ
>S(f) ∩ {x ; f(x) = +∞} ∈ Φ
>
>よって、いづれの場合も、S(f) ∩ {x : αf(x) = -∞} ∈ Φ である。
>>236 より、
{x ; f(x) = -∞} ∈ Φ
{x ; f(x) = +∞} ∈ Φ
よって、いづれの場合も、{x : αf(x) = -∞} ∈ Φ である。
298 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 13:21:34
定義
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f(X) が R~ の有限集合であるとき f を単関数という。
299 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 13:44:45
補題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X から補完数直線(
>>7 ) R~ = [-∞, +∞] への写像とする。
f が可測(
>>213 )なら、
α ∈ f(X) - {0} のとき、f^(-1)(α) ∈ Φ である。
証明
>>236 より、f^(-1)(+∞) ∈ Φ、f^(-1)(-∞) ∈ Φ であるから
α は有限としてよい。
α ≠ 0 だから、b < α < c となる実数 b, c で
区間 I = (b, c) に 0 が含まれないようなものがある。
>>271 より、f^(-1)(I) ∈ Φ である。
I - {α} は開集合だから、やはり
>>271 より、
f^(-1)(I - {α}) ∈ Φ である。
f^(-1)(α) = f^(-1)(I) - f^(-1)(I - {α}) ∈ Φ である。
証明終
300 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 13:57:58
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X 上の単関数(
>>298 )とする。
f が可測であるためには、
α ∈ f(X) - {0} のとき、f^(-1)(α) ∈ Φ であることが
必要十分である。
証明
必要性は
>>299 で証明されている。
条件が十分なことを証明する。
f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} とする。
S(f) = { x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } とおく。
任意の実数 α に対して
S(f) ∩ { x ∈ X ; f(x) > α }
= ∪{ x ∈ X ; f(x) = a_n }, a_n > α
仮定より、{ x ∈ X ; f(x) = a_n } ∈ Φ だから
S(f) ∩ { x ∈ X ; f(x) > α } ∈ Φ である。
明らかに、{ x ∈ X ; f(x) = -∞ } ∈ Φ である。
よって
>>252 より f は可測である。
証明終
>>281 すみません。質問、いいでしょうか?
>U×V の形の集合の有限個の共通部分全体は Y×Z の開集合の
>基底である。
>従って、Y×Z の任意の開集合 W に対して h^(-1)(W) ∈ Φ である。
とありますが、Y×Z の任意の開集合 W は、U×V の形の開集合の
「一般には非可算個の」合併ですよね?
だから、h^(-1)(W) も、h^(-1)(U×V) (∈ Φ )の形の集合の
非可算個の合併である可能性がありますね?
これが可算個の合併であれば、確かに h^(-1)(W) ∈ Φ となりますが、
非可算個の場合は、どうやって証明するのでしょう?
ひょっとしたら、私が何か見落としているのかもしれませんが、
宜しくお願いします。
302 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 16:13:25
>>301 確かにおかしいですね。
Y と Z はそれぞれ開集合の可算基底を持ってないと駄目ですね。
有難うございました。
R は開集合の可算基底を持ってるので、
>>283 は成り立ちます。
303 :
132人目の素数さん :2007/08/30(木) 16:15:27
>>302 やっぱりそうでしたか。
ご返答、ありがとうございました。
304 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 18:29:05
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
次の条件を見たす可測で有限な単関数(
>>298 ) f_n が存在する。
1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f
2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
証明
任意の整数 n > 0 に対して、
区間 [0, n) を 1/2^n 等分する。
即ち、
[0, n) = ∪[k/2^n, (k+1)/2^n), k = 0, 1, ..., (2^n)n - 1
f_n : X → [0, +∞) を次のように定義する。
f(x) ∈ [k/2^n, (k+1)/2^n) ⊂ [0, n) のとき f_n(x) = k/2^n
f(x) ∈ [n, +∞] のとき f_n(x) = n
f_n は単関数であり、
>>300 より可測である。
[0, n+1) の分割は [0, n) の分割の細分になっている。
従って、f_n ≦ f_(n+1) である。
f(x) = +∞ のとき、任意の n で f_n(x) = +∞ だから
n → ∞ のとき f_n(x) → +∞
f(x) < +∞ のとき、
f(x) < n となる限り |f(x) - f_n(x)| ≦ 1/2^n である。
よって、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
証明終
305 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 18:51:42
定義
X を集合とし、f : X → [-∞, +∞] を任意の写像とする。
f^(+) = sup{f, 0}
f^(-) = sup{-f, 0}
と書く。
f = f^(+) - f^(-)
|f| = f^(+) + f^(-)
である。
(X, Φ) が可測空間(
>>211 )で、f が可測(
>>213 )なら、
>>295 より、f^(+) と f^(-) も可測である。
306 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:01:24
補題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X 上の単関数(
>>298 )とする。
α ≠ 0 を(有限)実数とする。
f が可測なら、αf も可測な単関数である。
証明
>>277 より αf は可測である。
αf が単関数であることは明らかである。
証明終
307 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:17:27
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f と g を X 上の可測で有限な単関数(
>>298 )とする。
f + g も可測で有限な単関数である。
証明
f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n}
g(X) - {0} = {b_1, . . . , b_m} とする。
A_i = {x ; f(x) = a_i}, 1 ≦ i ≦ n
B_j = {x ; g(x) = b_j}, 1 ≦ j ≦ m とおく。
>>300 より、 A_i ∈ Φ, B_j ∈ Φ である。
A = ∪A_i, B = ∪B_j とおく。
A ∪ B = (A - B) ∪ (A ∩ B) ∪ (B - A)
これは、A ∪ B の直和分割である。
x ∈ X - (A ∪ B) のとき f(x) = g(x) = 0 であり、f(x) + g(x) = 0
x ∈ A - B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、
f(x) = a_i, g(x) = 0 である。よって、f(x) + g(x) = a_i
x ∈ B - A のとき x ∈ B_j となる j が唯一つ存在し、
f(x) = 0, g(x) = b_j である。よって、f(x) + g(x) = b_j
x ∈ A ∩ B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、
x ∈ B_j となる j が唯一つ存在する。
f(x) = a_i, g(x) = b_j である。
よって、f(x) + g(x) = a_i + b_j
以上から f + g は可測で有限な単関数である。
証明終
308 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:31:26
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
可測で有限な単関数(
>>298 ) の列 (f_n) が存在し、
任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
証明
>>305 より、f = f^(+) - f^(-) である。
f^(+) ≧ 0, f^(-) ≧ 0 だから
>>304 より、可測で有限な単関数(
>>298 ) の列 (g_n) と (h_n) が
存在し、
任意の x ∈ X において、
n → ∞ のとき g_n(x) → f^(+)
n → ∞ のとき h_n(x) → f^(-)
となる。
よって、n → ∞ のとき g_n(x) - h_n(x) → f^(+) - f^(-) である。
>>306 より、-h_n(x) は可測で有限な単関数である。
よって、>307 より、g_n(x) - h_n(x) も可測で有限な単関数である。
f_n(x) = g_n(x) - h_n(x) が求めるものである。
証明終
309 :
132人目の素数さん :2007/08/30(木) 20:40:26
>>308 たびたびすみません。
f : X → [0, +∞] だから、f = f^(+) ではないですか?
おそらく、仮定は f : X → [-∞, +∞]
ではないかと思われます。
310 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:45:11
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、 f + g も可測である。
証明
>>308 より、可測で有限な単関数(
>>298 ) の列 (f_n) と (g_n) が
存在し、任意の x ∈ X において、
n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
となる。
よって、
n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x) である。
>>307 より、f_n(x) + g_n(x) は可測である。
f + g = lim sup(f_n + g_n) である(
>>289 )から
>>295 ,
>>296 より
f + g は可測である。
証明終
311 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:47:06
クンマー大好き 僕も代数がんばるぞ
313 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 20:53:29
>>310 は
>>280 の拡張である。
しかし、証明方法はだいぶ違う(
>>285 参照)。
この方法は、現代数学概説 II によった。
Halmos の Measure theory は
>>310 を
>>280 と同様の方法で
証明しているが、私はその証明がよく理解出来ない。
314 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21:13:52
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f と g を X 上の可測で有限な単関数(
>>298 )とする。
fg も可測で有限な単関数である。
証明
f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n}
g(X) - {0} = {b_1, . . . , b_m} とする。
A_i = {x ; f(x) = a_i}, 1 ≦ i ≦ n
B_j = {x ; g(x) = b_j}, 1 ≦ j ≦ m とおく。
>>300 より、 A_i ∈ Φ, B_j ∈ Φ である。
A = ∪A_i, B = ∪B_j とおく。
A ∪ B = (A - B) ∪ (A ∩ B) ∪ (B - A)
これは、A ∪ B の直和分割である。
x ∈ X - (A ∪ B) のとき f(x) = g(x) = 0 であり、f(x)g(x) = 0
x ∈ A - B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、
f(x) = a_i, g(x) = 0 である。よって、f(x)g(x) = 0
x ∈ B - A のとき x ∈ B_j となる j が唯一つ存在し、
f(x) = 0, g(x) = b_j である。よって、f(x)g(x) = 0j
x ∈ A ∩ B のとき x ∈ A_i となる i が唯一つ存在し、
x ∈ B_j となる j が唯一つ存在する。
f(x) = a_i, g(x) = b_j である。
よって、f(x)g(x) = (a_i)(b_j)
以上から fg は可測で有限な単関数である。
証明終
315 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21:17:47
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f と g を X から(有限)数直線 R = (-∞, +∞) への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、 fg も可測である。
証明
>>308 より、可測で有限な単関数(
>>298 ) の列 (f_n) と (g_n) が
存在し、任意の x ∈ X において、
n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
となる。
よって、
n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x) である。
>>314 より、(f_n)(g_n) は可測である。
fg = lim sup(f_n)(g_n) である(
>>289 )から
>>295 ,
>>296 より
fg は可測である。
証明終
316 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21:40:34
定義
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
Φ から [0, +∞] への関数 μ が次の条件をみたすとき、
μ を (X, Φ) 上の測度または、Φ 上で定義された測度と言う。
1) φ を空集合としたとき、μ(φ) = 0
2) (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 n ≠ m のとき
常に A_n と A_m は交わらないとする。
このとき μ(∪A_n) = Σμ(A_n)
317 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/30(木) 21:54:54
>>316 の 2) の性質を完全加法性または σ-加法性と言う。
測度の与えられた可測空間を測度空間と言う。
(X, Φ) を可測空間、μ をその上の測度としたとき、
この測度空間を (X, Φ, μ) で表すことがある。
∩_∩ ( ・( ェ)・) < おやすみ Kummer ( O┬O ≡◎-ヽJ┴◎ キコキコ
319 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:23:38
測度の例 後で示すように有用な測度(例えば Lebesgue 測度)を構成するのは やや面倒である。 ここでは、簡単な例を挙げる。 1) 集合 X の任意の部分集合 E に対して E が無限集合なら μ(E) = ∞、有限集合ならその要素の個数を μ(E) とする。 2) 集合 X の任意の点 x_0 を固定する。 X の部分集合 E が x_0 を 含めば μ(E) = 1, x_0 を含まなければ μ(E) = 0 とする。
320 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:37:01
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
A_1, . . . , A_n ∈ Φ で i ≠ j のとき A_i ≠ A_j なら
μ(A_1 ∪ . . . ∪ A_n) = μ(A_1) + . . . μ(A_n)
証明
>>316 の 2) において、A_(n+1) = A_(n+2) = . . . = 空集合 とすれば
よい。
321 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:40:14
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
A, B ∈ Φ で A ⊂ B なら μ(A) ≦ μ(B)
証明
B = A ∪ (B - A) で A と B - A は交わらない。
>>320 より μ(B) = μ(A) + μ(B - A)
μ(B - A) ≧ 0 だから μ(A) ≦ μ(B)
322 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 04:42:36
>>320 お邪魔します。
>i ≠ j のとき A_i ≠ A_j なら
とありますが、
i ≠ j のとき A_i と A_j が交わらない なら
と訂正すべきでは?
323 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:57:18
命題 (X, Φ, μ) を測度空間とする。 (A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 A_1 ⊂ A_2 ⊂ . . . なら n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(∪A_n) 証明 A = ∪A_n とおく。 A = A_1 ∪ (A_2 - A_1) ∪ (A_3 - A_2) ∪ . . . (直和分割) よって、μ(A) = μ(A_1) + μ(A_2 - A_1) + . . . 一方、n ≧ 2 のとき、 μ(A_n) = μ(A_1) + μ(A_2 - A_1) + . . . + μ(A_n - A_(n-1) よって、n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(A) 証明終
324 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 04:58:17
325 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05:21:51
補題
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
A, B ∈ Φ で A ⊃ B とする。
μ(A) < +∞ なら μ(A - B) = μ(A) - μ(B)
証明
A = B ∪ (A - B) と直和分割される。
>>320 より μ(A) = μ(B) + μ(A - B) である。
μ(A) < +∞ だから μ(A - B) = μ(A) - μ(B) である。
証明終
326 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05:26:10
>>325 で μ(A) < +∞ の仮定は必要である。
μ(A) = μ(B) = +∞ なら μ(A) - μ(B) は定義されない。
327 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 05:40:52
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
(A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、
A_1 ⊃ A_2 ⊃ . . . で、μ(A_1) < +∞ とする。
n → ∞ のとき μ(A_n) → μ(∩A_n)
証明
B_n = A_1 - A_n とおく。
B_1 ⊂ B_2 ⊂ . . . である。
>>323 より n → ∞ のとき μ(B_n) → μ(∪B_n)
μ(A_1) < +∞ だから
>>325 より、
μ(B_n) = μ(A_1) - μ(A_n) である。
∪B_n = A_1 - ∩A_n で μ(A_1) < +∞ だから
>>325 より、
μ(∪B_n) = μ(A_1) - μ(∩A_n)
よって、
μ(A_1) - μ(∩A_n) = lim (μ(A_1) - μ(A_n))
= μ(A_1) - lim μ(A_n)
よって、
μ(∩A_n) = lim μ(A_n)
証明終
328 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07:02:37
定義
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
μ(A) = 0 となるような A ∈ Φ を(μ に関する)零集合と言う。
329 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07:41:32
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
(A_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列とすると、
μ(∪A_n) ≦ Σμ(A_n)
である。
証明
B_1 = A_1
B_2 = A_2 - A_1
. . .
B_n = A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))
とおく。
A = ∪A_n とおけば、
A = ∪B_n となり、これは A の直和分割である。
よって μ(A) = Σμ(B_n)
B_n ⊂ A_n だから
>>321 より μ(B_n) ≦ μ(A_n)
よって μ(A) ≦ Σμ(A_n)
証明終
330 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 07:45:51
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
μに関する零集合(
>>328 )全体は σ-集合環(
>>197 )である。
証明
μに関する零集合全体を Ψ とする。
空集合は Ψ に属すから Ψ は空ではない。
A_n ∈ Ψ, n =1 , 2, ... とする。
>>329 より、
μ(∪A_n) ≦ Σμ(A_n) = 0
よって、∪A_n ∈ Ψ である。
A, B ∈ Ψ なら
>>321 より μ(A - B) ≦ μ(A) = 0
よって、A - B ∈ Ψ である。
証明終
331 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08:26:43
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
A と B を X の(可測とは限らない)任意の集合とする。
A△B (
>>191 )がμに関する零集合(
>>328 )に含まれるとき
A 〜 B (μ) または A 〜 B と書く。
A 〜 B (μ) は同値関係である。
証明
1) A 〜 A は明らかである。
2) A 〜 B なら B 〜 A も明らかである。
3) A 〜 B かつ B 〜 C とする。
A 〜 C を示せばよい。
A△B ⊂ N
B△C ⊂ M
となる零集合 N と M がある。
即ち、
(A - B) ∪ (B - A) ⊂ N
(B - C) ∪ (C - B) ⊂ M
A - C ⊂ (A - B) ∪ (B - C) ⊂ N ∪ M
C - A ⊂ (C - B) ∪ (B - A) ⊂ N ∪ M
よって、A△C = (A - C) ∪ (C - A) ⊂ N ∪ M
>>330 より N ∪ M は零集合である。即ち、A 〜 C
証明終
332 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08:43:00
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
F(X, R~) と書く。
f, g ∈ F(X, R~) で、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合(
>>328 )に
含まれるとき、
f 〜 g (μ) または f 〜 g または f = g (a.e.) と書く。
f 〜 g (μ) は同値関係である。
証明
1) f 〜 f は明らかである。
2) f 〜 g なら g 〜 f も明らかである。
3) f 〜 g かつ g 〜 h とする。
f 〜 h を示せばよい。
f(x) = g(x) かつ g(x) = h(x) なら f(x) = h(x) である。
よって、
{x ; f(x) ≠ h(x) } ⊂ {x ; f(x) ≠ g(x) } ∪ {x ; g(x) ≠ h(x) }
仮定より、
{x ; f(x) ≠ g(x) } ⊂ N
{x ; g(x) ≠ h(x) } ⊂ M
となる零集合 N と M がある。
よって、{x ; f(x) ≠ h(x) } ⊂ N ∪ M
>>330 より N ∪ M は零集合である。即ち、f 〜 h
証明終
333 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08:47:30
>>331 現代数学概説 II(岩波書店) では {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合のとき
f 〜 g と定義しているが、これは間違いである。
何故なら f, g ∈ F(X, R~) のとき {x ; f(x) ≠ g(x) } は
可測とは限らないからである。
334 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 08:48:12
335 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 09:49:28
>>333 Kummer さん、おはようございます。
質問、と言うか、確認です。
現代数学概説の定義:
> {x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合のとき
が生きるのは、
測度空間 (X, Φ, μ) が完備であれば、(簡単のために X ∈ Φ とする)
よいわけですね?
ここでは「完備性」を仮定していないため、「零集合に含まれる」
と言う定義をするのですよね?
些細な点で恐縮ですが m(_ _)m
336 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09:52:50
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
F(X, R~) と書く。
f, g ∈ F(X, R~) のとき、f 〜 g である(
>>332 )ためには、
[-∞, +∞] の任意の部分集合 S に対して
f^(-1)(S) 〜 g^(-1)(S) となる(
>>331 )ことが必要十分である。
証明
必要性。
f 〜 g とする。
[-∞, +∞] の部分集合 S に対して
x ∈ f^(-1)(S)△g^(-1)(S) なら、 f(x) ≠ g(x) である。
よって、f^(-1)(S)△g^(-1)(S) ⊂ {x ; f(x) ≠ g(x) }
よって、f^(-1)(S) 〜 g^(-1)(S)
(続く)
337 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09:53:57
>>336 の続き。
十分性。
[-∞, +∞] の任意の部分集合 S に対して
f^(-1)(S) 〜 g^(-1)(S) とする。
r が全ての有理数を動くとき、
{x ; f(x) < g(x) } = ∪ {{x ; f(x) < r } ∩ {x ; r ≦ g(x) }
= ∪ ({{x ; f(x) < r } - {x ; g(x) < r })
⊂ ∪ ({{x ; f(x) < r } △ {x ; g(x) < r })
仮定から、
{{x ; f(x) < r } △ {x ; g(x) < r } ⊂ N_r となる零集合がある。
よって、
{x ; f(x) < g(x) } ⊂ ∪ N_r
>>330 より ∪ N_r は零集合である。
同様にして、{x ; f(x) > g(x) } も零集合に含まれる。
よって、
{x ; f(x) ≠ g(x) } = {x ; f(x) < g(x) } ∪ {x ; f(x) > g(x) }
も零集合に含まれる。
即ち、f 〜 g である。
証明終。
338 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 09:59:08
>>335 (X, Φ, μ) が完備でも、 {x ; f(x) ≠ g(x) } は
可測とは限らないんで、f 〜 g を、
{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合と定義するのはまずいんじゃないですかね?
339 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:02:36
>>335 あ、いいですね。
(X, Φ, μ) が完備なら、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合に含まれる
のと、{x ; f(x) ≠ g(x) } が零集合であることは同値ですから。
340 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:10:34
>>335 もう分かってると思いますが、私は積分論には詳しくないんですいよ。
というか解析は詳しくないです。
だからと言って代数とか幾何に詳しいというわけでもないですが。
Haar 測度をこのスレで使うんで勉強を兼ねてやってるわけです。
341 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 10:14:05
342 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 10:18:05
>>340 そうでしたか。
すると、ここでの積分論は、Haar 測度を経由して、
本来の代数方面につながるわけですか?
Kummer さんが代数に詳しくない、と言うのは、
私などから見れば謙遜に思えますよ。
343 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:33:33
>>342 >すると、ここでの積分論は、Haar 測度を経由して、
>本来の代数方面につながるわけですか?
そうです。
p-進体 Q_p は過去スレ006の554から局所コンパクトなので Haar 測度が
入ります。
344 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 10:41:02
345 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:45:06
現代数学概説 II(岩波書店) では f 〜 g で f が可測なら g も可測であるということを定理に 掲げているが、これも (X, Φ, μ) が完備でないと成り立たない ように思う。
346 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 10:51:28
>>345 はい。おっしゃるとおりです。
f, g が、X の部分集合の特性関数である場合を考えれば、
>f 〜 g で f が可測なら g も可測である
と言う条件は、 (X, Φ, μ) が完備であることと同値です。
347 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:53:35
>>345 (X, Φ, μ) が完備とは、任意の零集合のすべての部分集合が
零集合となることを言う。
測度空間の完備性については後で詳しくやる予定。
348 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 10:55:52
349 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12:13:39
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とし、
X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
F(X, R~) と書く。
(f_n) と (g_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。
各 n に対して f_n 〜 g_n (
>>332 ) なら sup(f_n) 〜 sup(g_n) である。
証明
f = sup(f_n)
g = sup(g_n)
とおく。
{x; f(x) ≠ g(x)} ⊂ ∪{x; f_n(x) ≠ g_n(x)}
である。
各 {x; f_n(x) ≠ g_n(x)} は零集合に含まれるから
>>330 より
{x; f(x) ≠ g(x)} も零集合に含まれる。
即ち、f 〜 g である。
証明終
350 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12:35:10
定義 測度空間 (X, Φ, μ) において X の部分集合 A と、 A の点に関するある命題 P が与えられたとする。 ある零集合 N ⊂ A があり、 A - N の各点 x で P が成り立つとき、 P は、ほとんど至る所(almost everywhere) A で成り立つという。 「ほとんど至る所」を a.e. と略す場合がある。
351 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 12:52:30
定義
(X, Φ, μ) を測度空間とし、
X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
F(X, R~) と書く。
(f_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。
(f_n) がほとんど至る所(
>>350 )収束するとき、(f_n) の極限関数
f = lim (f_n) を次のように定義する。
(f_n) が収束する点 x では f(x) = lim f_n(x) とし、
(f_n) が収束する点 x では f(x) = 0 とする。
352 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 13:15:48
命題
(X, Φ, μ) を測度空間とし、
X から R~ = [-∞, +∞] への(可測とは限らない)写像全体を
F(X, R~) と書く。
(f_n) と (g_n), n ≧ 0 を F(X, R~) に属す関数列とする。
各 n に対して f_n 〜 g_n (
>>332 ) で、
(f_n) がほとんど至る所(
>>350 )で収束するなら、
(g_n) もほとんど至る所で収束し、lim (f_n) 〜 lim (g_n) となる。
証明
F = lim sup(f_n)
G = lim sup(g_n)
f = lim inf(f_n)
g = lim inf(g_n)
とおく。
>>349 (及び同じように証明される inf に関する同様の命題) より
F 〜 G、f 〜 g
となる。
(f_n) は、ほとんど至る所で収束するから、
ほとんど至る所で F = f である。
即ち、F 〜 f である。
>>332 より 〜 は同値関係であるから、
G 〜 g である。
即ち、(g_n) はほとんど至る所で収束する。
lim (f_n) 〜 F で、lim (g_n) 〜 G だから
lim (f_n) 〜 lim (g_n) である。
証明終
353 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 14:41:51
現代数学概説 II(岩波書店) では
(f_n), n ≧ 0 が可測関数列で、ほとんど至る所で収束するなら
lim f_n (
>>351 )も可測であると書いてある(演習問題になっている)。
これはどうなんですかね?
これも無条件では成り立たない様に思えるんですけど。
反例があるのかどうか分からないですが。
(X, Φ, μ) が完備なら、成り立つことは次のように分かります。
(f_n) が収束しない点の集合を N として、
N の各点で 0、N の外で f_n と一致する関数を g_n とすれば、
f_n 〜 g_n なので、g_n は可測になる。
>>352 より lim (f_n) 〜 lim (g_n) となる。
(g_n) は X の各点で収束するから可測である。
従って、lim (f_n) も可測になる。
354 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 14:45:30
訂正
>>353 >(g_n) は X の各点で収束するから可測である。
(g_n) は X の各点で収束するから、lim (g_n) も可測である。
355 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 15:04:30
命題 (X, Φ, μ) を測度空間とし、 X から有限数直線 R = (-∞, +∞) への(可測とは限らない)写像全体を F(X, R) と書く。 f_1, f_2, g_1, g_2 を F(X, R) の元とし、 f_1 〜 g_1, f_2 〜 g_2 とする。 このとき、 f_1 + f_2 〜 g_1 + g_2 (f_1)(f_2) 〜 (g_1)(g_2) である。 証明 零集合 N の外で f_1 = g_1 とし、 零集合 M の外で f_2 = g_2 とする。 零集合 N ∪ M の外で f_1 = g_1 かつ f_2 = g_2 である。 従って、N ∪ M の外で、 f_1 + f_2 = g_1 + g_2 (f_1)(f_2) = (g_1)(g_2) である。 よって、 f_1 + f_2 〜 g_1 + g_2 (f_1)(f_2) 〜 (g_1)(g_2) である。 証明終
356 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:06:03
定義
(X, Φ) を可測空間とする。
E を X の(必ずしも可測でない)部分集合とする。
>>260 より Φ|E = { A ⊂ E; A ∈ Φ} は σ-集合環(
>>197 )である。
従って (E, Φ|E) は可測空間となる。
f を E を含むある集合 F から [-∞, +∞] への
(必ずしも可測でない)写像とする。
f の定義域を E に制限した関数 f|E が (E, Φ|E) で可測であるとき、
f は E において可測であると言う。
357 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:15:10
命題
(X, Φ) を可測空間とする。
f を X から [-∞, +∞] への可測写像とする。
E ∈ Φ のとき f|E は、E において可測(
>>356 )である。
証明
f は可測(
>>213 )だから、[-∞, +∞] の任意の開集合 U に対して、
S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である
>>273 より、E ∩ S(f) ∩ f^(-1)(U) ∈ Φ である
よって、f|E は、E において可測である。
証明
358 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:35:47
命題
(X, Φ) を可測空間とする。
E を X の(必ずしも可測でない)部分集合とする。
f を E から [-∞, +∞] への写像とする。
g を X から [-∞, +∞] への写像で、E において f と一致し、
E の外で 0 となるものとする。
f が E において可測(
>>356 )であることと、
g が X において可測であることは同値である。
証明
S(g) ∩ g^(-1)(U) ⊂ S(g) ⊂ E
S(f) = S(g) であるから、
S(g) ∩ g^(-1)(U) = S(f) ∩ f^(-1)(U) である。
よって、本命題の主張が得られる。
証明終
359 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:39:31
>>358 から E 上で可測な関数は常に X 上で可測な関数の制限と
なっていることが分かる。
しかし、E が可測でない限り、この逆は言えない。
360 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:48:03
(X, Φ) を可測空間とする。 E を X の可測な部分集合とする。 E 上で可測な関数 f の積分 ∫[E] f dμをこれから定義する。 積分 ∫[E] f dμ は、∫f dμ とも ∫[E] f(x) dμ(x) とも ∫f(x) dμ(x) とも書く。
361 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 19:49:27
訂正
>>360 >(X, Φ) を可測空間とする。
(X, Φ, μ) を測度空間とする。
362 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 19:52:42
>>353 Kummer さん、こんばんは。
さて、貴兄の疑問ですが、少々注意を要します。
>(f_n), n ≧ 0 が可測関数列で、ほとんど至る所で収束するなら
>lim f_n (
>>351 )も可測であると書いてある(演習問題になっている)。
とありますが、この主張の条件のもとでは、lim f_n (x) は、
すべての x ∈ X に対して存在するわけではないのです。
つまり、零集合 N ∈ Φ が存在して、x ∈ X - N に対してのみ、
lim f_n (x) が存在すると仮定されているのです。
一方で、x ∈ N に対しては、極限 lim f_n (x) の存在は、
保証されていないのです。
ですから、この記述の意味するところは、関数 g : X → R~ を、
g(x) = lim f_n (x) ; if x ∈ X - N
g(x) = 0 ; if x ∈ N
とおいたとき、g が可測になる、と言う意味だと思われます。
(完備性は、仮定しなくても良いです。
この g は、
>>353 の lim g_n と同値です)
363 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 20:16:17
>>362 すみません。
>>351 の定義を失念していました。
たしかに、 f_n (x) が収束しない点の全体を M とおくと、
M は可測でないかもしれません。
しかし、X ∈ Φ であれば、結論は肯定的です。
F(x) = limsup f_n (x),
H(x) = liminf f_n (x)
とおくと、f_n が可測だから、F, H も可測になります(
>>296 )。
したがって、M = { x ∈ X | F(x)>H(x) }
も可測になり、lim f_n (x) も可測になります(
>>275 )。
ここで完備性は使っていません。
364 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/31(金) 20:23:02
>>362 御回答、有難うございます。
しばらくこの件について考えさせてください。
365 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 20:23:59
>>363 たびたびスミマセン。補足です。
>>363 の M は、X ∈ Φ を仮定しなくても、可測になります。
なぜなら、S(f_n) = {x ∈ X | f_n (x) ≠ 0},
S = ∪ S(f_n) (合併は、n についてとる)
とおくと、S ∈ Φ で、M = M ∩ S となり、
>>275 より、M ∩ S ∈ Φ です。
非常に微妙ですね。
366 :
132人目の素数さん :2007/08/31(金) 21:30:19
念のため、混乱防止柵を設けて起きます。
(f_n) を、X から R~ への写像族とします。
f_n (x) がほとんどいたるところの x について収束する
というとき、ある零集合 N ∈ Φ の外側の x ∈ X については、
f_n (x) が収束する。
x ∈ N については、 f_n (x) は収束するかもしれないし、
収束しないかもしれない。
一方、f_n (x) が収束しない x の全体を M とおくと、
M ⊆ N だが、f_n についての可測性の仮定の無い状態では、
M ≠ N かもしれない。
しかし、各 f_n が可測のとき、
>>363 ,
>>365 で見たように、
M 自身が零集合になる。
367 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 00:44:18
>>366 有難うございます。
大変、勉強になりました。
なお、蛇足かもしれませんが次の補題を書いておきます。
g_n を M で 0, X - M で f_n と一致する関数とすれば、
g_n は、この補題により可測になります。
lim f_n を
>>351 のように定義すれば、
lim g_n = lim f_n となり、lim f_n は可測になります。
補題
(X, Φ) を可測空間とし、f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。
A ∈ Φ とし、写像 g : X → [-∞, +∞] を次のように定義する。
x ∈ A のとき g(x) = 0
x ∈ X - A のとき g(x) = f(x)
このとき g は可測である。
証明
S(g) ⊂ X - A だから、S(g) = S(f) - A ∈ Φ
U を [-∞, +∞] の開集合とする。
S(g) 上では f = g だから、
S(g) ∩ {x ; g^(-1)(U) } = S(g) ∩ {x ; f^(-1)(U)}
>>273 より、この右辺は可測である。
よって、
>>213 より g は可測である。
証明終
368 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 00:49:37
訂正
>>367 >S(g) ∩ {x ; g^(-1)(U) } = S(g) ∩ {x ; f^(-1)(U)}
S(g) ∩ g^(-1)(U) = S(g) ∩ f^(-1)(U)
369 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10:18:49
定義 X を集合、A をその部分集合とする。 A の特性関数を χ_A と書く。 即ち、 x ∈ A のとき χ_A(x) = 1 x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 1
370 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10:24:08
補題 X を集合とする。 M と N を部分集合、a, b を有限実数とする。 このとき、次の等式が成り立つ。 aχ_M + bχ_N = aχ_(M - N) + (a + b)χ_(M ∩ N) + bχ_(N - M) (aχ_M)(bχ_N) = abχ_(M ∩ N) 証明 自明である。
371 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10:37:43
定義
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
Σ(a_i)χ_(M_i) の形の関数を R = (-∞, +∞) に値をとる
Φ上の単関数または Φ-単関数 と言う。
ここで、a_i は有限実数、M_i ∈ Φ で
Σ(a_i)χ_(M_i) は有限和である。
372 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 10:52:44
命題
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数(
>>371 )全体 E(Φ) は
和と積とスカラー倍に関して閉じている。
即ち、R 上の(必ずしも単位元もつとは限らない)代数である。
証明
明らかに、E(Φ) は和とスカラー倍に関して閉じている。
Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Φ)
Σ(b_j)χ_(N_j) ∈ E(Φ)
とする。
>>370 より
(Σ(a_i)χ_(M_i))(Σ(b_j)χ_(N_j)) = Σ(a_i)(b_j)χ_(M_i)χ_(N_j)
= Σ(a_i)(b_j)χ_(M_i ∩ N_j) ∈ E(Φ)
証明終
373 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11:23:34
補題
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の任意の単関数(
>>371 ) は
M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、
Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。
証明
>>370 より、M と N を部分集合、a, b を有限実数とすると、
aχ_M + bχ_N = aχ_(M - N) + (a + b)χ_(M ∩ N) + bχ_(N - M)
これから明らかである。
374 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11:39:51
命題
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の任意の単関数(
>>371 ) f は
M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、
f = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と一意に書ける。
ここで、a_i ≠ 0 で、i ≠ j なら a_i ≠ a_j である。
証明
M と N を Φ の集合で交わらないなら
χ_(M ∪ N) = χ_M + χ_N
である。
よって、任意の a ∈ R に対して、
aχ_M + aχ_N = aχ_(M ∪ N) となり、M ∪ N ∈ Φ である。
よって、命題のように、f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書けることは、
>>373 より明らかである。
f(X) - {0} = {a_1, . . . , a_n} で
M_i = f^(-1)(a_i) であるから一意性も明らかである。
証明終
375 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 11:45:11
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f を X 上の有限な単関数(
>>298 )とする。
>>300 と
>>374 より、f が可測であることと、
f が R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数(
>>371 )であることは
同値である。
376 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 12:57:40
補題
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
M_1, . . ., M_n を Φ の任意の有限な集合列とする。
このとき、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、
任意の M_i はいくつかの N_j の合併となる。
証明
n に関する帰納法を使う。
n = 1 のときは明らかである。
n (n ≧ 1)のとき補題が成り立つと仮定する。
n + 1 のとき補題が成り立つことを証明すればよい。
M_(n+1) ∩ N_i (1 ≦ i ≦ m)
の中で N_1, . . ., N_m と異なるものがあれば、
それら全てを、N_(m+1), . . ., N_(m+k) とする。
N_(m+k+1) = M_(n+1) - (N_1 ∪. . .∪ N_m) とおく。
N_(m+k+1) は空集合かもしれないが、それはそれでよい。
N_1, . . ., N_(m+k+1) は互いに交わらない Φ の集合列である。
M_(n+1) = ∪N_i, (m+1 ≦ i ≦ m+k+1) である。
従って、N_1, . . ., N_(m+k+1) は補題の条件を満たす。
証明終
377 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13:04:59
定義
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数(
>>371 )全体を E(Φ) と書く。
378 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13:16:46
命題
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
M を X の部分集合とする。
χ_M ∈ E(Φ) なら M ∈ Φ である。
証明
>>374 より、
M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Φ に属す集合とし、
χ_M = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と書ける。
ここで、a_i ≠ 0 で、i ≠ j なら a_i ≠ a_j である。
従って、n = 1, a_1 = 1 であり、M = M_1 ∈ Φ である。
証明終
379 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13:24:24
定義
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
Φ 上で定義され R = (-∞, +∞) に値をとる関数 λ は
Φ に属し、交わらない M, N に対して常に
λ(M ∪ N) = λ(M) + λ(N) となるとき、有限加法的と言う。
380 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 13:51:57
命題
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
λ : Φ → R = (-∞, +∞) を有限加法的(
>>379 )な関数とすると、
E(Φ) (
>>377 ) から R への R 上の線形写像 ψ で
任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = λ(M) となるものが
一意に存在する。
証明
>>371 より、E(Φ) の任意の元 f は f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。
ここで、a_i は有限実数、M_i ∈ Φ である。
ψ が存在するなら、ψ(f) = Σ(a_i)λ(M_i) である。
これで、ψ の一意性が証明された。
ψ の存在を言うには、
f = Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(b_j)χ_(N_j) と2通りの表現に対して、
Σ(a_i)λ(M_i) = Σ(b_j)λ(N_j) を示せばよい。
即ち、Σ(c_i)χ_(M_i) = 0 のとき Σ(c_i)λ(M_i) = 0 を
証明すればよい。
>>376 より、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、
各 M_i はいくつかの N_j の合併となる。
よって、χ_(M_i) = Σa_(i,j)χ_(N_j) と書ける。
ここで、a_(i,j) は 0 または 1 である。
よって、Σ(Σ(c_i)a_(i,j))χ_(N_j) = 0
ここで、Σ(c_i)a_(i,j) は i を変化させた和である。
よって、各 j に対して、Σ(c_i)a_(i,j) = 0
λ の有限加法性より、λ(M_i) = Σa_(i,j)λ(N_j)
よって、Σ(c_i)λ(M_i) = Σ(Σ(c_i)a_(i,j))λ(N_j) = 0
証明終
381 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 14:21:31
定義
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
R = (-∞, +∞) に値をとる Φ上の単関数(
>>371 )全体を E(Φ) と書
E(Φ)+ = { f ∈ E(Φ) | 任意の x ∈ X に対して f(x) ≧ 0 }
と書く。
382 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 14:31:11
補題
X を集合とし、Φ をその上の集合環(
>>189 )とする。
E(Φ)+ (
>>381 ) の任意の元 f は
f = Σ(a_i)χ_(M_i) (1 ≦ i ≦ n) と書ける。
ここで、M_1, . . . , M_n は互いに交わらない Φ に属す集合であり、
各 a_i は有限実数で、a_i ≧ 0 である。
証明
>>373 より明らかである。
383 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 15:25:39
補題 X を集合とする。 A, B, C, D を X の部分集合とすると、 (A - B) - (C - D) = (A - (B ∪ C)) ∪ (A - (D - B)) 証明 一般に X の部分集合 E に対して X - E = E^c と書く。 ド・モルガンの公式と分配法則より、 (A - B) - (C - D) = (A - B) ∩ (C - D)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C ∩ D^c)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C^c ∪ D) = (A ∩ B^c ∩ C^c) ∪ (A ∩ B^c ∩ D) = (A ∩ (B ∪ C)^c) ∪ (A ∩ (D - B)) = (A - (B ∪ C)) ∪ (A - (D - B)) 証明終
384 :
132人目の素数さん :2007/09/01(土) 15:36:43
>>383 Kummer さん、こんにちは。
> (A ∩ (B ∪ C)^c) ∪ (A ∩ (D - B))
> = (A - (B ∪ C)) ∪ (A - (D - B))
とありますが、
A ∩ (D - B) = (A ∩ D) - B
で、一方で、
A - (D - B) = A ∩ (D ∩ B^c)^c
=A ∩ ( D^c ∪ B )
=(A ∩ D^c) ∪ (A ∩ B)
となって、なんか、おかしくないですか?
385 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 15:50:50
>>384 はい、おかしいですね。
有難うございます。
何をやろうとしているかと言うと、
集合 X の有限個の部分集合全体で生成される集合環を決定しようと
しています。
386 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16:00:04
訂正
>>369 >x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 1
x ∈ X - A のとき χ_A(x) = 0
387 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16:36:17
補題 X を集合とする。 A, B, C, D を X の部分集合とすると、 (A - B) ∩ (C - D) = (A ∩ C) - (B ∪ D) 証明 両辺の意味をそれぞれ考えてもわかるが、形式的に次のように 計算してもよい。 一般に X の部分集合 E に対して X - E = E^c と書く。 ド・モルガンの公式より、 (A - B) ∩ (C - D) = (A ∩ B^c) ∩ (C ∩ D^c) = (A ∩ C) ∩ (B^c ∩ D^c) = (A ∩ C) ∩ (B ∪ D)^c = (A ∩ C) - (B ∪ D) 証明終
388 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16:38:32
補題 X を集合とする。 A, B を X の部分集合とすると、 A ∩ B = A - (A - B) 証明 自明である。
389 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 16:45:04
補題 X を集合とする。 A_1, . . ., A_n B_1, . . ., B_m を X の部分集合からなる二つの有限列とする。 各 i (1 ≦ i ≦ n) に対して j を変化させたとき、 E_i = ∩(A_i - B_j) とおく。 ∪A_i - ∪B_j = ∪E_i である。 証明 C = ∪B_j とおく。 ∪A_i - ∪B_j = ∪(A_i - C) A_i - C = A_i - ∪B_j = ∩(A_i - B_j) = E_i よって、∪A_i - ∪B_j = ∪E_i 証明終
390 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 17:18:34
補題 X を集合とする。 A, B, C, D を X の部分集合とすると、 (A - B) - (C - D) = (A - (B ∪ C)) ∪ ((A ∩ D) - B)) 証明 一般に X の部分集合 E に対して X - E = E^c と書く。 ド・モルガンの公式と分配法則より、 (A - B) - (C - D) = (A - B) ∩ (C - D)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C ∩ D^c)^c = (A ∩ B^c) ∩ (C^c ∪ D) = (A ∩ B^c ∩ C^c) ∪ (A ∩ B^c ∩ D) = (A ∩ (B ∪ C)^c) ∪ ((A ∩ D) - B)) = (A - (B ∪ C)) ∪ ((A ∩ D) - B)) 証明終
391 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18:26:47
X を集合とする。
Ψ_0 = {A_1, . . ., A_n} を X の部分集合の有限集合とする。
Ψ_0 を含む最小の集合環(
>>189 )を Ψ とする。
>>376 を Ψ に適用すると、
互いに交わらない X の部分集合 N_1, . . ., N_m ∈ Ψ があり、
任意の A_i はいくつかの N_j の合併となる。
いくつかの N_j の合併となる集合全体を Φ とする。
E, F ∈ Φ とする。
E ∪ F ∈ Φ は明らかである。
任意の i, j に対して、N_i - N_j は空集合か N_i である。
従って、
>>389 より E - F ∈ Φ である。
よって、Φ は集合環である。
Ψ_0 ⊂ Φ ⊂ Ψ だから Φ = Ψ である。
392 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18:34:15
>>392 なるほど。でも、そういう意味での「無駄」って、
どんな勉強にも不可欠では?
私も自分の勉強では、暗中模索が続いています。
それでは、続きを楽しみにしています。
394 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18:47:36
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
>>373 より、E(Φ) (
>>372 ) の任意の元 f は
f = Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。
ここで、各 a_i は有限実数で、M_i ∈ Φ である。
i ≠ j のとき M_i と M_j は交わってもよいとする。
f = Σ(b_j)χ_(N_j) を別のこのような表現とする。
各 μ(M_i) と各 μ(N_j) が有限のとき、
Σ(a_i)μ(M_i) = Σ(b_j)μ(N_j) となる。
証明
>>380 と同様にしても証明出来るが次のようにしてもいい。
i と j を変化させたときの M_i と N_j 全体で生成される
集合環(
>>189 )を Ψ とする。
>>391 より、任意の E ∈ Ψ に対して μ(E) は有限である。
従って、μ の定義息を Ψ に制限したものは R = (-∞, +∞) に値を
とる有限加法的(
>>379 )な関数である。
従って、本命題の主張は
>>380 から直ちに得られる。
証明終
395 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18:56:37
>>393 そうですね、失敗も無駄になるとは限りません。
というか失敗を重ねてから正解に到達すると簡単に成功した場合より、
理解が深まるかも知れません。
396 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 18:58:26
>>394 >従って、μ の定義息を
従って、μ の定義域を
397 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 19:34:58
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
Ψ は集合環(
>>189 )である。
証明
空集合は Ψ に含まれるから、Ψ は空ではない。
A, B ∈ Ψ とする。
>>329 より、μ(A ∪ B) ≦ μ(A) + μ(B) < +∞
よって、A ∪ B ∈ Ψ
A - B ⊂ A だから
>>321 より μ(A - B) ≦ μ(A) < +∞
よって、A - B ∈ Ψ
証明終
398 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 19:40:50
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
>>397 より Ψ は集合環(
>>189 )である。
E(Ψ) (
>>377 ) から R への R 上の線形写像 ψ で
任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが
一意に存在する。
証明
μ の定義域を Ψ に制限したものは R = (-∞, +∞) に値を
とる有限加法的(
>>379 )な関数である。
従って、本命題の主張は
>>380 から直ちに得られる。
証明終
399 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 19:48:07
>>399 >>376 がキーになっていますね。
ところで、M_1,..., M_n に対応する N_1,..., N_m
は、m = 2^n - 1 とできますよね?
ブルバキの積分・第4章の、集合環に関する記述(§4, no.9 の補第1)
によると、各 N_k は、次のようにして得られますから:
いくつかの添え字に対しては、 P_i = M_i
残りの添え字に対しては、 P_i = X - M_i
(少なくとも一つの添え字に対しては、P_i = M_i とする)
として、N_k = ∩{ P_i ; 1 ≦ i ≦ n }.
(既にご存知と思われますが。)
こういう風に (N_j) を構成すれば、
族 (N_j) を「無限個」選択する必要に駆られたときに、
選択公理を使わずに済ませられます。
私には、これくらいの利点しか、思いつきませんが A^ ^;)
401 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 20:56:38
>>400 >(既にご存知と思われますが。)
はい。
>>376 の命題自体は Bourbaki から拝借しました。
証明は少し変えてますが。
>>380 も Bourbaki から拝借しました。
>>188 に書いたように、今後も Bourbaki は部分的に参考にする予定です。
402 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/01(土) 21:28:52
過去スレの総和可能族、一様空間、完備化、ノルム空間などの 一般論は、Bourbaki からほとんど借りています。 Bourbaki を見てくださいと言えば済むんでしょうが、手元にない読者も 多いでしょうから。それと私の勉強も兼ねてます。 ただし、このスレの測度論に関しては Bourbaki を参考にしている 部分は、今のところ少ないです。 後で局所コンパクト空間上の測度をやりますが、そこではもっと 参考にする頻度は高まるでしょう。 今の所、参考にしているのは、Bourbaki の他に Halmos, Rudin, 現代数学概説 II、伊藤清三などです。
Kummerおやすみー びろろ〜ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
┏/ >>>>ゝヽ'人∧━∧从〈〈〈〈 ヽ.━┓。 ┏┓ ┏━━┓ < ゝ{ ⊂>’ 、 ' 〃Ν ; 〈⊃ }..ゝ '┃. ┏┓┏┓┏┓ ┏┛┗┓┃┏┓┃ ∇ | | ∩___∩ | | .〆 ,┃ / ┃┃┃┃┃┃ ┗┓┏┛┃┗┛┃┏━ ┠| | . | ノ ヽ.! !'´; ┨゚━━┓┃┃┃┃┃┃ ┏┛┗┓┃┏┓┃┃。冫▽ヽ \/ ● ● | / ▽┃< ゚ ┃┃┃┃┃┃┃ ┗┓┏┛┗┛┃┃┗━ ┃ \ | ( _●_) ミ/ て く、 ━━┛┗┛┗┛┗┛ ┃┃ ┃┃ ┠─ムヽ 彡、 |∪| / .┼ ァ Ζ┨ ミo'’` ┏┓┏┓┏┓ ┗┛ ┗┛ 。、゚`。、 iヽ ヽノ / 、'’ × 个o ┗┛┗┛┗┛ ○ .┃ `、,~´+√ ▽ ●',!ヽ.◇ ; o┃ . ┗〆━┷ Z,.' /┷━.''o ヾo┷+\━┛,゛;
405 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 00:48:16
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
Y を X の部分集合とする。
>>260 より Φ|Y = { A ⊂ Y; A ∈ Φ} は σ-集合環(
>>197 )である。
μ を Φ|Y に制限したものを μ|Y と書く。
(Y, Φ|Y, μ|Y) は測度空間になる。
おじさん仕事ないのー? びろろ〜ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
407 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 00:55:48
>>398 を次のように修正する。
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
>>397 より Ψ は集合環(
>>189 )である。
E(Ψ) (
>>377 ) から R への R 上の線形写像 ψ で
任意の M ∈ Ψ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが
一意に存在する。
証明
μ の定義域を Ψ に制限したものは R = (-∞, +∞) に値を
とる有限加法的(
>>379 )な関数である。
従って、本命題の主張は
>>380 から直ちに得られる。
証明終
408 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 01:18:49
定義
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
>>405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。
Ψ|E = { A ∈ Φ|E | μ(A) < +∞ } とおく。
>>397 より Ψ|E は集合環(
>>189 )である。
>>407 より、E(Ψ|E) (
>>377 ) から R への R-線形写像 ψ_E で
任意の M ∈ Ψ|E に対して ψ_E(χ_M) = μ(M) となるものが
一意に存在する。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Ψ) (
>>377 )の元とする。
(χ_E)s = Σ(a_i)(χ_E)χ_(M_i) = Σ(a_i)χ_(E ∩ M_i) ∈ E(Ψ|E)
となる。
ψ_E((χ_E)s) = Σ(a_i)μ(E ∩ M_i) を s の E における
(μ に関する)積分と言い、∫[E] s dμ と書く。
409 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 01:43:11
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
(1) E ∈ Φ に対して、∫[E] s dμ (
>>408 ) は
E(Ψ) (
>>377 ) から R への R-線形写像である。
(2) s ≧ 0 なら ∫[E] s dμ ≧ 0
証明
(1)
>>408 の記号で、∫[E] s dμ = ψ_E((χ_E)s) である。
s → (χ_E)s は E(Ψ) から E(Ψ|E) への R-線形写像である。
ψ_E は、E(Ψ|E) (
>>377 ) から R への R-線形写像 である。
よって、この二つの写像の合成写像である ∫[E] s dμ も
R-線形写像である。
(2)
>>373 より、M_1, . . . , M_n を互いに交わらない Ψ に属す集合とし、
s = Σ(a_i)χ_(M_i) と書ける。
s ≧ 0 だから各 a_i ≧ 0 である。
よって、∫[E] s dμ = Σ(a_i)μ(E ∩ M_i) ≧ 0 である。
証明終
クマのAAは、一つの区切りになっているのですかw
411 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 02:54:11
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
(E_n), n = 1, 2, ... を Φ の集合列で、 n ≠ m のとき
E_n と E_m は交わらないとする。
E = ∪E_n とおく。
s ∈ E(Ψ) (
>>377 ) に対して、
∫[E] s dμ = Σ∫[E_i] s dμ
証明
s = Σ(a_i)χ_(M_i) とする。
∫[E] s dμ = Σ(a_i)μ(E ∩ M_i)
= Σ(a_i)(μ(E_1 ∩ M_i) + μ(E_2 ∩ M_i) + . . .)
= Σ{(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + (a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . .)}
= Σ(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + Σ(a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . .
= ∫[E_1] s dμ + ∫[E_2] s dμ + . . .
上の等式の説明をする。
μ(E_1 ∩ M_i) + μ(E_2 ∩ M_i) + . . . は絶対収束するから
(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + (a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . .
も絶対収束する。
よって、総和可能(過去スレ006の25)である。
よって、過去スレ006の58 より
2重級数 ΣΣ(a_i)(μ(E_j ∩ M_i) は総和可能である。
よって、過去スレ006の43 より
Σ(a_i)μ(E_1 ∩ M_i) + Σ(a_i)μ(E_2 ∩ M_i) + . . .
は総和可能で ΣΣ(a_i)(μ(E_j ∩ M_i) に等しい。
証明終
>>401 >
>>376 の命題自体は Bourbaki から拝借しました。
>証明は少し変えてますが。
わかりにくくなっとるがなwwwww
413 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 03:03:12
>>411 の補足。
Σ∫[E_i] s dμ は総和可能だから、過去スレ006の66 より
絶対収束する。
過去スレ見れないんだが。
416 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 03:59:23
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
s, t ∈ E(Ψ) (
>>377 ) で s ≧ t なら
∫[E] s dμ ≧ ∫[E] t dμ
証明
s - t ∈ E(Ψ) で s - t ≧ 0 であるから、
>>409 の (2) より、∫[E] (s - t) dμ ≧ 0
>>409 の (1) より、
∫[E] (s - t) dμ = ∫[E] s dμ - ∫[E] t dμ
よって、
∫[E] s dμ ≧ ∫[E] t dμ
証明終
417 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04:06:18
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )で X ∈ Φ とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) (
>>377 ) を、R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数(
>>371 )全体とする。
f : X → [0, +∞] を可測とする。
∫[E] f dμ = sup {∫[E] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
を f の E における(μ に関する)積分と言う。
∫[E] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。
418 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04:19:18
>>417 f ∈ E(Ψ) のときは、0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) なら
>>416 より ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ
であるから
>>417 の定義は、
>>408 の定義の拡張になっている。
419 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04:21:21
>>417 を次のように修正する。
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )で X ∈ Φ とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) (
>>377 ) を、R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数(
>>371 )全体とする。
f : X → [0, +∞] を可測とする。
∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
を f の X における(μ に関する)積分と言う。
∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。
420 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04:25:37
>>419 f ∈ E(Ψ) のときは、s ∈ E(Ψ), 0 ≦ s ≦ f なら
>>416 より ∫[X] s dμ ≦ ∫[X] f dμ
であるから
>>419 の定義は、
>>408 の定義の拡張になっている。
421 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04:29:34
>>419 X ∈ Φ でないときの ∫[X] f dμ も定義出来るが、今のところ
必要がない。
422 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 04:40:50
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
>>405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。
>>357 より、f の E 上への制限 f|E は E において可測(
>>356 )である。
E ∈ Φ|E であるから、
>>419 より ∫[E] f|E d(μ|E) が定義出来る。
∫[E] f|E d(μ|E) を ∫[E] f dμ と書き、
f の E における(μ に関する)積分と言う。
∫[E] f dμ < +∞ のとき f を E において積分可能
または可積分と言う。
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはよう Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
424 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09:00:23
>>408 の ∫[E] s dμ と
>>422 の意味の ∫[E] s dμ は明らかに一致する。
さすがに2ちゃんで積分は無理があるな
426 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09:38:03
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) を R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数(
>>371 )全体とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
任意の E ∈ Φ に対して、
∫[E] f dμ = sup {∫[E] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
証明
s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Ψ) の元とする。
s の E への制限 s|E は Σ(a_i)χ_(E ∩ M_i) に等しい。
従って、s|E は (E, Φ|E, μ|E) における可積分(
>>419 )な
単関数である。
明らかに、0 ≦ s ≦ f のとき 0 ≦ s|E ≦ f|E である。
逆に、A_1, . . ., A_n を E に含まれる測度が有限の可測集合とし、
a_1, . . ., a_n を有限実数としたとき、
t = Σ(a_i)χ_(A_i) は、(E, Φ|E, μ|E) においても、
(X, Φ, μ) においても可積分な単関数である。
明らかに、0 ≦ t ≦ f|E のとき 0 ≦ t ≦ f である。
以上から、
∫[E] f dμ = sup {∫[E] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
証明終
427 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09:46:16
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f と g を可測関数で、0 ≦ f ≦ g とする。
E ∈ Φ のとき、
∫[E] f dμ ≦ ∫[E] g dμ
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) を R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数(
>>371 )全体とする。
s ∈ E(Ψ) で 0 ≦ s ≦ f なら、s ≦ g であるから、
>>426 より ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] g dμ である。
この左辺の sup をとれば、
>>426 より ∫[E] f dμ ≦ ∫[E] g dμ
証明終
428 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 09:57:37
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
s ≧ 0 である s ∈ E(Ψ) (
>>377 ) を任意に固定する。
E ∈ Φ に ∫[E] s dμ を対応させる写像は (X, Φ) における
測度(
>>316 )である。
証明
明らかに、E が空集合のとき ∫[E] s dμ = 0 である。
よって、
>>409 の (2) と
>>411 から E → ∫[E] s dμ は測度である。
証明終
429 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10:03:50
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を可測関数で、0 ≦ f とする。
A, B ∈ Φ で A ⊂ B のとき、
∫[A] f dμ ≦ ∫[B] f dμ
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
>>428 より 0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) に対して、
E → ∫[E] s dμ は測度である。
よって、
>>321 より A, B ∈ Φ で A ⊂ B のとき、
∫[A] s dμ ≦ ∫[B] s dμ
である。
この両辺の sup を取れば、
∫[A] f dμ ≦ ∫[B] f dμ
証明終
430 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10:27:05
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を可測関数で、0 ≦ f とする。
0 ≦ c < +∞ と E ∈ Φ に対して、
∫[E] cf dμ = c∫[E] f dμ
証明
c = 0 なら両辺は 0 である。
よって、 c ≠ 0 と仮定する。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
0 ≦ cs ≦ cf だから ∫[E] cs dμ ≦ ∫[E] cf dμ
>>408 より、s → ∫[E] s dμ は線形写像だから、
∫[E] cs dμ = c∫[E] s dμ
よって、c∫[E] s dμ ≦ ∫[E] cf dμ
左辺の sup を取ると、c∫[E] f dμ ≦ ∫[E] cf dμ
逆に、0 ≦ s ≦ cf となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
0 ≦ (1/c)s ≦ f
よって、∫[E] (1/c)s dμ ≦ ∫[E] f dμ
∫[E] (1/c)s dμ = (1/c)∫[E] s dμ だから
(1/c)∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ
よって、
∫[E] s dμ ≦ c∫[E] f dμ
左辺の sup を取ると、∫[E] cf dμ ≦ c∫[E] f dμ
証明終
431 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10:33:54
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を可測関数とし、E ∈ Φ とする。
全ての x ∈ E で f(x) = 0 なら、
∫[E] f dμ = 0
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
s は E で 0 である。
よって、∫[E] s dμ = 0
即ち、∫[E] f dμ = 0
証明終
432 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10:38:48
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、
∫[E] f dμ = 0
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
μ(E) = 0 だから ∫[E] s dμ = 0 である。
よって、∫[E] f dμ = 0
証明終
433 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 10:53:55
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )で、X ∈ Φ とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
E ∈ Φ に対して、
∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
0 ≦ (χ_E)s ≦ (χ_E)f だから
∫[X] (χ_E)s dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ
明らかに ∫[X] (χ_E)s dμ = ∫[E] s dμ だから、
∫[E] f dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ
逆に、0 ≦ s ≦ (χ_E)f となる s ∈ E(Ψ) (
>>377 ) に対して、
0 ≦ s ≦ f だから、
∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ
よって、
∫[X] (χ_E)f dμ ≦ ∫[E] f dμ
証明終
434 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 11:11:41
>>419 の積分の定義は普通と少し違う。
普通は、積分の定義に使う単関数 Σ(a_i)χ_(M_i) は
μ(M_i) = +∞ の場合も許している。
しかし、両者の定義は同値である。
普通と少し違う定義を採用した理由は、
>>398 を利用したいのと、
0×(+∞) = 0 の規約を取り入れたくないこと
(規則が少ないほうが良いでしょう)、積分可能な単関数の
ほうが扱いやすいだろうという素朴な考えなどから来ています。
まあ、好みの問題と言えるかもしれません。
435 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 12:08:56
定理(Lebesgue の単調収束定理)
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )で、X ∈ Φ とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。
(1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞
(2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
このとき、 f は可測であり、
n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → ∫[X] f dμ
証明(Rudin)
>>427 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f_(n+1) dμ
従って、α ∈ [0, +∞] があり、
n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → α
f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、
>>295 より f は
可測である。
任意の n ≧ 0 に対して f_n ≦ f だから
>>427 より
∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f dμ である。
よって、α ≦ ∫[X] f dμ である。
(続く)
436 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 12:09:49
>>435 の続き。
s を 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数とする。
c を 0 < c < 1 となる任意の定数とする。
E_n = {x ∈ X | f_n(x) ≧ cs(x) } (n = 0, 1, . . .) とおく。
f_n ≦ f_(n+1) だから E_0 ⊂ E_1 ⊂ . . .
X = ∪E_n (n = 0, 1, . . .) が次のようにわかる。
f(x) = 0 なら f_n(x) = 0 だから s(x) = 0 である。
よって x ∈ E_0 である。
f(x) > 0 なら c < 1 より cs(x) < f(x) である。
よって、cs(x) < f_n(x) ≦ f(x) となる n がある。
即ち、x ∈ E_n
一方、任意の n ≧ 0 に対して、
>>429 と >> 427 と >430 より、
∫[X] f_n dμ ≧ ∫[E_n] f_n dμ ≧ ∫[E_n] cs dμ
≧ c∫[E_n] s dμ
即ち、∫[X] f_n dμ ≧ c∫[E_n] s dμ
>>428 より A → ∫[A] s dμ は測度だから
>>323 より
n → ∞ のとき c∫[E_n] s dμ → c∫[X] s dμ
よって、α ≧ c∫[X] s dμ
c は 0 < c < 1 となる任意の定数だから
α ≧ ∫[X] s dμ
s も 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数だから、
α ≧ ∫[X] f dμ
よって、α = ∫[X] f dμ である。
証明終
437 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 12:18:11
438 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 14:03:27
>>434 >しかし、両者の定義は同値である。
同値でないかもしれない。
しばらく、検討させてください。
439 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16:16:32
>>421 X ∈ Φ でないときの ∫[X] f dμ を定義する。
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) (
>>377 ) を、R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数(
>>371 )全体とする。
f : X → [0, +∞] を可測とする。
∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
を f の X における(μ に関する)積分と言う。
∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。
440 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16:26:44
>>439 の前に次の定義が必要だった。
定義
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
>>398 より、
E(Ψ) (
>>377 ) から R への R 上の線形写像 ψ で
任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが
一意に存在する。
s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Ψ) (
>>377 )の元とする。
ψ(s) = Σ(a_i)μ(M_i) を s の X における
(μ に関する)積分と言い、∫[X] s dμ と書く。
441 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16:29:05
>>427 に対応する命題
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f と g を可測関数で、0 ≦ f ≦ g とする。
∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) を R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数(
>>371 )全体とする。
s ∈ E(Ψ) で 0 ≦ s ≦ f なら、s ≦ g であるから、
∫[X] s dμ ≦ ∫[X] g dμ である。
この左辺の sup をとれば、∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ
証明終
442 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16:34:56
>>430 に対応する命題
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を可測関数で、0 ≦ f とする。
0 ≦ c < +∞ に対して、
∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ
証明
c = 0 なら両辺は 0 である。
よって、 c ≠ 0 と仮定する。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
0 ≦ cs ≦ cf だから ∫[X] cs dμ ≦ ∫[X] cf dμ
>>440 より、s → ∫[X] s dμ は線形写像だから、
∫[X] cs dμ = c∫[X] s dμ
よって、c∫[X] s dμ ≦ ∫[X] cf dμ
左辺の sup を取ると、c∫[X] f dμ ≦ ∫[X] cf dμ
逆に、0 ≦ s ≦ cf となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
0 ≦ (1/c)s ≦ f
よって、∫[X] (1/c)s dμ ≦ ∫[X] f dμ
∫[X] (1/c)s dμ = (1/c)∫[X] s dμ だから
(1/c)∫[X] s dμ ≦ ∫[X] f dμ
よって、∫[X] s dμ ≦ c∫[X] f dμ
左辺の sup を取ると、∫[X] cf dμ ≦ c∫[E] f dμ
証明終
443 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16:36:54
>>431 に対応する命題
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を可測関数とする。
全ての x ∈ X で f(x) = 0 なら、
∫[X] f dμ = 0
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
s は X で 0 である。
よって、∫[X] s dμ = 0
即ち、∫[X] f dμ = 0
証明終
444 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16:51:24
>>429 に対応する命題
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を可測関数で、0 ≦ f とする。
A ∈ Φ のとき、
∫[A] f dμ ≦ ∫[X] f dμ
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) に対して、
∫[A] s dμ ≦ ∫[X] s dμ
である。
この両辺の sup を取れば、
∫[A] f dμ ≦ ∫[X] f dμ
証明終
445 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16:55:06
>>435 の X ∈ Φ とは限らない場合。
定理(Lebesgue の単調収束定理)
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。
(1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞
(2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
このとき、 f は可測であり、
n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → ∫[X] f dμ
証明(Rudin)
>>441 より ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f_(n+1) dμ
従って、α ∈ [0, +∞] があり、
n → ∞ のとき ∫[X] f_n dμ → α
f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、
>>295 より f は
可測である。
任意の n ≧ 0 に対して f_n ≦ f だから
>>441 より
∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] f dμ である。
よって、α ≦ ∫[X] f dμ である。
(続く)
446 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 16:55:36
>>445 の続き。
s を 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数とする。
c を 0 < c < 1 となる任意の定数とする。
E_n = {x ∈ X | f_n(x) ≧ cs(x) } (n = 0, 1, . . .) とおく。
f_n ≦ f_(n+1) だから E_0 ⊂ E_1 ⊂ . . .
X = ∪E_n (n = 0, 1, . . .) が次のようにわかる。
f(x) = 0 なら f_n(x) = 0 だから s(x) = 0 である。
よって x ∈ E_0 である。
f(x) > 0 なら c < 1 より cs(x) < f(x) である。
よって、cs(x) < f_n(x) ≦ f(x) となる n がある。
即ち、x ∈ E_n
一方、任意の n ≧ 0 に対して、
>>444 と
>>427 と
>>430 より、
∫[X] f_n dμ ≧ ∫[E_n] f_n dμ ≧ ∫[E_n] cs dμ
≧ c∫[E_n] s dμ
即ち、∫[X] f_n dμ ≧ c∫[E_n] s dμ
>>428 より A → ∫[A] s dμ は測度だから
>>323 より
n → ∞ のとき c∫[E_n] s dμ → c∫[X] s dμ
よって、α ≧ c∫[X] s dμ
c は 0 < c < 1 となる任意の定数だから
α ≧ ∫[X] s dμ
s も 0 ≦ s ≦ f となる任意の積分可能な単関数だから、
α ≧ ∫[X] f dμ
よって、α = ∫[X] f dμ である。
証明終
447 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:10:42
>>419 の積分の定義はちょっとおかしいですね。
例えば X として任意の空でない集合。
Φ として X の部分集合全体。
X の部分集合 A が空でないとき常に μ(A) = +∞ とし、
A が空集合のとき μ(A) = 0 と定義する。
(X, Φ, μ) は測度空間になる。
>>419 の積分の定義によると、∫[X] 1 dμ = 0 になる。
しかし、常識的には ∫[X] 1 dμ = μ(X) = +∞ となるべきでしょう。
>>419 の方向で行くとしたら、次のように定義したらどうだろう。
.
f : X → [0, +∞] を可測とする。
S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } とおく。
S(f) が σ-有限、即ち、可算個の測度有限の集合に直和分割され、
sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) } が有限のときに
f は積分可能または可積分と言う。
そうでないときは ∫[X] f dμ = +∞ とする。
この定義だと、上記の例で ∫[X] 1 dμ = +∞ となる。
448 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:24:56
定義
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
A ∈ Φ に対して Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で
A ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがあるとき、
A は σ-有限な測度をもつと言う。
略して、A は σ-有限とも言う。
Φ の各集合の測度が σ-有限のとき、μ は σ-有限と言う。
449 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:35:38
>>419 を次のように修正する。
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )で X ∈ Φ とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) (
>>377 ) を、R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数(
>>371 )全体とする。
f : X → [0, +∞] を可測で、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の
測度は σ-有限(
>>448 ) とする。
∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
を f の X における(μ に関する)積分と言う。
∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。
450 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:37:04
>>449 の補足。
S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度が σ-有限(
>>448 ) でないときは
∫[X] f dμ は定義しない。
451 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:42:02
>>422 を次のように修正する。
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
>>405 より、E ∈ Φ に対して、(E, Φ|E, μ|E) は測度空間になる。
>>357 より、f の E 上への制限 f|E は E において可測(
>>356 )である。
E ∩ S(f) の測度は σ-有限(
>>448 ) とする。
ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 }
E ∈ Φ|E であるから、
>>449 より ∫[E] f|E d(μ|E) が定義出来る。
∫[E] f|E d(μ|E) を ∫[E] f dμ と書き、
f の E における(μ に関する)積分と言う。
∫[E] f dμ < +∞ のとき f を E において積分可能
または可積分と言う。
E ∩ S(f) の測度が σ-有限(
>>448 ) でないときは、
∫[E] f dμ は定義しない。
452 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:45:21
>>439 を次のように修正する。
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E(Ψ) (
>>377 ) を、R = (-∞, +∞) に値をとる
Ψ 上の単関数(
>>371 )全体とする。
f : X → [0, +∞] を可測で、
S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } の測度は σ-有限(
>>448 ) とする。
∫[X] f dμ = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
を f の X における(μ に関する)積分と言う。
∫[X] f dμ < +∞ のとき f を積分可能または可積分と言う。
S(f) の測度が σ-有限(
>>448 ) でないときは
∫[X] f dμ は定義しない。
453 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:56:40
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
A ∈ Φ とし、μ(A) < +∞ とする。
このとき
∫[E] 1 dμ = μ(E) である。
証明
>>433 より
∫[E] 1 dμ = ∫[X] χ_E dμ である。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
χ_E ∈ E(Ψ) (
>>377 ) であるから
∫[X] χ_E dμ = μ(E)
証明終
454 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 18:58:27
訂正
>>453 >A ∈ Φ とし、μ(A) < +∞ とする。
E ∈ Φ とし、μ(E) < +∞ とする。
455 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19:34:34
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
E ∈ Φ とし、E の測度は σ-有限(
>>448 ) とする。
このとき
∫[E] 1 dμ = μ(E) である。
証明
E の測度は σ-有限だから、
Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で
E ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがある。
E_1 = E ∩ A_1
E_2 = E ∩ (A_2 - A_1)
n ≧ 2 のとき、
E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1)))
とおく。
E = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。
ψ_n = χ_(E_1) + . . . + χ_(E_n) とおく。
ψ_1 ≦ ψ_2 ≦ . . . ≦ χ_(E) である。
μ(E) = Σμ(E_n) だから
n → ∞ のとき ∫[E] ψ_n dμ → μ(E) である。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
s ∈ E(Ψ) (
>>377 ) で、0 ≦ s ≦ χ_(E) のとき
容易にわかるように s ≦ ψ_n となる n がある。
よって ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。
証明終
456 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19:48:05
補題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . があり、
各 A_n の測度は σ-有限(
>>448 ) とする。
A = ∪A_n の測度は σ-有限である。
証明
各 A_n に対して、Φ の集合の列 (B_(n, m)), m = 1, 2, . . . で
A_n ⊂ ∪B_(n, m) となり、各 μ(B_(n, m)) < +∞ となるものがある。
A = ∪A_n ⊂ ∪∪B_(n, m)
よって、A の測度は σ-有限である。
証明終
457 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 19:58:21
補題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。
(1) 0 ≦ f_0 ≦ f_1 ≦ . . . ≦ +∞
(2) 任意の x ∈ X において n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
(3) 各 n に対して S(f_n) の測度は σ-有限(
>>448 ) である。
このとき、f は可測であり、S(f) の測度は σ-有限(
>>448 ) である。
証明
f = lim sup f_n = lim inf f_n であるから、
>>295 より f は
可測である。
(1) より、f_n(x) ≠ 0 なら f(x) ≠ 0 である。
よって、∪S(f_n) ⊂ S(f) である。
全ての n で f_n(x) = 0 なら (2) より、f(x) = 0 である。
よって、S(f) = ∪S(f_n) である。
(3) と
>>456 より S(f) の測度は σ-有限(
>>448 ) である。
証明終
458 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 20:04:29
>>435 と
>>445 は次の条件が必要である。
(3) 各 n に対して S(f_n) の測度は σ-有限(
>>448 ) である。
これから
>>457 より S(f) の測度は σ-有限(
>>448 ) となり、
∫[X] f_n dμ と ∫[X] f dμ が定義される。
459 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 20:11:36
>>447 >そうでないときは ∫[X] f dμ = +∞ とする。
結局、これと少し違う定義になりました。
460 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 21:15:43
補題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
s を X から [0, +∞) に値をとる可測な単関数(
>>298 )とする。
∫[X] s dμ < +∞ なら s ∈ E(Ψ) (
>>377 ) である。
証明
∫[X] s dμ < +∞ であるから、
>>452 より S(s) は σ-有限(
>>448 )
である。
s ∈ E(Ψ) (
>>377 ) でないとする。
0 < a < +∞ となる実数 a があり、μ(s^(-1)(a)) = +∞ となる。
E = s^(-1)(a) とおく。
a(χ_E) ≦ s である。
>>441 より ∫[X] a(χ_E) dμ ≦ ∫[X] s dμ < +∞
>>442 より ∫[X] a(χ_E) dμ = a∫[X] χ_E dμ
>>433 より a∫[X] χ_E dμ = a∫[E] 1 dμ
S(s) は σ-有限だから E も σ-有限である。
>>455 より a∫[E] 1 dμ= μ(E) である。
よって、μ(E) < +∞
これは矛盾である。
証明終
死ね
462 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 22:35:33
補題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
s と t を X から [0, +∞) に値をとる可測な単関数(
>>298 )で、
S(s) と S(t) がσ-有限(
>>448 )とする。
∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ
である。
証明
S(s + t) = S(s) ∪ S(t) であるから、S(s + t) もσ-有限である。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
s と t が E(Ψ) (
>>377 ) に属すなら
>>440 から
∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ である。
s が E(Ψ) に属さないなら、
>>460 より
∫[X] s dμ = +∞ である。
μ(S(s)) > +∞ だから μ(S(s + t)) > +∞ である。
よって、s + t も E(Ψ) に属さない。
>>460 より ∫[X] (s + t) dμ = +∞ である。
よって、∫[X] (s + t) dμ = ∫[X] s dμ + ∫[X] t dμ
である。
t が E(Ψ) に属さない場合も同様である。
証明終
>>455 Kummer さん、こんばんは。
もうお休みになられたかもしれませんが、質問です。
下から 3行目の、
>容易にわかるように s ≦ ψ_n となる n がある。
と言う部分ですが、ここがよくわからないのです。
なぜなら、例えば、E 自身が μ(E)<∞ のときは、
s = χ_E と取ると、s ≦ ψ_n なる n は見つかりません。
μ(E) = ∞ の場合の反例も、
X = R, Φ を R 上のボレル集合体, μ をルベーグ測度とするとき、
E = R , A_n = { x ∈ R ; |x|<n }
s として、次の集合 F の特性関数を取れば得られます:
F_n = [n, n + 1/(2^n)] (n=1,2, ...)
F = ∪ { F_n ; n = 1, 2, ... }
(ただし、 [a, b] で、a と b を端点とする閉区間をあらわすものとします。
μ(F) = 2 だから、χ_F ∈ E(Ψ) となります)
F は非有界で、A_n は有界だから、χ_F ≦ ψ_n とはなりません。
464 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 22:56:31
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f と g を可測関数で、0 ≦ f, g とし、
S(f) と S(g) が σ-有限(
>>448 )とする。
∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ
証明
>>304 より、次のような可測な単関数の列 (s_n), (t_n) がある。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f
2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x)
3) 0 ≦ t_1 ≦ t_2 ≦ . . . ≦ g
4) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき t_n(x) → g(x)
S(s_n) ⊂ S(f), S(t_n) ⊂ S(g)
だから S(s_n) と S(t_n) も σ-有限である。
>>445 より、
n → ∞ のとき ∫[X] s_n dμ → ∫[X] f dμ
n → ∞ のとき ∫[X] t_n dμ → ∫[X] g dμ
0 ≦ s_1 + t_1 ≦ s_2 + t_2 ≦ . . . ≦ f + g
n → ∞ のとき s_n(x) + t_n(x) → f(x) + g(x)
S(f + g) = S(f) ∪ S(g) であるから、S(f + g) もσ-有限である。
S(s_n + t_n) = S(s_n) ∪ S(t_n) であるから、S(s_n + t_n) も
σ-有限である。
>>445 より、n → ∞ のとき ∫[X] (s_n + t_n) dμ → ∫[X] (f + g) dμ
>>462 より
∫[X] (s_n + t_n) dμ = ∫[X] s_n dμ + ∫[X] t_n dμ だから
よって、
n → ∞ のとき ∫[X] (s_n + t_n) dμ → ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ
よって、∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ
証明終
465 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23:19:50
>>463 そうですね、勘違いしてました。
有難うございます。
>>455 は Lebesgue の単調収束定理を使うんでしょうね。
初めそのつもりだったんですが大定理を使うまでもないと
思い直したのが間違いでした。
466 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23:43:42
>>465 Lebesgue の単調収束定理は使わなくても出来そうです。
467 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/02(日) 23:46:12
>>455 を次のように修正する。
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
E ∈ Φ とし、E の測度は σ-有限(
>>448 ) とする。
このとき ∫[E] 1 dμ = μ(E) である。
証明
μ(E) < +∞ のときは
>>453 で証明済みである。
よって、μ(E) = +∞ のとき ∫[E] 1 dμ = +∞ を示せばよい。
E の測度は σ-有限だから、
Φ の集合の列 (A_n), n = 1, 2, . . . で
E ⊂ ∪A_n となり、各 μ(A_n) < +∞ となるものがある。
E_1 = E ∩ A_1
E_2 = E ∩ (A_2 - A_1)
n ≧ 2 のとき、
E_n = E ∩ (A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))) とおく。
E = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。
ψ_n = χ_(E_1) + . . . + χ_(E_n) とおく。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
ψ_n ∈ E(Ψ) (
>>377 ) で、0 ≦ ψ_n ≦ χ_(E)
従って、∫[E] ψ_n dμ ≦ ∫[E] χ_(E) dμ
∫[E] ψ_n dμ = μ(E_1) + . . . + μ(E_n) だから、
μ(E_1) + . . . + μ(E_n) ≦ ∫[E] χ_(E) dμ
n → ∞ として、μ(E) = +∞ ≦ ∫[E] χ_(E) dμ
よって、∫[E] 1 dμ = ∫[E] χ_(E) dμ = +∞
証明終
468 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 00:07:12
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
f が積分可能(
>>452 )なら、E(Ψ) (
>>377 ) に属す単関数の列 (s_n) で
次のようなものが存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f
2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x)
証明
>>304 より、次のような可測な単関数の列 (s_n) がある。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f
2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x)
>>441 より、∫[X] s_n dμ ≦ ∫[X] f dμ < +∞
>>460 より、s_n ∈ E(Ψ) (
>>377 ) である。
証明終
ぼくはくま Kummer Kummer Kummer けんかはやだよ Kummer Kummer Kummer ∩___∩ ∩___∩ |ノ ヽ |ノ ヽ / (゚) (゚) | / (゚) (゚) | | ( _●_) ミ | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、` ̄ ̄ヽ /彡、 |∪| ミ / __ ヽノ Y ̄) | ( (/ ヽノ_ | (___) Y_ノ ヽ/ (___ノ \ | | / | /\ \ / /\ | | / ) ) ( ( ヽ | ∪ ( \ / ) ∪ \_) (_/ ∩___∩ (ヽ | ノ ヽ /) (((i ) / (゜) (゜) | ( i))) ライバルは /∠彡 ( _●_) |_ゝ \ ( ___、 |∪| ,__ ) | ヽノ /´ | / ,.、,、,..,、、.,、,、、..,_ /i ;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i '、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'
472 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 01:26:39
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。
S(f) の測度はσ-有限(
>>448 )とする。
f^(+) = sup{f, 0}
f^(-) = sup{-f, 0}
と書く。
>>295 より、f^(+) と f^(-) も可測である。
f = f^(+) - f^(-)
である。
∫[X] f^(+) dμ と ∫[X] f^(-) dμ の少なくともどちらか一方が
有限、即ち積分可能なとき、f の積分を
∫[X] f dμ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ
で定義する。
このとき、f の積分が定義されると言う。
∫[X] f dμ が有限のとき f は積分可能または可積分と言う。
f ≧ 0 のときは、f^(+) = f, f^(-) = 0 だから
∫[X] f dμ は
>>452 の定義と同じである。
E ∈ Φ のとき ∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ
も同様に定義する。
473 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 02:16:11
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f と g を積分可能(
>>472 )な関数で、f ≦ g とする。
∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ
証明
f^(+) ≦ g^(+)
g^(-) ≦ f^(-)
だから
>>441 より、
∫[X] f^(+) dμ ≦ ∫[X] g^(+) dμ
∫[X] g^(-) dμ ≦ ∫[X] f^(-) dμ
よって、
∫[X] f^(+) dμ-∫[X] f^(-) dμ≦∫[X] g^(+) dμ-∫[X] g^(-) dμ
即ち
∫[X] f dμ ≦ ∫[X] g dμ
証明終
474 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 10:19:55
>>442 に対応する命題
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を積分可能(
>>472 )な関数とする。
c ≠ 0 を有限実数とすると、
∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ
証明
c > 0 のとき、
(cf)^(+) = cf^(+)
(cf)^(-) = cf^(-)
>>442 より、
∫[X] cf dμ = ∫[X] (cf)^(+) dμ - ∫[X] (cf)^(-) dμ
= c∫[X] f^(+) dμ - c∫[X] f^(-) dμ
= c∫[X] f dμ
c < 0 のとき、
(cf)^(+) = -cf^(-)
(cf)^(-) = -cf^(+)
∫[X] cf dμ = ∫[X] (cf)^(+) dμ - ∫[X] (cf)^(-) dμ
= -c∫[X] f^(-) dμ + c∫[X] f^(+) dμ
= c(∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ)
= c∫[X] f dμ
証明終
475 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 10:52:50
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
E ∈ Φ に対して、
∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ
証明
>>433 とほとんど同じだが一応述べる。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
0 ≦ (χ_E)s ≦ (χ_E)f だから
>>441 より、
∫[X] (χ_E)s dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ
明らかに ∫[X] (χ_E)s dμ = ∫[E] s dμ だから、
∫[E] f dμ ≦ ∫[X] (χ_E)f dμ
逆に、0 ≦ s ≦ (χ_E)f となる s ∈ E(Ψ) (
>>377 ) に対して、
0 ≦ s ≦ f だから、
∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ
よって、
∫[X] (χ_E)f dμ ≦ ∫[E] f dμ
証明終
476 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11:17:14
>>475 では 0(+∞) = 0 を暗黙に使ってますね。
何故なら、その規約がないと E の外で f(x) = +∞ となる
x で (χ_E)f が定義出来ないからです。
どうやら積分論では、0(+∞) = 0, 0(-∞) = 0 の規約を
取り入れたほうがよさそうです。
積分論では、ほとんど至る所同じ関数は同じと見なせるので、
この規約がなくてもやろうと思えばやれますが。
しかし、今後、この規約を使うことにします。
477 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11:23:03
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
∫[X] f dμ = ∫[S(f)] f dμ
ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } である。
証明
>>215 より S(f) ∈ Φ だから、
>>475 より、
∫[S(f)] f dμ = ∫[X] (χ_S(f)) f dμ
(χ_S(f)) f = f であるから、
∫[S(f)] f dμ = ∫[X] f dμ
証明終
478 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11:29:02
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を積分可能(
>>472 )な関数とする。
∫[X] f dμ = ∫[S(f)] f dμ
ここで、S(f) = {x ∈ X ; f(x) ≠ 0 } である。
証明
積分の定義(
>>472 )と
>>477 より、
∫[X] f dμ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ
= ∫[S(f)] f^(+) dμ - ∫[S(f)] f^(-) dμ
= ∫[S(f)] f dμ
証明終
479 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 11:54:41
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
A と B を可測集合で交わらないとする。
E = A ∪ B とおく。
∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
>>428 より、0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Ψ) (
>>377 )に対して、
∫[E] s dμ = ∫[A] s dμ + ∫[B] s dμ
よって、
∫[E] s dμ ≦ ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
左辺の sup を取って、
∫[E] f dμ ≦ ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
一方、
∫[A] s dμ + ∫[B] s dμ = ∫[E] s dμ ≦ ∫[E] f dμ
左辺の sup を取って、
∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ ≦ ∫[E] f dμ
以上から
∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
証明終
480 :
132人目の素数さん :2007/09/03(月) 12:15:36
19 名前:サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日:2007/09/02(日) 14:03:04
king久しぶり
21 名前:1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日:2007/09/02(日) 18:35:52
Reply:
>>19 旅行でも行くか?
27 名前:サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日:2007/09/02(日) 20:23:46
>>21 いつ?どこに行くの?楽しみ〜
29 名前:1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日:2007/09/02(日) 21:48:08
Reply:
>>25 お前は誰に何を吹き込まれた?
Reply:
>>26 形而上の概念をどう説明するのか?
Reply:
>>27 温泉。
31 名前:サッフォー ◆RWbI2.Pg1I 投稿日:2007/09/02(日) 23:42:50
>>29 ナントカ温泉春奈に行くの?
またking車出してよ 笑
33 名前:1stVirtue ◆.NHnubyYck 投稿日:2007/09/03(月) 00:25:40
Reply:
>>31 あいにく、車を作る技術は持っていない。火おこしならできそうだ。
481 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12:17:05
訂正
>>475 >f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数で S(f) が σ-有限であるとする。
482 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12:17:46
訂正
>>477 >f : X → [0, +∞] を可測関数とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数で S(f) が σ-有限であるとする。
483 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12:21:32
訂正
>>479 >∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
∫[A] f dμ と ∫[B] f dμ がそれぞれ定義されるなら、
即ち、A ∩ S(f) と B ∩ S(f) がそれぞれ σ-有限なら、
E ∩ S(f) も σ-有限になり、
∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
となる。
484 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 12:32:54
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を積分可能(
>>472 )な関数とする。
A と B を交わらない可測集合とする。
f が A と B のそれぞれで積分可能なら
f は E = A ∪ B でも積分可能であり、
∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
証明
積分の定義(
>>472 )と
>>479 より、
∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ
= ∫[A] f^(+) dμ + ∫[B] f^(+) dμ
- ∫[A] f^(-) dμ - ∫[B] f^(-) dμ
= ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ
証明終
485 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:07:35
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を積分可能(
>>472 )な関数とする。
f は任意の E ∈ Φ で積分可能である。
証明
>>444 より、f^(+) と f^(-) はそれぞれ任意の E ∈ Φ で
積分可能である。
よって、f は任意の E ∈ Φ で積分可能である。
証明終
486 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:24:12
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を積分可能(
>>472 )な関数とする。
A = {x ∈ X | f(x) = +∞ } とおく。
A ∈ Φ であり、μ(A) = 0 である。
証明
>>236 より A ∈ Φ である。
g = f^(+) = sup(f, 0) とおく。
E = {x ∈ X | g(x) ≠ 0 } とおく。
>>215 より E ∈ Φ である。
g は積分可能だから E は σ-有限(
>>448 ) である。
E = (E - A) ∪ A である。
>>485 より
g は E - A ∈ Φ と A で積分可能である。
よって、
>>484 より、
∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[B] g dμ ≧ ∫[A] g dμ
任意の有限実数 α > 0 に対して、A 上で g > α である。
>>473 より、∫[A] g dμ ≧ ∫[A] α dμ
>>474 より、∫[A] α dμ = α∫[A] 1 dμ
>>467 より、α∫[A] 1 dμ = αμ(A) である。
以上から、
∫[E] g dμ ≧ αμ(A)
∫[E] g dμ は有限だから μ(A) = 0 でなければならない。
証明終
487 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:27:52
>>486 の証明は意外に面倒である。
というより、積分の基本的性質の証明はかなり面倒である。
488 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:29:43
訂正
>>486 >∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[B] g dμ ≧ ∫[A] g dμ
∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + ∫[E - A] g dμ ≧ ∫[A] g dμ
489 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:32:20
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を積分可能(
>>472 )な関数とする。
B = {x ∈ X | f(x) = -∞ } とおく。
B ∈ Φ であり、μ(B) = 0 である。
証明
>>486 の証明において、g = f^(+) のかわりに h = f^(-) を使えば
よい。
490 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:44:45
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を積分可能(
>>472 )な関数とする。
E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、
∫[E] f dμ = 0
証明
>>432 より、
∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = 0
証明終
491 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 13:59:13
>>490 を次のように拡張する。
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を可測な関数とする。
E ∈ Φ で μ(E) = 0 なら、f は E で積分可能で、
∫[E] f dμ = 0
証明
E ∩ S(f) は測度有限だから当然 σ-有限である。
従って、∫[E] f^(+) dμ と ∫[E] f^(-) dμ が定義され、
>>432 より、
∫[E] f dμ = ∫[E] f^(+) dμ - ∫[E] f^(-) dμ = 0
証明終
492 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 14:06:32
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f と g を可測関数でほとんど至る所(
>>350 ) f = g とする。
f が積分可能(
>>472 )なら g も積分可能であり、
∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ である。
証明
N ∈ Φ で μ(N) = 0 となるものがあり、N の外で f = g である。
E = S(f) ∪ S(g) とおく。
(χ_E)f = f だから
>>475 より
∫[X] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ = ∫[E] f dμ
>485 と
>>484 より、
∫[E] f dμ = ∫[E - N] f dμ + ∫[N] f dμ
>>490 より ∫[N] f dμ = 0
よって、∫[E] f dμ = ∫[E - N] f dμ = ∫[E - N] g dμ
>>491 より、∫[N] g dμ = 0 である。
よって
>>484 より g は E で積分可能で
∫[E] g dμ = ∫[E - N] g dμ + ∫[N] g dμ = ∫[E - N] g dμ
よって、
∫[E] f dμ = ∫[E] g dμ
(χ_E)g = g だから
>>475 より
∫[X] g dμ = ∫[X] (χ_E)g dμ = ∫[E] g dμ
よって
∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ
証明終
493 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 14:12:07
494 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 15:10:39
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f と g を X 上の積分可能(
>>472 )な有限な値のみをとる関数(
>>493 )
とする。
f + g も積分可能であり、
∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ である。
証明
S(f + g) ⊂ S(f) ∪ S(g) である。
E = S(f) ∪ S(g) とおく。
∫[X] f dμ = ∫[E] f dμ である。
∫[X] g dμ = ∫[E] g dμ である。
f + g が積分可能なら、
∫[X] (f + g) dμ = ∫[E] (f + g) dμ である。
よって、
∫[E] (f + g) dμ = ∫[E] f dμ + ∫[E] g dμ を証明すればよい。
E を f, g, f + g の正負によって6個の集合に分割する。
即ち、
A = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) ≧ 0 }
B = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) ≧ 0 }
C = { x ∈ E | f(x) ≧ 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) < 0 }
D = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) ≧ 0 }
E = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) ≧ 0, f(x) + g(x) < 0 }
F = { x ∈ E | f(x) < 0, g(x) < 0, f(x) + g(x) < 0 }
E = A ∪ . . . ∪ F である。
(続く)
495 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 15:11:32
>>494 の続き。
>>484 ,
>>485 より
∫[E] f dμ = ∫[A] f dμ + . . . + ∫[F] f dμ
∫[E] g dμ = ∫[A] g dμ + . . . + ∫[F] g dμ
よって、
A, B , . . , F の各部分で
∫ (f + g) dμ = ∫ f dμ + ∫ g dμ
を証明すればよい。
>>464 より A と F では明らかである。
B では、f ≧ 0, -g ≧ 0, f + g ≧ 0 である。
f = (f + g) + (-g) だから
∫[B] f dμ = ∫[B] (f + g) dμ - ∫[B] g dμ
よって
∫[B] (f + g) dμ = ∫[B] f dμ + ∫[B] g dμ
他の部分でも同様である。
証明終
496 :
1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/09/03(月) 17:09:35
Reply:
>>480 お前は何をたくらんでいる?
497 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 17:11:11
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f を積分可能(
>>472 )な関数とする。
c を有限実数とすると、
∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ
証明
c ≠ 0 の場合は、
>>474 で証明されている。
c = 0 のときは
>>476 の規約 0(+∞) = 0, 0(-∞) = 0 より cf = 0
よって、
>>431 より ∫[X] cf dμ = 0
勿論、c∫[X] f dμ = 0 であるから、
∫[X] cf dμ = c∫[X] f dμ
証明終
498 :
132人目の素数さん :2007/09/03(月) 17:16:39
499 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 17:37:34
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。
(1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0
(2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限(
>>448 ) である。
f(x) = Σf_n(x) とおく。
このとき、S(f) の測度は σ-有限(
>>448 )であり、
∫[X] f dμ = Σ∫[X] f_n dμ
証明
g_n = f_0 + . . . + f_n とおく。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞
任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x)
>>456 より S(g_n) の測度は σ-有限であり、
>>457 より S(f) の測度は σ-有限(
>>448 ) である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(
>>445 ) より、
n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ
>>464 より、
Σ∫[X] g_n dμ = ∫[X] f_0 dμ + . . . + ∫[X] f_n dμ
よって、
∫[X] f dμ = Σ∫[X] f_n dμ
証明終
500 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 18:39:13
命題(Fatou の補題)
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。
(1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0
(2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限(
>>448 )である。
f = lim inf f_n とおく(
>>289 )。
>>295 と
>>296 より f は可測である。
このとき、S(f) の測度は σ-有限であり、
∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
即ち、∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
証明
g_n = inf{f_0, . . . , f_n} とおく。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞
任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x)
f_0(x) = 0 なら、g_n(x) = 0 である。
よって、S(g_n) ⊂ S(f_0)
よって、S(g_n) の測度は σ-有限である。
>>457 より S(f) の測度は σ-有限である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(
>>445 ) より、
n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ
一方、各 n に対して、g_n ≦ f_n だから
>>441 より、
∫[X] g_n dμ ≦ ∫[X] f_n dμ
両辺の lim inf をとれば、
lim ∫[X] g_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
よって、∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
証明終
501 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 19:08:15
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
f : X → [0, +∞] を可測関数で、
S(f) の測度は σ-有限(
>>448 )とする。
E に ∫[E] f dμ を対応させる写像 ψ: Φ → [0, +∞] は
可測空間 (X, Φ) における測度である。
証明
E_0, E_1, . . . を互いに交わらない Φ の集合の列とする。
E = ∪E_n とおく。
f_n = χ_(E_n)f とし、
g_n = f_0 + . . . + f_n とする。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞
任意の x ∈ X において、十分大きな n に対して g_n(x) = f(x)
よって Lebesgue の単調収束定理(
>>445 ) より、
n → ∞ のとき ∫[E] g_n dμ → ∫[E] f dμ
>>464 より、
Σ∫[E] g_n dμ = ∫[E] f_0 dμ + . . . + ∫[E] f_n dμ
= ∫[E_0] f dμ + . . . + ∫[E_n] f dμ
よって、
∫[E] f dμ = Σ∫[E_n] f dμ
即ち、ψ(E) = Σψ(E_n)
E が空集合のときは、μ(E) = 0 だから
>>491 より ψ(E) = 0
以上から ψ は測度である。
証明終
502 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20:40:27
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
f と g を X から [0, +∞] への積分可能な関数とする。
>>501 より、E に ∫[E] f dμ を対応させる写像 ψ: Φ → [0, +∞] は
可測空間 (X, Φ) における測度である。
このとき、S(g) の測度は ψ に関して σ-有限であり、
S(gf) の測度は μ に関して σ-有限であり、
∫[X] g dψ = ∫[X] gf dμ
である。
証明
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
E ∈ Ψ なら χ_E ∈ E(Ψ) (
>>377 ) である。
∫[X] χ_E dψ = ∫[E] f dμ = ∫[X] (χ_E)f dμ < +∞
である(
>>485 )。
h = Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Ψ) とする。
ここで、a_i ≧ 0 は有限実数、M_i ∈ Φ で
Σ(a_i)χ_(M_i) は有限和である。
∫[X] h dψ = Σ(a_i)∫[X] χ_(M_i) dψ
= Σ(a_i)∫[M_i] f dμ
= Σ(a_i)∫[X] (χ_(M_i))f dμ
= ∫[X] Σ(a_i)(χ_(M_i))f dμ
= ∫[X] hf dμ < +∞
(続く)
>>500 Kummer さん、こんばんは。
さて、ちょっとしたミスの指摘です:
>g_n = inf{f_0, . . . , f_n} とおく。
とありますが、lim g_n = liminf f_n
とする以上、g_n = inf { f_m ; m ≧ n }
ではありませんか?
少なくともそうでないと、g_0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦・・・
は一般には成り立ちませんが・・。
あとは、S(g_n) ⊆ S(f_n), g_n ≦ f_n
から、証明は、そのまま通用します。
504 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20:45:04
>>502 の続き。
∫[X] g dμ < +∞ だから、
>>468 より、
E(Ψ) に属す単関数の列 (s_n) で次のようなものが存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ g
2) 全ての x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → g(x)
>>502 の最後より、∫[X] s_n dψ < +∞ に注意する。
Lebesgue の単調収束定理(
>>445 )より、
n → ∞ のとき、∫[X] s_n dψ → ∫[X] g dψ
>>502 の最後より、∫[X] s_n dψ = ∫[X] (s_n)f dμ だから
n → ∞ のとき、∫[X] (s_n)f dμ → ∫[X] g dψ
一方、
0 ≦ (s_0)f ≦ (s_1)f ≦ . . . ≦ +∞
任意の x ∈ X において n → ∞ のとき s_n(x)f(x) → g(x)f(x)
S((s_n)f) の測度は μ に関して有限である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(
>>445 )より、
n → ∞ のとき、∫[X] (s_n)f dμ → ∫[X] gf dμ
即ち、∫[X] g dψ = ∫[X] gf dμ
証明終
505 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20:54:09
>>503 そうですね(汗)。
有難うございます。
506 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 20:57:52
>>500 の修正。
命題(Fatou の補題)
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列で次の条件を満たすとする。
(1) 各 n に対して、 f_n ≧ 0
(2) 各 n に対して、 S(f_n) の測度は σ-有限(
>>448 )である。
f = lim inf f_n とおく(
>>289 )。
>>295 と
>>296 より f は可測である。
このとき、S(f) の測度は σ-有限であり、
∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
即ち、∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
証明
g_n = inf{f_n, f_(n+1), . . .} とおく。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ +∞
任意の x ∈ X において n → ∞ のとき g_n(x) → f(x)
各 n に対して、0 ≦ g_n ≦ f_n だから f_n(x) = 0 なら、g_n(x) = 0 である。
よって、S(g_n) ⊂ S(f_n)
よって、S(g_n) の測度は σ-有限である。
>>457 より S(f) の測度は σ-有限である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(
>>445 ) より、
n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] f dμ
一方、各 n に対して、g_n ≦ f_n だから
>>441 より、
∫[X] g_n dμ ≦ ∫[X] f_n dμ
両辺の lim inf をとれば、
lim ∫[X] g_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
よって、∫[X] f dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
証明終
507 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23:05:37
次の命題はまだ証明していなかった(
>>310 の関数は値域が有限である)。
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f と g を X から [0, +∞] への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、f + g も可測である。
証明
>>304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数(
>>298 ) f_n と g_n
が存在する。
1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f
2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
3) 0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g
4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
よって、n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x) である。
>>307 より、f_n(x) + g_n(x) は可測である。
f + g = lim sup(f_n + g_n) である(
>>289 )から
>>295 ,
>>296 より
f + g は可測である。
証明終
508 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23:09:54
次の命題もまだ証明していなかった(
>>315 の関数は値域が有限である)。
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f と g を X から [0, +∞] への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、 fg も可測である。
証明
>>304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数(
>>298 ) f_n と g_n
が存在する。
1) 0 ≦ f_1 ≦ f_2 ≦ . . . ≦ f
2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
3) 0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g
4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
よって、
n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x) である。
>>314 より、(f_n)(g_n) は可測である。
fg = lim sup(f_n)(g_n) である(
>>289 )から
>>295 ,
>>296 より
fg は可測である。
証明終
509 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23:22:38
>>508 の証明は間違っているので没。
n → ∞ のとき f_n(x) → +∞
n → ∞ のとき g_n(x) → 0
の場合、f_n(x)g_n(x) → 0 となるとは限らない。
>>509 おじゃましまーす。
>>508 , 大丈夫じゃないですか?
なぜなら、規約 0・(+∞) = 0 を使えば、
g_n(x) → 0 とは、g_n(x) の単調性より
0 ≦ g_1(x) = g_2(x) = ... = g_n(x) = 0, かつ
g(x) = 0 を意味しているのだから、
常に f_n(x) g_n(x) = 0 , 且つ f(x) g(x) = 0
ですよね?
511 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/03(月) 23:41:54
>>510 そうです。
今、訂正しようとしてたところです(笑い)。
>>509 0 ≦ g_1 ≦ g_2 ≦ . . . ≦ g だから
n → ∞ のとき g_n(x) → 0 なら、n を固定したとき g_n(x) は
いくらでも小さくなるから g_n(x) = 0
よって、f_n(x)g_n(x) = 0
即ち、f_n(x)g_n(x) → 0 となる。
一方、g(x) = 0 だから、規約 0(+∞) = 0 より f(x)g(x) = 0 である。
だから
>>508 の証明は正しい。
512 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 00:05:10
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f を X から [-∞, +∞] への写像とする。
f が可測(
>>213 )なら、|f| も可測である。
証明
f^(+) = sup{f, 0}
f^(-) = sup{-f, 0}
と書いた(
>>305 )。
定数関数 0 は S(0) が空集合なので可測だから
(c ≠ 0 のとき定数関数 c は可測とは限らないことに注意)、
>>295 より f^(+) と f^(-) は可測である。
|f| = f^(+) + f^(-)
であるから、
>>507 より |f| は可測である。
証明終
513 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 00:30:10
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f を X から [-∞, +∞] への可測関数とする。
f が積分可能であることと、|f| が積分可能であることは同値である。
証明
f = f^(+) - f^(-)
|f| = f^(+) + f^(-)
S(f) = S(|f|) = S(f^(+)) ∪ S(f^(-))
∫[X] f dψ = ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ
積分可能の定義(
>>472 )より、f が積分可能であることと、
f^(+) と f^(-) がともに積分可能であることは同値である。
>>484 より、
∫[X] |f| dψ = ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ
よって、f が積分可能なら |f| も積分可能である。
0 ≦ f^(+) ≦ |f|
0 ≦ f^(-) ≦ |f|
よって、
>>441 より
∫[X] f^(+) dμ ≦ ∫[X] |f| dμ
∫[X] f^(-) dμ ≦ ∫[X] |f| dμ
だから |f| が積分可能なら、f^(+) と f^(-) がともに積分可能である。
よって、f も積分可能である。
証明終
514 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 00:47:16
訂正
>>513 >
>>484 より、
>∫[X] |f| dψ = ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ
>>464 より、
∫[X] |f| dψ = ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ
515 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 01:05:56
>>494 の別証
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
f と g を X 上の積分可能(
>>472 )な有限な値のみをとる関数(
>>493 )
とする。
f + g も積分可能であり、
∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ である。
証明
|f + g| ≦ |f| + |g| だから
S(|f + g|) ⊂ S(|f| + |g|) = S(|f|) ∪ S(|g|)
>>441 と
>>464 より、
∫[X] |f + g| dμ ≦ ∫[X] (|f| + |g|) dμ
= ∫[X] |f| dμ + ∫[X] |g| dμ < +∞
よって、|f + g| は積分可能である。
>>513 より f + g は積分可能である。
h = f + g とおく。
h^(+) - h^(-) = f^(+) - f^(-) + g^(+) - g^(-)
移項して、h^(+) + f^(-) + g^(-) = h^(-) + f^(+) + g^(+)
>>464 より
∫[X] h^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ + ∫[X] g^(-) dμ
= ∫[X] h^(-) dμ + ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] g^(+) dμ
各項は有限だから移項出来て、
∫[X] h^(+) dμ - ∫[X] h^(-) dμ
= ∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ
+ ∫[X] g^(+) dμ - ∫[X] g^(-) dμ
即ち、∫[X] (f + g) dμ = ∫[X] f dμ + ∫[X] g dμ である。
証明終
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
542 :
132人目の素数さん: :2007/09/04(火) 08:58:06
だいすうれきせいすうろん、トノ関連ヲ、書いてくれれば、ヨイのですが…
543 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 09:25:08
>>542 過去スレ006より
490 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [] 投稿日:2007/08/15(水) 10:20:05
初めの計画では Dirichlet の類数公式の証明です。
そのために級数論の基礎を述べたんですが、ついでに数論で使われる
位相の基礎もやろうということに考えを変えました。
類数公式にはいずれ戻るので、位相の基礎にあまり興味がなかったら
それまで待ってください。
このシリーズは予備知識を少なくしようとしているため
必要な基礎知識をなるべくここで述べるようにしています。
そのため、数論本体の流れが途切れる場合もありますが
それはご容赦願います。
なお、基礎部分は後で必要になった時点で参照するということで
いいと思います。
544 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 10:28:59
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f を X から [-∞, +∞] への可測関数とする。
∫[X] f dμが定義されるなら、∫[X] |f| dμ も定義され、
|∫[X] f dμ| ≦ ∫[X] |f| dμ
証明
S(f) = S(|f|) だから
∫[X] f dμが定義されるなら、∫[X] |f| dμ も定義される。
|∫[X] f dμ| = |∫[X] f^(+) dμ - ∫[X] f^(-) dμ|
≦ ∫[X] f^(+) dμ + ∫[X] f^(-) dμ
= ∫[X] (f^(+) + f^(-)) dμ
= ∫[X] |f| dμ
証明終
545 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 10:31:48
546 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 15:53:04
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
σ(Φ) を Φ の集合で σ-有限(
>>448 )な測度をもつもの全体とする。
σ(Φ) は σ-集合環(
>>197 )である。
証明
空集合は σ(Φ) に属すから σ(Φ) は空ではない。
>>456 より A_n ∈ σ(Φ), n =1 , 2, ... なら ∪A_n ∈ σ(Φ)
である。
A, B ∈ σ(Φ) なら A - B ⊂ A であるから A - B ∈ σ(Φ)
である。
証明終
547 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:41:14
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f を X から [-∞, +∞] への可測関数とする。
次の条件を見たす可測で有限な単関数(
>>298 ) f_n が存在する。
任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
証明
f^(+) = sup{f, 0}
f^(-) = sup{-f, 0} と書いた(
>>305 )。
>>277 より -f も可測である。
定数関数 0 は S(0) が空集合なので可測だから
(c ≠ 0 のとき定数関数 c は可測とは限らないことに注意)、
>>295 より f^(+) と f^(-) は可測である。
>>304 より
次の条件を見たす可測で有限な単関数(
>>298 ) s_n が存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f^(+)
2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f^(+)
同様に、
次の条件を見たす可測で有限な単関数 t_n が存在する。
3) 0 ≦ t_1 ≦ t_2 ≦ . . . ≦ f^(-)
4) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき t_n(x) → f^(-)
>>307 より、s_n - t_n は可測で有限な単関数である。
n → ∞ のとき s_n(x) - t_n(x) → f^(+)(x) - f^(-)(x) = f(x)
証明終
548 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:46:19
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f と g を X から [-∞, +∞] への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )で、f + g が定義されるなら、
即ち f(x) と g(x) の一方が +∞ で他方が -∞ とならないなら
f + g も可測である。
証明
>>547 より、
任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
となる可測で有限な単関数(
>>298 ) f_n が存在する。
同様に、
任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
となる可測で有限な単関数(
>>298 ) g_n が存在する。
任意の x ∈ X において、
n → ∞ のとき f_n(x) + g_n(x) → f(x) + g(x)
f + g = lim sup(f_n + g_n) である(
>>289 )から
>>295 ,
>>296 より
f + g は可測である。
証明終
549 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:51:21
550 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:52:44
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f と g を X から [-∞, +∞] への写像とする。
f と g が可測(
>>213 )なら、fg も可測である。
証明
>>547 より、
任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき f_n(x) → f(x)
となる可測で有限な単関数(
>>298 ) f_n が存在する。
同様に、
任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき g_n(x) → g(x)
となる可測で有限な単関数(
>>298 ) g_n が存在する。
任意の x ∈ X において、
n → ∞ のとき f_n(x)g_n(x) → f(x)g(x)
>>314 より、(f_n)(g_n) はは可測で有限な単関数である。
fg = lim sup(f_n g_n) である(
>>289 )から
>>295 ,
>>296 より
fg は可測である。
証明終
551 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 16:56:03
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
X から [-∞, +∞] への可測関数 f で S(f) が σ-有限(
>>448 )なもの
全体を S(Φ) とする。
(1) f_n ∈ S(Φ), n ≧ 0 なら sup f_n ∈ S(Φ)
(2) f_n ∈ S(Φ), n ≧ 0 なら inf f_n ∈ S(Φ)
(3) f_n ∈ S(Φ), n ≧ 0 で lim f_n が存在すれば lim f_n ∈ S(Φ)
(4) f, g ∈ S(Φ) で f + g が定義されるなら、
即ち f(x) と g(x) の一方が +∞ で他方が -∞ とならないなら
f + g ∈ S(Φ)
(5) f, g ∈ S(Φ) なら fg ∈ S(Φ)
(6) α を有限実数とし、f ∈ S(Φ) なら αf ∈ S(Φ)
証明
(1) f_n(x) = 0 がすべての n で成り立てば、sup f_n(x) = 0
よって、S(sup f_n) ⊂ ∪S(f_n)
(2) f_n(x) = 0 がすべての n で成り立てば、inf f_n(x) = 0
よって、S(inf f_n) ⊂ ∪S(f_n)
(3) lim f_n が存在すれば lim f_n = lim sup f_n (
>>288 ,
>>289 )
だから、上記より lim f_n ∈ S(Φ)
(4)
>>548 より f + g は可測である。
f(x) = g(x) = 0 なら f(x) + g(x) = 0 である。
よって、S(f + g) ⊂ S(f) ∪ S(g)
(5)
>>550 より fg は可測である。
f(x) = g(x) = 0 なら f(x)g(x) = 0 である。
よって、S(fg) ⊂ S(f) ∪ S(g)
(6) f(x) = 0 なら αf(x) = 0 である。
よって、S(αf) ⊂ S(f)
証明終
552 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 22:44:10
補題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、ψ ≧ 0 は積分可能で、
X の各点 x と各 n で |f_n(x)| ≦ ψ(x) とする。
このとき、f_n, lim inf f_n, lim sup f_n は積分可能であり、
∫[X] (lim inf f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
≦ lim sup ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] (lim sup f_n) dμ
証明
|f_n(x)| ≦ ψ(x) だから ψ(x) = 0 なら f_n(x) = 0 である。
よって S(f_n) ⊂ S(ψ(x))
ψ は積分可能だから |f_n| も積分可能である。
>>513 より f_n も積分可能である。
同様に、|lim inf f_n(x)| ≦ ψ(x), |lim sup f_n(x)| ≦ ψ(x)
だから lim inf f_n(x), lim sup f_n(x) も積分可能である。
|f_n(x)| ≦ ψ(x) より、-ψ(x) ≦ f_n(x) ≦ ψ(x)
よって ψ(x) + f_n(x) ≧ 0
Fatou の補題(
>>506 )より、
∫[X] lim inf (ψ + f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] (ψ + f_n) dμ
lim inf (ψ + f_n) = ψ + lim inf f_n
だから
∫[X] ψ dμ + ∫[X] lim inf f_n dμ
≦ ∫[X] ψ dμ + lim inf ∫[X] f_n dμ
よって
∫[X] lim inf f_n dμ ≦ lim inf ∫[X] f_n dμ
(続く)
553 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 22:45:10
>>552 の続き。
他方、ψ(x) - f_n(x) ≧ 0 だから
Fatou の補題(
>>506 )より、
∫[X] lim inf (ψ - f_n) dμ ≦ lim inf ∫[X] (ψ - f_n) dμ
lim inf (ψ - f_n) = ψ - lim sup f_n だから
∫[X] ψ dμ - ∫[X] lim sup f_n dμ
≦ ∫[X] ψ dμ - lim sup ∫[X] f_n dμ
よって
lim sup ∫[X] f_n dμ ≦ ∫[X] lim sup f_n dμ
証明終
554 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/04(火) 23:04:58
定理(Lebesgue の項別積分定理)
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、ψ ≧ 0 は積分可能で、
X の各点 x と各 n で |f_n(x)| ≦ ψ(x) とし、
X の各点 x で lim f_n(x) が存在するとする。
f_n、lim f_n は積分可能で、
lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] (lim f_n) dμ
証明
X の各点 x で lim f_n(x) が存在するから、
lim f_n = lim inf f_n = lim sup f_n
>>552 より、
lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] (lim f_n) dμ
証明終
555 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 08:03:53
>>554 の証明には次の方法もある(得られる結果はやや強い)。
定理(Lebesgue の項別積分定理)
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、ψ ≧ 0 は積分可能で、
X の各点 x と各 n で |f_n(x)| ≦ ψ(x) とし、
X の各点 x で lim f_n(x) が存在するとする。
f_n、lim f_n は積分可能で、
lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ
lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] (lim f_n) dμ
証明(Rudin)
f = lim f_n とおく。
|f| ≦ ψ であるから |f - f_n| ≦ |f| + |f_n| ≦ 2ψ
よって、f も f - f_n も積分可能である。
2ψ - |f - f_n| ≧ 0
Fatou の補題(
>>506 )より、
∫[X] (lim inf (2ψ - |f - f_n|))dμ
≦ lim inf ∫[X] (2ψ - |f - f_n|) dμ
∫[X] 2ψ dμ - ∫[X] lim sup |f - f_n| dμ
≦ ∫[X] 2ψ dμ - lim sup ∫[X] |f - f_n| dμ
lim sup ∫[X] |f - f_n| dμ ≦ ∫[X] lim sup |f - f_n| dμ
lim sup |f - f_n| = lim |f - f_n| = 0 だから
lim sup ∫[X] |f - f_n| dμ = lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 である。
>>544 より、
|∫[X] (f - f_n) dμ| ≦ ∫[X] |f - f_n| dμであるから
lim |∫[X] (f - f_n) dμ| = lim |∫[X] f dμ - ∫[X] f_n dμ| = 0
即ち、lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
証明終
556 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 08:13:56
訂正
>>555 >f_n、lim f_n は積分可能で、
>lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ
>lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] (lim f_n) dμ
f_n、f = lim f_n は積分可能で、
lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ
lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
557 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 08:34:08
>>555 の前に次の補題を述べたほうが良かった。
補題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を積分可能な関数の列とし、
X の各点 x で f = lim f_n(x) が存在するとする。
さらに、f は積分可能であるとする。
lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 なら
lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
証明
>>544 より、
|∫[X] (f - f_n) dμ| ≦ ∫[X] |f - f_n| dμであるから
lim |∫[X] (f - f_n) dμ| = lim |∫[X] f dμ - ∫[X] f_n dμ| = 0
即ち、lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
証明終
558 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 08:56:59
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )で、X ∈ Φ で μ(X) < +∞ とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、
X の各点 x と各 n で |f_n(x)| ≦ M とし、
X の各点 x で f(x) = lim f_n(x) が存在するとする。
このとき、f は積分可能であり、
lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ
lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
証明
μ(X) < +∞ だから
>>453 より、
∫[X] M dμ = Mμ(X)
即ち、定数関数 M は積分可能である。
よって、Lebesgue の項別積分定理(
>>555 )より
lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ
lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
証明終
559 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 09:06:49
命題
(X, Φ, μ) を測度空間(
>>317 )で、X ∈ Φ で μ(X) < +∞ とする。
(f_n), n ≧ 0 を可測関数の列とし、
X の上で f_n が一様に f に収束するとする。
このとき、f は積分可能であり、
lim ∫[X] |f - f_n| dμ = 0 かつ
lim ∫[X] f_n dμ = ∫[X] f dμ
証明
m があり n ≧ m なら X の各点 x で |f_n(x) - f_m(x)| < 1 となる。
|f_n(x)| ≦ |f_m(x)| + |f_n(x) - f_m(x)| ≦ |f_m(x)| + 1
μ(X) < +∞ だから、定数関数 1 は X 上で積分可能である。
よって、|f_m(x)| + 1 も積分可能である。
関数列 (f_n), n ≧ m に Lebesgue の項別積分定理(
>>555 )を適用
すればよい。
証明終
560 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 09:19:42
>>449 の積分の定義は普通と少し違う。
普通は(例えば伊藤清三)、積分の定義に使う単関数 Σ(a_i)χ_(M_i) は
μ(M_i) = +∞ の場合も許している。
この両者の関係について調べる。
561 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 09:22:16
562 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:08:22
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
E(Φ) (
>>377 ) から [0, +∞] への写像 ψ で
任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが
一意に存在する。
証明
f = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Φ) の元とする。
>>376 より、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、
各 M_i はいくつかの N_j の合併となる。
よって、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) と書ける。
ここで、b_(i,j) は 0 または 1 である。
よって、
Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)χ_(N_j)
c_j = Σ(a_i)(c_(i, j)) とおけば、
Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(c_j)χ_(N_j)
よって、x ∈ N_j のとき f(x) = c_j である。
即ち、各 c_j は f により一意に決まる。
他方、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) だから
μ(M_i) = Σb_(i,j)μ(N_j)
よって
Σ(a_i)μ(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)μ(N_j) = Σ(c_j)μ(N_j)
よって、Σ(a_i)μ(M_i) は f により一意に決まる。
ψ(f) = Σ(a_i)μ(M_i) とおけばよい。
証明終
563 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:12:07
>>562 を次のように修正する。
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
E(Φ) (
>>377 ) の元 f で f ≧ 0 となるもの全体を
E(Φ)+ と書く。
E(Φ)+ から [0, +∞] への写像 ψ で
任意の M ∈ Φ に対して ψ(χ_M) = μ(M) となるものが
一意に存在する。
証明
f = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Φ)+ の元とする。
>>376 より、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、
各 M_i はいくつかの N_j の合併となる。
よって、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) と書ける。
ここで、b_(i,j) は 0 または 1 である。
よって、Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)χ_(N_j)
c_j = Σ(a_i)(c_(i, j)) とおけば、
Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(c_j)χ_(N_j)
よって、x ∈ N_j のとき f(x) = c_j である。
即ち、各 c_j は f により一意に決まる。
他方、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) だから
μ(M_i) = Σb_(i,j)μ(N_j)
よって、Σ(a_i)μ(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)μ(N_j) = Σ(c_j)μ(N_j)
よって、Σ(a_i)μ(M_i) は f により一意に決まる。
ψ(f) = Σ(a_i)μ(M_i) とおけばよい。
証明終
564 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:21:26
>>510 蛇足かもしれませんが。
>>511 >そうです。
>今、訂正しようとしてたところです(笑い)。
これは事実を述べただけで他意はありません。
お気に障ったら謝ります。
>>1 の
>その他、内容についてのご意見は歓迎します。
>例えば、誤りの指摘、証明の改良など。
は、私の本音ですし、これらのご意見に感謝しています。
565 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:34:36
>>563 を次のように修正する。
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
E(Φ) (
>>377 ) の元 f で f ≧ 0 となるもの全体を
E(Φ)+ と書く。
E(Φ)+ から [0, +∞] への写像 ψ で、
f = Σ(a_i)χ_(M_i) ∈ E(Φ)+、a_i ≧ 0, M_i ∈ Φ のとき、
ψ(f) = Σ(a_i)μ(M_i) となるものが
一意に存在する。
証明
f = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Φ)+ の元とする。
>>376 より、互いに交わらない N_1, . . ., N_m ∈ Φ があり、
各 M_i はいくつかの N_j の合併となる。
よって、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) と書ける。
ここで、b_(i,j) は 0 または 1 である。
よって、Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)χ_(N_j)
c_j = Σ(a_i)(c_(i, j)) とおけば、
Σ(a_i)χ_(M_i) = Σ(c_j)χ_(N_j)
よって、x ∈ N_j のとき f(x) = c_j である。
即ち、各 c_j は f により一意に決まる。
他方、χ_(M_i) = Σb_(i,j)χ_(N_j) だから
μ(M_i) = Σb_(i,j)μ(N_j)
よって、Σ(a_i)μ(M_i) = Σ(a_i)b_(i,j)μ(N_j) = Σ(c_j)μ(N_j)
よって、Σ(a_i)μ(M_i) は f により一意に決まる。
ψ(f) = Σ(a_i)μ(M_i) とおけばよい。
証明終
566 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 11:54:15
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
E(Φ) (
>>377 ) の元 f で f ≧ 0 となるもの全体を
E(Φ)+ と書く。
s = Σ(a_i)χ_(M_i) を E(Φ)+ の元とする。
ここで、a_i ≧ 0、M_i ∈ Φ である。
I(s) = Σ(a_i)μ(M_i) とおく。
>>565 より I(s) は s = Σ(a_i)χ_(M_i) のような表示によらない。
567 :
510 :2007/09/05(水) 12:23:06
>>564 いえいえ。まったく気にしておりません。
ご心配なく。
ところで、
>>559 各 f_n は、 μ 可積分と仮定したほうが良いと思います。
なぜなら、可測だけでは、条件が弱いからです:
X を開区間 (0, 1), Φ を (0, 1) 上のボレル集合体、
μ をルベーグ測度として、f_n (x) = 1/x
と置けば、f_n (x) → 1/x (一様収束)ですが、
1/x は、(0, 1) 上、可測であっても可積分ではないからです。
568 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 12:35:34
>>567 有難うございます。
各 f_n が可積分でないと、
>>559 の |f_m(x)| + 1 も可積分でない
ことになって証明が成り立ちませんね。
569 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 13:23:29
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
E(Φ) (
>>377 ) の元 f で f ≧ 0 となるもの全体を
E(Φ)+ と書く。
f ∈ E(Φ)+ で S(f) の測度が σ-有限(
>>448 ) であれば、
∫[X] f dμ = I(f) である。
ここで、I(f) は
>>566 で定義したものである。
証明
f = Σ(a_i)χ_(M_i) とする。
ここで、a_i > 0、M_i ∈ Φ である。
a_i > 0 だから各 M_i の測度は σ-有限である。
よって、
>>464 より、
∫[X] f dμ = Σ(a_i)∫[X]χ_(M_i) dμ
>>467 より ∫[X]χ_(M_i) dμ = ∫[M_i] 1 dμ = μ(M_i)
よって、
∫[X] f dμ = Σ(a_i)μ(M_i) = I(f)
証明終
570 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 13:31:17
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、
f ≧ 0 を可測関数であるとする。
I(X, μ, f) = sup { I(s) | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Φ) }
と書く。
ここで、I(s) は
>>566 で定義したものである。
I(X, μ, f) は略して I(X, f) または I(f) とも書く。
571 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 13:52:01
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、
f ≧ 0 を可測関数であるとする。
f が積分可能であれば、∫[X] f dμ = I(f) である。
ここで、I(f) は
>>570 で定義したものである。
証明
>>570 より、
I(f) = sup { I(s) | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Φ) }
である。
f が積分可能だから、0 ≦ s ≦ f となる s ∈ E(Φ) も
積分可能である。
>>569 より
∫[X] s dμ = I(s) であるから、I(s) < +∞
即ち、
>>452 の記号で s ∈ E(Ψ) である。
E(Ψ) ⊂ E(Φ) は明らかである。
従って、∫[X] f dμ = I(f) である。
証明終
572 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 14:13:37
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、
f ≧ 0 を可測関数であるとする。
I(f) を
>>570 で定義したものとする。
I(f) が有限であれば、f は積分可能で、
∫[X] f dμ = I(f) である。
証明
I(f) = sup { I(s) | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Φ) }
だから、0 ≦ s ≦ f となる任意の s ∈ E(Φ) に対して
I(s) ≦ I(f) である。
よって、I(f) が有限であれば、I(s) も有限である。
よって、
>>452 の記号で s ∈ E(Ψ) である。
>>569 より(または定義から直接に)
∫[X] s dμ = I(s) である。
>>304 より、次の条件を見たす可測で有限な単関数(
>>298 ) s_n が
存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f
2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x)
上から、各 s_n ∈ E(Ψ) である。
よって S(s_n) の測度は有限である。
>>551 より、S(f) の測度は σ-有限である。
よって ∫[X] f dμ が定義され、∫[X] f dμ = I(f) である。
よって、f は積分可能である。
証明終
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
599 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 20:45:02
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、
f を E(Φ) (
>>377 ) の元で f ≧ 0 とする。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
S(f) の測度が σ-有限なら、
次の条件を見たす E(Ψ) (
>>377 ) の元 s_n が存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ f
2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → f(x)
証明
S(f) の測度は σ-有限だから、
>>467 の証明より、
Φ の集合の列 (E_n), n = 1, 2, . . . で
S(f) = ∪E_n で、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらず、
各 μ(E_n) < +∞ となるものがある。
A_n = E_1 . . . ∪ E_n とおく。
A_1 ⊂ A_2 ⊂ . . . A_n ⊂ A_(n+1) ⊂ . .
S(f) = ∪A_n である。
s_n = (χ_(A_n))f とおく。
f = Σ(a_i)χ_(M_i) とする。
ここで、a_i > 0、M_i ∈ Φ である。
s_n = Σ(a_i)(χ_(A_n))χ_(M_i) = Σ(a_i)χ_(A_n ∩ M_i)
だから s_n ∈ E(Ψ) である。
(続く)
600 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 20:50:26
>>599 の続き。
x ∈ A_n なら x ∈ A_(n+1) だから
χ_(A_n)(x) = χ_(A_(n+1))(x) = 1
よって、s_n(x) = s_(n+1)(x) = f(x)
x ∈ X - A_n なら χ_(A_n)(x) = 0 だから s_n(x) = 0
よって、s_n(x) ≦ s_(n+1)(x)
よって、s_n ≦ s_(n+1)
x ∈ X - S(f) なら任意の n に対して s_n(x) = 0 だから
s_n(x) = f(x)
x ∈ S(f) なら x ∈ A_m となる m がある。
n ≧ m なら x ∈ A_n だから χ_(A_n)(x) = 1 となり、
s_n(x) = f(x)
以上から lim s_n = f である。
証明終
601 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 21:25:30
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
f ≧ 0 を可測関数で S(f) の測度が σ-有限(
>>448 )であるとする。
∫[X] f dμ = I(f) である。
ここで、I(f) は
>>566 で定義したものである。
証明
任意の有限実数 ε > 0 に対して I(f) - ε < I(g) ≦ I(f)
となる E(Φ) (
>>377 ) の元 g で 0 ≦ g ≦ f となるものがある。
S(g) ⊂ S(f) だから S(g) の測度は σ-有限である。
Ψ = { A ∈ Φ | μ(A) < +∞ } とおく。
>>599 より、次の条件を見たす E(Ψ) (
>>377 ) の元 s_n が存在する。
1) 0 ≦ s_1 ≦ s_2 ≦ . . . ≦ g
2) 任意の x ∈ X において、n → ∞ のとき s_n(x) → g(x)
Lebesgue の単調収束定理(
>>445 )より、
n → ∞ のとき ∫[X] s_n dμ → ∫[X] g dμ
>>569 より ∫[X] g dμ= I(g) である。
よって、
I(f) - ε < ∫[X] s_n dμ ≦ I(g) ≦ I(f)
となる n がある。
よって
I(f) = sup {∫[X] s dμ | 0 ≦ s ≦ f, s ∈ E(Ψ) }
即ち、∫[X] f dμ = I(f) である。
証明終
602 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 21:35:40
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、
f ≧ 0 を可測関数とする。
S(f) の測度が σ-有限(
>>448 )なら、
>>601 より
∫[X] f dμ = I(f) である。
S(f) の測度が σ-有限でないなら、
>>572 より I(f) = +∞ である。
この場合、∫[X] f dμ は定義されない。
>>560 の問題はこれで解決したと見ていいだろう。
603 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 22:24:40
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、X ∈ Φ とする。
f ≧ 0 を可測関数であるとする。
X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n とする。
ここで、各 E_i ∈ Φ で i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
a_i = inf { f(x) | x ∈ E_i } とおく。
J(X, μ, f) = sup Σ(a_i)μ(E_i) と書く。
ここで sup は X の X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n のような分割すべてに
関するものである。
J(X, μ, f) を略して J(X, f) または J(f) と書く場合がある。
604 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 22:29:13
高木の解析概論では
>>603 の J(X, μ, f) を f の積分の定義と
している。
今度は、これと我々の積分 ∫[X] f dμ の関係を調べる。
605 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 22:45:22
606 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 23:15:38
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、X ∈ Φ とする。
f ≧ 0 を E(Φ) (
>>377 ) の元とする。
J(f) = I(f) である。
ここで J(f) は
>>603 で定義したものであり、
I(f) は
>>566 で定義したものである。
証明
f = Σ(e_i)χ_(E_i) とする。
ここで、0 ≦ e_i < +∞、E_i ∈ Φ で
X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n とする。
i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
X ∈ Φ だから f がこのように書けることは明らかである。
I(f) = Σ(e_i)μ(E_i) である。
e_i = inf { f(x) | x ∈ E_i } であるから
I(f) ≦ J(f) である。
X = A_1 ∪ . . . ∪ A_m を X の可測集合による任意の有限分割とする。
即ち、A_i ∈ Φ で、i ≠ j なら A_i と A_j は交わらない。
A_p ∩ E_q が空でないなら
a_p = inf {f(x) | x ∈ A_p} ≦ inf {f(x) | x ∈ A_p ∩ E_q} = e_q
Σ(a_p)μ(A_p) = ΣΣ(a_p)μ(A_p ∩ E_q)
≦ ΣΣ(e_q)μ(A_p ∩ E_q) = Σ(e_q)μ(E_q) = I(f)
よって、J(f) ≦ I(f)
証明終
607 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/05(水) 23:36:02
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、X ∈ Φ とする。
f と g を可測な関数で、0 ≦ g ≦ f とする。
J(g) ≦ J(f) である。
証明
X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n を X の可測集合による任意の有限分割とする。
即ち、E_i ∈ Φ で、i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
b_i = inf { g(x) | x ∈ E_i }
a_i = inf { f(x) | x ∈ E_i }
とすれば、b_i ≦ a_i であるから
Σ(b_i)μ(E_i) ≦ Σ(a_i)μ(E_i)
Σ(a_i)μ(E_i) ≦ J(f) だから
Σ(b_i)μ(E_i) ≦ J(f) である。
よって、
J(g) ≦ J(f) である。
証明終
608 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 00:42:05
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、X ∈ Φ とする。
f ≧ 0 を可測関数とする。
X = A ∪ B とする。
A ∈ Φ, B ∈ Φ で A と B は交わらない。
このとき
J(X, f) = J(A, f) + J(B, f)
ここで、J(X, f), J(A, f), J(B, f) は
>>603 で定義したもの。
証明
A = A_1 ∪ . . . ∪ A_n を可測集合による任意の有限分割とする。
即ち、A_i ∈ Φ で、i ≠ j なら A_i と A_j は交わらない。
B = B_1 ∪ . . . ∪ B_m を可測集合による任意の有限分割とする。
即ち、B_i ∈ Φ で、i ≠ j なら B_i と B_j は交わらない。
a_i = inf { f(x) | x ∈ A_i }
b_j = inf { f(x) | x ∈ B_j }
とおく。
E = A_1 ∪ . . . ∪ A_n ∪ B_1 ∪ . . . ∪ B_m
は E の有限分割であるから、
Σ(a_i)μ(A_i) + Σ(b_j)μ(B_j) ≦ J(X, f)
である。
左辺の sup をとれば、
J(A, f) + J(B, f) ≦ J(X, f)
(続く)
609 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 00:43:08
>>608 の続き。
E = E_1 ∪ . . . ∪ E_r を可測集合による任意の有限分割とする。
即ち、E_i ∈ Φ で、i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
A_k = A ∩ E_k
B_k = B ∩ E_k
とおく。
A = A_1 ∪ . . . ∪ A_r
B = B_1 ∪ . . . ∪ B_r
a_k = inf { f(x) | x ∈ A_k }
b_k = inf { f(x) | x ∈ B_k }
c_k = inf { f(x) | x ∈ E_k }
とおく。
c_k ≦ a_k
c_k ≦ b_k
E_k = A_k ∪ B_k だから μ(E_k) = μ(A_k) + μ(B_k)
Σ(c_k)μ(E_k) = Σ(c_k)μ(A_k) + Σ(c_k)μ(B_k)
≦ Σ(a_k)μ(A_k) + Σ(b_k)μ(B_k)
よって、
Σ(c_k)μ(E_k) ≦ J(A, f) + J(B, f)
よって、
J(X, f) ≦ J(A, f) + J(B, f)
証明終
610 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 01:31:42
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、X ∈ Φ とする。
f ≧ 0 を可測関数とする。
X = A ∪ B,
A ∈ Φ, B ∈ Φ で A と B は交わらない。
とする。
I(X, f) = I(A, f) + I(B, f) である。
ここで、I(X, f), I(A, f), I(B, f) は
>>570 で定義したものである。
証明
A ∩ S(f) と B ∩ S(f) の測度が σ-有限なら、
>>601 より
∫[A] f dμ = I(A, f) である。
∫[B] f dμ = I(B, f) である。
>>479 と
>>483 より
∫[X] f dμ = ∫[A] f dμ + ∫[B] f dμ である。
即ち、I(X, f) = I(A, f) + I(B, f)
A ∩ S(f) または B ∩ S(f) の測度が σ-有限でないなら、
S(f) の測度もσ-有限でない。
よって、
>>601 より I(X, f) = +∞
I(A, f) = +∞ または I(B, f) = +∞ だから
I(A, f) + I(B, f) = +∞
よって、
I(X, f) = I(A, f) + I(B, f)
証明終
611 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 08:43:40
補題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、X ∈ Φ とする。
f を X の任意の点 x で f(x) = +∞ となる関数とする。
J(f) = I(f) である。
証明
μ(X) = 0 なら規約 (+∞)0 = 0 より J(f) = 0, I(f) = 0 である。
μ(X) > 0 なら (+∞)μ(X) = +∞ だから J(f) = +∞
任意の有限実数 α > 0 に対して αμ(X) < I(f) だから
I(f) = +∞ である。
証明終
612 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 09:01:01
補題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、X ∈ Φ とする。
0 ≦ f < +∞ を可測関数とする。
J(f) = I(f) である。
証明
X = E_1 ∪ . . . ∪ E_n を X の可測集合による任意の有限分割とする。
即ち、E_i ∈ Φ で、i ≠ j なら E_i と E_j は交わらない。
a_i = inf { f(x) | x ∈ E_i }
は有限であるから
h = Σ(a_i)χ_(E_i) は E(Φ) (
>>377 ) の元 であり、
0 ≦ h ≦ f である。
よって、I(f) の定義(
>>570 )より、
Σ(a_i)μ(E_i) ≦ I(f)
よって、J(f) の定義(
>>603 )より、
J(f) ≦ I(f)
一方、g を E(Φ) (
>>377 ) の元で 0 ≦ g ≦ f とする。
>>607 より
J(g) ≦ J(f) である。
>>606 より
J(g) = I(g) である。
即ち、I(g) ≦ J(f) である。
よって、I(f) の定義(
>>570 )より、
I(f) ≦ J(f)
証明終
613 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 09:06:56
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とし、X ∈ Φ とする。
f ≧ 0 を可測関数とする。
J(f) = I(f) である。
証明
A = f^(-1)(+∞)
B = X - f^(-1)(+∞)
とおく。
A ∈ Φ, B ∈ Φ で A と B は交わらない。
>>608 より、
J(X, f) = J(A, f) + J(B, f)
>>610 より、
I(X, f) = I(A, f) + I(B, f) である。
>>611 より、
J(A, f) = I(A, f)
>>612 より、
J(B, f) = I(B, f)
以上から
J(X, f) = I(X, f)
証明終
614 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 09:14:39
>>602 と
>>613 より
>>604 の問題は解決したと見ていいだろう。
測度空間 (X, Φ, μ) において、X ∈ Φ でない場合の
J(X, μ, f) の定義も出来るし、それと I(X, μ, f) が一致
することも証明出来るが、それには及ばないだろう。
615 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 09:46:51
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f : X → [-∞, +∞] を(必ずしも可測とは限らない)関数とする。
E = ∪E_n = E_1 ∪ E_2 ∪ . . .
とする。
ここで、各 E_n ∈ Φ である。
f が各 E_n において可測なら f は E において可測である。
証明
>>252 の可測性判定条件を使う。
α を任意の有限実数とする。
各 n で、S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > α} ∩ E_n ∈ Φ
よって、
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > α} ∩ E ∈ Φ
各 n で、{x ∈ X ; f(x) = -∞} ∩ E_n ∈ Φ
よって、
{x ∈ X ; f(x) = -∞} ∩ E ∈ Φ
証明終
616 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 10:11:36
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
E ∈ Φ とする。
f を E で定義されている E における可測関数とする。
x ∈ X - E のとき f(x) = 0 と定義することにより、
f の定義域を X に広げることが出来る。
このとき f は X で可測である。
証明
>>252 の可測性判定条件を使う。
α を任意の有限実数とする。
α ≧ 0 なら
{x ∈ X ; f(x) > α} ⊂ S(f) ⊂ E だから
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > α} = {x ∈ X ; f(x) > α} ∈ Φ
α < 0 なら、
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > 0} ∈ Φ
S(f) ∩ {x ∈ X ; α < f(x) < 0} ∈ Φ
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) = 0} は空集合だから可測である。
以上から
S(f) ∩ {x ∈ X ; f(x) > α} ∈ Φ
明らかに、
{x ∈ X ; f(x) = +∞ } ∈ Φ
証明終
617 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 10:39:07
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
f ≧ 0 を積分可能な関数とする。
∫[X] f dμ = 0 なら ほんとんど至る所 f = 0 である。
証明
整数 n > 0 に対して
A_n = {x ∈ X | f(x) > 1/n}
とおく。
A_n ∈ Φ である。
∫[X] f dμ ≧ ∫[A_n] f dμ ≧ ∫[A_n] (1/n) dμ = (1/n)μ(A_n)
これについては、
>>486 の証明参照
よって、μ(A_n) = 0
A = {x ∈ X | f(x) > 0} とおけば、
A = ∪A_n
よって、μ(A) = 0
証明終
618 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:31:16
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とする。
f : X → [-∞, +∞] を(必ずしも可測とは限らない)関数とする。
E = ∪E_n = E_1 ∪ E_2 ∪ . . .
とする。
ここで、各 E_n は必ずしも可測とは限らない X の部分集合とする。
f が各 E_n において可測(
>>356 )なら f は E において可測である。
証明
>>615 と同じである。
619 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:49:55
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。
E を必ずしも可測とは限らない X の部分集合とする。
f は E において必ずしも可測(
>>356 )とは限らない。
しかし、次の命題が成り立つ。
620 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:51:53
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。
E ∈ Φ とする。
f は X - E において可測(
>>356 )である。
証明
S(f) - E ∈ Φ だから f は S(f) - E 及び S(f) ∩ E において
可測である。
S(f) = (S(f) - E) ∪ (S(f) ∩ E)
だから
>>615 より f は S(f) において可測である。
>>616 より f は X において可測である。
証明終
621 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:54:02
>>620 を次のように修正する。
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。
E ∈ Φ とする。
f は X - E において可測(
>>356 )である。
証明
S(f) ∈ Φ だから f は S(f) において可測である。
>>616 より f は X において可測である。
証明終
622 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:56:12
623 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 11:59:48
>>620 を次のように修正する。
命題
(X, Φ) を可測空間(
>>211 )とし、
f : X → [-∞, +∞] を可測関数とする。
E ∈ Φ とする。
f は X - E において可測(
>>356 )である。
証明
S(f) ∩ (X - E) = S(f) - E ∈ Φ
よって、 f は S(f) ∩ (X - E) で可測である。
>>616 より f は X - E において可測である。
証明終
624 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 12:09:04
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 ) とする。
X 上で積分可能な関数 f : X → [-∞, +∞] 全体を
L^1(X, Φ, μ) と書く。
L^1(X, Φ, μ) を略して、L^1(X) または L^1(μ) とも書く。
f, g ∈ L^1(X) で f 〜 g 即ち f = g (a.e.) のとき、
>>492 より ∫[X] f dμ = ∫[X] g dμ である。
従って、f と g は同一視することにする。
即ち、正確には L^1(X) そのものではなく、L^1(X)/〜 を考えている
ことになる。
例えば、f + g は f(x) = +∞, g(x) = -∞ となる x では
定義されない。
しかし、
>>486 より、A = {x ∈ X | f(x) = +∞} の測度は 0 である。
よって、X - A で f と一致し、A で 0 となる関数 f' は
>>623 より X で可測であり、f 〜 f' である。
同様に g についても有限な可測関数 g' があり、
g 〜 g' である。
よって f + g の代わりに f' + g' を使えばよい。
625 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 12:28:08
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
L^1(X) (
>>624 ) は実数体上の線形空間である。
証明
f, g ∈ L^1(X) とする。
>>624 より f と g は有限な値のみをとる関数としてよい。
>>494 より f + g ∈ L^1(X) である。
α を有限実数とすると、
>>497 より αf ∈ L^1(X) である。
h ∈ L^1(X) とする。
結合法則 (f + g) + h = f + (g + h) と
β を有限実数としたとき、α(βf) = (αβ)f
1f = f
となることは明らかである。
証明終
626 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 12:42:09
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
L^1(X) (
>>624 ) は、φ(f) = ∫[X] |f| dμ により
実数体上のノルム空間(過去スレ006の561)になる。
証明
f, g ∈ L^1(X) とする。
|f + g| ≦ |f| + |g| だから
∫[X] |f + g| dμ ≦ ∫[X] (|f| + |g|) dμ
= ∫[X] |f| dμ + ∫[X] |g| dμ
即ち、φ(f + g) ≦ φ(f) + φ(g)
α を有限実数とする。
|αf| = |α||f| だから
∫[X] |αf| dμ = ∫[X] |α||f| dμ = |α|∫[X] |f| dμ
即ち、φ(αf) = |α|φ(f)
∫[X] |f| dμ = 0 なら
>>617 より f = 0 (a.e.) である。
即ち、φ(f) = 0 なら f は 0 と同一視される。
証明終
627 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 13:15:27
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (
>>624 ) の関数列とする。
Σ∫[X] |f_n| dμ < +∞ なら
f(x) = Σf_n(x) は X 上で a.e. に絶対収束する。
証明
g_n(x) = |f_0(x)| + . . . + |f_n(x)|
とおく。
g(x) = Σ|f_n(x)| とおく。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ g
で、
g = lim g_n
である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(
>>445 ) より、
n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] g dμ
∫[X] g_n dμ = ∫[X] |f_0| dμ + . . . + ∫[X] |f_n| dμ
≦ Σ∫[X] |f_n| dμ < +∞
よって、
∫[X] g dμ < +∞
>>486 より a.e. に g < +∞ である。
よって、f(x) = Σf_n(x) は X 上で a.e. に絶対収束する。
証明終
628 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 13:34:07
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (
>>624 ) の関数列とする。
(f_n) が L^1(X) の関数 f に L^1(X) のノルム(
>>626 )
に関して収束するとき、
即ち n → ∞ のとき ∫[X] |f - f_n| dμ→ 0 のとき、
(f_n) は f に L^1 収束すると言う。
629 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 13:35:48
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (
>>624 ) の関数列とする。
(f_n) がノルム空間(
>>626 ) L^1(X) の Cauchy 列のとき、
(f_n) を L^1 Cauchy 列と言う。
630 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 14:00:37
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を L^1 Cauchy 列(
>>629 )とする。
f(x) = lim f_n(x) が X 上で a.e. に存在するなら、
f ∈ L^1(X) であり、
(f_n) は f に L^1 収束する(
>>628 )。
証明
任意の有限実数 ε > 0 に対して、整数 N ≧ 0 があり、
n, m ≧ N なら ∫[X] |f_n - f_m| dμ < ε となる。
m ≧ N となる m を固定する。
Fatou の補題(
>>506 )より、
∫[X] (lim inf |f_n - f_m|) dμ ≦ lim inf ∫[X] |f_n - f_m| dμ
≦ ε
lim inf |f_n - f_m| = lim |f_n - f_m| = |f - f_m| (a.e.) だから
∫[X] |f - f_m| dμ ≦ ε
よって、f - f_m ∈ L^1(X) である。
よって、f = f_m + f - f_m ∈ L^1(X) である。
m は m ≧ N となる任意の整数だから、
(f_n) は f に L^1 収束する(
>>628 )。
証明終
631 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 14:05:14
定義
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (
>>624 ) の関数列とする。
(f_n) が f に L^1 収束する(
>>628 )とき、
n → ∞ のとき f_n → f (L^1)
または
f = lim f_n (L^1)
と書く。
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
658 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 15:47:48
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
L^1(X) (
>>624 ) の関数 f に ∫[X] f dμ を対応させる写像は
連続である。
証明
>>626 より L^1(X) はノルム空間である。
f ∈ L^1(X) のとき、
>>544 より、|∫[X] f dμ| ≦ ∫[X] |f| dμ
過去スレ006の581より(または直接に)、f → ∫[X] f dμ は
連続である。
証明終
659 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 16:53:45
>>627 を次のように修正する。
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を L^1(X) (
>>624 ) の関数列とする。
Σ∫[X] |f_n| dμ < +∞ なら
f(x) = Σf_n(x) は X 上で a.e. に絶対収束し、
f ∈ L^1(X) である。
証明
g_n(x) = |f_0(x)| + . . . + |f_n(x)| とおく。
g(x) = Σ|f_n(x)| とおく。
0 ≦ g_0 ≦ g_1 ≦ . . . ≦ g で、
g = lim g_n である。
よって、Lebesgue の単調収束定理(
>>445 ) より、
n → ∞ のとき ∫[X] g_n dμ → ∫[X] g dμ
∫[X] g_n dμ = ∫[X] |f_0| dμ + . . . + ∫[X] |f_n| dμ
≦ Σ∫[X] |f_n| dμ < +∞
よって、∫[X] g dμ < +∞
>>486 より a.e. に g < +∞ である。
よって、f(x) = Σf_n(x) は X 上で a.e. に絶対収束する。
h_n(x) = f_0(x) + . . . + f_n(x) とおく。
|h_n(x)| ≦ g_n(x) ≦ g(x)
∫[X] g dμ < +∞ だから Lebesgue の項別積分定理(
>>555 )より
f = lim h_n は L^1(X) に含まれる。
証明終
660 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 16:55:26
命題
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
(f_n), n ≧ 0 を L^1 Cauchy 列(
>>629 )とする。
(f_n), n ≧ 0 の部分列 (f_(n_k)), k ≧ 0 と f ∈ L^1(X) が存在し、
(f_(n_k)) は a.e. に f に単純収束(
>>154 )する。
証明
(f_n), n ≧ 0 は L^1 Cauchy 列だから、
(f_n), n ≧ 0 の部分列 (f_(n_k)), k ≧ 0 で、
∫[X] |f_(n_(k+1)) - f_(n_k)| dμ < 1/2^k となるものがある。
Σ∫[X] |f_(n_(k+1)) - f_(n_k)| dμ ≦ Σ1/2^k = 2
f_(n_1) - f_(n_0) + f_(n_2) - f_(n_1) + ... + f_(n_(k+1)) - f_(n_k)
= f_(n_(k+1)) - f_(n_0)
>>659 より、f_(n_(k+1))(x) - f_(n_0)(x) は X 上で a.e. に収束する。
よって、f_(n_(k+1))(x) は X 上で a.e. に収束する。
この極限を f(x) とすればよい。
証明終
661 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 17:13:02
定理
(X, Φ, μ) を 測度空間(
>>317 )とする。
L^1(X) は L^1 ノルム(
>>626 )に関して完備である。
証明
(f_n), n ≧ 0 を L^1 Cauchy 列(
>>629 )とする。
>>660 より、(f_n), n ≧ 0 の部分列 (f_(n_k)), k ≧ 0 と
f ∈ L^1(X) が存在し、(f_(n_k)) は a.e. に f に単純収束(
>>154 )する。
>>630 より f ∈ L^1(X) であり、(f_(n_k)) は f に L^1 収束する。
過去スレ006の248より、一様空間 の Cauchy フィルターの基底の
接触点は極限点である。
f は (f_n) で定まる Cauchy フィルターの接触点であるから、
(f_n) も f に L^1 収束する。
証明終
662 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 17:32:30
積分の一般論はひとまず休んで、局所コンパクト空間上の測度の構成に
取り掛かることにする。
区間 I = [0, 1] 上の実数値連続関数の全体を C(I) とする。
f ∈ C(I) にリーマン積分 ∫[I] f dx を対応させる写像は
C(I) から R への線形写像である。
しかも、この写像は正値すなわち f ≧ 0 なら ∫[I] f dx ≧ 0 である。
一般に正値線形写像 ψ : C(I) → R が与えられたとき、
I の Borel 集合(
>>212 ) を含む σ-集合環(
>>197 ) Φ と
Φ 上の測度 μ が存在して ψ(f) = ∫[I] f dμ となる。
ψ がリーマン積分 ∫[I] f dx の場合は μ は Lebesgue 測度である。
この事実を一般の局所コンパクト空間に対して証明するのが当面の
目標である。
663 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 19:17:20
定義 ハウスドルフ位相空間 X は次の条件 (N) を満たすとき正規であるという。 (N) A と B を閉集合で A ∩ B = φ とすると、 A ⊂ U, B ⊂ V となる開集合 U, V で U ∩ V = φ となるものがある。
664 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 19:32:36
命題
コンパクト空間 X は正規(
>>663 )である。
証明
A と B を X の閉集合で A ∩ B = φ とする。
過去スレ006の406より X は正則(過去スレ006の210)であるから
A の各点 x に対して、x ∈ U_x, B ⊂ V_x となる開集合 U_x, V_x で
U_x ∩ V_x = φ となるものがある。
A はコンパクトだから A ⊂ U_(x_1) ∪ . . . ∪ U_(x_n) となる
A の点 x_1, . . ., x_n がある。
U = U_(x_1) ∪ . . . ∪ U_(x_n)
V = V_(x_1) ∩ . . . ∩ V_(x_n)
とおけばよい。
証明終
665 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 20:46:20
補題 X を正規空間とする。 A と B を X の閉集合で A ∩ B = φ とする。 整数 n > 0 に対して K_n = {m/2^n | m = 0, 1, . . . , 2^n} とおく。 K = ∪K_n, n = 1, 2, . . . とおく。 K の各元 r に対して開集合 U(r) を対応させ、 U(1) = X - B A ⊂ U(0) ⊂ U(0)~ ⊂ U(1) r < s なら U(r)~ ⊂ U(s) となるように出来る。 ここで、U(r)~ は U(r) の閉包である。
666 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 20:47:07
>>665 の証明
例えば、
K_1 = {0, 1/2, 1}
K_2 = {0, 1/4, 2/4, 3/4, 1}
K_3 = {0, 1/8, 2/8, 3/8, 4/8, 5/8, 6/8, 7/8. 1}
などとなる。
U(1) = X - B とおく。
X は正規だから、
A ⊂ U, B ⊂ V となる開集合 U, V で U ∩ V = φ となるものがある。
U ⊂ X - V ⊂ U(1)
X - V は閉集合だから
U~ ⊂ X - V である。
よって、
U~ ⊂ U(1) である。
U(0) = U とおく。
A ⊂ U(0) ⊂ U(0)~ ⊂ U(1) である。
同様に、
U(0)~ ⊂ U(1/2) ⊂ U(1/2)~ ⊂ U(1)
となる開集合 U(1/2) がある。
同様に、
U(0)~ ⊂ U(1/4) ⊂ U(1/4)~ ⊂ U(1/2) ⊂ U(3/4) ⊂ U(3/4)~ ⊂ U(1)
となる開集合 U(1/4), U(3/4) がある。
このようにして、任意の r ∈ K に対して開集合 U(r) を選び、
r < s なら U(r)~ ⊂ U(s) となるように出来る。
厳密には数学的帰納法による。
証明終
667 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 22:11:18
補題
X を正規空間とする。
A と B を X の閉集合で A ∩ B = φ とする。
>>665 の記号を使う。
関数 f : X → [0, 1] を次のように定義する。
x ∈ B のとき f(x) = 1
x ∈ X - B のとき f(x) = inf {r∈ K | x ∈ U(r) } とする。
(1) x ∈ U(r) なら f(x) ≦ r
(2) x ∈ X - U(r) なら f(x) ≧ r
(3) x ∈ U(r)~ なら f(x) ≦ r
(4) x ∈ X - U(r)~ なら f(x) ≧ r
証明
(1) は明らかである。
(2) f(x) < r なら x ∈ U(s) となる s < r がある。
よって x ∈ U(r) である。
即ち、x ∈ X - U(r) なら f(x) ≧ r である。
(3)
x ∈ U(r)~ なら x ∈ ∩{U(s) | r < s}
よって r < s なら f(x) ≦ s
よって、f(x) ≦ r である。
(4)
x ∈ X - U(r)~ なら x ∈ X - U(r) だから (2) より f(x) ≧ r
証明終
668 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 22:25:05
命題(Urysohnの補題)
X を正規空間とする。
A と B を X の閉集合で A ∩ B = φ とする。
連続関数 f : X → [0, 1] で
A の上で 0、B の上で 1 となるものが存在する。
証明
>>665 の記号を使う。
関数 f : X → [0, 1] を次のように定義する。
x ∈ B のとき f(x) = 1
x ∈ X - B のとき f(x) = inf {r∈ K | x ∈ U(r) } とする
f は A の上で 0、B の上で 1 である。
f が連続であることを証明すればよい。
0 < f(x) < 1 とする。
任意の ε > 0 に対して
f(x) - ε < r < f(x) < s < f(x) + ε となる r, s ∈ K がある。
U = U(s) - U(r)~ とおく。
>>667 の (2) より x ∈ X - U(s) なら f(x) ≧ s となって矛盾である。
よって、x ∈ U(s)
>>667 の (3) より x ∈ U(r)~ なら f(x) ≦ r となって矛盾である。
よって、x ∈ X - U(r)~
以上から x ∈ U である。
y ∈ U なら y ∈ U(s) だから f(y) ≦ s である。
y ∈ X - U(r)~ であるから
>>667 の (4) より f(y) ≧ r である。
よって r ≦ f(y) ≦ s である。
以上から f は x で連続である。
(続く)
669 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 22:26:02
>>668 の続き。
f(x) = 0 のときは
0 < s < ε となる s ∈ K がある。
f(x) < s だから
>>667 の (2) より x ∈ U(s) である。
y ∈ U(s) なら f(y) ≦ s である。
よって f は x で連続である。
f(x) = 1 のときは
1 - ε < r < 1 となる r ∈ K がある。
f(x) > r だから
>>667 の (3) より x ∈ X - U(r)~ である。
y ∈ X - U(r)~ なら
>>667 の (4) より f(y) ≧ r である。
よって f は x で連続である。
証明終
670 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 22:31:15
Urysohnの補題(
>>668 )は局所コンパクト空間における積分論にとって
重要である。
671 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/06(木) 23:54:10
定義 X を位相空間とし、E を実数体 R 上の線形空間とする。 f : X → E を写像とする。 { x ∈ X | f(x) ≠ 0 } の閉包を f の台と言い Supp(f) と書く。
672 :
熊谷 ◆rDGuVmz79Q :2007/09/07(金) 01:24:26
supだろ
sup は上限。suppは台。全くの別物。
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
700 :
132人目の素数さん :2007/09/07(金) 03:36:35
carrierからcar(f)って書く流儀もあるが、 最近はsupp(f)で固まってきてるのかな。 おれもsupp派だけど。
702 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 10:37:41
命題
局所コンパクト空間は正則(過去スレ006の210)である。
証明
X を局所コンパクト空間とする。
X の点 x と x ∈ U となる開集合 U をとる。
X は局所コンパクトだから、x ∈ V となる開集合 V で
その閉包 V~ がコンパクトとなるものがある。
x ∈ V~ ∩ U ⊂ V~ であり、
>>664 より V~ は正規、従って正則であり、
V~ ∩ U は部分空間 V~ において開集合だから、
x ∈ V~ ∩ W ⊂ (V~ ∩ W)~ ⊂ V~ ∩ U となる X の開集合 W がある。
(V~ ∩ W)~ は V~ における閉包であるが、V~ は閉集合だから
X における閉包でもある。
よって、(V ∩ W)~ を V ∩ W の X における閉包とすれば、
x ∈ V ∩ W ⊂ (V ∩ W)~ ⊂ (V~ ∩ W)~ ⊂ V~ ∩ U ⊂ U
即ち、
x ∈ V ∩ W ⊂ (V ∩ W)~ ⊂ U
即ち、x の閉近傍全体は x の基本近傍系になる。
証明終
703 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 10:48:22
命題
局所コンパクト空間 X の任意の点のコンパクト近傍全体は
その点の基本近傍系になる。
言い換えると、X の点 x と x ∈ U となる開集合 U に対して
開集合 V でその閉包 V~ がコンパクトであり、
x ∈ V ⊂ V~ ⊂ U となるものが存在する。
証明
>>702 の証明において、
x ∈ V ∩ W ⊂ (V ∩ W)~ ⊂ U
(V ∩ W)~ はコンパクト集合 V~ に含まれる閉集合だから
コンパクトである。
証明終
704 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 10:58:34
命題
X を局所コンパクト空間とする。
K を X のコンパクト部分集合とする。
K ⊂ U となる任意の開集合 U に対して
K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが
存在する。
証明
>>703 より、K の各点 x に対して開集合 V_x で
その閉包 (V_x)~ はコンパクトであり、
x ∈ V_x ⊂ (V_x)~ ⊂ U となるものが存在する。
K はコンパクトだから K ⊂ V_(x_1) ∪ . . . ∪ V_(x_n) となる
K の点 x_1, . . ., x_n がある。
V = V_(x_1) ∪ . . . ∪ V_(x_n)
とおけばよい。
証明終
705 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 11:16:11
補題 X と Y を位相空間とする。 A と B を X の閉集合で、X = A ∪ B とする。 f : X → Y を写像で、f|A と f|B は連続であるとする。 ここで、f|A と f|B はそれぞれ f の A と B への制限である。 このとき f は連続である。 証明 仮定から、Y の任意の閉集合 F に対して f^(-1)(F) ∩ A と f^(-1)(F) ∩ B は X の閉集合である。 よって f^(-1)(F) = (f^(-1)(F) ∩ A) ∪ (f^(-1)(F) ∩ B) も閉集合である。 よって、 f は連続である。 証明終
706 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 11:19:13
命題
X を局所コンパクト空間とする。
K を X のコンパクト部分集合とする。
>>703 より、
K ⊂ U となる任意の開集合 U に対して
K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが
存在する。
このとき、連続関数 f : X → [0, 1] で
K の上で 1、X - V~ で 0 となるものが存在する。
証明
V~ はコンパクトだから
>>664 より V~ は正規である。
Urysohnの補題(
>>668 )より、
連続関数 g : V~ → [0, 1] で
K の上で 1、V~ - V で 0 となるものが存在する。
f を V~ で g に一致し、X - V~ では 0 になる関数とする。
A = X - V とする。
X = A ∪ V~ である。
f は A においては定数 0 であり、V~ においては g と一致するから
V~ で連続である。
よって、
>>705 より f は連続である。
証明終
707 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 11:28:09
命題
局所コンパクト空間は完全正則(
>>94 )である。
証明
X を局所コンパクト空間とする。
X が
>>92 の性質 (CR) を満たすことを証明すればよい。
x を X の任意の点、A を X の閉集合で x を含まないとする。
{x} はコンパクトであるから、
>>706 より
連続関数 g : X → [0, 1] で、g(x) = 1
A の上で g = 0 となるものが存在する。
f = 1 - g とおけば
f は連続関数 f : X → [0, 1] で、f(x) = 0
A の上で f = 1 である。
証明終
708 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 11:57:14
定義
X を局所コンパクト空間とする。
X から実数体 R への連続関数でコンパクトな台(
>>671 )をもつもの全体を
K(X, R) と書く。
K(X, R) は誤解の恐れのない場合には略して K(X) と書く場合が多い。
709 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 12:13:49
補題
X を位相空間とし、E を実数体 R 上の線形空間とする。
f, g : X → E をそれぞれ任意の写像とし、α を任意の実数とする。
このとき、
Supp(f + g) ⊂ Supp(f) ∪ Supp(g)
Supp(αf) ⊂ Supp(f)
となる。
ここで、記号 Supp については
>>671 を参照。
証明
f(x) = 0, g(x) = 0 なら f(x) + g(x) = 0 である。
よって、
{x ∈ X | f(x) + g(x) ≠ 0}
⊂ {x ∈ X | f(x) ≠ 0} ∪ {x ∈ X | g(x) ≠ 0 }
よって、
Supp(f + g) ⊂ Supp(f) ∪ Supp(g)
α を任意の実数とする。
f(x) = 0 なら αf(x) = 0 である。
よって、
{x ∈ X | αf(x) ≠ 0} ⊂ {x ∈ X | f(x) ≠ 0}
よって、
Supp(αf) ⊂ Supp(f)
証明終
710 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 12:14:58
命題
X を局所コンパクト空間とする。
K(X, R) (
>>708 ) は R 上の線形空間である。
証明
>>709 より明らかである。
711 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 12:38:26
命題
X を局所コンパクト空間とする。
K(X) (
>>708 ) の各元 f は有界である。
さらに、f は X のある点で最大値をもつ。
同様に、f は X のある点で最小値をもつ。
証明
A = Supp(f) とおく。
f(X) = f(A) ∪ {0}
または
f(X) = f(A)
である。
A はコンパクトであるから f(A) もコンパクトである。
よって、f(X) もコンパクトであり有界である。
f(X) は閉集合だから sup f(x) ∈ f(X), inf f(x) ∈ f(X)
となる。
よって
f は X のある点で最大値をもち、X のある点で最小値をもつ。
証明終
712 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 12:41:55
定義
X を局所コンパクト空間とする。
K(X) (
>>708 ) の元 f に対して
|f|_b = sup{|f(x)| | x ∈ X } と書く。
>>711 より |f|_b は有限である。
明らかに |f|_b は線形空間 K(X) のノルム(過去スレ006の561)である。
713 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13:03:17
定義 X を局所コンパクト空間とする。 K+(X) = {f ∈ K(X, R) | f ≧ 0 } と書く。
714 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13:08:25
定義
X を局所コンパクト空間とする。
K(X, R) 8
>>708 ) から R への(必ずしも連続とは限らない)線形写像 L で
f ≧ 0 なら L(f) ≧ 0 となるもの全体を M+(X) と書く。
715 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13:09:28
>>714 を次のように修正する。
定義
X を局所コンパクト空間とする。
K(X, R) (
>>708 ) から R への (必ずしも連続とは限らない) 線形写像 L で
f ≧ 0 なら L(f) ≧ 0 となるもの全体を M+(X) と書く。
716 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13:22:44
補題
L を M+(X) (
>>715 ) の元とする。
K(X, R) (
>>708 ) の任意の元 f に対して
|L(f)| ≦ L(|f|) である。
証明
-|f| ≦ f ≦ |f| より、
L の線形性と正値性を使って、
-L(|f|) ≦ L(f) ≦ L(|f|) となる。
即ち、
|L(f)| ≦ L(|f|) である。
証明終
717 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13:38:46
命題
L を M+(X) (
>>715 ) の元とする。
K を X の任意のコンパクト部分集合とする。
K のみによって決まる定数 M(K) ≧ 0 が存在し、
Supp(f) ⊂ K なら
|L(f)| ≦ M(K)|f|_b
ここで、|f|_b は f のノルムである(
>>712 )。
証明
>>706 より、連続関数 h : X → [0, 1] で
コンパクトな台を持ち、K の上で 1 となるものが存在する。
h ∈ K+(X) である。
Supp(f) ⊂ K だから、
|f| ≦ (|f|_b)h
よって、
L(|f|) ≦ (|f|_b)L(h)
>>716 より
|L(f)| ≦ L(|f|)
よって
|L(f)| ≦ (|f|_b)L(h)
M(K) = L(h) とすればよい。
証明終
718 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 13:42:12
命題
X をコンパクト空間とする。
M+(X) (
>>715 ) の任意の元 L は K(X) のノルム | |_b に関して
連続である。
証明
>>717 より明らかである。
719 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 14:03:02
X を局所コンパクト空間とする。
M+(X) (
>>715 ) の任意の元 L を固定する。
K を X の任意のコンパクト部分集合とする。
>>706 より、連続関数 h : X → [0, 1] で
コンパクトな台を持ち、K の上で 1 となるものが存在する。
h ∈ K+(X) である。
従って、集合 {f ∈ K+(X) | f ≧ χ_K} は空ではない。
ここで、χ_K は K の特性関数である。
μ(K) = inf { L(f) | f ≧ χ_K} と書く。
720 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 14:16:16
命題
>>719 において、
(1) 0 ≦ μ(K) < +∞
(2) K_1 ⊂ K_2 なら μ(K_1) ⊂ μ(K_2)
(3) μ(K_1 ∪ K_2) ≦ μ(K_1) + μ(K_2)
(4) K_1 ∩ K_2 = φ なら μ(K_1 ∪ K_2) = μ(K_1) + μ(K_2)
証明
(1) と (2) は自明である。
(3) と (4) は別々に証明する。
721 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16:01:55
>>720 の (3) の証明
任意の ε > 0 に対して
f_1 ≧ χ_(K_1)
L(f_1) < μ(K_1) + ε
f_2 ≧ χ_(K_1)
L(f_2) < μ(K_2) + ε
となる K+(X) の元 f_1 と f_2 がある。
f_1 + f_2 ≧ χ_(K_1 ∪ K_2)
であるから
μ(K_1 ∪ K_2) ≦ L(f_1 + f_2) < μ(K_1) + μ(K_2) + 2ε
よって、
μ(K_1 ∪ K_2) ≦ μ(K_1) + μ(K_2)
証明終
722 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16:13:37
>>720 の (4) の証明
任意の ε > 0 に対して
f ≧ χ_(K_1 ∪ K_2)
L(f) < μ(K_1 ∪ K_2) + ε
となる f ∈ K+(X) がある。
>>706 より、連続関数 h : X → [0, 1] で
コンパクトな台を持ち、K_1 の上で 1 となり、
K_2 の上で 0 となるものが存在する。
f_1 = fh とおく。
f_1 ∈ K+(X) で f_1 ≧ χ_(K_1) である。
f_2 = f - f_1 とおく。
f_2 ∈ K+(X) で f_2 ≧ χ_(K_2) である。
f = f_1 + f_2 であるから
μ(K_1) + μ(K_2) ≦ L(f_1) + L(f_2) = L(f) < μ(K_1 ∪ K_2) + ε
よって
μ(K_1) + μ(K_2) ≦ μ(K_1 ∪ K_2)
>>720 の (3) と合わせて
μ(K_1 ∪ K_2) = μ(K_1) + μ(K_2)
証明終
723 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16:20:45
定義
X を局所コンパクト空間とする。
X のコンパクトな部分集合全体を Γ(X) と書く。
Γ(X) から R への写像 μ で
>>720 の (1) 〜 (4) を満たすものを
容量(content)と言う。
724 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16:28:47
定義 X を局所コンパクト空間とする。 X の部分集合 A は X のコンパクトな部分集合 K が存在して A ⊂ K となるとき有界と言う。 コンパクトな部分集合の可算列 (K_n), n ≧ 0 が存在して A ⊂ ∪K_n となるとき A は σ-有界と言う。
725 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16:37:09
X を局所コンパクト空間とする。
X の容量(
>>723 ) μ を一つ選び、固定する。
σ-有界(
>>724 )な開集合 U に対して
μ(U) = sup {μ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U }
と書く。
U がコンパクトな開集合であれば、明らかに μ(U) = μ(K) であるから
この定義は矛盾しない。
726 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 16:49:51
命題
>>725 の条件を仮定する。
U, U_n, n = 0, 1, 2, . . . は σ-有界(
>>724 )な開集合とする。
(1) 0 ≦ μ(U) ≦ +∞
(2) U が有界なら μ(U) < +∞
(3) U_1 ⊂ U_2 なら μ(U_1) ⊂ μ(U_2)
(4) μ(∪U_n) ≦ Σμ(U_n)
(5) i ≠ j なら U_i ∩ U_j = φ なら
μ(∪U_n) = Σμ(U_n)
証明
(1) は明らかである。
(2)
U が有界なら U ⊂ K となるコンパクト集合 K がある。
K_1 がコンパクトで K_1 ⊂ U なら K_1 ⊂ K だから
μ(K_1) ≦ μ(K_2) < +∞
よって、
μ(U) ≦ μ(K_2) < +∞
(3) は明らかである。
(4) と (5) は別々に証明する。
727 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 17:22:31
補題
X を局所コンパクト空間とする。
K を X のコンパクトな部分集合とする。
K ⊂ U_1 ∪ U_2 となる X の開集合 U_1, U_2 があるとする。
K = K_1 ∪ K_2
K_1 ⊂ U_1
K_2 ⊂ U_2
となるコンパクトな K_1, K_2 が存在する。
証明
A = K - U_1 と B = K - U_2 は交わらず、それぞれコンパクトである。
A ⊂ X - B だから
>>704 より A ⊂ U_3 ⊂ (U_3)~ ⊂ X - B となる
開集合 U_3 がある。
U_4 = X - (U_3)~ とすれば
B ⊂ U_4 で U_3 ∩ U_4 = φ である。
K_1 = K - U_3
K_2 = K - U_4
とすれば
K = K_1 ∪ K_2 となり(何故なら U_3 ∩ U_4 = φ)、
K_1 ⊂ U_1 となり(何故なら K - U_1 = A ⊂ U_3)、
K_2 ⊂ U_2 となる(何故なら K - U_2 = B ⊂ U_4)。
証明終
728 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 17:38:03
>>726 の (4) の証明
まず
μ(U_1 ∪ U_2) ≦ μ(U_1) + μ(U_2) を証明する。
K ⊂ U_1 ∪ U_2 となる任意のコンパクトな K に対して、
>>727 より
K = K_1 ∪ K_2
K_1 ⊂ U_1
K_2 ⊂ U_2
となるコンパクトな K_1, K_2 が存在する。
μ(K) ≦ μ(K_1) + μ(K_2) ≦ μ(U_1) + μ(U_2)
よって、μ(K) の sup をとって、
μ(U_1 ∪ U_2) ≦ μ(U_1) + μ(U_2)
これから、任意の有限列 U_1, . . . , U_n に対して
μ(U_1 ∪ . . . ∪ U_n) ≦ μ(U_1) + . . . + μ(U_n)
無限列 (U_n) に対しては、ある m が存在して
K ⊂ ∪U_n となる任意のコンパクトな K に対して、
K ⊂ U_1 ∪ . . . ∪ U_m となる。
μ(K) ≦ μ(U_1 ∪ . . . ∪ U_m)
≦ μ(U_1) + . . . + μ(U_m)
≦ Σμ(U_n)
よって、μ(K) の sup をとって、
μ(∪U_n) ≦ Σμ(U_n)
証明終
729 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 17:49:42
>>728 n が 1 から始まっているが、番号を付け替えれば同じことだろう。
730 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18:07:40
>>726 の (5) の証明
ある m に対して μ(U_m) = +∞ なら
U_m ⊂ ∪U_n だから μ(∪U_n) = +∞ となる。
Σμ(U_n) = +∞ だから μ(∪U_n) = Σμ(U_n)
よって、各 n に対して μ(U_n) < +∞ としてよい。
任意の ε > 0 と各 n に対して
μ(U_n) < μ(K_n) + ε/2^n
となるコンパクトな K_n がある。
Σ1/2^n = 1 + 1/2 + 1/4 + . . . = 1/(1 - 1/2) = 2
よって Σε/2^n = 2ε
i ≠ j なら K_i ∩ K_j = φ だから
>>720 の (4) より、
μ(U_0) + . . . + μ(U_m) < μ(K_0) + . . . + μ(K_m) + 2ε
= μ(K_0 ∪ . . . ∪ K_m) + 2ε ≦ μ(∪U_n) + 2ε
m → ∞ として
Σμ(U_n) ≦ μ(∪U_n) + 2ε
ε > 0 は任意だから
Σμ(U_n) ≦ μ(∪U_n)
逆向きの不等号は
>>728 で証明済みだから
μ(∪U_n) = Σμ(U_n)
証明終
731 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18:15:26
このあたり現代数学概説 II ( 岩波書店) を参考にしている。 しかし Halmos とだぶっている箇所もある。 局所コンパクト空間における Riesz の表現定理に関しては 現代数学概説 II と Halmos は方法がほとんど同じである。 しかし、現代数学概説 II のほうがややわかりやすいと思う。
732 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18:24:46
命題
X を局所コンパクト空間とする。
X のσ-有界(
>>724 )な部分集合全体 Ψ は σ-集合環(
>>197 )である。
証明
明らかだろう。
733 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18:31:44
命題
X を局所コンパクト空間とする。
A を X の任意のσ-有界(
>>724 )な部分集合とする。
A ⊂ U となる σ-有界な開集合 U が存在する。
証明
K を X の任意のコンパクト集合とする。
A はσ-有界だから、コンパクトな部分集合の可算列 (K_n), n ≧ 0 が
存在して A ⊂ ∪K_n となる。
>>703 より、各 n に対して、
K_n ⊂ U_n ⊂ (U_n)~ となる開集合 U_n で (U_n)~ がコンパクトと
なるものが存在する。
U = ∪U_n が求めるものである。
証明終
734 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18:37:07
>>725 の条件を仮定する。
>>732 より、X のσ-有界(
>>724 )な部分集合全体 Ψ は
σ-集合環(
>>197 )である。
A ∈ Ψ に対して
μ^*(A) = inf {μ(U) | A ⊂ U, U はσ-有界な開集合}
と定義する。
>>733 より {μ(U) | A ⊂ U, U はσ-有界な開集合} は空でない。
735 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 18:46:56
残念なことに
>>734 の μ^* は測度(
>>316 )とは限らない。
この μ^* の定義域を狭めて測度を構成するのが Caratheodory の
方法(の一種)である。
736
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
761 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 20:37:23
命題
>>734 の条件を仮定する。
A, B, A_n, n = 0, 1, 2, . . . は σ-有界(
>>724 )な部分集合とする。
(1) 0 ≦ μ^*(A) ≦ +∞
(2) μ^*(φ) = 0
(3) A ⊂ B なら μ^*(A) ⊂ μ^*(B)
(4) μ^*(∪A_n) ≦ Σμ^*(A_n)
証明
(1) は明らかである。
(2)
>>720 の (4) より μ(φ) = μ(φ) + μ(φ)
>>720 の (1) より μ(φ) < +∞
であるから
μ(φ) = 0 である。
よって μ^*(φ) = 0 である。
(3)
B ⊂ U, U はσ-有界な開集合とする。
A ⊂ U だから
μ^*(A) ≦ μ(U) である。
右辺の inf をとって
μ^*(A) ≦ μ^*(B)
(4) の証明は別にする。
y
z
764 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 20:51:45
>>761 の (4) の証明
ある m に対して μ^*(A_m) = +∞ なら
A_m ⊂ ∪A_n だから
>>761 の (3) より μ^*(∪A_n) = +∞ となる。
Σμ^*(A_n) = +∞ だから μ^*(∪A_n) = Σμ^*(A_n)
よって、各 n に対して μ^*(A_n) < +∞ としてよい。
任意の ε > 0 と各 n に対して
μ(U_n) < μ^*(A_n) + ε/2^n
A_n ⊂ U_n となるσ-有界な開集合 U_n がある。
Σ1/2^n = 1 + 1/2 + 1/4 + . . . = 1/(1 - 1/2) = 2
よって Σε/2^n = 2ε
∪A_n ⊂ ∪U_n だから
>>726 の (4) より
μ^*(∪A_n) ≦ μ(∪U_n) ≦ Σμ(U_n) ≦ Σμ^*(A_n) + 2ε
ε > 0 は任意だから
μ^*(∪A_n) ≦ Σμ(A_n)
証明終
a
766 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 21:03:11
定義
集合 X の上の σ-集合環(
>>197 ) Ψ が、条件
A ∈ Ψ, B ⊂ A なら B ∈ Ψ
を満たすとする。
Ψ から補完数直線 R~ (
>>7 ) への写像 μ^* が次の条件を満たすとき
μ^* を外測度と言う。
A, B, A_n, n = 0, 1, 2, . . . は Ψ に属す集合とする。
(1) 0 ≦ μ^*(A) ≦ +∞
(2) μ^*(φ) = 0
(3) A ⊂ B なら μ^*(A) ⊂ μ^*(B)
(4) μ^*(∪A_n) ≦ Σμ^*(A_n) (劣加法性)
767 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 22:15:43
定義 集合 X の部分集合からなる集合 Ψ が、条件 A ∈ Ψ, B ⊂ A なら B ∈ Ψ を満たすとする。 このとき、Ψ を遺伝的であると言う。
768 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 22:25:01
定義
Ψ を集合 X 上の遺伝的(
>>767 )なσ-集合環(
>>197 )とする。
μ^* を Ψ で定義された外測度(
>>766 )とする。
E ∈ Ψ が任意の A ∈ Ψ に対して
μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
となるとき、E を (μ^*)-可測と言う。
ここで、E^c は E の補集合 X - A を表す。
769 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 22:35:21
測度論の初期の段階において、
>>768 のこの定義が一番わかりにくいと
思う。
高木の解析概論では、R^n における Lebesgue 積分の場合にある程度
納得のいく説明をしている。
しかし、積分を使う立場からは、この定義を鵜呑みにして先に進むのが
得策だろう。
770 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 22:59:43
命題
Ψ を集合 X 上の遺伝的(
>>767 )なσ-集合環(
>>197 )とする。
μ^* を Ψ で定義された外測度(
>>766 )とする。
E と F が (μ^*)-可測(
>>768 )なら E ∪ F も (μ^*)-可測である。
証明(Halmos)
任意の A ∈ Ψ に対して
(1) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
(2) μ^*(A ∩ E) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c)
(3) μ^*(A ∩ E^c) = μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
である。
(1) の右辺に (2) と (3) を代入して、
(4) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c)
+ μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
(4) の A を A ∩ (E ∪ F) で置き換えると、右辺の最後の項が消えて、
(5) μ^*(A ∩ (E ∪ F)) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c)
+ μ^*(A ∩ E^c ∩ F)
(4) の右辺に (5) を代入して、
(6) μ^*(A) = μ^*(A ∩ (E ∪ F)) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
= μ^*(A ∩ (E ∪ F)) + μ^*(A ∩ (E ∪ F)^c)
よって E ∪ F は (μ^*)-可測である。
証明終
771 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23:17:59
>>770 の別証(高木)
任意の A ∈ Ψ に対して
(1) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
(2) μ^*(A ∩ E^c) = μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
よって、
(3) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F)
+ μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
(1) の A を A ∩ (E ∪ F) に置き換えて、
μ^*(A ∩ (E ∪ F)) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F)
(3) から
μ^*(A) = μ^*(A ∩ (E ∪ F)) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
証明終
772 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23:19:27
773 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23:33:29
命題
Ψ を集合 X 上の遺伝的(
>>767 )なσ-集合環(
>>197 )とする。
μ^* を Ψ で定義された外測度(
>>766 )とする。
E と F が (μ^*)-可測(
>>768 )なら E - F も (μ^*)-可測である。
証明
任意の A ∈ Ψ に対して
>>770 の
(4) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c)
+ μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
が成り立つ。
A を A ∩ (E - F)^c = A ∩ (E^c ∪ F) に置き換えると、
μ^*(A ∩ (E - F)^c) = μ^*(A ∩ E ∩ F)
+ μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
これを (4) に代入して、
μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F^c) + μ^*(A ∩ (E - F)^c)
よって、E - F は (μ^*)-可測である。
証明終
774 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23:48:36
>>773 の別証(高木の
>>771 を応用)
任意の A ∈ Ψ に対して、
>>771 の
(3) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F)
+ μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
が成り立つ。
A を A ∩ (E - F)^c = A ∩ (E^c ∪ F) に置き換えると、
μ^*(A ∩ (E - F)^c) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F)
+ μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
μ^*(A ∩ E) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c)
だから (3) より
μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F^c) + μ^*(A ∩ (E - F)^c)
証明終
775 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/07(金) 23:54:01
>>770 の
(4) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c)
+ μ^*(A ∩ E^c ∩ F) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
と
>>771 の
(3) μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c ∩ F)
+ μ^*(A ∩ E^c ∩ F^c)
は、ほとんど同じことに気づいた。
何故なら、
μ^*(A ∩ E) = μ^*(A ∩ E ∩ F) + μ^*(A ∩ E ∩ F^c)
776 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 00:28:07
補題
Ψ を集合 X 上の遺伝的(
>>767 )なσ-集合環(
>>197 )とする。
μ^* を Ψ で定義された外測度(
>>766 )とする。
E_1, . ., E_n が (μ^*)-可測(
>>768 )で
i ≠ j のとき E_i ∩ E_j = φ とする。
S_n = E_1 ∪ . . . ∪ E_n とおく。
任意の A ∈ Ψ に対して
μ^*(A)
= μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ (S_n)^c)
証明
n に関する帰納法を使う。
n = 1 のときは
μ^*(A) = μ^*(A ∩ E_1) + μ^*(A ∩ (E_1)^c) だからよい。
μ^*(A)
= μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ (S_n)^c)
が成り立つとする。
μ^*(A ∩ (S_n)^c)
= μ^*(A ∩ (S_n)^c ∩ E_(n+1)) + μ^*(A ∩ (S_n)^c ∩ E_(n+1)^c)
= μ^*(A ∩ E_(n+1)) + μ^*(A ∩ (S_(n+1))^c)
μ^*(A)
= μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_(n+1))
+ μ^*(A ∩ (S_(n+1))^c)
証明終
777 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 00:49:00
命題
Ψ を集合 X 上の遺伝的(
>>767 )なσ-集合環(
>>197 )とする。
μ^* を Ψ で定義された外測度(
>>766 )とする。
(E_n), n = 1, 2, ... を (μ^*)-可測(
>>768 )な集合列で、
i ≠ j のとき E_i ∩ E_j = φ とする。
E = ∪E_n とおく。
E は (μ^*)-可測であり、
μ^*(E) = Σμ^*(E_n) となる。
さらに、任意の A ∈ Ψ に対して
μ^*(A ∩ E) = Σμ^*(A ∩ E_n) となる。
証明
任意の A ∈ Ψ に対して、
>>776 より
μ^*(A)
= μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ (S_n)^c)
≧ μ^*(A ∩ E_1) + ... + μ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ E^c)
n は任意だから μ^* の劣加法性(
>>766 の (4))より、
μ^*(A) ≧ Σμ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ E^c)
≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
逆向きの不等式は μ^* の劣加法性より成り立つから
μ^*(A) = Σμ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ E^c)
= Σμ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
よって E は (μ^*)-可測である。
μ^*(A) = Σμ^*(A ∩ E_n) + μ^*(A ∩ E^c)
の A を A ∩ E で置き換えれば
μ^*(A ∩ E) = Σμ^*(A ∩ E_n)
この A を E で置き換えれば
μ^*(E) = Σμ^*(E_n)
証明終
778 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 01:09:02
命題
Ψ を集合 X 上の遺伝的(
>>767 )なσ-集合環(
>>197 )とする。
μ^* を Ψ で定義された外測度とする。
(μ^*)-可測(
>>768 )な集合全体 Φ は σ-集合環であり、
μ^* を Φ に制限したものは Φ における測度(
>>316 )である。
証明
E が空集合なら、任意の A ∈ Ψ に対して
μ^*(A) = μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
よって、空集合は (μ^*)-可測である。
よって、
>>770 と
>>773 より Φ は集合環(
>>189 )である。
(A_n), n = 1, 2, ... を (μ^*)-可測な集合列とする。
E_1 = A_1
E_2 = A_2 - A_1
一般に、
E_n = A_n - (A_1 ∪ . . . ∪ A_(n-1))
とおく。
各 E_n は (μ^*)-可測であり、
∪E_n = ∪A_nで、 n ≠ m のとき E_n と E_m は交わらない。
よって、
>>777 より ∪A_n は (μ^*)-可測である。
よって、Φ は σ-集合環である。
>>776 の (2) より μ^*(φ) = 0 であるから、
>>777 より μ^* を Φ に制限したものは Φ における測度である。
証明終
779 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 01:16:26
定義 測度空間 (X, Φ, μ) が完備とは、任意の零集合のすべての部分集合が 零集合となることを言う。
780 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 01:18:58
定義
Ψ を集合 X 上の遺伝的(
>>767 )なσ-集合環(
>>197 )とする。
μ^* を Ψ で定義された外測度とする。
>>778 より、
(μ^*)-可測(
>>768 )な集合全体 Φ は σ-集合環であり、
μ^* を Φ に制限したものは Φ における測度(
>>316 )である。
この測度を外測度 μ^* により誘導された測度と言う。
781 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 01:31:35
命題
Ψ を集合 X 上の遺伝的(
>>767 )なσ-集合環(
>>197 )とする。
μ^* を Ψ で定義された外測度とする。
外測度 μ^* により誘導された測度(
>>780 )は完備(
>>779 )である。
証明
E ∈ Ψ で、μ^*(E) = 0 とする。
任意の A ∈ Ψ に対して、μ^*(A ∩ E) = 0 であるから
μ^*(A) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
よって、E は (μ^*)-可測である。
F ∈ Ψ で F ⊂ E なら μ^*(F) = 0 である。
よって F は (μ^*)-可測である。
証明終
782 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 02:49:34
訂正
>>781 >F ∈ Ψ で F ⊂ E なら μ^*(F) = 0 である。
Ψ は遺伝的(
>>767 )だから F ⊂ E なら F ∈ Ψ で μ^*(F) = 0 である。
Ψ が遺伝的であることを使っているのは今のところ
ここだけである。
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
809 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 07:41:37
定義
X を局所コンパクト空間とする。
>>732 より、X のσ-有界(
>>724 )な部分集合全体 Ψ は
σ-集合環(
>>197 )である。
明らかに Ψ は遺伝的(
>>767 )である。
μ を X の容量(
>>723 ) とする。
開集合 U ∈ Ψ に対して
μ(U) = sup {μ(K) | K はコンパクトで K ⊂ U }
と書き、
A ∈ Ψ に対して
μ^*(A) = inf {μ(U) | A ⊂ U, U はσ-有界な開集合}
と書く。
>>761 より μ^* は Ψ で定義された外測度(
>>766 )である。
μ^* を容量 μ から誘導された外測度と言う。
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
836 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 10:41:59
定義
X を局所コンパクト空間とする。
X のコンパクトな部分集合全体で生成されるσ-集合環(
>>197 )に属す
集合を狭義の Borel 集合と言う。
837 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 10:49:09
命題
X を局所コンパクト空間とする。
X の狭義の Borel 集合(
>>836 )はσ-有界(
>>724 )である。
証明
>>732 より、X のσ-有界(
>>724 )な部分集合全体 Ψ は
σ-集合環(
>>197 )である。
Ψ は X の全てのコンパクト集合を含むから全ての狭義の Borel 集合を
含む。
証明終
838 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 11:00:42
命題
X を局所コンパクト空間とする。
X のσ-有界(
>>724 )な開集合は狭義の Borel 集合(
>>836 )である。
証明
U をσ-有界な開集合する。
(K_n), n = 0, 1, 2, . . . をコンパクト集合列とし、
U ⊂ ∪K_n とする。
U = ∪(U ∩ K_n) である。
K_n - (U ∩ K_n) = K_n - U はコンパクトであるから、
U ∩ K_n = K_n - (K_n - U) は狭義の Borel 集合である。
よって、U も狭義の Borel 集合である。
証明終
839 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 11:02:31
命題
X を局所コンパクト空間とする。
X のσ-有界(
>>724 )な閉集合は狭義の Borel 集合(
>>836 )である。
証明
F をσ-有界な閉集合する。
(K_n), n = 0, 1, 2, . . . をコンパクト集合列とし、
F ⊂ ∪K_n とする。
F = ∪(F ∩ K_n) である。
F ∩ K_n はコンパクトであるから、
F は狭義の Borel 集合である。
証明終
k
841 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 11:10:15
定義
X を局所コンパクト空間とする。
X の狭義の Borel 集合(
>>836 )全体を Ψ とする。
Ψ に関して可測(
>>213 ) な関数を狭義の Borel 可測であると言う。
842 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 11:11:31
定義
X を局所コンパクト空間とする。
X の狭義の Borel 集合(
>>836 )全体で定義される測度 μ は
コンパクトな K に対して常に μ(K) < +∞ であるとき
狭義の Borel 測度と言う。
i
844 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 11:27:02
定義
X を局所コンパクト空間とする。
X の狭義の Borel 集合(
>>836 )全体を Ψ とする。
μ を狭義の Borel 測度(
>>842 )とする。
狭義の Borel 集合 E ∈ Ψ は
μ(E) = inf {μ(U) | E ⊂ U, 開集合 U ∈ Ψ}
となるとき、(μ に関して)外正則(outer regular)という。
μ(E) = sup {μ(K) | K ⊂ E, コンパクト集合 K ∈ Ψ}
となるとき、(μ に関して)内正則(inner regular)という。
E は外正則かつ内正則なとき正則(regular)であると言う。
全ての狭義の Borel 集合が正則なとき μ を正則と言う。
845 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 17:05:38
>>844 の補足。
全ての狭義の Borel 集合が外正則なとき μ を外正則と言う。
全ての狭義の Borel 集合が内正則なとき μ を内正則と言う。
846 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 18:44:22
命題
X を局所コンパクト空間とする。
μ を X の容量(
>>723 ) とし、
μ^* を容量 μ から誘導された外測度(
>>809 )とする。
任意のσ-有界な開集合 U に対して
μ^*(U) = μ(U) である。
証明
定義(
>>734 )より、
μ^*(U) = inf {μ(V) | U ⊂ V, V はσ-有界な開集合}
である。
これから明らかである。
証明終
847 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 19:11:44
命題
X を局所コンパクト空間とする。
μ を X の容量(
>>723 ) とし、
μ^* を容量 μ から誘導された外測度(
>>809 )とする。
σ-有界(
>>724 )な集合 E が (μ^*)-可測(
>>768 )であるためには
任意のσ-有界な開集合 U に対して
μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c)
となることが必要十分である。
証明
必要性は明らかである。
A をσ-有界な集合とする。
A ⊂ U となる任意のσ-有界な開集合 U に対して、
仮定より、
μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c)
>>846 より μ^*(U) = μ(U) だから
μ(U) ≧ μ^*(U ∩ E) + μ^*(U ∩ E^c)
≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
μ^*(A) = inf μ(U) だから
μ^*(A) ≧ μ^*(A ∩ E) + μ^*(A ∩ E^c)
逆向きの不等号は μ^* の劣加法性(
>>766 )から出る。
よって、E は (μ^*)-可測である。
証明終
848 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 20:58:59
命題
X を局所コンパクト空間とする。
μ を X の容量(
>>723 ) とし、
μ^* を容量 μ から誘導された外測度(
>>809 )とする。
X の任意のコンパクト集合は (μ^*)-可測(
>>768 )である。
証明
K をコンパクト集合とする。
>>847 より、任意のσ-有界な開集合 U に対して
μ^*(U) ≧ μ^*(U ∩ K) + μ^*(U - K)
を示せばよい。
K_1 ⊂ U - K となるコンパクト集合をとり
K_2 ⊂ U - K_1 となるコンパクト集合をとる。
U - K と U - K_1 はともに σ-有界な開集合である。
K_1 ∩ K_2 = φ
K_1 ∪ K_2 ⊂ U
μ^*(U) = μ(U) ≧ μ(K_1 ∪ K_2) = μ(K_1) + μ(K_2)
μ(K_2) の sup をとれば
μ^*(U) ≧ μ(K_1) + μ^*(U - K_1)
U ∩ K ⊂ U - K_1 だから
μ(U) ≧ μ(K_1) + μ^*(U ∩ K)
μ(K_1) の sup をとれば
μ(U) ≧ μ^*(U - K) + μ^*(U ∩ K)
証明終
849 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 21:31:03
命題
X を局所コンパクト空間とする。
μ を X の容量(
>>723 ) とし、
μ^* を容量 μ から誘導された外測度(
>>809 )とする。
U を開集合 U でその閉包 U~ がコンパクトなものとする。
このとき、
μ^*(U) ≦ μ(U~)
証明
K ⊂ U となる任意のコンパクト集合 K をとる。
μ(K) ≦ μ(U~) である。
μ(K) の sup をとると、
μ(U) = μ^*(U) ≦ μ(U~)
証明終
850 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 21:32:41
命題
X を局所コンパクト空間とする。
μ を X の容量(
>>723 ) とし、
μ^* を容量 μ から誘導された外測度(
>>809 )とする。
>>778 より、
(μ^*)-可測(
>>768 )な集合全体 Φ は σ-集合環であり、
μ^* を Φ に制限したものは Φ における測度(
>>316 )である。
>>848 より Φ は狭義の Borel 集合(
>>836 )全体 Γ を含む。
このとき、μ^* を Γ に制限したものは
狭義の Borel 測度(
>>842 )である。
即ち、任意のコンパクト集合 K に対して、
μ^*(K) < +∞ である。
証明
>>704 より、
K ⊂ U ⊂ U~ となる開集合 U でその閉包 U~ がコンパクトな
ものがある。
>>849 より、
μ^*(K) ≦ μ^*(U) ≦ μ(U~) < +∞
証明終
851 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 21:34:57
>>850 μ が一般の容量(
>>723 )のとき、
μ^*(K) = μ(K) とは限らないことに注意する。
852 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 21:40:31
>>850 狭義の Borel 集合(
>>836 )全体を Γ と書いたが、
Γ は
>>723 で別の意味に使っていた。
したがって、今後、狭義の Borel 集合(
>>836 )全体を表す文字として
Γ は使わないことにする。
853 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/08(土) 22:59:52
補題
μ を狭義の Borel 測度(
>>842 )とする。
有界な狭義の Borel 集合がすべて外正則(
>>845 )であれば
それらは内正則(
>>845 )でもある。
証明
A を有界な狭義の Borel 集合とする。
A ⊂ K となるコンパクトな K がある。
K - A は外正則だから、任意の ε > 0 に対して
K - A ⊂ U となる開集合 U ∈ Ψ で
μ(U) < μ(K - A) + ε
となるものがある。
μ(A) - μ(K - U) = μ(A - (K - U)) = μ(A ∩ U)
≦ μ(U - (K - A)) = μ(U) - μ(K - A) < ε
K - U ⊂ A で K - U はコンパクトだから A は内正則である。
証明終
854 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 00:08:48
命題
μ を狭義の Borel 測度(
>>842 )とする。
有界な狭義の Borel 集合がすべて外正則(
>>845 )であれば
μ は内正則(
>>845 )である。
証明
A を狭義の Borel 集合とする。
>>837 より A はσ-有界だから
コンパクトな部分集合の可算列 (K_n), n ≧ 1 が存在して
A ⊂ ∪K_n となる。
A_1 = A ∩ K_1
n ≧ 2 のとき
A_n = A ∩ (K_n - (K_1 ∪ . . . K_(n-1))) とおけば
A = ∪A_n で、i ≠ j のとき A_i ∩ A_j = φ ある。
>>853 より各 A_n は内正則(
>>845 )であるから、
任意の ε > 0 に対して
C_n ⊂ A_n
μ(A_n) < μ(C_n) + ε/2^n となるコンパクトな C_n がある。
C = ∪A_n とおく。
μ(A) = Σμ(A_n) ≦ Σμ(C) + ε = μ(C) + ε
ε → 0 とすれば
μ(A) ≦ μ(C)
即ち
μ(A) = μ(C)
よって
μ(A) = lim μ(C_1 ∪. . . ∪ C_n)
よって A は内正則である。
証明終
855 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 00:17:59
定義
X を局所コンパクト空間とする。
μ を X の容量(
>>723 ) とし、
μ^* を容量 μ から誘導された外測度(
>>809 )とする。
>>850 より、μ^* を狭義の Borel 集合(
>>836 )全体に制限したものは
狭義の Borel 測度(
>>842 )である。
この測度を容量 μ から誘導された狭義の Borel 測度という。
856 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 00:28:34
命題
X を局所コンパクト空間とする。
X の容量(
>>723 ) μ から誘導された狭義の Borel 測度(
>>855 )は
正則(
>>844 )である。
証明
μ^* を容量 μ から誘導された外測度(
>>809 )とする。
定義(
>>808 )から狭義の Borel 集合 A に対して
μ^*(A) = inf {μ(U) | A ⊂ U, U はσ-有界な開集合}
である。
>>846 より μ^*(U) = μ(U) である。
即ち μ^* は外正則である。
>>854 より μ^* は内正則である。
証明終
a
b
c
d
e
f
g
h
i
k i n g 氏 ね
j
k
l
i n g
m
n
Kummer 乙
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
a
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
913 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 08:57:53
命題
μ を正則(
>>844 )な狭義の Borel 測度(
>>842 )とする。
μ(K) = inf {μ(L) | K ⊂ int(L) ⊂ L, L はコンパクト}
である。
ここで int(L) は L の内部を表す。
証明
μ は正則だから、
μ(K) = inf {μ(U) | K ⊂ U, U はσ-有界な開集合 U }
よって、任意の ε > 0 に対して
K ⊂ U となる σ-有界な開集合 U がある。
μ(U) < μ(K) + ε
>>703 より、
K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが
存在する。
μ(V~) ≦ μ(U) < μ(K) + ε
証明終
914 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 09:00:28
>>913 K は X の任意のコンパクト集合である。
915 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 09:01:56
定義
X を局所コンパクト空間とする。
X の容量(
>>723 ) μ が任意のコンパクト集合 K に対して
μ(K) = inf {μ(L) | K ⊂ int(L) ⊂ L, L はコンパクト}
となるとき、μ を正則であると言う。
916 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 09:19:07
>>913 を以下のように修正する。
命題
μ を正則(
>>844 )な狭義の Borel 測度(
>>842 )とする。
X の任意のコンパクト集合 K に対して、
μ(K) = inf {μ(L) | K ⊂ int(L) ⊂ L, L はコンパクト}
である。
ここで int(L) は L の内部を表す。
証明
μ は正則だから、
μ(K) = inf {μ(U) | K ⊂ U, U はσ-有界な開集合 U }
よって、任意の ε > 0 に対して
K ⊂ U となる σ-有界な開集合 U があり、
μ(U) < μ(K) + ε
>>703 より、
K ⊂ V ⊂ V~ ⊂ U となる開集合 V で V~ がコンパクトとなるものが
存在する。
μ(V~) ≦ μ(U) < μ(K) + ε
証明終
917 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 09:55:48
命題
X を局所コンパクト空間とする。
μ を X の容量(
>>723 ) とし、
μ^* を容量 μ から誘導された外測度(
>>809 )とする。
任意のコンパクト集合 K に対して
μ(K) ≦ μ^*(K)
証明
μ^*(K) = inf {μ(U) | K ⊂ U, U はσ-有界な開集合}
である。
K ⊂ U となるσ-有界な開集合 U に対して
μ(K) ≦ μ(U)
μ(U) の inf をとって
μ(K) ≦ μ^*(K)
証明終
918 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 10:09:15
命題
μ^* を容量(
>>723 ) μ から誘導された外測度(
>>809 )とする。
任意のコンパクト集合 K に対して μ(K) = μ^*(K) であるためには、
μ が正則(
>>915 )なことが必要十分である。
証明
条件が必要なことは
>>916 で証明されている。
μ が正則であるとする。
任意の ε > 0 に対して
K ⊂ U ⊂ U~ となる開集合 U で U~ がコンパクトとなるものがあり、
μ(U~) < μ(K) + ε
となる。
>>849 より
μ(U) ≦ μ(U~) < μ(K) + ε
μ^*(K) ≦ μ(U) だから
μ^*(K) < μ(K) + ε
ε > 0 は任意だから
μ^*(K) ≦ μ(K)
逆向きの不等式は
>>917 で証明されている。
証明終
919 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 11:26:25
容量(
>>723 )の例(Halmos)
R を実数体とする。
K を R のコンパクト集合とする。
0 ∈ K のとき μ(K) = 1
0 ∈ R - K のとき μ(K) = 0
と定義する。
μ が R の容量であることは容易に分かる。
μ が正則(
>>915 )なことも容易に分かる。
920 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 12:17:19
定義
X を局所コンパクト空間とする。
L を M+(X) (
>>715 ) の任意の元とする。
K を X の任意のコンパクト部分集合とする。
μ(K) = inf { L(f) | f ≧ χ_K, f ∈ K+(X) } と定義すると、
>>720 より μ は容量(
>>723 )である。
μ を L から誘導された容量と言う。
921 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 13:15:51
命題
X を局所コンパクト空間とする。
L を M+(X) (
>>715 ) の任意の元とする。
μ を L から誘導された容量(
>>920 )とすると、
μ は正則(
>>915 )である。
証明
任意の ε > 0 に対して
f ≧ χ_K となる f ∈ K+(X) があり、
L(f) < μ(K) + εとなる。
0 < α < 1 となる任意の実数 α に対して、
C = {x ∈ X | f(x) ≧ α} とおく。
C は閉集合で Supp(f) (
>>671 ) に含まれるからコンパクトである。
K ⊂ {x ∈ X | f(x) > α} ⊂ int(C) ⊂ C
となる。
ここで int(C) は C の内部である。
χ_C ≦ (1/α)f だから
μ(C) ≦ (1/α)L(f) < (1/α)(μ(K) + ε)
μ(K) + ε < μ(K) + 2ε だから
0 < (μ(K) + ε)/(μ(K) + 2ε) < 1
0 < (μ(K) + ε)/(μ(K) + 2ε) < α < 1
となる α をとれば、
(1/α)(μ(K) + ε) < μ(K) + 2ε
よって、μ(C) < μ(K) + 2ε
ε > 0 は任意だから、μ は正則(
>>915 )である。
証明終
|::| | |_|,,,,,|.....|--|::| | .| .| |:::| . |::| | |_|,,,,,|.....,;;;;;;;;;;;、‐''''''''""~~ ̄|:::| |::| | |. | | {;;;;;;;;;;;;;;}.: . .: . : .. .: |:::| |::| | | ̄| ̄| '::;;;;;;;;;::' . . :. . .: .: :|:::| |::| | | ̄|,r''''"~ ""''ヽ. : .: .: ..|:::| |::|,__!_--i' 'i,-――|:::| |::|―-- | 'i,二二|:::| |::|. ! i'> } . iュ |:::| -''" ̄~~"",.`! ; _ノ _,...、|:::| 'i, `'i'''―--―''''i'ニ-'" ノ// ̄~"" ヽ.i' "' '''"'; _/ // _,,..i'"':, ===`ゝ_,.i、_ _,;..-'"_// |\`、: i'、  ̄  ̄ ̄/,/ \\`_',..-i /,/ \|_,..-┘
Kummerびろーん びろろ〜ん べろーん びろんぬ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ | ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) /⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| / / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ .( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| / \ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ / / / ./ / ./ / ./ / | _つ / | _つ / | _つ / | _つ / | /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \ | / ) )| / ) )| / ) )| / ) ) ∪ ( \ ( \ ( \ ( \ \_) \_) \_) \_)
924 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 15:19:49
命題
X を局所コンパクト空間とする。
L を M+(X) (
>>715 ) の任意の元とする。
μ を L から誘導された容量(
>>920 )とし、
μ^* を μ から誘導された狭義の Borel 測度(
>>855 )とする。
U を有界(
>>724 )な開集合とし、f を K+(X) (
>>713 ) の元で
χ_U ≦ f とする。
このとき、
μ^*(U) ≦ L(f) である。
証明
K を K ⊂ U となるコンパクト集合とする。
χ_X ≦ f だから μ(K) ≦ L(f) である。
μ(K) の sup をとると
μ^*(U) ≦ L(f) である。
証明終
925 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 16:11:52
補題 n ≧ 1 を任意の整数とする。 区間 [0, 1] を定義域とする実数値関数 g_m, m = 1, 2, . . ., n を t ∈ [0, (m - 1)/n) のとき g(t) = 0 t ∈ [(m - 1)/n, m/n) のとき g(t) = t - (m - 1)/n t ∈ [m/n, 1] のとき g(t) = 1/n で定義する。 各 g_m は連続で、各 t ∈ [0, 1] で g_1(t) + . . . + g_n(t) = t である。 証明 各 g_m が連続なことは明らかである。 g_1(t) + . . . + g_n(t) = t も、各 g_m のグラフを書いてみれば 明らかである。 これを簡単に見るには、次のようにする。 (x,y) 座標平面で A= (0, 0), B = (1, 0), C = (1, 1) を頂点とする 三角形を書く。 この三角形を 垂直線 x = 1/n, 2/n, . . . , (n-1)/n と 水平線 y = 1/n, 2/n, . . . , (n-1)/n で分割してみればよい。 証明終
926 :
1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/09/09(日) 16:56:50
Reply:
>>866 お前に何が分かるというのか?
927 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 17:00:23
補題
X を局所コンパクト空間とする。
L を M+(X) (
>>715 ) の任意の元とする。
μ を L から誘導された容量(
>>920 )とし、
ν を μ から誘導された狭義の Borel 測度(
>>855 )とする。
f を K+(X) (
>>713 ) の元で 0 ≦ f < 1 とする。
L(f) ≧ ∫[X] f dν である。
証明
n ≧ 1 を任意の整数とする。
g_m, m = 1, 2, . . ., n を
>>925 の関数とする。
f_m(x) = g_m(f(x)) とおく。
f_m は連続で f = f_1 + . . . + f_n である。
K_m = {x ∈ X | f(x) ≧ m/n} とおく。
各 K_m かコンパクトである。
K_1 ⊃ K_2 ⊃. . . ⊃ K_(n-1) ⊃ K_n = φ である。
x ∈ K_m なら f_m(x) = 1/n だから
χ_(K_m) ≦ nf_m
よって 1 ≦ m ≦ n - 1 のとき ν(K_m) ≦ nL(f_m)
x ∈ K_m - K_(m+1) なら m/n ≦ f(x) < (m+1) /n
L(f) = ΣL(f_m) ≧ (1/n)Σν(K_m)
≧ (1/n)Σ(m + 1)(ν(K_m) - ν(K_(m+1)) - (1/n)ν(K_1)
≧ (1/n)Σ(m + 1)(ν(K_m - K_(m+1)) - (1/n)ν(Supp(f))
≧ Σ∫[K_m - K_(m+1)] f dν - (1/n)ν(Supp(f))
= ∫[K_1] f dν - (1/n)ν(Supp(f))
n → ∞ とすると L(f) ≧ ∫[X] f dν である。
証明終
928 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 17:07:59
補題
X を局所コンパクト空間とする。
L を M+(X) (
>>715 ) の任意の元とする。
μ を L から誘導された容量(
>>920 )とし、
ν を μ から誘導された狭義の Borel 測度(
>>855 )とする。
f を K+(X) (
>>713 ) の任意の元とする。
L(f) ≧ ∫[X] f dν である。
証明
M = sup { f(x) | x ∈ X } とおく。
h = (1/(M + 1))f とおく。
明らかに h ∈ M+(X) である。
f(x) < M + 1 だから 0 ≦ h < 1 である。
>>927 より
L(h) ≧ ∫[X] h dν である。
L(h) = (1/(M + 1))L(f)
∫[X] h dν = (1/(M + 1))∫[X] f dν
だから
L(f) ≧ ∫[X] f dν である。
証明終
929 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 17:31:20
補題
X を局所コンパクト空間とする。
L を M+(X) (
>>715 ) の任意の元とする。
μ を L から誘導された容量(
>>920 )とし、
ν を μ から誘導された狭義の Borel 測度(
>>855 )とする。
K を X のコンパクト集合とする。
任意の ε > 0 に対して
f ∈ K+(X) (
>>713 ) かつ 0 ≦ f ≦ 1 で χ_K ≦ f となり
L(f) < ∫[X] f dν + ε
となるものがある。
証明
g ∈ K+(X) で χ_K ≦ g となり
L(g) < μ(K) + ε
となるものがある。
f = inf{g, 1} とする。
f ∈ K+(X) かつ 0 ≦ f ≦ 1 で χ_K ≦ f である。
f ≦ g だから
L(f) ≦ L(g) < μ(K) + ε ≦ ∫[X] f dν + ε
証明終
930 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 18:14:16
命題
X を局所コンパクト空間とする。
μ と ν を X 上の正則(
>>844 )な狭義の Borel 測度(
>>842 )とする。
任意の f ∈ K+(X) (
>>713 ) に対して
∫[X] f dμ = ∫[X] f dν となるなら μ = ν である。
証明
K を X の任意のコンパクト集合とする。
ν は正則だから、
任意の ε > 0 に対して、有界な開集合 U で K ⊂ U となり
ν(U) ≦ ν(K) + ε
となるものがある。
>>706 より、
f ∈ K+(X) で 0 ≦ f ≦ 1 かつ K の上で 1、X - U で 0 となるものが
存在する。
χ_K ≦ f ≦ χ_U だから
μ(K) = ∫[X] χ_K dμ ≦ ∫[X] f dμ = ∫[X] f dν
≦ ∫[X] χ_U dν = ν(U) ≦ ν(K) + ε
ε は任意だから、
μ(K) ≦ ν(K)
対称的に ν(K) ≦ μ(K) であるから
μ(K) = ν(K)
μ と ν は正則、従って内正則(
>>845 )だから μ = ν である。
明終
931 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/09/09(日) 18:44:49
定理(Riesz の表現定理)
X を局所コンパクト空間とする。
L を M+(X) (
>>715 ) の任意の元とする。
X 上の正則(
>>844 )な狭義の Borel 測度(
>>842 ) μ で、
任意の f ∈ K(X) (
>>708 ) に対して
L(f) = ∫[X] f dμ となるものが一意に存在する。
証明
一意性は
>>930 で証明済みであるから、μ の存在を言えばよい。
λ を L から誘導された容量(
>>920 )とし、
μ を λ から誘導された狭義の Borel 測度とする。
f を K(X) の元とし、K = Supp(f) (
>>671 ) とする。
>>929 より、任意の ε > 0 に対して
g ∈ K+(X) (
>>713 ) かつ 0 ≦ g ≦ 1 で χ_K ≦ g となり
L(g) < ∫[X] g dμ + ε となるものがある。
M = sup{ f(x) | x ∈ X } とする。
f + M ≧ 0 だから (f + M)g ∈ K+(X) である。
>>928 より fg = f に注意して
L(f) + ML(g) = L((f + M)g) ≧ ∫[X] (f + M)g dμ
= ∫[X] fg dμ + ∫[X] Mg dμ = ∫[X] f dμ + M∫[X] g dμ
よって、
L(f) ≧ ∫[X] f dμ + M(∫[X] g dμ - L(g)) ≧ ∫[X] f dμ - Mε
ε は任意だから L(f) ≧ ∫[X] f dμ
f を -f に置き換えると
-L(f) ≧ -∫[X] f dμ よって L(f) ≦ ∫[X] f dμ
よって L(f) = ∫[X] f dμ
証明終
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
a
レス数稼いでんじゃねーよ、クマ!
十七日。
962 :
132人目の素数さん :2007/09/10(月) 10:03:27
埋めろ禿!
2
3
十八日。
967 :
132人目の素数さん :2007/09/11(火) 11:57:59
急いで埋めるなよ。 DAT落ちした参照に不便になる。
968 :
132人目の素数さん :2007/09/11(火) 11:59:07
なんで埋めたがるんだよ。 ほっとけばいいものを。
969 :
132人目の素数さん :2007/09/11(火) 12:00:11
971 :
132人目の素数さん :2007/09/11(火) 19:34:11
うめ
う
うめ
うめ
976 :
132人目の素数さん :2007/09/11(火) 20:45:33
埋め立て
うめ
うめ
うめ
うめ
うめ
982 :
月島きらり (きらりん☆レボリューション) :2007/09/11(火) 20:53:45
_ ヽ) ,. -  ̄  ̄ノ - 、 __ r‐'ニ、 _/ ,. -‐ \ r'^ヽ ヾ Y´ ノ// ヽ ヽ ,.ゝヽ ヽf′// / /_/__./ /. ,' 、ヽ 丶 ヽ / `、ヾ ヽj-r'/.ノ !´ノLハj `!: ,' ハ. j. ',. ヽ ',__,. - 、 ,.-'\ \ゝ,ノ ,レ7 i'ーレ'rf´`ヽ.j:: :.// !ハ:. j ;. !' _.. -ニ、 ,.ゝ、 ヽ:.. ノ´ ノレ'^!:「.{f::,,ゝイ !:ノイ / `j:ィ ! !:. !´ ) rく \ゝ、丶´ j !.: :!.:!: | 7.''.::ノ ノi「 ノ ノ ,ィ::. j .:|::. j| /_,∠´ ゝrヽ._,ノ  ̄ j .:j:.::.l::.i:..丶ー'′__ ヽ -=‐、' ノ:./!:. j!:.ハ! '´ }1000ゲット合戦モード突入開始〜♪ ノ :ノ.:.,'.:ノ::.:. ゝ / `7 __ソイ,ノ:/j:/ {::..;∠二 /.,.:'..::/‐ ニ=-、 { / /,',',','ヽj`Yi/7 f::... _,ノ _ -´:/..:.:/.:_.:/ \`r:' ̄7、',',', rヘ_ノ`} | `r':.r′ ノ -==ニ二_.. イ>'¬{´ ,/ ヽ_ / `ヾ'ヽ `´ヽ!‐-.ノ'..__.. -‐:/ ( ̄ `>‐ ´ゝ ノ !  ̄r'ゝ ´ヽ ` 、 ` 、 .. _. -‐ ´ ( ̄ ` ー‐  ̄ j、 i /-r'7 _`ゝノゝ _ ` -'_ _..:.. `丶、 `7.:ァ‐--r‐;r‐'7´ ̄`) /'v┴レ'Lノヽ `ヽ. ヽ `丶、、::.:..ヽ !:/ !.:{ ,. ィ´ィ´rヘ,ノ' ´ / ヽ:.. } \ ヽ \::. ヽ |l │:.iゝ‐ ´/ !-' ´ _,.、-vゝ.,、,.--j^!`丶j j ヽ::..ヘ |! ヽ.:ヽ`ヾ`ヽ'´ , ‐ ´ /ゝL `丶.__ノ ヽ:.! ヽ ヽ:ゝ \:.Y´ -‐'´`´゙/ } ヽ
埋めるよ
埋めるよ
985 :
132人目の素数さん :2007/09/11(火) 21:58:47
梅
梅
梅
梅
梅
梅
梅
梅
993 :
132人目の素数さん :2007/09/11(火) 22:23:06
●痴漢逮捕:「好みだった」筑波大学准教授 旅行中徳島で● 徳島県警阿南署などは5日未明、 東京都足立区千住寿町、筑波大学 准教授、増田哲也容疑者(50)を 県迷惑行為防止条例違反(痴漢行為)容疑で 逮捕した。 毎日新聞(8月5日) 調べでは、増田容疑者は、 4日午後4時20分ごろから約50分にわたり、 JR牟岐線の列車内で、県内の専門学校生の 女性(21)の胸や太ももなどを触った疑い。 調べに対し、「夏休み期間に、講演活動を兼ねて 旅行していた。好みの女性だったのでムラムラした」と 話しているという。 ■ 自称東北大の研究員が盗撮 横浜で逮捕 ■ 2007年05月04日 東京新聞朝刊 神奈川県警伊勢佐木署は三日、県迷惑防止条例違反(盗撮)の現行犯で、 自称仙台市若林区木ノ下二、針谷祐容疑者(33)を逮捕した。「東北大 の非常勤研究員」と名乗っており、同署が身元の確認を進めている。 同署によると、針谷容疑者は「盗撮目的で横浜に来た」と供述し、容疑 を認めているという。 【針谷祐氏は東北大准教授 つまり職名詐称】
梅
梅
梅