1 :
132人目の素数さん :
2007/07/25(水) 20:37:41
クメール
過去スレ5の974で判別式 D が負の場合の類数公式として h = ((√|D|)/π)L(1, χ) が得られた。 L(1, χ) の計算が残っているが、これは後回しにすることにして、 今度は判別式 D が正の場合を扱うことにする。
4 :
132人目の素数さん :2007/07/25(水) 21:18:18
D > 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。 f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的な2次形式で a > 0 とする。 R を実2次体 Q(√D) の判別式 D の整環とする。 R = [1, (D + √D)/2] である(過去スレ4の585)。 ax^2 + bxy + cy^2 は原始的だから、過去スレ4の592より I = [a, (-b + √D)/2] は R の可逆イデアルである。 α = a β = (-b + √D)/2 とおく。 -Δ(α, β) = a(-b + √D)/2 - a(-b - √D)/2 = a√D > 0 だから I の基底 a, (-b + √D)/2 の向き(過去スレ5の188)は正である。 過去スレ5の251より f(x, y) = N(xα - yβ)/N(I) である。 m ≠ 0 を有理整数で m = f(x, y), m = f(x', y') となる (x, y) ∈ Z^2 と (x', y') ∈ Z^2 があるとする。 N(xα - yβ)/N(I) = N(x'α - y'β)/N(I) = m であるから N(xα - yβ) = N(x'α - y'β) である。 λ = xα - yβ, μ = x'α - y'β とおけば N(λ) = N(μ) である。 m ≠ 0 だから λ ≠ 0, μ ≠ 0 である。
5 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/25(水) 21:52:45
>>4 を以下のように修正する。
D > 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的な2次形式で
a > 0 とする。
R を実2次体 Q(√D) の判別式 D の整環とする。
R = [1, (D + √D)/2] である(過去スレ4の585)。
ax^2 + bxy + cy^2 は原始的だから、過去スレ4の592より
I = [a, (-b + √D)/2] は R の可逆イデアルである。
α = a
β = (-b + √D)/2
とおく。
-Δ(α, β) = a(-b + √D)/2 - a(-b - √D)/2 = a√D > 0
だから I の基底 a, (-b + √D)/2 の向き(過去スレ5の188)は正である。
過去スレ5の251より f(x, y) = N(xα - yβ)/N(I) である。
m ≠ 0 を有理整数で m = f(x, y) となる (x, y) ∈ Z^2 が
あるとする。
N(xα - yβ)/N(I) = m である。
λ = xα - yβ とおく。
m ≠ 0 だから λ ≠ 0 である。
6 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/26(木) 00:00:29
>>5 の続き。
εを R の単数で N(ε) = 1 とする。
N(ελ) = N(λ) であるから N(ελ)/N(I) = m である。
ελ ∈ I であるから ελ = x'α - y'β となる有理整数 x', y' がある。
よって f(x', y') = N(x'α - y'β)/N(I) = m である。
過去スレ5の413より ε = (t + u√D)/2 と書ける。
ここで (t, u) は t^2 - Du^2 = 4 の有理整数解である。
このとき (x', y') を (x, y) と (t, u) で表す式を求めよう。
7 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/26(木) 01:18:34
>>6 の続き。
λ = xα - yβ = ax + (b - √D)y/2
ε = (t + u√D)/2
だから
ελ = ((t + u√D)/2)(ax + (b - √D)y/2))
= ax(t + u√D)/2 + ((tb - uD)y + y(bu - t)√D)/4
= (2axt + (tb - uD)y)/4 + (2axu + y(bu - t))√D/4
これが ax' + (b - √D)y'/2 となるべきだから、
y' = -axu + y(t - bu)/2 とおく。
(b - √D)y'/2 = -abux/2 + by(t - bu)/4 + axu√D/2 - y(t - bu)√D/4
= -abux/2 + by(t - bu)/4 + (2axu + y(bu - t))√D/4
よって
ax' + (b - √D)y'/2 =
ax' - abux/2 + by(t - bu)/4 + (2axu + y(bu - t))√D/4
= (2axt + (tb - uD)y)/4 + (2axu + y(bu - t))√D/4
よって
ax' - abux/2 + by(t - bu)/4 = (2axt + (tb - uD)y)/4
よって
ax' = (2axt + (tb - uD)y)/4 + abux/2 + by(bu - t)/4
= axt/2 + abux/2 + (b^2yu - uDy)/4
= axt/2 + abux/2 + (b^2 - D)uy/4
= axt/2 + abux/2 + 4acuy/4
= axt/2 + abux/2 + acuy
= a((t + bu)x/2 + cuy)
8 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/26(木) 01:26:54
>>7 の続き。
よって
x' = (t + bu)x/2 + cuy
y' = -aux + y(t - bu)/2
行列 T = ((t + bu)/2, cu)/(-au, (t - bu)/2) とおくと、
(x', y')^ = T(x, y)^ となる。
ここで、記号 ^ は転置を表す。
過去スレ5の412より φ(t, -u) = T である。
U(f) = {σ ∈ SL_2(Z) ; (a, b, c)σ = (a, b, c) } とおくと、
T ∈ U(f) である。
φ(t, -u) = T より T は ε = (t + u√D)/2 の共役
ε' = (t - u√D)/2 に対応する。
またこのスレか。TeXでも数式ワープロでもいいからpdf にしてくれ。
10 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/27(金) 11:47:28
補題 C > 0, ε > 1 を実数とする。 C ≦ ε^n < εC となる有理整数 n が一意に存在する。 証明 C ≦ ε^n < εC とする。 対数関数 log(x) は単調増加だから、この不等式は log(C) ≦ n log(ε) < log(ε) + log(C) と同値である。 これを書き直すと、 (n-1)log(ε) < log(C) ≦ n log(ε) log(ε) > 0 だから (n-1) < log(C)/log(ε) ≦ n このような有理整数 n は一意に存在する。 証明終
11 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/27(金) 14:39:37
D > 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的な2次形式で
a > 0 とする。
R を実2次体 Q(√D) の判別式 D の整環とする。
R = [1, (D + √D)/2] である(過去スレ4の585)。
ax^2 + bxy + cy^2 は原始的だから、過去スレ4の592より
I = [a, (-b + √D)/2] は R の可逆イデアルである。
>>5 より f(x, y) = N(ax + (b - √D)y/2)/N(I) である。
N(I) = a だから
af(x, y) = (ax + (b - √D)y/2)(ax + (b + √D)y/2)
m > 0 を有理整数で m = f(x, y) となる (x, y) ∈ Z^2 が
あるとする。
am = (ax + (b - √D)y/2)(ax + (b + √D)y/2)
A = ax + (b - √D)y/2 とおく。
A の共役 A' は
A' = ax + (b + √D)y/2
(続く)
12 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/27(金) 14:43:51
E を R の単数で N(E) = 1 とする。
>>6 より AE は ax' + (b - √D)y'/2 と書ける。
B = ax' + (b - √D)y'/2 とおく。
即ち、B = AE
両辺の共役をとって
B' = A'E'
E' = 1/E だから
B'/B = (A'/A)E^(-2)
ε を R の単数で N(ε) = 1 かつ ε > 1 となる最小のものとする。
E = ±ε^n と書ける。
よって E^(-2) = ε^(2n) と書ける。
am = AA' > 0 だから A'/A > 0
C = A/A' とおけば
>>10 より
C ≦ ε^(2n) < (ε^2)C
即ち
1 ≦ (A'/A)ε^(2n) < ε^2
となる有理整数 n が一意に存在する。
13 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/27(金) 15:37:47
>>12 の続き。
A = ax + (b - √D)y/2
A' = ax + (b + √D)y/
B = ax' + (b - √D)y'/2
B' = ax' + (b - √D)y'/2
であった。
B'/B = A'/A とする。
即ち、B'/A' = B/A
よって B/A = t は実数である。
B = At
N(B) = N(At) = N(A)t^2
一方
N(B) = N(A) だから t^2 = 1
よって t = ±1 である。
即ち B = ±A
このことと、
>>12 から
集合 S(m, f) = { (x, y) ∈ Z^2 ; m = f(x, y) } を
群 U(f) = {σ ∈ SL_2(Z) ; (a, b, c)σ = (a, b, c) }
で類別した集合 S(m, f)/U(f) の代表系として
次の条件を満たす (x, y) の集合が取れる。
1) (x, y) ∈ S(m, f)
2) ax + (b - √D)y/2 > 0
3) 1 ≦ (ax + (b + √D)y/2)(ax + (b - √D)y/2) < ε^2
14 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/27(金) 15:41:27
訂正
>>13 >B' = ax' + (b - √D)y'/2
>であった。
B' = ax' + (b + √D)y'/2
であった。
15 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/28(土) 10:36:56
訂正
>>13 >3) 1 ≦ (ax + (b + √D)y/2)(ax + (b - √D)y/2) < ε^2
3) 1 ≦ (ax + (b + √D)y/2)/(ax + (b - √D)y/2) < ε^2
16 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/28(土) 10:55:13
D > 0 を平方数でない有理整数で、D ≡ 0, 1 (mod 4) とする。
f = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の原始的な2次形式で
a > 0 とする。
さらに、a は 2D と素とする。
s を実変数として級数 G(s, f) Σ1/f(x, y)^s を考える。
ここで (x, y) は S(f)/U(f) の代表系を動く。
ここで
S(f) = {(x, y) ∈ Z^2 ; f(x, y) > 0 は 2D と素 }
U(f) = {σ ∈ SL_2(Z) ; (a, b, c)σ = (a, b, c) }
>>13 より S(f)/U(f) の代表系として以下の条件をみたす (x, y) の
集合 R(f) が取れる。
1) (x, y) ∈ S(f)
2) ax + (b - √D)y/2 > 0
3) 1 ≦ (ax + (b + √D)y/2)/(ax + (b - √D)y/2) < ε^2
af(x, y) = (ax + (b + √D)y/2)(ax + (b - √D)y/2) だから
3) から af(x, y) > 0 となる。
a > 0 だから f(x, y) > 0 である。
従って、1) は次の条件 1') に変えてよい。
1') (x, y) ∈ Z^2 で f(x, y) は 2D と素
17 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/28(土) 11:19:53
>>16 の続き。
D ≡ 0 (mod 4) のとき Δ = D/2
D ≡ 1 (mod 4) のとき Δ = 2D
とおく。
(α, γ) ∈ { (x, y) ∈ (Z/ΔZ)^2 ; f(x, y) は Δ と素 }
に対して、級数 G(s, f, α, γ) = Σ1/f(x, y)^s を考える。
ここで (x, y) = (Δv + α, Δw + γ) で (v, w) ∈ Z^2 であり、
さらに、以下の条件を満たす。
ax + (b - √D)y/2 > 0
1 ≦ (ax + (b + √D)y/2)/(ax + (b - √D)y/2) < ε^2
過去レス5の849 より G(s, f) = ΣG(s, f, α, γ) である。
ここで右辺の和の (α, γ) は
集合 { (x, y) ∈ (Z/(2D)Z)^2 ; f(x, y) は Δ と素 } の元全体
を動く。
過去レス5の849は D の符号に無関係に成り立つことは明らかである。
過去レス5の796 により s → 1+0 のときの
lim (s - 1) G(s, f, α, γ) は t → ∞ のときの lim T/t に等しい。
ここで
T は集合 { (x, y) ∈ Z^2 ; x ≡ α (mod Δ), y ≡ γ (mod Δ),
f(x, y) ≦ t,
ax + (b - √D)y/2 > 0,
1 ≦ (ax + (b + √D)y/2)/(ax + (b - √D)y/2) < ε^2 }
の元の個数である。
ε は R の単数で N(ε) = 1 かつ ε > 1 となる最小のものである。
R は2次体 Q(√D) の判別式 D の整環である。
18 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/28(土) 11:40:37
>>17 の続き。
ax^2 + bxy + cy^2 ≦ t は
a(x/√t)^2 + b(x/√t)(y/√t) + c(y/√t)^2 ≦ 1 と同値である。
ξ = x/√t
η = y/√t
とおくと
ξ = (Δ/√t)v + α/√t
η = (Δ/√t)w + γ/√t
(v, w) が Z^2 の元を動くと (ξ, η) は幅が h = Δ/√t の格子点
全体を動く。
よって T は aξ^2 + bξη + cη^2 ≦ 1 となる格子点 (ξ, η) で、
aξ + (b - √D)η/2 > 0,
1 ≦ (aξ + (b + √D)η/2)/(aξ + (b - √D)η/2) < ε^2 }
をみたすものの個数である。
19 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/28(土) 11:49:51
>>18 の続き。
aξ^2 + bξη + cη^2 ≦ 1
aξ + (b - √D)η/2 > 0
1 ≦ (aξ + (b + √D)η/2)/(aξ + (b - √D)η/2) < ε^2
で定義される (ξ, η) 平面の領域の面積を B とする。
t → ∞ のとき、従って h = Δ/√t → 0 のとき
(h^2)T → B である。
(h^2)T = Δ^2/t だから
t → ∞ のとき lim T/t = B/Δ^2
よって lim T/t を求めるには B を計算すればよい。
20 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/28(土) 11:55:30
>>19 の続き。
(√a)X = aξ + (b - √D)η/2
(√a)Y = aξ + (b + √D)η/2
とおく。
この変換の行列式は (a(b + √D)/2 - a(b - √D)/2)/(√a)^2
= a√D/a = √D である。
(√a)X(√a)Y = aXY = a(aξ^2 + bξη + cη^2) ≦ a
よって 0 < XY ≦ 1
さらに、
aξ + (b - √D)η/2 > 0,
1 ≦ (aξ + (b + √D)η/2)/(aξ + (b - √D)η/2) < ε^2 }
から
X > 0
1 < Y/X ≦ ε^2
よって
0 < XY ≦ 1
X > 0
1 < Y/X ≦ ε^2
で定義される (X, Y) 平面の領域の面積を C とすると、
C = (√D)B である。
21 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/28(土) 14:38:21
>>20 の続き。
X = r cos(θ)
Y = r sin(θ)
と極座標で表す。
これの Jacobi 行列式は r である。
よって
C = ∫∫rdrdθ = ∫(∫rdr)dθ = ∫(r^2)/2 dθ
右辺の r は双曲線 XY = 1 の上にある。
この r を θ で表してみよう。
直線 Y = tan(θ)X と 双曲線 XY = 1 の交点 (X, Y) の r を求める。
tan(θ)X = 1/X より
X^2 = 1/tan(θ)
Y^2 = 1/X^2 だから
r^2 = X^2 + Y^2 = tan(θ) + 1/tan(θ)
よって
C = ∫(r^2)/2 dθ = (1/2)∫(tan(θ) + 1/tan(θ)) dθ
x = tan(θ) とおく。
dx = (1 + tan^2(θ))dθ
よって
C = (1/2)∫(x + 1/x)/(1 + x^2) dx = (1/2)∫(1/x)dx
この積分の範囲は [1, ε^2] である。
よって C = log(ε) である。
よって B = log(ε)/√D である。
22 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/28(土) 15:08:09
>>21 の続き。
>>19 より
t → ∞ のとき lim T/t = B/Δ^2
よって
t → ∞ のとき lim T/t = log(ε)/(Δ^2)√D
>>17 より
s → 1+0 のときの lim (s - 1) G(s, f, α, γ) = log(ε)/(Δ^2)√D
G(s, f) = ΣG(s, f, α, γ) だから
s → 1+0 のときの lim (s - 1) G(s, f) = N(Δ)log(ε)/(Δ^2)√|D|
である。
ここで N(Δ) は集合 { (x, y) ∈ (Z/ΔZ)^2 ; f(x, y) は Δ と素 }
の元の個数である。
N(Δ) の値は過去スレの839, 844, 845 で求めてある。
即ち
D ≡ 0 (mod 4) のとき N(Δ) = Δφ(Δ)
D ≡ 1 (mod 8) のとき N(Δ) = (Δ/2)φ(Δ/2) = (Δ/2)φ(Δ)
D ≡ 5 (mod 8) のとき N(Δ/2) = (3/2)Δφ(Δ/2) = (3/2)Δφ(Δ)
過去スレの917と同様に
hN(Δ)log(ε)/(Δ^2)√|D| = lim (s - 1)(Σ1/n^s)(Σ(D/n)/n^s)
右辺の各和の n は D と素な正の奇数全体を動く。
ここで h = |C(D)| = |F_0(D)/SL_2(Z)| である。
F_0(D) は判別式 D の原始的な2次形式の集合である。
23 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/28(土) 15:25:33
>>22 の続き。
hN(Δ)log(ε)/(Δ^2)√|D| = lim (s - 1)(Σ1/n^s)(Σ(D/n)/n^s)
この右辺の極限は過去スレと同様に求まる。
即ち、過去スレの920 より
lim (s - 1)(Σ1/n^s) = φ(Δ)/Δ である。
過去スレの973 より
D ≡ 0 (mod 4) のとき
lim(s → 1) Σ(D/n)/n^s = L(1, χ)
D ≡ 1 (mod 8) のとき
lim(s → 1) Σ(D/n)/n^s = (1/2)L(1, χ)
D ≡ 5 (mod 8) のとき
lim(s → 1) Σ(D/n)/n^s = (3/2)L(1, χ)
よって、いずれの場合も
h = (√D/log(ε))L(1, χ)
24 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 17:29:42
L(1, χ) を計算する前に、過去スレで証明をしていなかった級数に 関する命題の証明を行う。 まず級数論の基本事項を復習する。
25 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 17:30:51
定義(Bourbaki) G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。 R^r は実数体上の r 次元数ベクトル空間であり、 C^r は複素数上の r 次元数ベクトル空間である。 x ∈ G のとき |x| は x のノルム即ち、 x = (x_1, . . , x_r) のとき |x| = (|x_1|^2 + . . . + |x_r|^2)^(1/2) とする。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 G のある元 S が存在して、 任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して |S - S(J)| < ε となるとき、族 (x_i) は総和可能といい、 S をその和と呼ぶ。 このとき S = Σx_i と書く。
26 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 17:32:09
命題 I を高々可算な集合とする。 G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。 (x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。 族 (x_i) が総和可能なら、その和は一意に決まる。 証明 S と T が族 (x_i) の和とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して |S - S(J)| < ε となる。 同様に J_1 ∈ Φ(I) があり、 J_1 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して |T - S(J)| < ε となる。 J = J_0 ∪ J_1 とすれば |S - S(J)| < ε かつ |T - S(J)| < ε となる。 |S - T| = |S - S(J) + S(J) - T| ≦ |S - S(J)| + |S(J) - T| ≦ ε + ε = 2ε ε> 0 はいくらでも小さく出来るから S = T である。 証明終
27 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 17:32:42
注意 I が有限集合のとき 族 (x_i) は常に総和可能であり、 その和は通常の有限和に等しい。
28 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 17:36:38
命題
I を高々可算な集合とする。
G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。
(x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。
K を集合として、φ : K → I を同型、即ち全単射とする。
族 (x_i) が総和可能(
>>25 ) なら 族 (x_φ(k))) も総和可能であり、
Σx_i = Σx_φ(k) となる。
証明
S = Σx_i とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
同様に K の有限部分集合全体の集合を Φ(K) とする。
H ∈ Φ(K) に対して T(H) = Σx_φ(k) とおく。
ここで右辺の和の k は H の元全体を動く。
H が空集合のときは T(H) = 0 とする。
T(H) = S(φ(H)) である。
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して |S - S(J)| < ε となる。
H_0 = φ^(-1)(J_0)
H = φ^(-1)(J) とおく。
J_0 ⊂ J だから H_0 ⊂ H である。
φ は全単射だから J = φ(H) である。
よって |S - S(φ(H))| < ε
即ち、|S - T(H)| < ε
これは S = Σx_φ(k) を意味する。
証明終
29 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 17:41:21
命題
I を高々可算な集合とする。
G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。
(x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。
族 (x_i) は総和可能(
>>25 )とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら
|S(K)| < ε となる。
証明
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して
|S - S(J)| < ε/2 となる。
K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合とする。
J_0 ⊂ J_0 ∪ K だから
|S - S(J_0 ∪ K)| < ε/2 となる。
J_0 ∩ K は空集合だから
S(J_0 ∪ K) = S(J_0) + S(K)
よって
|S(K)| = |S(J_0 ∪ K) - S(J_0)| = |S(J_0 ∪ K) - S + S - S(J_0)|
= |S(J_0 ∪ K) - S| + |S - S(J_0)| < ε/2 + ε/2 = ε
証明終
30 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 17:42:14
命題
I を可算無限集合とする。
G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。
(x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。
族 (x_i) は総和可能(
>>25 )とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
i ∈ I - J_0 なら |x_i| < ε となる。
証明
>>29 より明らかである。
31 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 17:42:56
X を集合とする。 X の有限部分集合全体の集合を Φ(X) とする。 Φ(X) の元の列 (F_n), n ≧ 0 は次の条件を満たすとき X の F-近似列という。 1) F_0 ⊂ F_1 ⊂ . . . ⊂ F_n ⊂ F_(n+1) ⊂ . . . 2) 任意の F ∈ Φ(X) に対して F ⊂ F_n となる n がある。
32 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 18:01:56
33 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 18:08:53
補題
I を高々可算な集合とする。
I の F-近似列(
>>31 )が存在する。
証明
I が有限集合のときは任意の n に対して F_n = I とすれば
(F_n) は I の F-近似列である。
よって I は可算無限集合と仮定してよい。
Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。
I は可算無限集合だから同型 ψ : Z+ → I が存在する。
n ∈ Z+ のとき J_n = {0, 1, . . . , n} とおく。
F_n = ψ(J_n) とすとする。
F_0 ⊂ F_1 ⊂ . . . ⊂ F_n ⊂ F_(n+1) ⊂ . . .
は明らかである。
任意の F ∈ Φ(I) に対して J = ψ^(-1)(F) とする。
J は有限集合だから J ⊂ J_n となる n ∈ Z+ がある。
ψ(J) ⊂ ψ(J_n) である。
即ち F ⊂ F_n である。
証明終
34 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 18:13:41
命題(Cauchy の総和可能判定条件)
I を高々可算な集合とする。
G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。
(x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら
|S(K)| < ε となるとする。
このとき、族 (x_i) は総和可能(
>>25 )である。
証明
>>33 より I の F-近似列 (F_n) が存在する。
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
K ∈ Φ(X) で J_0 ∩ K が空集合なら
|S(K)| < ε/2 とする。
J_0 ⊂ F_m となる m ≧ 0 がある。
n ≧ m なら (F_n - F_m) ∩ J_0 は空集合だから
|S(F_n - F_m)| < ε/2 である。
F_n = F_m ∪ F_n - F_m で F_m と F_n - F_m は交わらないから
S(F_n) = S(F_m) + S(F_n - F_m)
即ち S(F_n - F_m) = S(F_n) - S(F_m) である。
よって |S(F_n) - S(F_m)| < ε/2 である。
(続く)
35 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/30(月) 18:14:31
同様に n' ≧ m なら |S(F_n') - S(F_m)| < ε/2 である。 よって |S(F_n) - S(F_n')| = |S(F_n) - S(F_m) + S(F_m) - S(F_n')| = |S(F_n) - S(F_m)| + |S(F_m) - S(F_n')| < ε/2 + ε/2 = ε よって (S(F_n)) は Cauchy 列である。 よって S = lim S(F_n) が存在する。 即ち、任意の ε> 0 に対して k ≧ 0 があり、 n ≧ k のとき |S - S(F_n)| < ε である。 仮定より J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(X) で J_0 ∩ K が空集合なら |S(K)| < ε となる。 (F_n) は I の F-近似列だから J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して J ⊂ F_n となる n がある。 n はいくらでも大きくできるから n ≧ k としてよい。 J_0 と (F_n - J) は交わらないから S(F_n - J) < ε である。 S(F_n) = S(J) + S(F_n - J) よって S(F_n) - S(J) = S(F_n - J) |S - S(J)| = |S - S(F_n) + S(F_n) - S(J)| = |S - S(F_n)| + |S(F_n - J)| < ε + ε = 2ε よって 族 (x_i) は総和可能である。 証明終
15
14
13
12
11
10
42 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 08:08:48
命題
I を高々可算な集合とする。
G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。
(x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。
族 (x_i) は総和可能(
>>25 )とする。
H を I の任意の部分集合とする。
H を添字集合とする部分族 (x_i), i ∈ H は総和可能である。
証明
>>29 より族 (x_i), i ∈ I は Cauchy の総和可能判定条件を満たす。
即ち、任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら
|S(K)| < ε となる。
L ∈ Φ(H) で (J_0 ∩ H) ∩ L = J_0 ∩ L が空集合なら
|S(L)| < ε となる。
即ち、部分族 (x_i), i ∈ H もCauchy の総和可能判定条件を満たす。
従って、
>>34 より (x_i), i ∈ H は総和可能である。
証明終
43 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 08:56:14
命題
I を高々可算な集合とする。
G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。
(x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。
族 (x_i) は総和可能(
>>25 )とする。
S = Σx_i をその和とする。
(I_λ), λ ∈ L を I の任意の分割とする。
即ち I = ∪I_λ, λ ∈ L で λ ≠ μ なら I_λ ∩ I_μ は空集合
である。
>>42 より部分族 (x_i), i ∈ I_λ は総和可能である。
この和を S_λ とする。
族 (S_λ), λ ∈ L は総和可能で、その和 ΣS_λ は S = Σx_i に
等しい。
証明
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
L の有限部分集合全体の集合を Φ(L) とする。
K ∈ Φ(L) に対して T(K) = ΣS_λ とおく。
ここで右辺の和の λ は K の元全体を動く。
K が空集合のときは T(K) = 0 とする。
(続く)
44 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 08:57:28
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して |S - S(J)| < ε となる。 K_0 = {λ ∈ L ; J_λ = I_λ ∩ J_0 が空でない } とおく。 K を L の有限部分集合で K_0 ⊂ K とする。 |S - T(K)| < ε を示せばよい。 任意の δ> 0 に対して 各 λ ∈ K に対して J_λ ⊂ H_λ ⊂ I_λ となる有限部分集合 H_λ が存在して |S_λ - T(H_λ)| < δ となる。 J = ∪H_λ, λ ∈ K とおく。J は I の有限部分集合で J_0 を含む。 S(J) = ΣT(H_λ), λ ∈ K である。 |S - T(K)| = |S - ΣS_λ| = |S - Σ(S_λ - T(H_λ)) - ΣT(H_λ)| = |S - S(J) - Σ(S_λ - T(H_λ))| < ε + nδ n は K の元の個数である。 δ> 0 はいくらで小さく出来るから |S - T(K)| ≦ ε となる。 証明終
45 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 09:31:12
定義 G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の Z+ を添字集合とする点列とする。 S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。 点列 (S_n) が収束するとき S = lim S_n を点列 (x_n) が定める級数の 和といい、 S = Σx_n と書く。 これは (x_n) が総和可能なときの和の記号と同じで紛らわしいので Bourbaki は Σ の代わりに太字の S を使っている。 しかし、このスレでは従来通りの記号を使うことにする。
46 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 09:47:49
命題
G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。
Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。
(x_n), n ∈ Z+ を G の元の Z+ を添字集合とする点列とする。
(x_n) が総和可能で、その和を S とする。
このとき (x_n) が定める級数も収束し S = Σx_n である。
証明
>>25 の記号を使う。
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(Z+) があり、
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(Z+) に対して
|S - S(J)| < ε となる。
J_0 に含まれる元の最大値を n_0 とする。
n ∈ Z+ のとき I_n = {0, 1, . . . ,n} とする。
S(I_n) = x_0 + x_1 + . . . + x_n である。
n ≧ n_0 なら J_0 ⊂ I_n だから
|S - S(I_n)| < ε となる。
これは級数 Σx_n が収束し S = Σx_n であることを示している。
証明終
47 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 09:53:40
G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。
Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。
(x_n), n ∈ Z+ を G の元の Z+ を添字集合とする点列とする。
(x_n) は総和可能でその和を S とする。
σ : Z+ → Z+ を全単射とする。
>>28 より点列 (x_σ(n)) も総和可能で、その和は S になる。
しかし、点列 (x_n) が定める級数が収束しても点列 (x_σ(n)) が
定める級数が収束するとは限らない。
48 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 10:23:37
命題
G を R^r または C^r とする(r ≧ 1)。
Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。
(x_n), n ∈ Z+ を G の元の Z+ を添字集合とする点列とする。
任意の全単射 σ : Z+ → Z+ に対して点列 (x_σ(n)) が定める級数が
収束するなら点列 (x_n) は総和可能である。
このとき S を点列 (x_n) の和とすれば、任意の σ に対して
S = Σ(x_σ(n)) となる。
証明
点列 (x_n) が総和可能でないとして矛盾を導く。
点列 (x_n) は Cauchy の総和可能判定条件(
>>34 ) を満たさない。
従って、ある ε > 0 があり
任意の J ∈ Φ(Z+) に対して H ∈ Φ(Z+) で J ∩ _H が空集合となり
|S(H)| ≧ ε となるものがある。
(続く)
49 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 10:25:05
まず最初に J として空集合を取れば H_0 ∈ Φ(Z+) で |S(H_0)| ≧ ε
となるものがある。
次に J = H_0 として H_0 と交わらない H_1 で |S(H_1)| ≧ ε
となるものがある。
次に J = H_0 ∪ H_1 として H_0 ∪ H_1 と交わらない H_2 で
|S(H_2)| ≧ ε となるものがある。
これを続けると(厳密には数学的帰納法により)
Z+の有限部分集合の族 (H_n), n ∈ Z+ で以下の条件を満たすものが
存在する。
1) n ≠ m なら H_n と H_m は交わらない。
2) Z+ = ∪(H_n), n ∈ Z+
3) 任意の n ∈ Z+ に対して |S(H_n)| ≧ ε
点列 (x_n) を添字 n が H_0, H_1, . . . に現れる順に並べ変えた
ものを (x_σ(n)) とする。
点列 (x_σ(n)) が定める級数は条件 3) より Cauchy の収束判定条件を
満たさない。
よって (x_σ(n)) が定める級数は収束しない。
これは仮定に反する。
(x_n) が総和可能なとき、任意の全単射 σ : Z+ → Z+ に対して
S = Σ(x_σ(n)) となることは
>>46 と
>>47 より明らかである。
証明終
50 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 11:21:39
命題 F を実数体 R または複素数体 C とする。 G を F 上の r 次元数ベクトル空間 F^r とする(r ≧ 1)。 各 i, 1 ≦ i ≦ r に対して pr_i : G → F を i 番目の射影写像とする。 即ち x = (x_1, . . . , x_r) を G の元としたとき、 pr_i(x) = x_i である。 L を高々可算な集合とする。 (x_λ), λ ∈ L を G の元の L を添字集合とする族とする。 (x_λ) が総和可能であるためには各 i に対して F の元の族 (pr_i(x_λ)), λ ∈ L が総和可能であることが必要十分である。 このとき S = (S_1, . . ., S_r) である。 ここで S は族 (x_λ)), λ ∈ L の和であり、 各 S_i は族 (pr_i(x_λ)), λ ∈ L の和である。 証明 (x_λ) が総和可能であるとする。 L の有限部分集合全体の集合を Φ(L) とする。 J ∈ Φ(L) に対して S(J) = Σx_λ とおく。 ここで右辺の和の λ は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 各 i, 1 ≦ i ≦ r と J ∈ Φ(L) に対して S_i(J) = Σpr_i(x_λ) とおく。ここで右辺の和の λ は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S_i(J) = 0 とする。 (続く)
51 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 11:26:09
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(L) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(L) に対して |S - S(J)| < ε となる。 x ∈ G のとき |pr_i(x)| ≦ |x| である。 よって |pr_i(S) - pr_i(S(J))| ≦ |S - S(J)| < ε となる。 一方 pr_i(S(J)) = S_i(J) である。 よって族 (pr_i(x_λ)), λ ∈ L は総和可能で、その和は pr_i(S) である。 S_i = pr_i(S) だから S = (S_1, . . ., S_r) である。 逆に各 i, 1 ≦ i ≦ r に対して族 (pr_i(x_λ)), λ ∈ L が 総和可能で、S_i をその和とする。 任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(L) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(L) に対して |S_i - S_i(J)| < ε となる。 この J_0 は各 i に対して共通に取れる。 pr_i(S(J)) = S_i(J) だから |S_i - pr_i(S(J))| < ε となる。 x ∈ G のとき |x| ≦ |pr_1(x)| + . . . + |pr_r(x)| である。 よって S = (S_1, . . ., S_r) とおくと、 |S - S(J)| ≦ Σ|S_i - pr_i(S(J))| < rε となる。 よって (x_λ), λ ∈ L は総和可能で、その和は S である。 証明終
52 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 12:08:37
命題
R+ を非負実数全体の集合とする。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R+ の元の族とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
集合 { S(J) ; J ∈ Φ(I) } が有界なら
族 (x_i) は総和可能(
>>25 )であり、
Σx_i = sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } である。
証明
S = sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } とおく。
任意の ε> 0 に対して
S - ε < S(J_0) ≦ S となる J_0 ∈ Φ(I) がある。
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して
S - ε < S(J_0) ≦ S(J) ≦ S
である。
よって |S - S(J)| < ε となる
よって、族 (x_i) は総和可能であり、その和は S である。
証明終
53 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 12:45:07
命題
R+ を非負実数全体の集合とする。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R+ の元の族とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。
(F_n), n ∈ Z+ を I の F-近似列(
>>31 ) とする。
数列 (S(F_n)) が有界なら、族 (x_i) は総和可能(
>>25 )であり、
Σx_i = sup{ S(F_n) ; n ∈ Z+ } である。
証明
T = sup{ S(F_n) ; n ∈ Z+ }
S = sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } とする。
任意の J ∈ Φ(I) に対して J ⊂ F_n となる n ∈ Z+ がある。
S(J) ≦ S(F_n) ≦ T だから S ≦ T である。
任意の F_n に対して S(F_n) ≦ S だから T ≦ S である。
よって S = T である。
>>52 から族 (x_i) は総和可能であり、その和は T である。
証明終
54 :
132人目の素数さん :2007/07/31(火) 13:01:33
スレ立て者に礼をいわないは馬鹿が書き込むスレはここか
55 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 13:08:14
命題 R+ を非負実数全体の集合とする。 I を高々可算な集合とする。 (x_i), (y_i), i ∈ I を I を添字集合とする R+ の元の二つの族と する。 各 i に対して x_i ≦ y_i とする。 (y_i) が総和可能なら (x_i) も総和可能で Σx_i ≦ Σy_i である。 x_k < y_k となる k ∈ I があれば Σx_i < Σy_i である。 証明 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 同様に J ∈ Φ(I) に対して T(J) = Σy_i とおく。 任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ≦ T(J) である。 よって sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } ≦ sup{ T(J) ; J ∈ Φ(I) } < ∞ 即ち Σx_i ≦ Σy_i である。 x_k < y_k となる k ∈ I があるとする。 Σx_i = x_k + Σ'x_i である。 ここで Σ'x_i は I' = I - {k} に関する和である。 同様に Σy_i = y_k + Σ'y_i である。 x_k < y_k, Σ'x_i ≦ Σ'y_i だから x_k + Σ'x_i < y_k + Σ'y_i である。 証明終
56 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 13:38:31
次の命題は
>>52 と対称的であり、証明も同様である。
命題
R- を x ≦ 0 となる実数 x 全体の集合とする。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R- の元の族とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
集合 { S(J) ; J ∈ Φ(I) } が有界なら
族 (x_i) は総和可能(
>>25 )であり、
Σx_i = inf{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } である。
証明
S = inf{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } とおく。
任意の ε> 0 に対して
S ≦ S(J_0) < S + ε となる J_0 ∈ Φ(I) がある。
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して
S ≦ S(J) ≦ S(J_0) < S + ε
である。
よって |S - S(J)| < ε となる
よって、族 (x_i) は総和可能であり、その和は S である。
証明終
57 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 13:45:13
命題
R- を x ≦ 0 となる実数 x 全体の集合とする。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R- の元の族とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して A(J) = Σ|x_i| とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは A(J) = 0 とする。
集合 { A(J) ; J ∈ Φ(I) } が有界なら
族 (x_i) は総和可能であり、
A = sup{ A(J) ; J ∈ Φ(I) } とすると、
Σx_i = -A である。
証明
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
S = inf{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } とおく。
S = -A である。
>>56 から族 (x_i) は総和可能であり、
Σx_i = -A である。
証明終
58 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14:16:44
命題 F を実数体 R または複素数体 C とする。 G を F 上の r 次元数ベクトル空間 F^r とする(r ≧ 1)。 (x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。 (I_λ), λ ∈ L を I の有限な分割とする。 即ち、L は有限集合で、I = ∪I_λ で λ ≠ μ なら I_λ ∩ I_μ は空集合である。 I_λ を添字集合とする部分族 (x_i), i ∈ I_λ は総和可能とする。 この和を S_λ とする。 このとき (x_i), i ∈ I は総和可能で S = Σx_i をその和とすると、S = ΣS_λ である。 証明 L = {1, 2} の場合に証明すれば十分である。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 I_1 の有限部分集合全体の集合を Φ(I_1) とする。 H_1 ∈ Φ(I_1) に対して S_1(H_1) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は H_1 の元全体を動く。 同様に H_2 ∈ Φ(I_1) に対して S_2(H_2) を定義する。 (続く)
59 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14:18:25
任意の ε> 0 に対して J_1 ∈ Φ(I_1) があり、 J_1 ⊂ H_1 となる任意の H_1 ∈ Φ(I_1) に対して |S_1 - S_1(H_1)| < ε となる。 同様に J_2 ∈ Φ(I_2) があり、 J_2 ⊂ H_2 となる任意の H_2 ∈ Φ(I_2) に対して |S_2 - S_2(H_2)| < ε となる。 J_1 ∪ J_2 ⊂ H とする。 H_1 = H ∩ I_1 H_2 = H ∩ I_2 H = H_1 ∪ H_2 J_1 ⊂ H_1 J_2 ⊂ H_1 S(H) = S_1(H_1) + S_2(H_2) である。 S = S_1 + S_2 とする。 |S - S(H))| ≦ |S_1 - S_1(H_1)| + |S_2 - S_2(H_2)| < 2ε 証明終
60 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14:19:49
訂正
>>59 >J_2 ⊂ H_1
J_2 ⊂ H_2
61 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14:38:44
命題
R を実数全体の集合とする。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R の元の族とする。
(x_i) が総和可能であることと、(|x_i|) が総和可能であることは
同値である。
証明
x_i ≧ 0 となる i ∈ I の集合を I_1 とする。
x_i < 0 となる i ∈ I の集合を I_2 とする。
(x_i), i ∈ I が総和可能とする。
>>42 より部分族 (x_i), i ∈ I_1 と部分族 (x_i), i ∈ I_2 も
総和可能である。
このとき (|x_i|), i ∈ I_2 も総和可能である。
よって
>>58 より (|x_i|), i ∈ I は総和可能である。
逆に (|x_i|), i ∈ I が総和可能とする。
>>42 より部分族 (|x_i|), i ∈ I_2 も総和可能である。
このとき
>>57 より (x_i), i ∈ I_2 も総和可能である。
よって
>>58 より (x_i), i ∈ I は総和可能である。
証明終
62 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14:56:51
命題
R を実数全体の集合とする。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R の元の族とする。
(x_i) が総和可能であることと、(x_i) の有限部分和の全体が有界な
ことは同値である。
証明
(x_i), i ∈ I が総和可能であるとする。
x_i ≧ 0 となる i ∈ I の集合を I_1 とする。
x_i < 0 となる i ∈ I の集合を I_2 とする。
>>42 より部分族 (x_i), i ∈ I_1 と部分族 (x_i), i ∈ I_2 も
総和可能である。
よって I_1 の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の集合と
I_2 の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の集合は
それぞれ有界である。
よって I の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の全体は
有界である。
(続く)
63 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 14:57:51
逆に (x_i) の有限部分和の全体が有界とする。
I_1 の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の集合と
I_2 の有限部分集合に関する (x_i) の部分和の集合は
それぞれ有界である。
>>52 より (x_i), i ∈ I の部分族 (x_i), i ∈ I_1 は
総和可能である。
>>56 より (x_i), i ∈ I の部分族 (x_i), i ∈ I_2 は
総和可能である。
>>58 より (x_i), i ∈ I は総和可能である。
証明終
64 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 15:29:04
命題
R を実数全体の集合とする。
R^n を R 上の n 次元数ベクトル空間とする(n ≧ 1)。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R^n の元の族とする。
(x_i) が総和可能であることと、(|x_i|) が総和可能であることは
同値である。
証明
i ∈ I に対して
x_i = (x_(i,1), x_(i,2), . . . , x_(i,n)) とする。
>>50 より (x_i) が総和可能であることと、各 λ, 1 ≦ λ ≦ n に
対して族 (x_(i,λ)), i ∈ I が総和可能であることは同値である。
一方、
>>61 より、族 (x_(i,λ)), i ∈ I が総和可能であることと
族 (|x_(i,λ)|), i ∈ I が総和可能であることは同値である。
不等式
|x_(i,λ)| ≦ |x_i| ≦ |x_(i,1)| + |x_(i,2)| + . . . + |x_(i,n)|
と
>>55 より
(|x_i|) が総和可能であることと、
各 λ, 1 ≦ λ ≦ n に対して族 (|x_(i,λ)|), i ∈ I が
総和可能であることは同値である。
証明終
65 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 15:36:20
命題
C を複素数全体の集合とする。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする C の元の族とする。
(x_i) が総和可能であることと、(|x_i|) が総和可能であることは
同値である。
証明
R を実数全体の集合とする。
C はアーベル群として R^2 と同一視できる。
x ∈ C のとき x の絶対値 |x| は x ∈ R^2 とみたときのノルム |x| と
一致する。
よって本命題は
>>64 の n = 2 の場合とみなすことが出来る。
証明終
66 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 15:41:41
命題
C を複素数全体の集合とする。
C^n を C 上の n 次元数ベクトル空間とする(n ≧ 1)。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする C^n の元の族とする。
(x_i) が総和可能であることと、(|x_i|) が総和可能であることは
同値である。
証明
R を実数全体の集合とする。
C^n はアーベル群として R^(2n) と同一視できる。
x ∈ C^n のとき x のノルム |x| は x ∈ R^(2n) とみたときの
ノルム |x| と一致する。
よって本命題は
>>64 の n が偶数の場合とみなすことが出来る。
証明終
67 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 16:10:56
命題
F を実数体 R または複素数体 C とする。
G を F 上の r 次元数ベクトル空間 F^r とする(r ≧ 1)。
I を高々可算な集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。
(F_n), n ∈ Z+ を I の F-近似列(
>>31 ) とする。
族 (x_i) が総和可能で、その和を S とする。
このとき S = lim S(F_n) である。
証明
G のある元 S が存在して、
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して
|S - S(J)| < ε となる。
J_0 ⊂ F_(n_0) となる n_0 ∈ Z+ がある。
n ≧ n_0 のとき
F_(n_0) ⊂ F_n だから |S - S(F_n)| < ε となる。
よって S = lim S(F_n) である。
証明終
68 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 18:19:38
命題
C を複素数全体の集合とする。
L と M を高々可算な集合とする。
(x_λ), λ ∈ L
(y_μ), μ ∈ M
をそれぞれ総和可能な C の元の族とする。
このとき (x_λy_μ), (λ,μ) ∈ L×M も総和可能で
Σx_λy_μ = (Σx_λ)(Σy_μ) となる。
証明
H ⊂ L と K ⊂ M をそれぞれ L と M の有限部分集合とする。
(|x_λ|) の H における部分和を X(H)
(|y_μ|) の K における部分和を Y(K)
(|x_λy_μ|) の H×K における部分和を Z(H×K) とする。
Z(H×K) = X(H)Y(K) である。
>>65 より (|x_λ|), λ ∈ L は総和可能である。
よって集合 { X(H) ; H ∈ Φ(L) } は有界である。
同様に集合 { Y(K) ; K ∈ Φ(M) } は有界である。
よって集合 { Z(H×K) ; H ∈ Φ(L), K ∈ Φ(M) } は有界である。
L×M の任意の有限部分集合は H×K の形の有限部分集合に含まれる。
よって
>>65 より (x_λy_μ), (λ,μ) ∈ L×M は総和可能である。
(続く)
69 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 18:21:34
(続く)
(F_n), n ∈ Z+ を L の F-近似列(
>>31 ) とする。
(G_n), n ∈ Z+ を M の F-近似列 とする。
>>33 よりこのような近似列は存在する。
(x_λ) の F_n における部分和を S_n
(y_μ) の G_n における部分和を T_n とする。
(x_λy_μ) の F_n×G_n における部分和を U_n とする。
U_n = (S_n)(T_n) である。
>>67 より
Σx_λ = lim S_n
Σy_μ = lim T_n
Σx_λy_μ = lim U_n
lim U_n = lim (S_n)(T_n) = (lim S_n)(lim T_n)
証明終
70 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/07/31(火) 18:38:36
注意
>>69 において (x_λy_μ), (λ,μ) ∈ L×M が総和可能であることが
わかれば、
Σx_λy_μ = (Σx_λ)(Σy_μ) は以下のようにしても証明できる。
λ∈ L に対して L×M の部分集合 {λ}×M を考える。
L×M は ({λ}×M), λ∈ L により分割される。
>>43 より、
Σx_λy_μ = Σ(Σx_λy_μ, μ ∈ M), λ∈ L
となる。
この右辺は
Σ(x_λΣy_μ) = (Σx_λ)Σy_μ)
に等しい。
71 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:01:23
今まで述べた R^r または C^r における総和可能な族の理論は 分離かつ完備な位相アーベル群に値をもつ族の場合にほとんど そのまま拡張できる。 これを述べよう。
72 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:05:17
定義 G を群であり同時に位相空間とする。 μ : G×G → G を μ(x, y) = xy により定義される写像とする。 ν : G → G を ν(x) = x^(-1) により定義される写像とする。 μ と ν が連続なとき G を位相群と言う。
73 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:07:55
定義
G を位相群(
>>72 )とする。
G の単位元を e とする。
{e} が閉集合のとき G を分離的な位相群という。
74 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:19:56
G を位相群とし、a を G の元とする。 写像 L_a : G → G を L_a(x) = ax で定義する。 b = a^(-1) とおくと、 L_aL_b = L_bL_a = 1 である。 L_a も L_b も連続だから L_a は位相同型である。 写像 R_a : G → G を R_a(x) = xa で定義する。 b = a^(-1) とおくと、 R_aR_b = R_bR_a = 1 である。 R_a も R_b も連続だから R_a は位相同型である。 x と y を G の元とする。 a = yx^(-1) とすれば L_a(x) = y である。 即ち G の任意の2点は G の位相同型写像により移る。
75 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:30:37
定義 X を集合とする。 X の部分集合からなる集合 Ψ が以下の条件を満たすとき Ψ を X のフィルターと言う。 1) Ψ には空集合は含まれない。 2) A ∈ Ψ で A ⊂ B ⊂ X なら B ∈ Ψ 3) A ∈ Ψ, B ∈ Ψ なら A ∩ B ∈ Ψ
76 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:40:55
>>75 を以下のように修正する。
定義
X を集合とする。
X の部分集合からなる集合 Ψ が以下の条件を満たすとき
Ψ を X のフィルターと言う。
1) Ψ は空ではない。
2) Ψ には空集合は含まれない。
3) A ∈ Ψ で A ⊂ B ⊂ X なら B ∈ Ψ
4) A ∈ Ψ, B ∈ Ψ なら A ∩ B ∈ Ψ
77 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:42:57
定義 X を集合とする。 X の部分集合からなる集合 Ψ が以下の条件を満たすとき Ψ を X のフィルター基底と言う。 1) Ψ は空ではない。 2) Ψ には空集合は含まれない。 3) A ∈ Ψ, B ∈ Ψ なら C ⊂ A ∩ B となる C ∈ Ψ がある。
78 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:46:14
Ψ_0 を X のフィルター基底とする。 Ψ_0 の元を含むような X の部分集合全体は X のフィルター Ψ である。 このとき Ψ を Ψ_0 から生成されたフィルターと言う。 Ψ_0 は Ψ のフィルター基底と言う。
79 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:51:21
X の空でない部分集合の列 A_0 ⊃ A_1 ⊃ . . . があるとき 集合 {A_0, A_1, . . . } はフィルター基底である。 このようなフィルター基底は数学の各分野でよく現れる。
80 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 12:58:19
定義 X を位相空間とする。 x ∈ X のとき x の開近傍 U とは X の開集合で x ∈ U となるものを言う。 x の近傍 V とは X の部分集合で x のある開近傍 U を含むものを言う。
81 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 13:02:40
X を位相空間とする。
x ∈ X のとき x の近傍全体は X のフィルターである。
このフィルターの基底(
>>78 )を x の基本近傍系と言う。
82 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 13:25:57
命題
G を位相群とし、a を G の元とする。
V が G の単位元 e の基本近傍系(
>>81 )全体を動くとき、
aV と Va はそれぞれ a の基本近傍系全体を動く。
証明
写像 L_a : G → G を L_a(x) = ax で定義する。
写像 R_a : G → G を R_a(x) = xa で定義する。
>>74 より L_a と R_a は位相同型である。
L_a(e) = a
R_a(e) = a
これから、命題の主張は明らかである。
証明終
83 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 13:41:07
定義 X を位相空間とする。 X の任意の相異なる2点 x, y に対して、 x と y のそれぞれの近傍 V, W で交わらないものがあるとする。 このとき X をハウスドルフ空間と言う。
84 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 13:54:54
命題
Y を位相空間とする。
Y がハウスドルフ空間(
>>83 )であるためには Y×Y の
対角集合 Δ = {(x, x) ; x ∈ Y } が閉集合であることが
必要十分である。
証明
Y がハウスドルフ空間とする。
(x, y) ∈ Y - Δ なら x と y のそれぞれの近傍 V, W で
交わらないものがある。
このとき V×W と Δ は交わらない。
V×W は Y×Y における (x, y) の近傍である。
よって Y - Δ は開集合である。
即ち Δ は閉集合である。
逆も同様である。
証明終
85 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14:00:40
命題
G を分離的(
>>73 )な位相群とする。
G はハウスドルフ空間である。
即ち G の任意の相異なる2点 x, y に対して、
x と y のそれぞれの近傍 V, W で交わらないものがある。
証明
>>84 より対角集合 Δ = {(x, x) ; x ∈ G } が閉集合であることを
示せばよい。
写像 f: G×G → G を f(x, y) = xy^(-1) により定義する。
f は連続である。
G の単位元を e とする。
xy^(-1) = e なら x = y だから Δ = f^(-1)({e}) である。
{e} は閉集合で f は連続だから Δ は閉集合である。
証明終
86 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14:08:13
定義
X を位相空間とする。
X の各点が高々可算な基本近傍系(
>>81 )を持つとき、
X は第一可算公理を満たすと言う。
87 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14:14:03
G を位相アーベル群とする。 このとき、特に断らない限り G の算法は加法とする。 即ち G の元 x と y の算法は x + y で表す。
88 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14:17:00
定義 G を位相アーベル群とする。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (x_n) を Z+ を添字集合とする G の点列とする。 G の単位元 e の任意の近傍 V に対して n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n, m ≧ n_0 に対して x_n - x_m ∈ V とする。 このとき (x_n) を Cauchy 点列と呼ぶ。
89 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14:24:24
定義 X を位相空間とする。 Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。 (x_n) を Z+ を添字集合とする X の点列とする。 X の元 x があり、xの近傍 V に対して n_0 ∈ Z+ があり、 任意の n ≧ n_0 に対して x_n ∈ V とする。 このとき (x_n) は x に収束すると言い、 x = lim x_n と書く。
90 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14:30:46
命題
X をハウスドルフ位相空間(
>>83 )とする。
Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。
(x_n) を Z+ を添字集合とする X の点列とする。
(x_n) が x に収束する(
>>89 )なら x は点列(x_n)により一意に決まる。
即ち
x = lim x_n
y = lim x_n
なら x = y である。
証明
X はハウスドルフだから x ≠ y なら
x と y のそれぞれの近傍 V, W で交わらないものがある。
n_0 ∈ Z+ があり、
任意の n ≧ n_0 に対して x_n ∈ V かつ x_n ∈ W となる。
これは V, W は交わらないという仮定にはんする。
証明終
91 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 14:42:59
G を位相アーベル群とする。 G の算法が加法のとき G の単位元は 0 で表す。
92 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/01(水) 15:01:37
定義 G を位相群とする。 G の単位元 e の近傍 V が V = V^(-1) となるとき V を 対称な近傍と言う。
93 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08:08:03
訂正
>>89 >X の元 x があり、xの近傍 V に対して
X の元 x があり、xの任意の近傍 V に対して
94 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08:21:08
命題
G を位相群とする。
G の単位元 e の基本近傍系で対称な近傍(
>>92 )のみからなるものが
存在する。
証明
V を e の任意の近傍とする。
V ∩ V^(-1) は e の対称な近傍である。
よってこのような形の近傍全体が求めるものである。
証明終。
95 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08:40:22
命題
G を位相アーベル群とする。
Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。
(x_n) を Z+ を添字集合とする G の点列とする。
(x_n) が G のある点 x に収束する(
>>89 )なら、
(x_n) は Cauchy 点列(
>>88 )である。
証明
(x, y) に x + y を対応させる写像 G×G → G は連続だから
0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の近傍 W がる。
>>94 より W は対称としてよい。
x = lim x_n だから
n_0 ∈ Z+ があり、
任意の n, m ≧ n_0 に対して x_n ∈ x + W, x_m ∈ x + W となる。
このとき x_n - x_m ∈ W - W = W + W ⊂ V である。
従って、(x_n) は Cauchy 点列である。
証明終
96 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08:44:32
定義
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
G の任意の Cauchy 点列(
>>88 )が収束するとき
G を完備な位相アーベル群と言う。
97 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 08:50:23
点列の代わりにフィルターをとることにより第一可算公理を満たさない 位相アーベル群に対しても完備性が定義できる。 しかし我々は当面、完備な位相アーベル群を考える場合常に 第一可算公理を仮定することにする。
98 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09:12:26
定義 G を位相アーベル群とする。 G の部分集合 A と単位元 0 の近傍 V に対して A - A ⊂ V となるとき A を V の程度に小さい集合と言う。
99 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09:17:44
定義 G を位相アーベル群とする。 G の部分集合 A が単位元 0 の任意の近傍 V に対して V の程度に小さい集合からなる有限被覆をもつとき、 A を全有界と言う。 即ち 0 の任意の近傍 V に対して G の部分集合 A_1, . . ., A_n があり A ⊂ A_1∪ . . . ∪A_n で各 A_i は A_i - A_i ⊂ V となる。
100 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09:22:21
定義
G を位相アーベル群とする。
G の部分集合 A に含まれる Cauchy 点列(
>>88 )が常に A の点に
収束するとき A を完備という。
101 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09:25:03
訂正
>>100 >G を位相アーベル群とする。
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
102 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09:41:56
命題
G を位相アーベル群とする。
G のコンパクトな部分集合は全有界(
>>99 )である。
証明
K を G のコンパクトな部分集合とする。
V を 0 の任意の近傍とする。
W - W ⊂ V となる 0 の任意の近傍 W をとる。
x を K の点全体を動かすと x + W の全体は K の被覆になる。
K はコンパクトだから K の有限個の点 x_1, . . . , x_n があり
x_1 + W , . . , x_n + W が K の被覆になる。
各 x_i + W は x_i + W - (x_i + W) = W - W ⊂ V だから
V の程度に小さい(
>>98 )。
よって K は全有界である。
証明終
103 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09:45:29
訂正
>>102 >G のコンパクトな部分集合は全有界(
>>99 )である。
G の準コンパクトな部分集合は全有界(
>>99 )である。
104 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 09:49:31
位相空間 X の任意の開被覆が有限部分被覆をもつとき、 X を準コンパクトと言う。 準コンパクトなハウスドルフ空間をコンパクトな空間と言う。
105 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 10:06:10
命題
X を第一可算公理(
>>86 )を満たす位相空間とする。
X の任意の点 x は
W_0 ⊃ W_1 ⊃ . . .
となる基本近傍系(
>>81 ) (W_n) を持つ。
証明
(V_n) を x の高々可算な基本近傍系とする。
W_0 = V_0
W_1 = V_0 ∩ V_1
W_2 = V_0 ∩ V_1 ∩ V_2
. . .
とおけばよい。
証明終
106 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 10:36:34
命題
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
G の全有界(
>>99 )な部分集合に含まれる任意の点列は
Cauchy 点列を部分列に持つ。
証明
A をG の全有界)な部分集合とし、
α = (a_n) を A に含まれる点列とする。
>>105 より G の単位元のとなる基本近傍系 (V_n) で
V_0 ⊃ V1 ⊃ . . .
となるものがある。
各 V_i に対して
A_(i,1), . . . A_(i,n_i) を V_i の程度に小さい集合からなる A の
被覆とする。
ある k_0 にたいして a_n ∈ A_(0,k_0) となる n は無限個ある。
従って α = (a_n) の部分点列 α_0 = (a_(n, 0)) で A_(0,k_0) に
含まれるものがある。
同様に
α_0 の部分点列 α_1 = (a_(n, 1)) で A_(1,k_1) に
含まれるものがある。
帰納的に任意の m ∈ Z+ に対して α_m = (a_(n, m))
が定義される。
(続く)
107 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 10:38:12
β = (a_(n, n)) が Cauchy 点列であることを示せばよい。
G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して V_k ⊂ V となる
k ∈ Z+ がある。
α_k = (a_(n, k)) は V_k 程度に小さい集合(
>>98 )に含まれる。
従って、任意の n, m ≧ k に対して
a_(n, n) - a_(m, m) ∈ V_k ⊂ V である。
証明終
108 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 11:37:45
命題
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
A を G の部分集合で次の性質を持つとする。
A に含まれる任意の点列は G のある点に収束する部分点列を持つ。
このとき A は全有界(
>>99 )である。
証明
A が全有界でないとする。
単位元 0 のある近傍 V があり、A は V の程度に小さい集合からなる
有限被覆を持たない。
W - W ⊂ V となる 0 の任意の近傍 W をとる。
A の任意の元を a_0 とする。
a_0 + W は V の程度に小さい。
よって a_1 ∈ A - (a_0 + W) となる a_1 がある。
a_1 + W も V の程度に小さいから、
a_2 ∈ A - ((a_0 + W) ∪ (a_1 + W)) となる a_2 がある。
以下同様にして点列 (a_n) が定まる。
点列 (a_n) の作り方から
n > m のとき a_n - a_m は W に含まれない。
従って、点列 (a_n) は Cauchy 点列を部分点列として持たない。
よって
>>95 より点列 (a_n) は収束する部分点列を持たない。
これは仮定に反する。
証明終
109 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 11:40:47
証明をからわかるように、
>>108 において G は第一可算公理(
>>86 )を満たす必要はなかった。
110 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 11:50:14
定義 X を位相空間とする。 X の高々可算で稠密な部分集合があるとき、X は可分であるという。
111 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 12:08:55
命題
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
G の全有界(
>>99 )な部分集合は、部分位相空間として
可分(
>>110 )である。
証明
A を G の全有界な部分集合とする。
(V_n), n ∈ Z+ を G の単位元の基本近傍系とする。
各 V_i に対して
A_(i,1), . . . A_(i,n_i) を V_i の程度に小さい集合からなる A の
被覆とする。
x_(i,1) ∈ A_(i,1)
x_(i,2) ∈ A_(i,2)
. . .
x_(i,n_i) ∈ A_(i,n_i)
を任意にとる。
B_i = {x_(i,1), . . . , x_(i,n_i)} とおく。
A の任意の元 x に対して x ∈ A_(i,k) となる A_(i,k) がある。
このとき x ∈ x_(i,k) + V_i である。
B_i 全部の和集合を B とする。
B は高々可算である。
G の単位元の任意の近傍 V に対して V_n ⊂ V となる V_n を取る。
A の任意の元 x に対して x ∈ b + V_n となる b ∈ B_n がある。
これは B が A で稠密(dense)なことを意味する。
証明終
112 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 12:31:35
定義 X を位相空間とする。 X の開集合の高々可算個の集合 Φ があり、 X の任意の開集合 が Φ に属す開集合の和集合として表されるとき X は第ニ可算公理を満たすと言う。
113 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 14:21:26
命題
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
X を G の部分集合で、G の部分位相空間として可分(
>>110 )とする。
X は G の部分位相空間として第ニ可算公理(
>>112 )を満たす。
証明
>>105 より G の単位元の基本近傍系 (V_n) で
V_0 ⊃ V1 ⊃ . . .
となるものがある。
さらに各 V_n は対称としてよい。
X は高々可算で稠密な部分集合 Y を持つ。
x ∈ X のとき U_n(x) = (x + V_n) ∩ X とおく。
Φ = { U_n(y) ; n ∈ Z+ , y ∈ Y } とする。
Φ は高々可算な集合である。
(続く)
114 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 14:22:03
U を X の任意の開集合とする。 x を U の任意の元とする。 x ∈ U_n(x) ⊂ U となる n ∈ Z+ がある。 V_m + V_m ⊂ V_n となる m ∈ Z+ がある。 m はいくらでも大きく出来るから m ≧ n としてよい。 Y は X において稠密だから y ∈ U_m(x) となる y ∈ Y がある。 これは y - x ∈ V_m と同値である。 V_m は対称だから x - y ∈ V_m である。 即ち x ∈ U_m(y) である。 z ∈ U_m(y) なら z - y ∈ V_m 従って z - x = z - y + y - x ∈ V_m + V_m ⊂ V_n 即ち z ∈ U_n(x) よって U_m(y) ⊂ U_n(x) よって x ∈ U_m(y) ⊂ U_n(x) ⊂ U 即ち U は U_m(y) の形の集合の和集合である。 証明終
115 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 14:38:59
命題
G を位相アーベル群とする。
A を G の部分集合で次の性質を持つとする。
A に含まれる任意の点列は Cauchy 点列を部分列に持つ。
このとき A は全有界(
>>99 )である。
証明
>>108 の証明から明らかである。
116 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 14:41:49
命題
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
A を G の部分集合とする。
A が全有界(
>>99 )であることと、
A に含まれる任意の点列は Cauchy 点列を部分列に持つことは
同値である。
証明
>>106 と
>>115 より明らかである。
117 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 15:30:22
命題 X を位相空間とする。 X のな任意の可算開被覆が有限部分被覆を常にもつとする。 このとき X の任意の点列 (x_n), n ∈ Z+ は収束する部分点列を持つ。 証明 X の任意の可算開被覆 (U_n), n ∈ Z+ をとる。 (U_n) が有限部分被覆を持たないとする。 各 n ∈ Z+ に対して x_n ∈ X - (U_0 ∪ U_2 . . . U_n) となる x_n がある。 点列 (x_n), n ∈ Z+ が収束する部分点列 (x_kn), n ∈ Z+ を持つと する。 x = lim x_kn とする。 x ∈ U_m となる m ∈ Z+ がある。 x = lim x_kn だからいくらでも大きな kn があり x_kn ∈ U_m となる。 これは kn ≧ m のとき x_kn が U_m に含まれないことに矛盾する。 証明終
118 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 15:33:52
>>117 は以下のように修正する。
命題
X を位相空間とする。
X の任意の点列 (x_n), n ∈ Z+ は収束する部分点列を持つとする。
このとき X の任意の可算開被覆は有限部分被覆をもつ。
証明
X の任意の可算開被覆 (U_n), n ∈ Z+ をとる。
(U_n) が有限部分被覆を持たないとする。
各 n ∈ Z+ に対して
x_n ∈ X - (U_0 ∪ U_2 . . . U_n) となる x_n がある。
点列 (x_n), n ∈ Z+ が収束する部分点列 (x_kn), n ∈ Z+ を持つと
する。
x = lim x_kn とする。
x ∈ U_m となる m ∈ Z+ がある。
x = lim x_kn だからいくらでも大きな kn があり x_kn ∈ U_m となる。
これは kn ≧ m のとき x_kn が U_m に含まれないことに矛盾する。
証明終
119 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 15:56:02
命題
X を第ニ可算公理(
>>112 )を満たす位相空間とする。
このとき X の任意の開被覆は高々可算な部分被覆をもつ。
証明
Φ を X の開集合の高々可算な基底とする。
(V_λ), λ ∈ Λ を X の開被覆とする。
U ∈ Φ のとき U ⊂ V_λ となる λ ∈ Λ があるような U の集合を
Φ’と書く。
x を X の任意の点とする。
x ∈ V_λ となる λ ∈ Λ がある.
このとき x ∈ U ⊂ V_λ となる U ∈ Φ’がある。
従って、Φ’は X の被覆である。
U ∈ Φ’のとき U ⊂ V_λ となる λ があるから、その一つを
選んでそれを λ(U) と書く。
U ⊂ V_λ(U) だから (V_λ(U)), U ∈ Φ’も X の被覆である。
これが求める部分被覆である。
証明終
120 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 16:10:04
命題(Heine-Borel)
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
X を G の部分集合とする。
X の任意の点列 (x_n), n ∈ Z+ は X の点に収束する部分点列を
持つとする。
このとき X の任意の開被覆は有限部分被覆をもつ。
即ち X は準コンパクトである。
証明
>>108 より X は全有界である。
>>111 より X は可分(
>>110 )である。
>>113 より X は G の部分位相空間として第ニ可算公理(
>>112 )を
満たす。
>>119 より X の任意の開被覆は高々可算な部分被覆をもつ。
>>118 より X の任意の可算開被覆は有限部分被覆をもつ。
証明終
121 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 16:33:35
命題
X を第一可算公理を満たす位相空間で、
X の任意の可算開被覆は有限部分被覆をもつとする。
A_0 ⊃ A_1 ⊃ . . . を X の可算なフィルター基底(
>>79 )とする。
このとき X の点 x で x ∈ ∩cls(A_n), n ∈ Z+ となるものがある。
ここで cls(A_n) は A_n の閉包である。
証明
∩cls(A_n) が空集合とする。
V_n = X - cls(A_n) とおく。
X = ∪V_n である。
仮定から X = V_n1 ∪. . . ∪ V_nr となる。
即ち cls(A_n1)∩. . . ∩cls(A_nr) は空集合である。
従って A_n1 ∩. . . ∩ A_nr も空集合である。
A_n1 ∩. . . ∩ A_nr は A_n1, . . ., A_nr のどれか一つと
一致するから空集合ではない。
これは矛盾である。
証明終
122 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 16:35:27
>>121 の証明からわかるように X は第一可算公理を満たす必要は
なかった。
123 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 16:45:43
命題
X を第一可算公理を満たす位相空間で、
X の任意の可算開被覆は有限部分被覆をもつとする。
このとき X の任意の点列 (x_n), n ∈ Z+ は X の点に収束する
部分点列を持つ。
証明
A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。
A_0 ⊃ A_1 ⊃ . . . を X の可算なフィルター基底(
>>79 )である。
>>121 より X の点 x で x ∈ ∩cls(A_n), n ∈ Z+ となるものがある。
x の基本近傍系を (V_n) とする。
x ∈ cls(A_0) だから x_k(0) ∈ V_0 となる x_k(0) ∈ A_0 がある。
x ∈ cls(A_k(0)) だから x_k(1) ∈ V_1 となる x_k(1) ∈ A_k(0)
がある。
同様にして
x_k(n) ∈ V_n となる x_k(n) ∈ A_k(n) がある。
k(0) ≦ k(1) ≦ . . . ≦ k(n) ≦ k(n+1) ≦ . . .
である。
従って x = lim x_k(n) である。
証明終
124 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 17:06:44
命題 G を位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を Cauchy 列とする。 (x_n), n ∈ Z+ が収束する部分点列 (x_k(n)) を持つなら (x_n) も収束する。 証明 x = lim x_k(n) とする。 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる 0 の近傍 W がある。 n_0 ∈ Z+ があり、 n ≧ n_0 なら x_k(n) - x ∈ W n, m ≧ n_0 なら x_n - x_m ∈ W n ≧ n_0 だから k(n) ≧ k(n_0) で k(n_0) ≧ n_0 だから k(n) ≧ n_0 である。 よって x_n - x_k(n) ∈ W よって x_n - x = x_n - x_k(n) + x_k(n) - x ∈ W + W ⊂ V 即ち x = lim x_n である。 証明終
125 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 17:16:15
命題
G を位相アーベル群とする。
G の準コンパクトな部分集合は全有界である。
証明
K を G の準コンパクトな部分集合とする。
G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W - W ⊂ V となる
0 の近傍 W がある。
族 (x + W), x ∈ K は K の開被覆である。
K は準コンパクトだから K の有限個の点 x_1, . . . , x_n があり、
x_1 + W, . . . , x_n + W は K の被覆である。
各 x_i + W は V の程度に小さい(
>>98 )。
従って K は全有界である。
証明終
126 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/02(木) 17:26:12
命題
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
K を G の準コンパクトな閉集合とする。
K に含まれる Cauchy 列は K の点に収束する。
即ち K は完備(
>>100 ,
>>101 )である。
証明
(x_n), n ∈ Z+ を K の元よりなる Cauchy 列とする。
>>123 より (x_n) は X の点 x に収束する部分点列を持つ。
K は閉集合だから x ∈ K である。
>>124 より x = lim x_n である。
証明終
127 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:29:36
命題
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
K を G の全有界かつ完備な部分集合とする。
K は準コンパクトである。
証明
>>106 より K に含まれる任意の点列は Cauchy 点列を部分列に持つ。
K は完備だから K に含まれる Cauchy 点列は常に K の点に
収束する。
従って、K に含まれる任意の点列は K の点に収束する部分列を持つ。
>>120 より K は準コンパクトである。
証明終
128 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:30:10
定義 ハウスドルフ位相空間 X の各点がコンパクトな近傍をもつとき、 X は局所コンパクトであると言う。
129 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:30:42
命題
G を第一可算公理を満たす局所コンパクトアーベル群とする。
G は完備である。
証明
V を G の単位元のコンパクトな近傍とする。
(x_n) を Cauchy 点列とする。
n_0 ∈ Z+ があり、
任意の n, m ≧ n_0 に対して x_n - x_m ∈ V となる。
特に x_n - x_(n_0) ∈ V だから
x_n ∈ x_(n_0) + V となる。
x_(n_0) + V はコンパクトだから
>>123 より点列 (x_n), n ≧ n_0 は
収束する部分点列を持つ。
>>124 より (x_n), n ≧ n_0 は収束する。
従って、(x_n), n ∈ Z+ も収束する。
即ち、G は完備である。
証明終
130 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:33:11
定義
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
Φ を X のフィルター(
>>76 )とする。
G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して
V 程度に小さい(
>>98 ) Φ の元があるとき
Φ を X の Cauchy フィルターと言う。
X のフィルター基底(
>>77 ) Φ_0 が生成する X のフィルターが
Cauchy フィルターのとき Φ_0 を X の Cauchy フィルター基底と言う。
131 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:34:09
定義
X を 位相空間とする。
Φ を X のフィルター(
>>76 )とする。
X の点 x の近傍全体の作るフィルターが Φ に含まれるとき
Φ は x に収束すると言う。
このとき x を Φ の極限点と言う。
X のフィルター基底(
>>77 ) Φ_0 が生成するフィルターが x に
収束するとき Φ_0 は x に収束すると言う。
このとき x を Φ_0 の極限点と言う。
132 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:34:39
定義
X を位相空間とする。
Φ_0 を X のフィルター基底(
>>77 ) とする。
X の点 x が任意の A ∈ Φ_0 の閉包に含まれるとき
x を Φ_0 の接触点と言う。
133 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:35:38
定義
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
Φ を X の Cauchy フィルター(
>>130 )とする。
Ψ ⊂ Φ となる X の Cauchy フィルター Ψ は Φ に限るとき
Φ を X の極小 Cauchy フィルターと言う。
134 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:36:21
定義 G を位相アーベル群とする。 A を G の部分集合とする。 G の単位元 0 の近傍 V に対して V(A) を x + V 全体の共通集合とする。 ここで x は A の点全体を動く。
135 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:39:51
補題
G を位相アーベル群とする。
A を G の部分集合とする。
G の単位元 0 の対称近傍(
>>92 ) V に対して
A が V 程度に小さければ(
>>98 )
V(A) は 3V = V + V + V 程度に小さい。
証明
x と y を V(A) の元とする。
x = a + v, a ∈ A, v ∈ V
y = b + w, b ∈ A, w ∈ W
と書ける。
x - y = a - b + v - w ∈ V + V + V
よって V(A) は 3V 程度に小さい。
証明終
136 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 19:42:27
命題
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
Φ を X の Cauchy フィルター(
>>130 )とする。
Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。
V を G の単位元 0 の対称基本近傍系 Γ 全体を動かし、
M を Φ_0 の元全体を動かしたときの
V(M) ∩ X 全体を Ψ_0 とする。
Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底(
>>130 )であり、
Ψ_0 が生成する X のフィルター Ψ は Φ に含まれる
X の唯一の極小 Cauchy フィルター(
>>133 )である。
証明
M, N を Φ_0 の元とし、
V, W を Γ の元とする。
L ⊂ M ∩ N となる L ∈ Φ_0 と
U ⊂ V ∩ W となる U ∈ Γ がある。
U(L) ⊂ V(M) ∩ W(N) である。
従って、
U(L) ∩ X ⊂ V(M) ∩ W(N) ∩ X である。
よって Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底である。
(続く)
137 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 20:27:01
>>135 より
M が V 程度に小さければ
V(M) ∩ X は 3V 程度に小さい。
よって Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底である。
M ⊂ V(M) ∩ X だから Ψ_0 ⊂ Φ である。
Δ を Cauchy フィルターで Δ ⊂ Φ とする。
任意の
M ∈ Φ_0
V ∈ Γ
に対して
V 程度に小さい N ∈ Δ がある。
Δ ⊂ Φ だから N と M は交わる。
よって N ⊂ V(M) ∩ X となり、V(M) ∩ X ∈ Δ となる。
よって Ψ_0 ⊂ Δ となる。
これは Ψ_0 が Φ に含まれる唯一の極小 Cauchy フィルター
であることを意味する。
証明終
138 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 20:38:43
命題
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
Φ を X の Cauchy フィルター(
>>130 )とする。
Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。
Φ が X の 極小 Cauchy フィルターであるためには
任意の N ∈ Φ に対して M ∈ Φ_0 と
G の単位元 0 の対称近傍 V があり、V(M) ∩ X ⊂ N
となることが必要十分である。
証明
>>136 より明らかである。
139 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 20:57:02
命題
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
x を X の点とする。
G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して (x + V) ∩ X の全体 Φ
は X の 極小 Cauchy フィルターである。
証明
Φ がフィルターであることは明らかである。
G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して
W + W ⊂ V となる 0 の対称近傍 W を取る。
W(x + W) = x + W + W ⊂ x + V
よって
>>138 より Φ は極小 Cauchy フィルターである。
証明終
140 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 21:12:19
命題
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
X の Cauchy フィルター基底 Φ_0 が X の点 x を接触点に持てば、
x は Φ_0 の極限点である。
証明
G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる
0 の近傍 W がある。
Φ_0 はCauchy フィルター基底だから W 程度に小さい(
>>98 )
M ∈ Φ_0 がある。
x + W と M は交わるから M の元 z があり、z - x ∈ W となる。
y ∈ M なら y - z ∈ W である。
従って、 y - x = y - z + z - x ∈ W + W ⊂ V
よって y ∈ x + V
即ち M ⊂ x + V
よって x は Φ_0 の極限点である。
証明終
141 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 21:26:26
命題
X を位相空間とする。
Φ と Ψ を X のフィルターで、Φ ⊂ Ψ とする。
Φ の極限点(
>>131 )は Ψ の極限点である。
Ψ の接触点(
>>132 )は Φ の接触点である。
証明
定義(
>>131 ,
>>132 )より明らかである。
142 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 21:55:17
命題
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
X の任意の Cauchy 点列が収束するとする。
このとき X の任意の可算な Cauchy フィルター基底も収束する。
証明
(F_n), n ∈ Z+ を可算な Cauchy フィルター基底とする。
(F_n) が生成するフィルターを Φ とする。
A_n = F_0 ∩. . . ∩F_n とする。
(A_n), n ∈ Z+ が生成するフィルターも Φ である。
各 A_n から点 x_n を取り出し点列 (x_n) を作る。
(A_n) は Cauchy フィルター基底だから
(x_n) は Cauchy 点列(
>>88 ) である。
B_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。
(B_n), n ∈ Z+ は X の可算なフィルター基底である。
(B_n) が生成するフィルターを Ψ とする。
B_n ⊂ A_n だから Φ ⊂ Ψ である。
点列 (x_n) は Cauchy 点列だから収束する。
従って (B_n) も収束する。
従って Ψ も収束する。
Ψ の収束点は Ψ の接触点だから
>>141 より Φ の接触点でもある。
>>140 より、これは Φ の極限点である。
証明終
143 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22:06:56
注意
>>142 では G での第一可算公理を仮定していない。
144 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22:07:57
命題
G を第一可算公理を満たす位相アーベル群とする。
X を G の部分空間で完備(
>>100 )とする。
X の任意の Cauchy フィルターは X において収束する。
証明
(V_n), n ∈ Z+ を G の単位元の基本近傍系とする。
Φ を X の Cauchy フィルターとする。
A_n を V_n 程度に小さい(
>>98 ) Φ の元とする。
(A_n), n ∈ Z+ は Cauchy フィルター基底である。
(A_n), n ∈ Z+ が生成する Cauchy フィルターを Ψ とする。
Ψ ⊂ Φ である。
>>142 より Ψ は収束するから Φ も収束する。
証明終
145 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22:10:01
定義
G を位相アーベル群とする。
G の部分空間 X に含まれる Cauchy フィルター(
>>130 )が常に X の点に
収束するとき X を完備という。
146 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22:11:14
147 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22:20:53
定義 G を位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。 I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。 J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。 ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。 J が空集合のときは S(J) = 0 とする。 G のある元 S が存在して、 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ∈ S + V となるとき、族 (x_i) は総和可能といい、 S をその和と呼ぶ。 このとき S = Σx_i と書く。
148 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 22:23:35
訂正
>>147 >G を位相アーベル群とする。
G を分離的(
>>73 )な位相アーベル群とする。
149 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 23:25:49
命題
X をハウスドルフ空間(
>>83 )とする。
X のフィルターが収束(
>>131 )するときその極限点は一意に決まる。
証明
Φ を X のフィルターで、x と y を Φ の極限点とする。
x ≠ y と仮定する。
x と y のそれぞれの近傍 V, W で交わらないものがある。
V と W は Φ の元だから V ∩ W も Φ の元であり空でない。
これは矛盾である。
証明終
150 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 23:37:35
命題
G を分離的(
>>73 )な位相アーベル群とする。
I を(可算とは限らない)任意の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
族 (x_i) が総和可能なら、その和は一意に決まる。
証明
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
J ∈ Φ(I) に対して Ψ(J) = {S(K): J ⊂ K, K ∈ Φ(I)} とおく。
Ψ_0 = {Ψ(J); J ∈ Φ(I)} は G のフィルター基底である。
族 (x_i) が総和可能で、その和が x であることと
Ψ_0 が収束してその極限点が x であることは同値である。
G はハウスドルフ空間である(
>>85 )から
>>149 より Ψ_0 の極限点は一意に決まる。
証明終
151 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/03(金) 23:49:47
命題(
>>28 の一般化)
G を分離的(
>>73 )な位相アーベル群とする。
I を(可算とは限らない)任意の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
K を集合として、φ : K → I を同型、即ち全単射とする。
族 (x_i) が総和可能(
>>147 ) なら 族 (x_φ(k))) も総和可能であり、
Σx_i = Σx_φ(k) となる。
証明
S = Σx_i とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
同様に K の有限部分集合全体の集合を Φ(K) とする。
H ∈ Φ(K) に対して T(H) = Σx_φ(k) とおく。
ここで右辺の和の k は H の元全体を動く。
H が空集合のときは T(H) = 0 とする。
T(H) = S(φ(H)) である。
G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ∈ S + V となる。
H_0 = φ^(-1)(J_0) とおく。
H_0 ⊂ H となる H ∈ Φ(K) に対して J = φ(H) とおく。
φ は全単射だから J_0 = φ(H_0) である。
H_0 ⊂ H だから J_0 ⊂ J である。
よって S(J) = S(φ(H)) ∈ S + V
即ち、T(H) ∈ S + V
これは S = Σx_φ(k) を意味する。
証明終
152 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 00:09:11
命題(
>>29 の一般化)
G を分離的な位相アーベル群とする。
I を(可算とは限らない)任意の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
族 (x_i) は総和可能(
>>25 )とする。
G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら
S(K) ∈ V となる。
証明
W + W ⊂ V となる 0 の対称近傍 W がある。
J_0 ∈ Φ(I) があり、
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して
S(J) ∈ S + W となる。
J - J_0 = K とおく。
S(J) = S(J_0) + S(K) である。
S(K) = S(J) - S(J_0) = S(J) - S + S - S(J_0) ∈ W + W ⊂ V
証明終
153 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 00:36:08
定義(Cauchy の判定条件) G を分離的な位相アーベル群とする。 I を(可算とは限らない)任意の集合とする。 (x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。 次の条件を Cauchy の判定条件と言う。 G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、 K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら S(K) ∈ V となる。
154 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 00:41:57
命題
G を分離的な位相アーベル群とする。
I を(可算とは限らない)任意の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
(x_i) が総和可能なら G の単位元の任意の近傍 V に対して
J_0 ∈ Φ(I) があり、i ∈ I - J_0 なら x_i ∈ V となる。
証明
>>152 より明らかである。
155 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01:12:43
命題 X をハウスドルフ空間とする。 x を X の任意の点とする。 x のすべての近傍の共通部分は {x} である。 証明 x のすべての近傍の共通部分を Y とする。 y ∈ Y で y ≠ x とすると、 x の近傍 V で y を含まないものがあるから、これは矛盾である。 よって Y = {x} である。 証明終
156 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01:23:39
命題
G を第一可算公理を満たす分離的な位相アーベル群とする。
I を(可算とは限らない)任意の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
(x_i) が総和可能なら x_i ≠ 0 となる i の集合は高々可算である。
証明
(V_n), n ∈ Z+ を G の単位元の基本近傍系とする。
x_i が V_n に含まれないような i の集合を H_n とする。
>>155 より V_n 全体の共通部分は {0} であるから
x_i ≠ 0 となる i の集合 H は H_n の和集合となる。
>>154 より H_n は有限集合である。
従って H は高々可算である。
証明終
157 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01:38:21
命題
G を分離的な位相アーベル群とする。
I を(可算とは限らない)任意の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
J ∈ Φ(I) に対して Ψ(J) = {S(K): J ⊂ K, K ∈ Φ(I)} とおく。
Ψ_0 = {Ψ(J); J ∈ Φ(I)} は G のフィルター基底である。
(x_i), i ∈ I が Cauchy の判定条件(
>>153 )を満たせば、
Ψ_0 は Cauchy フィルター基底(
>>130 )である。
証明
G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ⊂ V となる
0 の対称近傍 W をとる。
Cauchy の判定条件(
>>153 )より
J_0 ∈ Φ(I) があり、
K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら
S(K) ∈ W となる。
J_0 ⊂ J なら K = J - J_0 とおくと
S(K) = S(J) - S(J_0) ∈ W となる。
同様に
J_0 ⊂ J_1 なら K_1 = J_1 - J_0 とおくと
S(K_1) = S(J_1) - S(J_0) ∈ W となる。
よって
S(J_1) - S(J) = S(J_1) - S(J_0) + S(J_0) - S(J) ∈ W + W ⊂ V
よって
Ψ_0 は Cauchy フィルター基底である。
証明終
158 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 01:45:44
命題(Cauchy の定理)
G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。
I を(可算とは限らない)任意の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
(x_i), i ∈ I が Cauchy の判定条件(
>>153 )を満たせば、
(x_i), i ∈ I は総和可能である。
証明
J ∈ Φ(I) に対して Ψ(J) = {S(K): J ⊂ K, K ∈ Φ(I)} とおく。
Ψ_0 = {Ψ(J); J ∈ Φ(I)} は G のフィルター基底である。
>>157 より Ψ_0 は Cauchy フィルター基底(
>>130 )である。
G は完備(
>>145 )だから Ψ_0 は収束する。
よって (x_i), i ∈ I は総和可能である。
証明終
159 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 02:31:11
命題(
>>42 の一般化)
G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。
I を(可算とは限らない)任意の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
族 (x_i) は総和可能(
>>25 )とする。
H を I の任意の部分集合とする。
H を添字集合とする部分族 (x_i), i ∈ H は総和可能である。
証明
>>152 より族 (x_i), i ∈ I は Cauchy の判定条件(
>>153 )を満たす。
即ち、G の単位元の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら
S(K) ∈ V となる。
L ∈ Φ(H) で (J_0 ∩ H) ∩ L = J_0 ∩ L が空集合なら
S(L) ∈ V となる。
即ち、部分族 (x_i), i ∈ H もCauchy の総和可能判定条件を満たす。
従って、
>>158 より (x_i), i ∈ H は総和可能である。
証明終
160 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 08:58:38
訂正
>>134 >V(A) を x + V 全体の共通集合とする。
V(A) を x + V 全体の和集合とする。
ここで x は A の点全体を動く。
即ち V(A) = A + V である。
161 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09:11:37
命題 G を位相群とする。 Ψ_0 を G の単位元の基本近傍系とする。 A を G の空でない部分集合とする。 {VA ; V ∈ Ψ_0} の共通部分は A の閉包である。 証明 {VA ; V ∈ Ψ_0} の共通部分を B とする。 x ∈ B は 任意の V ∈ Ψ_0 に対して x ∈ VA と同値である。 これは任意の V ∈ Ψ_0 に対して V^(-1)x が A と交わることと 同値である。 これは x が A の閉包に属すことと同値である。 証明終
162 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09:22:03
命題
G を位相群とする。
A を G の空でない部分集合とする。
V を単位元の任意の近傍とする。
このとき cls(A) ⊂ VA である。
ここで cls(A) は A の閉包を表す。
証明
>>161 より明らかである。
163 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09:27:06
命題
G を位相群とする。
単位元の閉近傍全体は単位元の基本近傍系である。
証明
V を単位元の任意の近傍とする。
W^2 ⊂ V となる単位元の近傍 W がある。
>>162 より cls(W) ⊂ W^2 である。
証明終
164 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09:33:34
命題(
>>43 の一般化)
G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。
I を(可算とは限らない)任意の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
族 (x_i) は総和可能(
>>25 )とする。
S = Σx_i をその和とする。
(I_λ), λ ∈ L を I の任意の分割とする。
即ち I = ∪I_λ, λ ∈ L で λ ≠ μ なら I_λ ∩ I_μ は空集合
である。
>>159 より部分族 (x_i), i ∈ I_λ は総和可能である。
この和を S_λ とする。
族 (S_λ), λ ∈ L は総和可能で、その和 ΣS_λ は S = Σx_i に
等しい。
証明
K ∈ Φ(L) に対して T(K) = ΣS_λ とおく。
ここで右辺の和の λ は K の元全体を動く。
K が空集合のときは T(K) = 0 とする。
(続く)
165 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09:35:18
即ち、G の単位元の任意の対称近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して
S - S(J) ∈ V となる。
K_0 = {λ ∈ L ; J_λ = I_λ ∩ J_0 が空でない } とおく。
K を L の有限部分集合で K_0 ⊂ K とする。
>>163 より単位元の閉近傍全体は基本近傍系であるから
S - T(K) ∈ cls(V) を示せばよい。
G の単位元の任意の対称近傍 W に対して
各 λ ∈ K に対して J_λ ⊂ H_λ ⊂ I_λ となる有限部分集合 H_λ
が存在して S_λ - (H_λ) ∈ W となる。
J = ∪H_λ, λ ∈ K とおく。J は I の有限部分集合で J_0 を含む。
S(J) = ΣT(H_λ), λ ∈ K
である。
S - T(K) = S - ΣS_λ = S - Σ(S_λ - T(H_λ)) - ΣT(H_λ)
= S - S(J) - Σ(S_λ - T(H_λ)) ∈ V + nW
n は K の元の個数である。
W はいくらで小さく出来るから
>>161 より
S - T(K) ∈ cls(V) となる。
証明終
166 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09:48:03
命題(総和記号の交換)
G を分離的かつ完備な位相アーベル群とする。
L と M を任意の集合とする。
(x_(λ,μ)), (λ,μ) ∈ L×M を L×M を添字集合とする
G の元の族とする。
(x_(λ,μ)) が総和可能なら
Σx_(λ,μ) = Σ(Σx_(λ,μ), μ ∈ M), λ ∈ L
= Σ(Σx_(λ,μ), λ ∈ L), μ ∈ M
となる。
証明
L×M は ({λ}×M), λ ∈ L により分割される。
>>164 より Σx_(λ,μ) = Σ(Σx_(λ,μ), μ ∈ M), λ ∈ L
である。
同様に、(L×{μ}), μ ∈ M により分割される。
>>164 より Σx_(λ,μ) = Σ(Σx_(λ,μ), λ ∈ L), μ ∈ M
である。
証明終
167 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09:54:56
命題(
>>58 の一般化)
G を分離的な位相アーベル群とする。
(x_i), i ∈ I を G の元の I を添字集合とする族とする。
(I_λ), λ ∈ L を I の有限な分割とする。
即ち、L は有限集合で、I = ∪I_λ で
λ ≠ μ なら I_λ ∩ I_μ は空集合である。
I_λ を添字集合とする部分族 (x_i), i ∈ I_λ は総和可能とする。
この和を S_λ とする。
このとき (x_i), i ∈ I は総和可能で
S = Σx_i をその和とすると、S = ΣS_λ である。
証明
L = {1, 2} の場合に証明すれば十分である。
I_1 の有限部分集合全体の集合を Φ(I_1) とする。
H_1 ∈ Φ(I_1) に対して S_1(H_1) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は H_1 の元全体を動く。
同様に H_2 ∈ Φ(I_1) に対して S_2(H_2) を定義する。
(続く)
168 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 09:55:44
即ち、G の単位元の任意の対称近傍 V に対して J_1 ∈ Φ(I_1) があり、 J_1 ⊂ H_1 となる任意の H_1 ∈ Φ(I_1) に対して S_1 - S_1(H_1) ∈ V となる。 同様に J_2 ∈ Φ(I_2) があり、 J_2 ⊂ H_2 となる任意の H_2 ∈ Φ(I_2) に対して S_2 - S_2(H_2) ∈ V となる。 J_1 ∪ J_2 ⊂ H とする。 H_1 = H ∩ I_1 H_2 = H ∩ I_2 H = H_1 ∪ H_2 J_1 ⊂ H_1 J_2 ⊂ H_1 S(H) = S_1(H_1) + S_2(H_2) である。 S = S_1 + S_2 とする。 S - S(H) = S_1 - S_1(H_1) + S_2 - S_2(H_2) ∈ V + V 証明終
169 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 10:13:45
定義 位相群 G から位相群 G' への群としての準同型 f が連続なとき f を位相群としての射または単に射と言う。
170 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 10:33:27
(G_i), i ∈ I を I を添字集合とする位相群の族とする。 G = ΠG_i は自然に位相群となる。 これを示そう。 H_i = (G_i)×(G_i) とおく。 f_i : H_i → G_i を f_i(x, y) = xy^(-1) で定義する。 f_i は連続である。 H = ΠH_i とおく。 g: H → G を g((x_i, y_i)) = ((x_i(y_i)^(-1)) で定義する。 G から G_i への射影を p_i とする。 H から H_i への射影を q_i とする。 (p_i)g = (f_i)(q_i) である。 (f_i)(q_i) : H → G_i は連続である。 従って g も連続である。 一方、G×G は位相群として標準的に H に同型である。 この同型を φ とする。 即ち φ((x_i), (y_i)) = ((x_i, y_i)) gφ : G×G → G は連続である。 gφ(x, y) = xy^(-1) である。 従って G は位相群である。
171 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 10:55:31
(G_i), i ∈ I を I を添字集合とする位相群の族とする。
>>170 より G = ΠG_i は自然に位相群となる。
各 i ∈ I に対して
p_i : G → G_i を射影とする。
(G, (p_i)) は次の性質 (P) を持つ。
H を位相群とし、各 i ∈ I に対して
f_i : H → G_i を位相群としての射(
>>169 )とする。
このとき射 f: H → G で (p_i)f = f_i となるものが一意に存在する。
性質 (P) の証明は読者にまかす。
位相群 G' と各 i ∈ I に対して射 q_i : G' → G_i があり、
(G', (q_i)) が性質 (P) を持てば
射で α : G → G' で (q_i)α = p_i
射で β : G' → G で (p_i)β = q_i
となるものがある。
このとき射の一意性から βα = 1, αβ = 1 となる。
従って G' は G と同型である。
172 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 11:17:51
命題 (X_i), i ∈ I を I を添字集合とする位相空間の族とする。 X = ΠX_i を直積とする。 各 i ∈ I に対して p_i : X → X_i を射影とする。 Φ を X のフィルター基底とする。 Φ が x に収束するためには各 i ∈ I に対して フィルター基底 p_i(Φ) が p_i(x) に収束することが必要十ウンである。 証明 Φ が x に収束するとする。 各 i ∈ I に対して V_i を p_i(x) の任意の近傍とする。 (p_i)^(-1)(V_i) は x の近傍だから M ⊂ (p_i)^(-1)(V_i) となる M ∈ Φ がある。 p_i(M) ⊂ V_i だから p_i(Φ) は p_i(x) に収束する。 逆に各 i ∈ I に対して p_i(Φ) が p_i(x) に収束するとする。 V を x の任意の近傍とする。 有限個の I の元 L = {i_1, . . . , i_n} と 各 k ∈ L に対して p_k(x) の近傍 V_k があり、 ∩(p_k)^(-1)(V_k) ⊂ V となる。 各 k ∈ L に対して p_k(M_k) ⊂ V_k となる M_k ∈ Φ がある。 M ⊂ ∩M_k となる M ∈ Φ をとる。 M ∈ Φ で M ⊂ ∩(p_k)^(-1)(V_k) ⊂ V となる。 よって Φ は x に収束する。 証明終
173 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 11:44:59
命題
(G_λ), λ ∈ L を L を添字集合とする分離的な位相アーベル群の
族とする。
G = ΠG_λ は自然に位相アーベル群となる。
G は分離的である。
p_λ : G → G_λ を射影とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
(x_i) が総和可能であるためには各 λ に対して G_λ の元の族
(p_λ(x_i)), i ∈ I が総和可能であることが必要十分である。
このとき S_λ = Σp_λ(x_i) とすると
S = (S_λ) は (x_i) の和である。
証明
J を I の有限部分集合とする。
S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元を動く。
p_λ(S(J)) = Σp_λ(x_i) である。
ここで右辺の和の i は J の元を動く。
このことと、
>>172 より本命題の主張は直ちに出る。
証明終
174 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 12:08:12
命題 X, Y を位相空間とし、 f : X → Y を連続写像とする。 Φ を X のフィルター基底で x に収束するとする。 このときフィルター基底 f(Φ) は f(x) に収束する。 証明 f(x) の任意の近傍 V をとる。 f^(-1)(V) は x の近傍だから M ∈ Φ があり、 M ⊂ f^(-1)(V) となる。 よって f(M) ⊂ V である。 よって f(Φ) は f(x) に収束する。 証明終
175 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 12:13:17
命題
G と G' を分離的な位相アーベル群とする。
f : G → G' を位相群の射(
>>169 )とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする G の元の族とする。
(x_i) が総和可能なら (f(x_i)) も総和可能であり、
f(Σx_i) = Σf(x_i) となる。
証明
i が I の有限部分集合 J の元を動くとき
f(Σx_i) = Σf(x_i) となる。
これと
>>174 より明らかである。
証明終
176 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 12:28:40
命題
G を分離的な位相アーベル群とする。
(x_i), (y_i) を I を添字集合とする G の元の二つの族とする。
(x_i) と (y_i) は総和可能とする。
n を任意の有理整数とする。
このとき (-x_i), (n(x_i)), (x_i + y_i) はそれぞれ総和可能で
1) Σ(-x_i) = -Σx_i
2) Σn(x_i) = nΣx_i
3) Σ(x_i+ y_i) = Σx_i + Σy_i
となる。
証明
x → -x と x → nx
は G から G への射である。
従って 1), 2) は
>>175 から出る。
>>173 より (x_i, y_i) は G×G において総和可能であり、
その和は (Σx_i, Σy_i) である。
(x, y) に x + y を対応させる
写像 G×G → G は位相群の射だから
>>175 より 3) が出る。
証明終
177 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14:12:21
定義(
>>45 の一般化)
G を分離的な位相アーベル群とする。
Z+ を n ≧ 0 となる有理整数 n の集合とする。
(x_n), n ∈ Z+ を G の元の Z+ を添字集合とする点列とする。
S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。
点列 (S_n) が収束するとき S = lim S_n を点列 (x_n) が定める級数の
和といい、 S = Σx_n と書く。
これは (x_n) が総和可能なときの和の記号と同じで紛らわしいので
Bourbaki は Σ の代わりに太字の S を使っている。
しかし、このスレでは従来通りの記号を使うことにする。
178 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14:30:40
命題
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
Φ_0 を X のフィルター基底(
>>77 )で X の点 x に収束するとする。
このとき Φ_0 は Cauchy フィルター基底(
>>130 )である。
証明
G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して W + W ∈ V となる
0 の対称近傍 W を取る。
M ⊂ x + W となる M ∈ Φ_0 がある。
M - M ∈ W - W = W + W ⊂ V である。
よって Φ_0 はCauchy フィルター基底である。
証明終
179 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14:31:55
定義
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
(x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。
A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。
X のフィルター基底(
>>77 ) (A_n) が Cauchy フィルター基底(
>>130 )と
なるとき (x_n) を X の Cauchy 点列と言う。
180 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14:35:38
命題
G を位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
(x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。
(x_n) が X の点 x に収束するとする。
このとき (x_n) は Cauchy 点列(
>>179 )である。
証明
A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。
X のフィルター基底(
>>77 ) (A_n) が は x に収束する。
従って
>>178 より (A_n) は Cauchy フィルター基底(
>>130 )である。
従って (x_n) は Cauchy 点列である。
証明終
181 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 14:45:58
G を分離的な位相アーベル群とする。
X を G の部分空間とする。
(x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。
S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。
>>180 より 点列 (x_n) が定める級数が収束するためには
点列 (S_n) が Cauchy 点列であることが必要である。
これは
G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して n_0 ∈ Z+ があり、
任意の n ≧ n_0 と p > 0 に対して
S_(n+p) - S_n = x_(n+1) + . . . + x_(n+p) ∈ V と
なることと同値である。
G が完備(
>>145 )なら、この条件は十分である。
182 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 15:38:21
G を分離的な位相アーベル群とする。
(x_n), n ∈ Z+ を X の点列とする。
>>181 より 点列 (x_n) が定める級数が収束するためには
lim x_n = 0 が必要である。
183 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 15:46:41
命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), (y_n) を G の元の点列とする。 級数 Σx_n と 級数 Σy_n は収束するとする。。 m を任意の有理整数とする。 このとき級数 (-x_n), (m(x_n)), (x_n + y_n) はそれぞれ収束し、 1) Σ(-x_n) = -Σx_n 2) Σm(x_n) = mΣx_n 3) Σ(x_n+ y_n) = Σx_n + Σy_n となる。 証明 -x と mx は G で連続であり、 x + y は G×G で連続なことから明らかである。
184 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 15:57:12
G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 m ∈ Z+ のとき (x_n), n ∈ Z+ の部分点列 (x_(n+m)), n ∈ Z+ の部分点列を考える。 級数 Σx_n と 級数 Σx_(n+m) は同時に収束する。 Σx_n = S_(m-1) + Σx_(n+m) であるから m → ∞ のとき Σx_(n+m) → 0 である。
185 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16:12:30
命題 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 (x_n) が総和可能でその和を S とする。 このとき、級数 Σx_n は収束して S = Σx_n である。 証明 G の単位元 0 の任意の近傍 V に対して J_0 ∈ Φ(Z+) があり、 J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(Z+) に対して S(J) ∈ S + V となる。 S_n = x_0 + x_1 + . . . + x_n とおく。 J_0 に含まれる最大の有理整数 を n_0 とする。 n ≧ n_0 なら S_n ∈ S + V となる。 即ち S = lim S_n である。 証明終
186 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16:16:02
定義 G を分離的な位相アーベル群とする。 (x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。 N の任意の置換、即ち全単射 σ: N → N に対して 級数 (x_σ(n)), n ∈ Z+ が収束するとき (x_n), n ∈ Z+ により定義される級数は可換収束すると言う。
187 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16:30:43
命題(
>>48 の一般化)
G を分離的な位相アーベル群とする。
(x_n), n ∈ Z+ を G の元の点列とする。
(x_n), n ∈ Z+ により定義される級数が可換収束するためには
(x_n) が総和可能であることが必要十分である。
このとき、(x_n) の和を S とすると、
N の任意の置換 σ に対して (x_σ(n)) により定義される級数は
S に収束する。
証明
(x_n) が総和可能なら、
>>151 より N の任意の置換 σ に対して
(x_σ(n)) も総和可能で S = Σx_σ(n) となる。
>>185 より (x_σ(n)) により定義される級数も S に収束する。
逆に (x_n), n ∈ Z+ により定義される級数が可換収束するとする。
点列 (x_n) が総和可能でないとして矛盾を導く。
点列 (x_n) は Cauchy の判定条件(
>>153 ) を満たさない。
G の単位元の任意の近傍 V があり、
任意の J ∈ Φ(Z+) に対して H ∈ Φ(Z+) で J ∩ H が空集合となり
S(H) ∈ G - V となる。
(続く)
188 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16:31:35
まず最初に J として空集合を取れば H_0 ∈ Φ(Z+) で S(H_0) ∈ G - V となるものがある。 次に J = H_0 として H_0 と交わらない H_1 で S(H_1) ∈ G - V と なるものがある。 次に J = H_0 ∪ H_1 として H_0 ∪ H_1 と交わらない H_2 で S(H_2) ∈ G - V と となるものがある。 これを続けると(厳密には数学的帰納法により) Z+の有限部分集合の族 (H_n), n ∈ Z+ で以下の条件を満たすものが 存在する。 1) n ≠ m なら H_n と H_m は交わらない。 2) Z+ = ∪(H_n), n ∈ Z+ 3) 任意の n ∈ Z+ に対して S(H_n) ∈ G - V 点列 (x_n) を添字 n が H_0, H_1, . . . に現れる順に並べ変えた ものを (x_σ(n)) とする。 点列 (x_σ(n)) が定める級数は条件 3) より Cauchy の収束判定条件を 満たさない。 よって (x_σ(n)) が定める級数は収束しない。 これは仮定に反する。 証明終
189 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16:37:57
定義 A を環であり同時に位相空間とする。 A が以下の条件を満たすとき位相環と言う。 1) A は加法に関して位相群である。 2) (x, y) に xy を対応させる写像 A×A → A は連続である。
190 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16:47:33
定義
K を(必ずしも可換でない)体であり同時に位相空間とする。
K が以下の条件を満たすとき位相体と言う。
1) K は位相環(
>>189 )である。
2) x に x^(-1) を対応させる写像 K^* → K^* は連続である。
ここで K^* = K - {0} は K の乗法群を表す。
191 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 16:56:13
ここまで来たら一様空間について述べたほうがいいだろう。 一様空間が数学科の学部学生の常識になっていないことが 残念である。 言うまでもないかもしれないが、この辺りは全て Bourbaki の受売り である。
192 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 17:14:49
定義 X を集合とする。 V と W を X×X の部分集合としたとき、 V^(-1) = {(x, y) ∈ X×X ; (y, x) ∈ V } VW = {(x, y) ∈ X×X ; (x, z) ∈ W, (z, y) ∈ V となる z がある} x ∈ X のとき V(x) = {y ∈ X ; (x, y) ∈ V} A ⊂ X のとき V(A) = ∪{V(x) ; x ∈ A} とする。
193 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 17:18:36
>>192 において
V^2 = VV
V^3 = (V^2)V
と書く。
同様に
n ≧ 1 に対して V^n が定義される。
194 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 19:53:00
定義 X を集合とする。 Δ = {(x, x) ; x ∈ X } と書く。 Δ を X×X の対角線集合と言う。 X×X の部分集合の集合 Φ で以下の条件を満たすものが与えられたとき Φ を X の一様構造と言う。 1) V ∈ Φ なら Δ ⊂ V 2) V ∈ Φ を含む X×X の部分集合は Φ に属す。 3) V ∈ Φ, W ∈ Φ のとき V ∩ W ∈ Φ 4) V ∈ Φ のとき V^(-1) ∈ Φ 5) V ∈ Φ のとき WW ⊂ V となる W ∈ Φ がある。 Φ の元を X の近縁と言う。 V ∈ Φ で (x, y) ∈ V のとき x と y は V 程度に近いと言う。 一様構造の与えられた集合を一様空間と言う。
195 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20:02:33
定義 X を集合とする。 Φ を X の一様構造とする。 Φ の部分集合 Φ_0 で Φ の任意の元 V に対して W ⊂ V となる W ∈ Φ_0 があるとき Φ_0 を一様構造 Φ の基本近縁系と言う。
196 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20:10:19
X を集合とする。 X×X の部分集合の集合 Φ_0 が X の一様構造の基本近縁系で あるためには Φ_0 が以下の条件を満たすことが必要十分である。 1) V ∈ Φ_0 なら Δ ⊂ V 2) V, V' ∈ Φ_0 のとき W ⊂ V ∩ V' となる W ∈ Φ_0 がある。 3) V ∈ Φ_0 のとき W ⊂ V^(-1) となる W ∈ Φ_0 がある。 4) V ∈ Φ_0 のとき WW ⊂ V となる W ∈ Φ_0 がある。
198 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20:22:39
命題
X を一様構造 Φ をもつ一様空間とする。
x ∈ X のとき、V ∈ Φ に対する V(x) (
>>192 ) 全体を x の近傍系と
する X の位相構造が一意に存在する。
証明
任意の V ∈ Φ に対して W^2 ⊂ V となる W ∈ Φ をとる。
y ∈ W(x) のとき即ち (x, y) ∈ W のとき (y, z) ∈ W なら
(x, z) ∈ W^2 ⊂ V だから W(y) ⊂ V(x) である。
すなわち V(x) は y の近傍である。
残りは容易なので読者にまかす。
証明終
199 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20:27:56
距離空間 (X, d) は一様空間である。 実数 ε > 0 に対して V(ε) = { (x, y) ∈ X×X ; d(x, y) ∈ ε} とおく。 V(ε) 全体は基本近縁系となる。
200 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20:37:53
G を位相群とする。 V を G の単位元の任意の近傍としたとき V_r = {(x, y) ∈ X×X ; yx^(-1) ∈ V } とおく。 V_r 全体は基本近縁系となる。 V_r(x) = Vx であるから、この一様構造は G の位相を引き起こす。 この一様構造を G の右一様構造と言う。 同様に V_l = {(x, y) ∈ X×X ; x^(-1)y ∈ V } とおくと、V_l 全体は基本近縁系となる。 この一様構造を G の左一様構造と言う。 V_l(x) = xV だから、この一様構造も G の位相を引き起こす。 G が位相アーベル群の場合、右一様構造と左一様構造は一致する。
201 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 20:52:39
X を集合、R を X の同値関係とする。 C を R のグラフ、即ち C = {(x, y) ∈ X×X ; xRy } とする。 Δ ⊂ C, C^2 = C^(-1) = C である。 したがって、C だけで X の一様構造の基本近縁系となる。 R として等値関係、即ち C = Δ をとると、この一様構造の近縁とは Δ を含む X×X の任意の部分集合である。 この一様構造を X の離散一様構造という。 この一様構造を持った空間を離散一様空間と言う。
202 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 21:16:21
X を一様空間、V を X の近縁で V = V^(-1) となるものとする。 このとき V を対称近縁と言う。 V を X の任意の近縁としたとき V ∩ V^(-1) は対称近縁である。 従って、対称近縁全体は X の基本近縁系になる。
203 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 21:47:59
命題
X を一様空間、A を X の部分集合、V を X の対称近縁とする。
V(A) (
>>192 ) は A の近傍である。即ち V(A) の内部は A を含む。
cls(A) = ∩{V(A); V は X の対称近縁全体} となる。
ここで cls(A) は A の閉包を表す。
証明
V(A) が A の近傍であることは明らかである。
B = ∩{V(A); V は X の対称近縁全体} とおく。
x ∈ cls(A) とする。
これは、任意の対称近縁 V に対して
V(x) ∩ A が空でないことと同値である。
V は対称だから、y ∈ V(x) と x ∈ V(y) は同値である。
従って、上は x ∈ V(A) と同値である。
即ち x ∈ B と同値である。
証明終
204 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 22:36:44
命題 X を一様空間、M を X×X の部分集合、V を X の対称近縁とする。 VMV は M の X×X における近傍である。 cls(M) = ∩{VMV; V は X の対称近縁全体} となる。 ここで cls(M) は M の閉包を表す。 証明 (x, y) ∈ VMV とは (p, q) ∈ M があり、(x, p) ∈ V, (q, y) ∈ V 即ち V が対称だから (x, y) ∈ V(p)×V(q) V(p)×V(q) は (p, q) の近傍だから VMV は M の X×X における 近傍である。 (x, y) ∈ cls(M) とは任意の対称近縁 V に対して V(x)×V(y) と M が交わることと同値である。 これは (p, q) ∈ M があり (x, y) ∈ V(p)×V(q) と同値である。 これは上で見たように (x, y) ∈ VMV と同値である。 従って cls(M) = ∩{VMV; V は X の対称近縁全体} となる。 証明終
205 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 22:57:37
命題
X を一様空間とする。
X の近縁の内部全体は基本近縁系になる。
X の近縁の閉包全体も基本近縁系になる。
証明
V を X の任意の近縁とする。
W^3 ⊂ V となる対称近縁がある。
>>204 より W^3 は W の近傍だから V の内部は W を含み X の
近縁である。
よって X の近縁の内部全体は基本近縁系になる。
>>204 より
W ⊂ cls(W) ⊂ W^3 ⊂ V
従って cls(W) は X の近縁であり、V に含まれる。
よって X の近縁の閉包全体は基本近縁系になる。
証明終
206 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 23:48:10
命題 X と Y を位相空間とする。 V が X×Y の閉集合なら、任意の x ∈ X に対して V(x) = {y ∈ Y; (x, y) ∈ V } は Y の閉集合である。 証明 y ∈ Y に (x, y) を対応させる写像 f: Y → {x}×Y は 位相同型である。 V ∩ {x}×Y は {x}×Y の閉集合で、その f による逆像が V(x) である。 よって V(x) は閉集合である。 証明終
207 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/04(土) 23:50:25
命題
X を一様空間とする。
X の任意の点 x の閉近傍全体は基本近傍系である。
証明
V を X の任意の近縁とする。
>>205 より X の閉近縁 W で W ⊂ V となるものがある。
>>206 より W(x) は x の閉近傍で V(x) に含まれる。
証明終
209 :
1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/05(日) 03:23:19
Reply:
>>208 お前に何が分かるというのか?
210 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 08:46:09
定義 ハウスドルフ位相空間 X が次の性質をもつとき正則であるという。 X の任意の点の閉近傍全体はこの点の基本近傍系になる。
211 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09:19:00
命題 位相空間 X において次の条件は同値である。 1) X の任意の点の閉近傍全体はこの点の基本近傍系になる。 2) X の任意の閉集合 A と A に含まれない任意の点 x に対して x の近傍と A の近傍で交わらないものがある。 証明 1) ⇒ 2) A が閉集合で x が A に含まれないなら x ∈ V ⊂ X - A となる x の閉近傍がある。 V と X - V はそれぞれ x と A の近傍で交わらない。 2) ⇒ 1) U を x の開近傍とする。 x の近傍 V と X - U の近傍 W で交わらないものがある。 cls(V) ⊂ U 証明終
212 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09:24:29
命題
X を一様空間とする。
X の任意の点 x に対して {x} が閉集合となるなら
X は正則(
>>210 )である。
証明
>>207 より
X の任意の点 x の閉近傍全体はこの点の基本近傍系になるから
X がハウスドルフであることを言えばよい。
これは、
>>211 より明らかである。
証明終
213 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09:25:43
ハウスドルフ一様空間は分離一様空間とも言う。
214 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09:41:07
命題
X を一様空間とする。
X がハウスドルフ空間であるための条件は、X の近縁全部の共通集合が
X×X の対角集合 Δ であること。
証明
>>205 より X の閉近縁全体は基本近縁系である。
従って、X の近縁全部の共通集合が X×X の対角集合 Δ なら
Δ は閉集合である。
>>84 より X はハウスドルフ空間である。
逆に X がハウスドルフ空間であるとする。
X×X の点 (x, y) が Δ に含まれないなら x ≠ y だから
y が V(x) に含まれないような近縁 V がある。
このとき (x, y) は V に含まれないから
X の近縁全部の共通集合は Δ である。
証明終
215 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09:56:02
定義 一様空間 X から一様空間 Y への写像 f に関して、 Y の任意の近縁 V に対して X の近縁 W が存在して (x, y) ∈ W なら (f(x), f(y)) ∈ V となるとき f を一様連続であると言う。 これは g = f×f としたとき Y の任意の近縁 V に対して g^(-1)(V) が X の近縁になることと同値である。
216 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 09:58:05
命題
一様連続写像は連続である。
証明
定義(
>>215 )から明らかである。
217 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 10:00:40
命題
f: X → Y
g: Y → Z
が一様連続のとき
gf: X → Z も一様連続である。
証明
定義(
>>215 )から明らかである。
218 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 10:05:33
f: X → Y g: Y → X が一様連続で、 gf = 1 fg = 1 となるとき X と Y は(一様空間として)同型であると言う。 このとき f と g は同型写像または同型射または単に同型と言う。
219 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 10:17:14
X を集合とする。
X の一様構造(
>>194 )全体は包含関係で順序集合になる。
X の一様構造 α と β に対して α ⊂ β のとき α ≦ β と書く。
このとき α は β より荒いと言い、β は α より細かいと言う。
α ≦ β で α ≠ β のとき α < β と書く。
このとき α は β より真に荒いと言い、β は α より真に細かい
と言う。
220 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 10:46:43
X を集合とする。 X の一様構造の族 (α_i), i ∈ I があるとする。 ここで I は任意濃度の集合である。 I の任意の有限部分集合 K をとる。 各 k ∈ K に対して V_k を α_k の任意の近縁として ∩V_k の全体を α(K) ととする。 K を変化させたときの α(K) の全体を β_0 とする。 このとき β_0 は基本近縁系になる。 これは次の事実に注意すれば明らかである。 V と W が X×X の部分集合のとき (V ∩ W)^(-1) = V^(-1) ∩ W^(-1) (V ∩ W)^2 ⊂ V^2 ∩ W^2 β_0 が生成する一様構造を β とすれば β = sup(α_i) 即ち β は (α_i), i ∈ I の上限である。
221 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 11:10:53
X を集合とする。
X の一様構造全体には最も細かいものがある。
それは X の離散一様構造(
>>201 )である。
X の一様構造全体には最も荒いものがある。
それは X×X だけを近縁に持つ一様構造である。
222 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 11:19:14
X を集合とする。
X の一様構造 α と β に対して α ∩ β は一様構造とは限らない。
これは α ∩ β において
>>194 の 5) が成り立つとは限らないから
である。
しかし inf(α, β) は存在する。
それは γ ≦ α, γ ≦ β となる一様構造 γ 全体の上限である。
X×X だけを近縁に持つ一様構造は α, β より荒いから
このような γ は存在する。
従って、sup(γ) 即ち inf(α, β) も存在する。
同様に X の一様構造の任意の族 (α_i), i ∈ I に対して
その下限 inf(α_i) が存在する。
それはすべての i ∈ I に対して γ ≦ α_i となる一様構造 γ 全体の
上限である。
223 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12:03:26
X を集合とする。
X の分割 X = (A_λ), λ ∈ L 全体と
X の同値関係全体は1対1に対応する。
X の分割 X = (A_λ), λ ∈ L に対応する同値関係が
定める一様構造(
>>201 ) を分割 (A_λ) が定める一様構造という。
X の有限分割 X = A_1 ∪. . . ∪A_n が定める一様構造全体の
上限を X の有限分割の一様構造と言う。
X の有限分割 π = (A_i) に対して
V_π = ∪(A_i)×(A_i) とおく。
V_π 全体が X の有限分割の一様構造の基本近縁系となる。
実際、X の有限分割 π' = (B_j) に対して
A_i と B_j が交わるような C_ij = A_i ∩ B_j 全体は
X の有限分割 π'' となり
V_π'' ⊂ V_π ∩ V_π'
となる。
224 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12:20:17
X を集合、Y を一様空間とし、 f: X → Y を写像とする。 V を Y の近縁とし W = g^(-1)(V) とする。 W^(-1) = g^(-1)(V^(-1)) W^2 = g^(-1)(V^2) よって、Y の近縁の g = f×f による逆像全体は基本近縁系となる。 これが定める X の一様構造を Y の一様構造の f による逆像と言う。 この一様構造は f を一様連続にする X の一様構造の中で最も荒いもの である。 即ち f を一様連続にする X の一様構造全体の下限である。
225 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12:25:17
命題
X を集合、Y を一様空間とし、
f: X → Y を写像とする。
X に f による Y の一様構造の逆像(
>>224 )である一様構造を与える。
Z を一様空間とし、g: Z → X を写像とする。
g が一様連続であるためには fg が一様連続であることが
必要十分である。
証明
一様連続の定義(
>>215 ) と一様構造の逆像の定義(
>>224 )から
明らかである。
226 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12:36:46
定義
X を一様空間とし、A を X の部分集合とする。
X の一様構造の標準単射 A → X による逆像(
>>224 )を
X の一様構造を A に導入した一様構造と言う。
A に導入した一様構造により A を一様空間と見たとき
A を X の部分一様空間と言う。
227 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12:54:53
命題
X を集合、(Y_i), i ∈ I を一様空間族とし、
各 i ∈ I に対して f_i : X → Y_i を写像とする。
このとき X の一様構造で各 f_i を一様連続にする最も荒い一様構造が
存在する。
各 i に対して、g_i = (f_i)×(f_i) とし、V_i を X の近縁として
(g_i)^(-1)(V_i) の形の集合の有限個の共通部分全体が、この一様構造の
基本近縁系である。
証明
Y_i の一様構造の f_i による逆像(
>>224 ) を α_i とする。
族 (α_i), i ∈ I の上限が求めるものである。
後半は一様構造の逆像の定義(
>>224 )と
>>220 より明らかである。
証明終
228 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 12:57:27
定義
X を集合、(Y_i), i ∈ I を一様空間族とし、
各 i ∈ I に対して f_i : X → Y_i を写像とする。
このとき X の一様構造で各 f_i を一様連続にする最も荒い一様構造が
存在する(
>>227 )。
この一様構造を写像族 (f_i) から X に導入された一様構造と言う。
229 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 13:06:13
命題
X を集合、(Y_i), i ∈ I を一様空間族とし、
各 i ∈ I に対して f_i : X → Y_i を写像とする。
写像族 (f_i) から X に導入された一様構造(
>>228 )により
X を一様空間とみなす。
Z を一様空間で g: Z → X を写像とする。
g が一様連続であるためには各 (f_i)g が一様連続になることが
必要十分である。
証明
写像族 (f_i) から X に導入された一様構造の定義(
>>228 )から明らか
である。
230 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 13:31:35
定義
(X_i), i ∈ I を一様空間族とし、X を 積集合 = ΠX_i とする。
各 i ∈ I に対して p_i : X → X_i を射影とする。
写像族 (p_i) から X に導入された一様構造(
>>228 )により
X を一様空間とみなす。
このとき X を一様空間族 (X_i) の積と言う。
231 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 13:34:10
一様空間族 (X_i) の積(
>>130 )から定まる位相は
各 X_i の位相の積である。
232 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14:10:46
命題
X を一様空間族 (X_i), i ∈ I の積(
>>230 )とし、
p_i : X → X_i を射影とする。
Y を一様空間とし、f: Y → X を写像とする。
f が一様連続であるためには各 (p_i)f が一様連続であることが
必要十分である。
証明
一様空間族 (X_i), i ∈ I の積の定義(
>>230 ) と
>>229 より明らかである。
233 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14:20:44
命題
X を一様空間族 (X_i), i ∈ I の積(
>>230 )とし、
p_i : X → X_i を射影とする。
Y を一様空間とし、
各 i に対して f_i: Y → X_i を一様連続写像とする。
このとき一様連続写像 f: Y → X で
f_i = (p_i)f となるものが一意に存在する。
証明
y ∈ Y のとき f(y) = (f_i(y)) により写像 f : Y → X を定義する。
f_i = (p_i)f だから
>>232 より f は一様連続である。
一様連続写像 g: Y → X で f_i = (p_i)g とする。
y ∈ Y のとき p_i(g(y)) = f_i(y) だから f(y) = g(y)
即ち f = g である。
証明終
234 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14:23:02
>>233 は一様空間族 (X_i) の積 X が一様空間の圏における
(X_i) の積であることを示している。
235 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14:29:52
定義(
>>98 の一般化)
X を一様空間、V を X の近縁、
A を X の部分集合とする。
A×A ⊂ V のとき A を V 程度に小さい集合という。
236 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14:32:55
定義(
>>130 の一般化)
Φ を一様空間 X のフィルター(
>>76 )とする。
X の任意の近縁 V に対して
V 程度に小さい(
>>235 ) Φ の元があるとき
Φ を X の Cauchy フィルターと言う。
237 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14:36:41
定義(
>>88 の一般化)
一様空間 X の点列 (x_n), n ∈ Z+ に対して
A_n = {x_n, x_(n+1), . . . } とおく。
(A_n) が Cauchy フィルター(
>>236 )の基底となるとき (x_n) を
Cauchy 点列と言う。
238 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14:46:49
補題
x を一様空間 X の点とする。
対称近縁(
>>202 ) V に対して V(x) は V^2 程度に小さい。
証明
y と z を V(x) に含まれる点とする。
(y, x) ∈ V
(x, z) ∈ V
だから
(y, z) ∈ V^2 である。
証明終
239 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 14:58:13
命題(
>>178 の一般化)
一様空間 X の収束フィルターは Cauchy フィルター(
>>236 )である。
証明
V を X の任意の近縁とする。
W^2 ⊂ V となる対称近縁 W がある。
フィルター Φ が x に収束すれば Φ は W(x) を含む。
>>238 より W(x) は W^2 程度に小さく、従って V 程度にも小さい。
証明終
240 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 15:43:25
命題 f : X → Y を一様連続とする。 X の Cauchy フィルターの基底 Φ_0 の f による像は Y の Cauchy フィルターの基底である。 証明 V を Y の任意の近縁とする。 x の近縁 W があり (x, y) ∈ W なら (f(x), f(y)) ∈ V となる。 Φ_0 は Cauchy フィルターの基底だから、W 程度に小さい Φ_0 の 元 M がある。f(M) は f(Φ_0) の元で V 程度に小さい。 よって f(Φ_0) は Cauchy フィルターの基底である。 証明終
241 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 15:46:45
定義(
>>133 の一般化)
Φ を一様空間 X の Cauchy フィルター(
>>236 )とする。
Ψ ⊂ Φ となる X の Cauchy フィルター Ψ は Φ に限るとき
Φ を X の極小 Cauchy フィルターと言う。
242 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 15:57:39
補題(
>>135 の一般化)
X を一様空間とする。
M を X の部分集合とする。
X の対称近縁(
>>202 ) V に対して
M が V 程度に小さければ(
>>235 )
V(M) は V^3 程度に小さい。
証明
x と y を V(M) の元とする。
M の元 p, q で
(x, p) ∈ V
(q, y) ∈ V
となるものがある。
(p, q) ∈ V だから
(x, y) ∈ V^3 である。
証明終
243 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16:05:45
命題(
>>136 の一般化)
X を一様空間とする。
Φ を X の Cauchy フィルター(
>>236 )とする。
Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。
V を X の対称近縁全体を動かし、
M を Φ_0 の元全体を動かしたときの
V(M) ∩ X 全体を Ψ_0 とする。
Ψ_0 は X の Cauchy フィルターの基底であり、
Ψ_0 が生成する X のフィルター Ψ は Φ に含まれる
唯一の極小 Cauchy フィルター(
>>241 )である。
証明
M, N を Φ_0 の元とし、
V, W を 対称近縁とする。
L ⊂ M ∩ N となる L ∈ Φ_0 と
U ⊂ V ∩ W となる対称近縁 U がある。
U(L) ⊂ V(M) ∩ W(N) である。
よって Ψ_0 は X のフィルター基底である。
(続く)
244 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16:06:55
>>242 より
M が V 程度に小さければ
V(M) は V^3 程度に小さい。
よって Ψ_0 は X の Cauchy フィルター基底である。
M ⊂ V(M) だから Ψ_0 ⊂ Φ である。
Γ を Cauchy フィルターで Γ ⊂ Φ とする。
任意の 対称近縁 V に対して V 程度に小さい N ∈ Γ がある。
任意の M ∈ Φ_0 に対して
Γ ⊂ Φ だから N と M は交わる。
よって N ⊂ V(M) となり、V(M) ∈ Γ となる。
よって Ψ_0 ⊂ Γ となる。
これは Ψ_0 が Φ に含まれる唯一の極小 Cauchy フィルター
であることを意味する。
証明終
245 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16:09:56
命題(
>>138 の一般化)
X を一様空間とする。
Φ を X の Cauchy フィルター(
>>236 )とする。
Φ_0 を Φ のフィルター基底とする。
Φ が X の 極小 Cauchy フィルター(
>>241 )であるためには
任意の N ∈ Φ に対して M ∈ Φ_0 と
対称近縁 V があり、V(M) ⊂ N
となることが必要十分である。
証明
>>243 より明らかである。
246 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16:19:49
命題(
>>139 の一般化)
X を一様空間とする。
x を X の点とする。
X の任意の近縁 V に対して V(x) の全体 Φ
は X の 極小 Cauchy フィルターである。
証明
Φ がフィルターであることは明らかである。
X の任意の近縁 V に対して
W^2 ⊂ V となる対称近縁 W を取る。
y ∈ W(W(x)) なら z ∈ W(x) があり (y, z) ∈ W
従って、y ∈ (W^2)(x) ⊂ V(x)
即ち W(W(x)) ⊂ V(x)
よって
>>245 より Φ は極小 Cauchy フィルターである。
証明終
247 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16:25:23
>>246 は次のように証明したほうが良い。
Ψ を x を含む X の部分集合全体とする。
Ψ は Cauchy フィルターである。
{{x}} は Ψ の基底である。
>>243 より Φ は極小 Cauchy フィルターである。
248 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16:33:39
命題(
>>140 の一般化)
X を一様空間とする。
X の Cauchy フィルターの基底の接触点(
>>132 )は極限点である。
証明
Φ_0 を X の Cauchy フィルターの基底で x をその接触点とする。
任意の近縁 V に対して W^2 ⊂ V となる対称近縁 W がある。
Φ_0 は Cauchy フィルターの基底だから W 程度に小さい
M ∈ Φ_0 がある。
M は W(x) と交わるから y ∈ M のとき (y, x) ∈ W^2 ⊂ V
よって M ⊂ V(x)
よって x は Φ_0 の極限点である。
証明終
249 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 16:38:54
定義(
>>145 の一般化)
任意の Cauchy フィルターが収束する一様空間を完備空間という。
250 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 17:23:07
命題
完備空間(
>>249 )の閉部分空間は完備である。
証明
X を完備空間、A をその閉部分空間とする。
Φ を A の Cauchy フィルターとする。
>>240 より Φ は X のCauchy フィルターの基底である。
X は完備だから Φ は X の点 x に収束する。
A は閉集合だから x は A の点である。
従って Φ は A において x に収束する。
証明終
251 :
132人目の素数さん :2007/08/05(日) 17:52:41
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
252 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21:02:34
命題 X をハウスドルフ空間とする。 X のフィルターが収束すればその極限点は一意に決まる。 証明 X のフィルター Φ が x と y に収束し x ≠ y とする。 X はハウスドルフ空間だから x と y のそれぞれの近傍 V, W で 交わらないものがある。 一方、x と y は Φ の極限点だから V と W は Φ に含まれる。 従って V と W は交わる。 これは矛盾である。 証明終
253 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21:04:52
命題
分離一様空間の完備部分空間は閉部分空間である。
証明
X を分離一様空間、A をその完備部分空間とする。
A が閉部分空間でないする。
x ∈ cls(A) - A をとる。
x の近傍全体のなすフィルター Φ を A に制限したもの Φ|A は
A の Cauchy フィルターの基底である。
A は完備だから Φ|A は A の点 y に収束する。
一方、Φ|A は X におけるフィルターの基底でもあり x に収束する。
X はハウスドルフだから
>>252 より x = y である。
これは矛盾である。
証明終
254 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21:26:20
命題 X を位相空間族 (X_i), i ∈ I の積とし、 p_i : X → X_i を射影とする。 Φ を X のフィルターとする。 x を X の点とし、全ての i でフィルター基底 p_i(Φ) が p_i(x) に 収束するなら Φ は x に収束する。 証明 V を x の近傍とする。 I の有限部分集合 K があり 各 k ∈ K に対して p_i(x) の近傍 V_k があり ∩(p_i)^(-1)(V_k) ⊂ V となる。 各 k ∈ K に対して p_k(Φ) が p_k(x) に収束するから (p_i)^(-1)(V_k) ∈ Φ である。 従って、∩(p_i)^(-1)(V_k) ∈ Φ である。 よって V ∈ Φ である。 証明終
255 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21:35:30
命題
任意の完備一様空間族 (X_i), i ∈ I の積(
>>230 ) X は完備である。
証明
p_i : X → X_i を射影とする。
Φ を X の Cauchy フィルターとする。
>>240 より各 i ∈ I で p_i(Φ) は X_i の Cauchy フィルターの
基底である。
X_i は完備だから p_i(Φ) は X_i の点 x_i に収束する。
x = (x_i) とすれば
>>254 より Φ は x に収束する。
証明終
256 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 21:59:05
命題
X を一様空間とし A をその部分一様空間(
>>226 )とする。
x を A の閉包の点とする。
x の近傍全体のなすフィルター Φ を A に制限したもの Φ|A は
A の極小 Cauchy フィルター(
>>241 )の基底である。
証明
M ∈ Φ|A とする。
X の近縁 V があり M = V(x) ∩ A となる。
W^2 ⊂ V となる対称近縁 W を取る。
N = W(x) ∩ A とする。
y ∈ W(N) なら (z, y) ∈ W となる z ∈ N がある。
(x, z) ∈ W だから (x, y) ∈ W^2 ⊂ V
従って y ∈ V(x)
即ち W(N) ⊂ V(x)
よって W(N) ⊂ M である。
>>245 より Φ|A は A の極小 Cauchy フィルターの基底である。
証明終
257 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 22:16:03
命題
X を分離かつ完備な一様空間とし Y をその部分一様空間(
>>226 )で
X = cls(Y) とする。
Y の極小 Cauchy フィルター(
>>241 )全体をΩとする。
X は完備だから Y の極小 Cauchy フィルター(
>>241 )は X において
極限点を持つ。
X は分離だから
>>252 よりこの極限点は一意にきまる。
従って Ω の元にその極限点を対応させることにより
写像 f: Ω → X が得られる。
この f は全単射である。
証明
>>256 より
X の点 x に対して x の近傍全体のなすフィルター Φ を Y に
制限したもの Φ|Y は Y の極小 Cauchy フィルターの基底である。
x に Φ|Y が生成する Y の極小 Cauchy フィルターを対応させる
ことにより 写像 g: X → Ω が得られる。
明らかに f と g は互いに逆写像である。
証明終
258 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 22:19:28
私見によれば Bourbaki の一様空間論で最もわかりにくいところは
極小 Cauchy フィルターに関する部分である。
しかし、
>>257 によれば極小 Cauchy フィルターの意義がはっきりする。
259 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 23:19:24
命題
X を一様空間とし Φ と Ψ をフィルターとする。
Φ と Ψ が同じ極限点を持てば X の任意の近縁 V に対して
V 程度に小さい部分集合(
>>235 )を共有する。
証明
Φ と Ψ の共通の極限点を x とする。
X の任意の近縁 V に対して W を W^2 ⊂ V となる対称近縁とする。
M ∈ Φ と N ∈ Ψ をそれぞれ W(x) に含まれる部分集合とする。
>>238 より W(x) は W^2 程度に小さい。
M ∪ N ⊂ W(x) だから M ∪ N も W^2 程度に小さい。
従って M ∪ N は V 程度に小さい。
しかも M ∪ N は Φ にも Ψ にも含まれる。
証明終
260 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/05(日) 23:43:40
命題
X を一様空間とし Φ と Ψ を Cauchy フィルターとする。
Φ と Ψ が X の任意の近縁 V に対して
V 程度に小さい(
>>235 )部分集合を共有するなら
Φ と Ψ は同一の極小 Cauchy フィルターを含む。
証明
Φ に含まれる極小 Cauchy フィルターを ξ とする。
V を X の任意の近縁とし、M を Φ の任意の元とする。
Φ と Ψ は V 程度に小さい部分集合 N を共有する。
N と M は交わるから x ∈ N ∩ M とする。
N は V 程度に小さいから y ∈ N なら (x, y) ∈ V である。
従って y ∈ V(x) ⊂ V(M)
即ち N ⊂ V(M)
従って V(M) は Ψ に含まれる。
>>243 より ξ ⊂ Ψ である。
証明終
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262 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 07:40:44
命題
X を一様空間とし、Φ を X の極小 Cauchy フィルターとする。
Φ の任意の元 M の内部は空でない。
証明
>>243 より X の近縁 V と N ∈ Φ があり V(N) ⊂ M となる。
V(N) は V(x), x ∈ N の合併集合だからその内部は空でない。
証明終
263 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 07:55:03
命題
X を一様空間とし、Y をその密な部分空間とする。
Y の任意の Cauchy フィルターが X で収束するなら
X は完備である。
証明
X の任意の極小 Cauchy フィルター Φ が収束することを言えばよい。
>>262 より Φ の任意の元 M の内部は空でない。
従って、Φ の元と Y の交わり全体 Φ|Y は Y における
Cauchy フィルターの基底となる。
仮定より Φ|Y は X の点 x に収束する。
Φ|Y が X で生成するフィルターは Φ より細かく x を極限点に持つ。
>>141 より Φ は x を接触点に持つ。
>>248 より Φ は x に収束する。
証明終
264 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 08:29:23
命題
f と g を 位相空間 X からハウスドルフ空間 Y への連続写像とする。
f(x) = g(x) となる x の全体 Z は X の閉集合である。
証明
h(x) = (f(x), g(x)) により写像 h : X → Y×Y を定める。
h は連続である。
Δ を Y×Y の対角線集合とすると、
>>84 より Δ は Y×Y の
閉集合である。
Z = h^(-1)(Δ) であるから Z は閉集合である。
証明終
265 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 08:31:41
命題(等式延長の原理)
f と g を 位相空間 X からハウスドルフ空間 Y への連続写像とする。
f(x) = g(x) となる x の全体 Z が X で密なら f = g である。
証明
>>264 より明らかである。
266 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 09:07:36
定理(連続延長の原理)
X を位相空間とし、Y をその密な部分集合とする。
Z を正則空間(
>>210 )とする。
h を写像 Y → Z とする。
h が連続写像 f : X → Z に拡張できるためには h が次の条件 (E)
を満たすことが必要十分である。
(E) X の任意の点 x に対して x の近傍と Y の交わり全体のなす
フィルタ−基底を Φ としたとき h(Φ) は Z で収束する。
このとき f は一意に決まる。
証明
f の一意性は等式延長の原理(
>>265 )から出る。
(E) が必要なことは
>>174 から直ちに出る。
(E) が十分なことを証明する。
X の任意の点 x に対して x の近傍と Y の交わり全体のなす
フィルタ−基底を Φ とする。
(E) より h(Φ) は Z で収束するが、
Z はハウスドルフだから
>>149 より h(Φ) の極限点は一意に決まる。
これを f(x) とする。
f が連続であることを示せば良い。
(続く)
267 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 09:08:23
V を f(x) の Z における閉近傍とする。 h(Φ) は f(x) に収束するから x の X での開近傍 W で h(W ∩ A) ⊂ V となるものがある。 z ∈ W のとき W は z の近傍だから f(z) ∈ cls(h(W ∩ A)) ⊂ V となる。 ここで cls(h(W ∩ A)) は h(W ∩ A) の閉包を表す。 従って f(W) ⊂ V である。 Z は正則(>210)だから X の任意の点の閉近傍全体はこの点の 基本近傍系になる。 従って f は連続である。 証明終
268 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 10:05:21
命題 X を位相空間とし、A をその密な部分集合とする。 U を X の空でない開集合、V = U ∩ A とする。 このとき、cls(V) = cls(U) である。 ここで cls(V), cls(U) はそれぞれ U, V の X における閉包である。 証明 V ⊂ U だから cls(V) ⊂ cls(U) である。 x ∈ cls(U) とする。 x の任意の開近傍 W に対して W ∩ U は空でない。 A は密だから W ∩ U ∩ A = W ∩ V も空でない。 これは x ∈ cls(V) を意味する。 従って cls(U) ⊂ cls(V) である。 証明終
269 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 10:21:18
命題
X を一様空間とし、A をその密な部分集合とする。
A の近縁の X×X における閉包全体は X の基本近縁系である。
証明
V を X の任意の近縁とする。
>>205 より T ⊂ V となる X の閉近縁 T がある。
>>205 より U ⊂ T となる X の開近縁 U がある。
W = U ∩ A×A は A の開近縁である。
A×A は X×X で密だから
>>268 より
cls(W) = cls(U) である。
T は閉集合だから cls(U) ⊂ T である。
従って cls(W) ⊂ V である。
証明終
270 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 10:27:11
命題 X と Y を位相空間とし、f : X → Y を連続写像とする。 X の任意の部分集合 A に対して f(cls(A)) ⊂ cls(f(A)) となる。 証明 明らかである。
271 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 10:36:46
命題
X を位相空間とし、Y をその密な部分集合とする。
Z を分離かつ完備な一様空間とする。
h を写像 Y → Z とする。
h が連続写像 f : X → Z に拡張できるためには h が次の条件 (E')
を満たすことが必要十分である。
(E') X の任意の点 x に対して x の近傍と Y の交わり全体のなす
フィルタ−基底を Φ としたとき h(Φ) は Z における
Cauchy フィルターの基底である。
このとき f は一意に決まる。
証明
>>212 より Z は正則である。
従って、本命題は
>>266 より明らかである。
272 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 11:05:53
定理(一様連続写像の延長)
X を一様空間とし、Y をその密な部分集合とする。
Z を分離かつ完備な一様空間とする。
h を一様連続写像 Y → Z とする。
このとき h は一様連続写像 f : X → Z に一意に拡張できる。
証明
X の任意の点 x に対して x の近傍と Y の交わり全体 Φ は
Y における Cauchy フィルターの基底である。
>>240 より h(Φ) は Z における Cauchy フィルターの基底である。
従って
>>271 より h は連続写像 f : X → Z に一意に拡張できる。
f が一様連続であることを示せばよい。
V を Z の任意の閉近縁とする。
T を X の近縁で (f×f)(A×A ∩ T) ⊂ V とする。
>>269 より T は A の近縁 W の X×X における閉包としてよい。
>>270 より
(f×f)(T) ⊂ cls((f×f)(W))
W ⊂ A×A ∩ T だから (f×f)(W) ⊂ V
従って cls((f×f)(W)) ⊂ V
従って (f×f)(T) ⊂ V である。
>>205 より Z の閉近縁全体は基本近縁系である。
従って f は一様連続である。
証明終
273 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 11:07:39
>>272 の証明における A は Y の間違いである。
274 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 11:55:24
X を一様空間とする。
>>257 を参考にして X の極小 Cauchy フィルター全体 Ω に
一様構造を入れることを試みる。
X の任意の近縁 V に対して V 程度に小さい(
>>235 )集合を
共有する極小 Cauchy フィルターの対 (α, β) ∈ Ω×Ω の全体を
V~ とする。
V~ の全体を Φ_0 とする。
Ω×Ω の対角線集合を Δ とする。
>>196 より以下を示せば Φ_0 は Ω の一様構造の基本近縁系である。
1) V~ ∈ Φ_0 なら Δ ⊂ V~
2) V~, V'~ ∈ Φ_0 のとき W~ ⊂ V~ ∩ V'~ となる W~ ∈ Φ_0
がある。
3) V~ ∈ Φ_0 のとき W~ ⊂ (V~)^(-1) となる W~ ∈ Φ_0 がある。
4) V~ ∈ Φ_0 のとき (W~)^2 ⊂ V~ となる W~ ∈ Φ_0 がある。
(続く)
275 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 11:56:14
1) の証明。
Ω の任意の元 α は Cauchy フィルターだから X の任意の近縁 V
に対して V 程度に小さい(
>>235 )集合を持つ。
従って (α, α) ∈ V~ である。
即ち Δ ⊂ V
2) の証明。
V と V' を X の任意の近縁とする。
W ⊂ V ∩ V' となる対称近縁 W がある。
明らかに W~ ⊂ V~ ∩ V'~ である。
3) の証明。
(α, β) ∈ V~ なら (β, α) ∈ V~
従って V~ = (V~)^(-1)
4) の証明。
X の任意の近縁 V に対して W^2 ⊂ V となる対称近縁 W がある。
(α, β) ∈ (W~)^2 とする。
(α, γ) ∈ W~
(γ, β) ∈ W~
となる γ がある。
α, γ の共通元 M で W 程度に小さいものがある。
γ, β の共通元 N で W 程度に小さいものがある。
M と N は γ に属すから M ∩ N は空ではない。
従って M ∪ N は W^2 程度に小さい。
従って V 程度に小さい.
M ∪ N は α と β に属すから (α, β) ∈ V~
従って (W~)^2 ⊂ V~
276 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 12:28:21
>>247 の Ω は分離的であることを証明する。
X の任意の近縁 V に対して (α, β) ∈ V~ とする。
このとき α = β が言えれば
>>214 より Ω は分離的である。
γ_0 = {M ∪ N ; M ∈ α, N ∈ β} とおく。
M, M' ∈ α, N, N' ∈ β のとき
(M ∩ M') ∪ (N ∩ N') ⊂ (M ∪ N) ∩ (M' ∪ N')
である。
従って γ_0 は X のフィルターの基底である。
X の任意の近縁 V に対して (α, β) ∈ V~ だから
α と β は V 程度に小さい集合 M を共有する。
M ∈ γ_0 だから γ_0 は Cauchy フィルターの基底である。
γ_0 が生成する Cauchy フィルターを γとすると
γ ⊂ α
γ ⊂ β
α と β は極小 Cauchy フィルターだから
γ = α
γ = β
即ち α = β
証明終
277 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 12:39:15
278 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 12:53:01
X を一様空間とする。
>>246 より X の点 x に対して x の近傍全体 φ_x
は極小 Cauchy フィルターである。
φ(x) = φ_x により
>>274 の Ω に対して写像 φ : X → Ω を
定義する。
Ω の一様構造の φ による逆像(
>>224 )が X の一様構造であることを
証明する。
g = φ×φ とおく。
X の任意の対称近縁 V に対して
g^(-1)(V~) ⊂ V ⊂ g^(-1)((V~)^3)
が言えればよい。
(φ(x), φ(y)) ∈ V~ とする。
V 程度に小さい M で x と y を含むものがある。
よって (x, y) ∈ V
よって g^(-1)(V~) ⊂ V
(x, y) ∈ V とする。
V(x) ∪ V(y) は V^3 程度に小さく x の近傍でもあり
y の近傍でもある。
従って (φ(x), φ(y)) ∈ (V~)^3 である。
よって V ⊂ g^(-1)((V~)^3)
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280 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 13:41:41
X を一様空間とする。
>>274 の Ω と >278 の写像 φ : X → Ω を調べる。
まず X の任意の対称近縁 V に対して
α ∈ Ω とその近傍 V~(α) をとり V~(α) ∩ φ(X) を調べる。
φ(x) ∈ V~(α) とは x の近傍で V 程度に小さいものが α に属す
ということである。
α は極小 Cauchy フィルターだから V 程度に小さい集合 N の
内部を含む(
>>245 )。
従って V~(α) ∩ φ(X) は空でない。
即ち φ(X) は Ω で密である。
α に属す集合で V 程度に小さいものの内部すべての合併を M とする。
V~(α) ∩ φ(X) = φ(M) である。
M ∈ α だから
V~(α) ∩ φ(X) ∈ φ(α)
V は X の任意の対称近縁だったから φ(α) は α に収束する。
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282 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/06(月) 14:39:46
>>280 の続き。
ξ を φ(X) における Cauchy フィルターとする。
>>278 より X の一様構造は Ω の一様構造の φ による逆像だから
φ^(-1)(ξ) は X における Cauchy フィルター η の基底である。
α を α ⊂ η となる極小 Cauchy フィルター とする。
φ(α) ⊂ φ(η) である。
>>280 より φ(α) は収束するから φ(η) も収束する。
φ(φ^(-1)(ξ)) = ξ だから
φ^(-1)(ξ) ⊂ η より ξ ⊂ φ(η)
従って ξ は φ(η) の極限点を接触点にもつ。
ξ は Cauchy フィルターだから
>>248 より ξ は収束する。
>>280 より φ(X) は Ω で密である。
従って、
>>263 より Ω は完備である。
>>281 の続き。
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284 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 10:22:22
命題
X を一様空間とする。
Ω を
>>274 と
>>275 で定義した一様空間
φ : X → Ω を
>>278 で定義した一様連続写像とする。
Ω と φ は次の性質 (P) を持つ。
(P) X から分離かつ完備な一様空間 Y への一様連続写像
f : X → Y に対し、一様連続写像 g: Ω → Y で
f = gφ となるものが一意に存在する。
証明
まず写像 g_0 : φ(X) → Y を次のように定義する。
>>278 より x ∈ X のとき φ(x) は x の近傍全体のなす
極小 Cauchy フィルターである。
>>240 より f(φ(x)) は Cauchy フィルターの基底だから
Y において極限点を持つ。
Y は分離だから
>>252 よりこの極限点は一意に決まる。
この極限点を g_0(φ(x)) と定義する。
一方、 f は連続で x は φ(x) に収束するから
f(φ(x)) は f(x) に収束する。
よって f(x) = g_0(φ(x)) である。
(続く)
285 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 10:23:10
U を Y の任意の近縁とする。
f : X → Y は一様連続だから
X の近縁 V で (x, y) ∈ V なら (f(x), f(y)) ∈ U となるもの
がある。
V~ を
>>274 で定義した Ω の近縁とする。
(φ(x), φ(y)) ∈ V~ なら V 程度に小さい集合 M で x と y を
含むものがある。よって (x, y) ∈ V
よって (f(x), f(y)) ∈ U
即ち (g_0(φ(x)), g_0(φ(y))) ∈ U
よって g_0 は一様連続である。
>>280 より φ(X) は密である。
従って一様連続写像の延長定理(
>>272 ) より
g_0 : φ(X) → Y は
一様連続写像 g: Ω → Y に一意に拡張できる
x ∈ X のとき g(φ(x)) = g_0(φ(x)) = f(x) である。
従って f = gφ である。
このような g は等式延長の原理(
>>265 ))より一意に決まる。
証明終
>>283 の続き。
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∪ ( \
\_)
287 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 10:49:52
定理(一様空間の完備化) X を一様空間とする。 分離かつ完備な一様空間 Ω と一様連続写像 φ : X → Ω で 次の性質 (P) を持つものが存在する。 (P) X から分離かつ完備な一様空間 Y への一様連続写像 f : X → Y に対し、一様連続写像 g: Ω → Y で f = gφ となるものが一意に存在する。 Ω_1 を分離かつ完備な一様空間、φ_1 : X → Ω_1 一様連続写像 として (P) を満たせば、一様同型 ψ: Ω → Ω_1 が存在して φ_1 = ψφ となる。 証明 Ω と φ の存在が存在して性質 (P) を持つことは既に証明されている。 Ω_1 を分離かつ完備な一様空間、φ_1 : X → Ω_1 一様連続写像 として (P) を満たすとする。 一様連続写像 ψ: Ω → Ω_1 で φ_1 = ψφ となるものが一意に 存在する。ψ が一様同型であることを示せばよい。 同様に、一様連続写像 ψ_1: Ω_1 → Ω で φ = ψ_1φ_1 となるもの が一意に存在する。 x ∈ X のとき ψ_1ψ(φ(x)) = ψ_1φ_1(x) = φ(x) だから h = ψ_1ψ とすると h: Ω → Ω で hφ = φ である。 Ω の恒等写像 1: Ω → Ω も 1φ = φ を満たすから 性質 (P) より h = 1 である。 同様に ψψ_1 = 1 となる。 従って ψ は一様同型である。 証明終
288 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 10:57:00
定義
>>287 の Ω を一様空間 X の分離完備化と言い、
φ : X → Ω を X から分離完備化への標準写像と言う。
289 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 11:38:27
補題 X を一様空間とする。 x と y を X の点とする。 x の近傍全体と y の近傍全体が一致するためには X の任意の近縁 V に対して (x, y) ∈ V となることが必要十分である。 証明 x の近傍全体と y の近傍全体が一致するとする。 X の任意の近縁 V に対して V(x) は x の近傍だから 仮定より y の近傍でもある。よって y ∈ V(x) である。 これは (x, y) ∈ V を意味する。 逆に、X の任意の近縁 V に対して (x, y) ∈ V となるとする。 W^2 ⊂ V となる対称近縁 W がある。 (W^2)(x) ⊂ V(x) である。 z ∈ W(y) なら (z, y) ∈ W である。 仮定より (x, y) ∈ W だから (z, x) ∈ W^2 である。 即ち W(y) ⊂ (W^2)(x) である。 従って W(y) ⊂ V(x) である。 これは V(x) が y の近傍であることを意味する。 対称的に V(y) は x の近傍である。 よって x の近傍全体と y の近傍全体は一致する。 証明終
290 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 12:03:25
命題
X を一様空間とする。
X の分離完備化(
>>288 )を Ω、φ : X → Ω を標準写像(
>>288 )とする。
φ(X) の任意の近縁は X のある近縁の φ×φ による像になっている。
証明
φ(X) の任意の近縁は W = V ∩ φ(X)×φ(X) の形である。
ここで V は Ω の近縁である。
>>278 より X の一様構造は Ω の一様構造の φ による逆像である。
従って、h = φ×φ とおけば、
h^(-1)(V) = h^(-1)(W) は X の近縁である。
φ : X → φ(X) は全射だから h(h^(-1)(W)) = W
証明終
291 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 12:06:12
命題
X を一様空間とする。
X の分離完備化(
>>288 )を Ω、φ : X → Ω を標準写像(
>>288 )とする。
φ(X) の近縁の Ω×Ω における閉包全体は Ω の基本近縁系に
なっている。
証明
>>280 より φ(X) は Ω で密である。
>>269 より φ(X) の近縁の Ω×Ω における閉包全体は
Ω の基本近縁系である。
証明終
292 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 13:04:47
命題
X を分離一様空間とする。
X の分離完備化(
>>288 )を Ω、φ : X → Ω を標準写像(
>>288 )とする。
φ は X から φ(X) への一様同型である。
証明
φ(x) = φ(y) なら x の近傍全体と y の近傍全体は一致する。
従って
>>289 より X の任意の近縁 V に対して (x, y) ∈ V となる。
>>214 より x = y である。
従って φ は X から φ(X) への全単射である。
>>278 より X の一様構造は Ω の一様構造の φ による逆像である。
よって φ は X から φ(X) への一様同型である。
証明終
293 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 13:08:22
X が分離一様空間のとき、X の分離完備化(
>>288 )を X の完備化と言う。
このとき X とその標準写像による像は
>>292 より一様同型であるから、
この両者を同一視するのが普通である。
294 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/07(火) 14:26:49
命題(一様空間に伴う分離一様空間)
一様空間 X の分離完備化を X^ とし、
φ : X → X^ を X から分離完備化への標準写像とする。
Y を分離一様空間として f : X → Y を一様連続写像とすると、
一様連続写像 h: φ(X) → Y で f = hφ となるものが一意に存在する。
証明
Y^ を Y の完備化として ψ : Y → Y^ を標準写像とする。
>>287 より一様連続写像 g : X^ → Y^ で ψf = gφ となるものが
ある。
ψf(X) = gφ(X) だから g は g_0 : φ(X) → ψ(Y) を引き起こす。
>>292 より ψ は Y から ψ(Y) への一様同型である。
この逆写像を μ とすると μg_0 : φ(X) → Y は一様連続写像である。
h = μg_0 とおくと hφ = μg_0φ
従って ψ(hφ) = ψ(μg_0φ) = gφ
一方、ψf = gφ だったから ψf = ψ(hφ)
よって f = hφ
h の一意性は明らかである。
証明
命題(一様空間に伴う分離一様空間) 証明 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 証明
296 :
Kummer ◆nzEQlu8i3E :2007/08/07(火) 19:25:07
X を一様空間とする。
>>246 より X の点 x に対して x の近傍全体 φ_x
は極小 Cauchy フィルターである。
φ(x) = φ_x により
>>274 の Ω に対して写像 φ : X → Ω を
定義する。
Ω の一様構造の φ による逆像(
>>224 )が X の一様構造であることを
証明する。
g = φ×φ とおく。
X の任意の対称近縁 V に対して
g^(-1)(V~) ⊂ V ⊂ g^(-1)((V~)^3)
が言えればよい。
(φ(x), φ(y)) ∈ V~ とする。
V 程度に小さい M で x と y を含むものがある。
よって (x, y) ∈ V
よって g^(-1)(V~) ⊂ V
(x, y) ∈ V とする。
V(x) ∪ V(y) は V^3 程度に小さく x の近傍でもあり
y の近傍でもある。
従って (φ(x), φ(y)) ∈ (V~)^3 である。
よって V ⊂ g^(-1)((V~)^3)
297 :
Kummer ◆AeTRuuI8SA :2007/08/07(火) 19:26:06
命題(
>>139 の一般化)
X を一様空間とする。
x を X の点とする。
X の任意の近縁 V に対して V(x) の全体 Φ
は X の 極小 Cauchy フィルターである。
証明
Φ がフィルターであることは明らかである。
X の任意の近縁 V に対して
W^2 ⊂ V となる対称近縁 W を取る。
y ∈ W(W(x)) なら z ∈ W(x) があり (y, z) ∈ W
従って、y ∈ (W^2)(x) ⊂ V(x)
即ち W(W(x)) ⊂ V(x)
よって
>>245 より Φ は極小 Cauchy フィルターである。
証明終
命題(一様空間に伴う分離一様空間) 証明 ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) 証明
300 :
Kummer ◆pJ9/G9wrbQ :2007/08/07(火) 22:25:44
ゲイの出会い系で知り合った10歳以上年上のオジサンの家へ。 そしたら「これ着て責めて欲しい」と言われて、レンコン掘りというか、 魚河岸の人が着てるような胸まであるゴム長を着させられ、捻りハチマキをさせられた。 向こうは全裸。 まあこんなのもたまにはいいか、と愛撫してたら、オジサンが喘ぎ声の中、喋りだした。 「お、おにいちゃん…お、おかえりなさい…た、大漁だった?ねえ大漁だった??」 …オレは突然の、しかも想定の範囲を超えたセリフにポカーンとしてしまった。 オジサンは素に戻って、「…返事して欲しい」と恥ずかしそうにオレに言った。 プレー再開。 耳とかをなめつつ体中をさわさわと触る 「お、おにいちゃん、大漁だった?」 「ああ、大漁だったよ」 「あぁぁぁあぁすごいいいぃいぃ!、、な、なにが、、ハァハァなにが捕れたの?」 乳首を舌でやさしく舐めながらオレは答えた 「…鯛とか、、、ヒラメがいっぱい捕れたよ」 セリフを聞き、オジサンはびくんびくんと身体をひきつらせた 「はっ!はぁぁぁあんっ!イ、イサキは?イサキは、と、取れたの??」 チンコをしごく 「ああ。でかいイサキが取れたよ。今年一番の大漁だ。」 「大漁っ!!イサキぃぃ!!おにいちゃんかっこいいいいぃぃぃい ぃくううううう!」 実話です。。きっと漁師の人との幼い頃の体験というか、淡い恋心とかが あったんだろうなあ、といろんなことを考えさせられた一夜でした。
301 :
Kummer ◆bIhAlQTTPM :2007/08/08(水) 03:05:22
最近俺のエロ本がいつの間にか数冊無くなっている。 そういえば妹も中学生になったし、まぁいろいろあるのだろう。 まだまだ若い兄としてはイタズラ心も湧くと言うものだ。 そこで俺の部屋の床に無造作に置いたエロ本の中に 「オナニーは結構だがもうちょっと声を抑えろ。聞こえてるぞ。」 とメモを挟んでおいた。 そして風呂から出ると、そのエロ本は見事になくなっていた。 翌日の朝食時、なぜか親父がチラチラとこちらを見てきた。 何で顔が赤いんだ、クソ親父。つーかてめぇか。クソ。
302 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 08:56:37
定義
X を一様空間とする。
X がその任意の近縁 V に対して V 程度に小さい集合(
>>235 )からなる
有限被覆をもつとき、X を全有界と言う。
303 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09:24:23
補題
X を位相空間とし、Φ をそのフィルターする。
A を X の部分集合で Φ に含まれないとする。
このとき Ψ = { M ; A ∪ M ∈ Φ } はフィルターで
Φ ⊂ Ψ である。
証明
Ψ が
>>75 の条件を満たせばよい。
1) A は Φ に含まれないから A ∪ M ∈ Φ なら M は空でない。
2) A ∪ M ∈ Φ で M ⊂ L なら A ∪ M ⊂ A ∪ L であるから
A ∪ L ∈ Φ
3) A ∪ M ∈ Φ, A ∪ N ∈ Φ のとき
(A ∪ M) ∩ (A ∪ N) = A ∪ (M ∩ N) ∈ Φ
証明終
304 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09:25:42
訂正
>>303 >X を位相空間とし、Φ をそのフィルターする。
X を集合とし、Φ をそのフィルターする。
305 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09:27:57
定義 X を集合とし、Φ をそのフィルターする。 Φ ⊂ Ψ となる X のフィルターで Φ ≠ Ψ となるものが 存在しないとき Φ を X の極大フィルターという。
306 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09:34:51
命題
X を集合とし、Φ をフィルターとする。
Φ ⊂ Ψ となる極大フィルター(
>>305 ) Ψ が存在する。
証明
Zorn の補題を使えば明らかである。
307 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09:35:38
命題
X を集合とし、Φ をその極大フィルター(
>>305 )とする。
A と B を X の部分集合で A ∪ B ∈ Φ なら
A ∈ Φ または B ∈ Φ となる。
証明
A も B も Φ に含まれないとする。
>>303 より
Ψ = { M ; A ∪ M ∈ Φ } はフィルターで Φ ⊂ Ψ である。
B は Ψ に属し、 Φ に属さないから Φ ≠ Ψ である。
これは矛盾である。
証明終
308 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 09:43:55
命題
X を全有界(
>>302 )な一様空間とする。
X の極大フィルター(
>>305 ) は Cauchy フィルター(
>>236 )である。
証明
Φ をX の極大フィルターとする。
X の任意の近縁 V に対して V 程度に小さい集合(
>>235 )からなる
X の有限被覆がある。
X = M_1 ∪ . . . ∪ M_n で各 M_i は V 程度に小さいとする。
X ∈ Φ だから
>>307 を繰り返し使って M_i ∈ Φ となる i がある。
従って Φ は Cauchy フィルターである。
証明終
309 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10:35:49
命題
位相空間が準コンパクトであるためには、その任意のフィルターが
接触点(
>>132 )を持つことである。
証明
X を準コンパクトな位相空間とし、Φ をそのフィルターとする。
Φ が接触点を持たないとする。
∩{cls(A) ; A ∈ Φ} は空集合であるから
{X - cls(A) ; A ∈ Φ} は X の被覆である。
X は準コンパクトだから Φ の元 A_1 . . . , A_n があり、
X = ∪(X - cls(A_i))
よって ∩cls(A_i) は空である。
cls(A_i) は Φ の元だからこれは矛盾である。
逆に X の任意のフィルターが接触点を持つとする。
(U_λ), λ ∈ L を X の開被覆とする。
A_λ = X - U_λ とする。
∩A_λ は空である。
任意の有限部分集合 J ⊂ L に対して ∩(A_λ, λ ∈ J) が空でない
とする。
Φ_0 = {∩(A_λ, λ ∈ J) ; J は L の有限部分集合} は
フィルター基底である。
仮定より Φ_0 は接触点を持つ。
従って ∩A_λ は空でない。
これは矛盾である。
従って (U_λ), λ ∈ L は有限部分被覆を持つ。
証明終
310 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10:36:46
命題
全有界(
>>302 )かつ完備な一様空間は準コンパクトである。
証明
X を全有界かつ完備な一様空間とする。
Φ を X の任意のフィルターとする。
>>306 より Φ ⊂ Ψ となる極大フィルター(
>>305 ) Ψ が存在する。
>>308 より Ψ は Cauchy フィルターである。
X は完備だから Ψ は収束する。
従って Φ は接触点をもつ。
>>309 より X は準コンパクトである。
証明終
311 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10:40:08
>>310 の証明は極大フィルターの存在を使っているので Zorn の補題を
使っていることになる。
312 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10:42:50
命題
X を全有界(
>>302 )な一様空間とする。
X の分離完備化(
>>288 ) Ω はコンパクトである。
証明
φ : X → Ω を標準写像(
>>288 )とする。
U を Ω の任意の閉近縁とする。
V を U の φ×φ による逆像とする。
X の V 程度に小さい集合からなる有限被覆 (A_i) がある。
B_i = φ(A_i) は U 程度に小さく、(B_i) は φ(X) の被覆である。
C_i を B_i の Ω における閉包とすると、φ(X) は Ω で密だから
(C_i) は Ω の被覆である。
U は Ω の閉集合だから (C_i)×(C_i) ⊂ U である。
即ち、各 C_i は U 程度に小さい。
従って Ω は全有界である。
>>310 より Ω はコンパクトである。
証明終
313 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 10:57:22
命題 準コンパクトな一様空間 X は全有界である。 証明 X の任意の対称開近縁 V に対して (V(x)), x ∈ X は X の開被覆である。 X は準コンパクトだから (V(x)) の有限部分被覆が取れる。 V(x) は V^2 程度に小さいから X は全有界である。 証明終
314 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 11:01:40
命題
一様空間 X の分離完備化(
>>288 ) Ω がコンパクトなら
X は全有界(
>>302 )である。
証明
φ : X → Ω を標準写像(
>>288 )とする。
>>313 より Ω は全有界である。
従って φ(X) も全有界である。
X の一様構造は φ(X) の一様構造の φ による逆像だから
X も全有界である。
証明終
315 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 11:21:38
命題
準コンパクトな一様空間 X は完備である。
証明
>>309 より X の任意の Cauchy フィルターは接触点を持つから
>>248 より収束する。
証明終
316 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 11:25:47
命題
一様空間 X が準コンパクトであるためには
X が全有界かつ完備であることが必要十分である。
証明
十分なことは
>>310 で証明してある。
必要なことは
>>313 と
>>315 で証明してある。
証明終
317 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 11:28:22
命題
X を一様空間とする。
X が全有界(
>>302 )であるためには
X の分離完備化(
>>288 ) Ω がコンパクトであることが必要十分である。
証明
必要なことは
>>312 で証明してある。
十分なことは
>>314 で証明してある。
318 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 12:18:58
補題
X を分離一様空間とする。
x と y を X の点で x ≠ y とする。
x の近傍 V_1 と y の近傍 V_2 と X×X の対角線集合 Δ の近傍 W で
(V_1)×(V_2) が W^2 と交わらないものがある。
証明
X は分離だからx の近傍 U_1 と y の近傍 U_2 で共通の点を
持たないものがある。
>>212 より X は正則だから x の閉近傍 V_1 で V_1 ⊂ U_1
y の閉近傍 V_2 で V_2 ⊂ U_2 となるものがある。
U_3 = X - (V_1 ∪ V_2) とおく。
W = (U_1)×(U_1) ∪ (U_2)×(U_2) ∪ (U_3)×(U_3) とおく。
z ∈ V_1 ∪ V_2 なら (z, z) ∈ W
z ∈ U_3 なら (z, z) ∈ W
従って W は X×X の対角線集合 Δ の近傍である。
(a, b) ∈ W
(b, c) ∈ W
で (a, c) ∈ (V_1)×(V_2) とする。
(a, b) ∈ W で a ∈ V_1 だから b ∈ U_1 である。
(b, c) ∈ W だから c は V_2 に含まれない。
これは矛盾である。
従って (V_1)×(V_2) は W^2 と交わらない。
証明終
319 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 12:38:56
命題
X をコンパクト空間とする。
X×X の対角線集合 Δ の近傍全体は X の一様構造である。
証明
Φ を Δ の近傍全体とする。
>>194 の条件で
1) V ∈ Φ なら Δ ⊂ V
2) V ∈ Φ を含む X×X の部分集合は Φ に属す。
3) V ∈ Φ, W ∈ Φ のとき V ∩ W ∈ Φ
4) V ∈ Φ のとき V^(-1) ∈ Φ
は明らかである。
5) V ∈ Φ のとき W^2 ⊂ V となる W ∈ Φ がある。
を証明すればよい。
これが成り立たないとする。
ある V ∈ Φ があり任意の W に対して W^2 ∩ (X - V) は空でない。
V は開近傍と仮定してよい。
W^2 ∩ (X - V) 全体は X のフィルター基底だから
>>309 より
接触点 (x, y) を持つ。X - V は閉集合だから (x, y) ∈ X - V
従って x ≠ y である。
>>318 より x の近傍 V_1 と y の近傍 V_2 と Δ の近傍 W で
(V_1)×(V_2) が W^2 と交わらないものがある。
これは矛盾である。
証明終
320 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 12:55:54
命題 X をコンパクト空間とする。 この位相構造 α より荒いハウスドルフ位相構造 β は α と一致する。 証明 恒等写像 f: (X, α) → (X, β) は連続である。 (X, α) はコンパクトだから (X, β) もコンパクトである。 A を (X, α) の閉集合とする。 A は (X, α) でコンパクトだから (X, β) でもコンパクトである。 (X, β) はハウスドルフ空間だから A は (X, β) の閉集合である。 即ち f は閉写像である。 よって α = β である。 証明終
321 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 13:02:22
補題 X をハウスドルフ空間とする。 X×X の対角線集合 Δ の近傍全体の共通部分は Δ である。 証明 x と y を X の点で x ≠ y とする。 X はハウスドルフだから (x, y) は X×X の閉集合である。 従って X×X - {(x, y)} は Δ の近傍で (x, y) を含まない。 証明終
322 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 13:15:22
命題
X をコンパクト空間とする。
X×X の対角線集合 Δ の近傍全体は X の一様構造であり、
この一様構造で定まる位相は X の位相と一致する。
証明
X の位相構造を α とする。
>>319 より X×X の対角線集合 Δ の近傍全体は X の一様構造である。
この一様構造から定まる位相構造を β とする。
β ⊂ α である。
>>321 より、Δ の近傍全体は分離的一様構造である。
従って β はハウスドルフである。
従って
>>320 より α = β である。
証明終
323 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 13:50:41
命題 準コンパクト一様空間 X から一様空間 Y への連続写像 f は 一様連続である。 証明 V を Y の任意の近縁とする。 W^2 ⊂ V となる対称近縁 W を取る。 f は連続だから x を X の任意の点としたとき X の近縁 U_x で f(U_x(x)) ⊂ W(f(x)) となるものがある。 (T_x)^2 ⊂ U_x となる対称近縁 T_x を取る。 X はコンパクトだから有限個の点 x_1, ... , x_n があり、 (T_x_i(x_i)) は X の被覆になる。 T ⊂ ∩T_x_i となる X の対称近縁 T を取る。 (x, y) ∈ T なら x ∈ T_x_i(x_i) となる x_i がある。 y ∈ T(x) ⊂ (T_x_i)^2(x_i) ⊂ U_x_i(x_i) よって (f(x), f(x_i)) ⊂ W (f(y), f(x_i)) ⊂ W (f(x), f(y)) ⊂ W^2 ⊂ V 証明終
324 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 13:56:44
定理
コンパクト空間にはその位相を引き起こす一様構造が一意に入る。
証明
このような一様構造の存在は
>>322 で証明されている。
一意性は
>>323 より直ちに得られる。
証明終
325 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 14:15:36
命題
X を可算な基本近縁系をもつ一様空間とする。
X の任意の Cauchy 点列(
>>237 )が収束すれば X は完備(
>>249 )である。
証明
(V_n), n ∈ Z+ を可算な基本近縁系とする。
Φ を Cauchy フィルターとする。
Φ は V_n 程度に小さい集合 A_n を含む。
各 n ∈ Z+ に対して B_n = A_0 ∩ . . . ∩ A_n とおく。
B_n ∈ Φ である。
(B_n) は Cauchy フィルターの基底であり、その生成するフィルターを
Ψ とすれば Ψ ⊂ Φ である。
各 B_n から点 x_n を取り出せば (x_n) は Cauchy 点列だから
X の点 x に収束する。
x は Ψ の接触点だから
>>248 より Ψ は x に収束する。
従って Φ も x に収束する。
証明終
326 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 14:22:40
命題
X を可算な基本近縁系をもつ一様空間とする。
X の任意の Cauchy フィルター Φ に対して
高々可算な基底を持つ Cauchy フィルター Ψ があり、
Ψ ⊂ Φ となる。
証明
>>325 の証明から分かる。
327 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/08(水) 14:24:06
命題
X を可算な基本近縁系をもつ一様空間とする。
X の任意の極小 Cauchy フィルター(
>>133 ) Φ は高々可算な基底を持つ。
証明
>>326 より明らかである。
328 :
Kummer ◆Qk1D5QGAJw :2007/08/08(水) 16:38:53
★天使=AV女優 ★★大天使=あいり&めいり・天海麗・小倉ありす・角松かのり・森下くるみ・あいだゆあ・吉岡なつみ・つかもと友希・みひろ・小沢菜穂・酒井るんな・etc… ★★★主天使(中級天使)= 蒼井そら・乃亜・桜朱音・志保・nao.・松島かえで・小澤マリア・穂花・光月夜也・片瀬まこ ★★★★智天使(上級天使) 高樹マリア・吉崎直緒・南波杏・堤さやか・高井桃・天野こころ・滝沢優奈 ★★★★★熾天使 (四大天使長) 朝河蘭・古都ひかる・ 葉山レイコ・吉沢明歩 ∞:ネ申 小林ひとみ
329 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 04:58:45
定義 G を位相群、X を位相空間とし、 G は X に作用しているとする。 即ち、s ∈ G と x ∈ X に対して sx が定義されて 以下の 1), 2) を満たす。 (1) e を G の単位元とすると、ex = e が任意の x ∈ X に対して 成り立つ。 (2) s(tx) = (st)x が任意の s, t ∈ G と x ∈ X に対して成り立つ。 写像 φ : G × X → X を φ(s, x) = sx で定義する。 φ が連続のとき G は X に連続作用すると言う。
330 :
132人目の素数さん :2007/08/09(木) 05:00:14
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
331 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 05:07:15
定義 G を位相群、X を位相空間とし、 G は X に連続作用しているとする。 x, y ∈ X に対して sx = y となる s ∈ G があるとき x と y は同値と定義とすることにより X の同値関係が得られる。 この各同値類を X の軌道とよぶ。 x ∈ X に対して、x を含む軌道を x の軌道という。 x の軌道は { sx ; s ∈ G } である。 X の軌道全体の集合を X/G と書く。 X/G に商位相を入れた位相空間を X の G による軌道空間という。
332 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 05:20:55
命題 G を位相群が位相空間 X に連続作用しているとする。 G の任意の元 s に対して φ_s(x) = sx により 写像 φ_s : X → X を定義する。 φ_s は X の位相同型である。 証明 φ_s の逆写像は t を s の逆元としたとき φ_t である。 φ_s も φ_t も連続だから φ_s は X の位相同型である。 証明終
333 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 05:25:11
命題
G を位相群が位相空間 X に連続作用しているとする。
標準写像 p: X → X/G は開写像である。
証明
>>332 より V が X の開集合のとき G の任意の元 s に対して
sV は開集合である。
従って、V が X の開集合のとき p^(-1)(p(V)) = GV = ∪{sV ; s ∈ G}
は開集合である。
従って、p(V) は開集合である。
証明終
334 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 05:46:48
定義 G を位相群、H をその部分群とする。 x ∈ G, s ∈ H のとき xs ∈ G だから H は G に右から連続作用する。 この軌道空間 G/H は H の左剰余類 xH 全体からなる。 G/H に商位相を入れた位相空間を G の H による等質空間と言う。
335 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 06:11:28
命題 X, Y, Z を位相空間として写像 f: X → Y と g : Y → Z があるとする。 f は全射で開写像とする。 h = gf が連続なら g も連続である。 証明 U を Z の開集合とする。 V = g^(-1)(U) とおく。 W = h^(-1)(U) = f^(-1)(V) は X の開集合である。 f は全射だから f(W) = V となる。 f は開写像だから V は開集合である。 証明終
336 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 06:14:43
命題
s ∈ G, tH ∈ G/H のとき stH ∈ H を対応させる写像
G × G/H → G/H は連続である。
証明
>>333 より 標準写像 : G → G/H は開写像である。
従って、G × G → G × G/H は開写像である。
G × G → G × G/H と G × G/H → G/H を合成して
f : G × G → G/H が得られる。
f は連続写像 G × G → G と G → G/H の合成だから
連続である。
>>335 より G × G/H → G/H は連続である。
証明終
337 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 06:41:55
命題
G を位相群、H をその正規部分群とする。
G/H は商位相で位相群になる。
証明
写像 ψ : G/H × G/H → G/H を ([x], [y]) = [xy^(-1)] で定義する。
>>333 より φ: G × G → G/H × G/H は開写像である。
ψφ: G × G → G/H は連続写像 f: G × G → G, f(x, y) = xy^(-1)
と G → G/H の合成だから連続である。
>>335 より ψ は連続である。
証明終
338 :
132人目の素数さん :2007/08/09(木) 06:55:48
339 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 06:57:07
命題 G を位相群、H をその部分群とする。 H の G における閉包 cls(H) は G の部分群である。 証明 G×G において cls(H×H) = cls(H)×cls(H) である。 写像 f : G×G → G を f(x, y) = xy^(-1) で定義する。 f は連続だから f(cls(H×H)) ⊂ cls(f(H×H)) となる。 f(H×H) ⊂ H だから f(cls(H)×cls(H) ) ⊂ cls(H) である。 よって cls(H) は G の部分群である。 証明終
340 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 07:01:49
命題 G を位相群、H をその正規部分群とする。 H の G における閉包 cls(H) は G の正規部分群である。 証明 a ∈ G のとき f(x) = axa^(-1) により写像 f : G → G を定義する。 f(H) = H だから f(cls(H)) ⊂ cls(f(H)) = cls(H) よって cls(H) は G の正規部分群である。 証明終
341 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 09:16:19
定義 R を集合 X の同値関係とし φ : X → X/R を標準写像とする。 X の部分集合 A は A = φ^(-1)(φ(A)) のとき充満していると言う。 X の任意の部分集合 B に対して φ^(-1)(φ(B)) を B の充満化と言う。
342 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 09:34:00
命題
R を位相空間 X の同値関係とし φ : X → X/R を標準写像とする。
φ は開写像とする。
X の部分集合 A が充満(
>>341 )していれば、A の内部および A の閉包も
充満している。
証明
A の内部と閉包をそれぞれ int(A), cls(A) とする。
int(A) の充満化を B とする。
A は充満しているから int(A) ⊂ B ⊂ A となる。
一方、B = φ^(-1)(φ(int(A))) であり、
φ は開写像だから B は開集合である。
従って int(A) = B である。
X - cls(A) = int(X - A) であり、X - A は充満しているから
上で証明したことより int(X - A) も充満している。
従って cls(A) も充満している。
証明終
343 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 09:45:40
命題
R を位相空間 X の同値関係とし φ : X → X/R を標準写像とする。
φ は開写像とする。
X の部分集合 A が充満していれば、cls(φ(A)) = φ(cls(A))
である。
証明
A ⊂ cls(A) だから φ(A) ⊂ φ(cls(A))
>>342 より cls(A) は充満しているから φ(cls(A)) は閉集合である。
よって cls(φ(A)) ⊂ φ(cls(A))
一方 φ は連続だから φ(cls(A)) ⊂ cls(φ(A))
よって cls(φ(A)) = φ(cls(A))
証明終
344 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10:02:30
命題 (X_i)、i ∈ I と (Y_i)、i ∈ I を位相空間の族とし、 f_i : X_i → Y_i を開写像とする。 有限個の i を除いて f_i は全射とする。 f = Πf_i とする、即ち f((x_i)) = (f_i(x_i)) このとき f : X → Y は開写像である。 証明 積位相空間の位相の定義より明らかである。
345 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10:19:22
命題
(X_i)、i ∈ I を位相空間の族とし、
R_i を各 X_i の同値関係で標準写像 f_i : X_i → X_i/R_i は
開写像とする。
X = ΠX_i とし、 f : X → ΠX_i/R_i を積写像 Πf_i とする。
X の同値関係 R を
x = (x_i), y = (y_i) を X の2元としたとき
f(x) = f(y) 即ち
すべての i で x_i ≡ y_i (mod R_i) となるとき
x ≡ y (mod R) と定義する。
標準写像 X → X/R は開写像で f は位相同型 X/R → ΠX_i/R_i を
引き起こす。
証明
>>344 より f は開写像である。
f は連続写像の積だから連続である。
従って f は位相同型 X/R → ΠX_i/R_i を引き起こす。
f は開写像だから標準写像 X → X/R も開写像である。
証明終
346 :
132人目の素数さん :2007/08/09(木) 10:21:44
>>328 >★天使=AV女優
>★★大天使=あいり&めいり・天海麗・小倉ありす・角松かのり・森下くるみ・あいだゆあ・吉岡なつみ・つかもと友希・みひろ・小沢菜穂・酒井るんな・etc…
>★★★主天使(中級天使)=
>蒼井そら・乃亜・桜朱音・志保・nao.・松島かえで・小澤マリア・穂花・光月夜也・片瀬まこ
>★★★★智天使(上級天使)
>高樹マリア・吉崎直緒・南波杏・堤さやか・高井桃・天野こころ・滝沢優奈
>★★★★★熾天使
>(四大天使長)
>朝河蘭・古都ひかる・
>葉山レイコ・吉沢明歩
>∞:ネ申
>小林ひとみ
347 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10:34:21
命題
R を位相空間 X の同値関係とし φ : X → X/R を標準写像とする。
φ は開写像とする。
C を R のグラフ即ち C = {(x, y) ∈ X×X ; x ≡ y (mod R) }
とする。
C が X×X の閉集合なら X/R はハウスドルフ空間である。
証明
>>345 より (X×X)/(R×R) は (X/R)×(X/R) と同一視できる。
(X/R)×(X/R) の対角線集合を Δ とする。
Δ は C の標準写像 X×X → (X×X)/(R×R) による像である。
C は充満した閉集合だから Δ も閉集合である。
従って
>>84 より X/R はハウスドルフ空間である。
証明終
349 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10:43:55
命題
G を位相群、H をその閉部分群とする。
等質空間(
>>334 ) G/H はハウスドルフ空間である。
証明
G/H は G における関係 x^(-1)y ∈ H による商空間である。
この関係のグラフは (x, y) に x^(-1)y を対応させる連続写像
G×G → G による H の逆像であるから閉集合である。
標準写像 G → G/H は
>>333 より開写像である。
従って
>>347 より G/H はハウスドルフ空間である。
証明終
350 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 10:48:54
G を位相群、G の単位元を e とする。
N を {e} の G における閉包とする。
>>340 より N は G の閉正規部分群である。
>>349 より G/N は分離群である。
G/N を G に伴う分離群という。
351 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 11:06:41
命題 G と G' を位相群とする。 連続準同型 f: G → G' は G と G' の右一様構造で一様連続である。 左一様構造に関しても同様である。 証明 f は連続だから V を G' の単位元の任意の近傍としたとき G の単位元の任意の近傍 W があり f(W) ⊂ V となる yx^(-1) ∈ W なら f(yx^(-1)) = f(y)f(x)^(-1) ∈ V である。 即ち f は G と G' の右一様構造で一様連続である。 証明は左一様構造に関しても同様である。 証明終
352 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 11:25:17
G を分離位相アーベル群とする。
>>200 より G は分離一様空間である。
G の分離完備化(
>>288 )を Ω とし、φ : G → Ω を標準写像とする。
G は分離的だから φ により G と φ(G) は同一視出来る(
>>293 )。
写像 x + y は連続準同型 f: G×G → G である。
>>351 より f は一様連続である。
一様連続写像の延長定理(
>>272 )により f は α : Ω×Ω → Ω に
一意に拡張出来る。
即ち Ω の元 x, y に対して α(x, y) を x + y と書く。
Ω×Ω×Ω → Ω を (x, y, z) に (x + y) + z を対応させる
写像とする。
Ω×Ω×Ω → Ω を (x, y, z) に x + (y + z) を対応させる
写像とする。
この二つの写像は G×G×G で一致する。
等式延長の原理(
>>265 )よりこの二つの写像一致する。
即ち Ω の元 x, y, z に対して (x + y) + z = x + (y + z) となる。
同様に x + y = y + x が出る。
同様に x + 0 = x である。
写像 -x は連続準同型 g: G → G である。
>>351 より g は一様連続である。
一様連続写像の延長定理(
>>272 )により g は β : Ω → Ω に
一意に拡張出来る。
即ち Ω の元 x に対して β(x) を -x と書く。
x + (-x) = 0 が上と同様に出る。
以上から Ω は位相アーベル群になる。
353 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 12:04:47
>>352 の Ω は二つの一様構造を持っている。
一つは一様空間 G の分離完備化としての一様構造である。
これを Φ と書く。
もう一つは位相アーベル群としての一様構造である。
これを Ψ と書く。
Φ = Ψ であることを証明する。
まず Φ と Ψ は Ω において同一の位相を定める。
Φ と Ψ は G において同一の一様構造を引き起こす。
従って Ψ の G における Cauchy フィルターは Φ の
G における Cauchy フィルターでもあるから Ω において
収束する。
従って
>>263 より Ψ は完備である。
φ : G → Ω を標準写像とする。
φ を G から一様空間 (Ω, Ψ) への写像と見ると、
>>351 より φ は
一様連続である。
一様連続写像の延長定理(
>>272 )より φ は (Ω, Φ) から (Ω, Ψ) へ
の一様連続写像 ψ に一意に拡張される。
Ω の恒等写像は G ⊂ Ω において φ を引き起こすから
等式延長の原理(
>>265 ) より ψ と一致する。
即ち恒等写像 (Ω, Φ) → (Ω, Ψ) は一様連続である。
同様に恒等写像 (Ω, Ψ) → (Ω, Φ) は一様連続である。
従って Φ = Ψ である。
354 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/09(木) 12:25:34
定理(分離位相アーベル群の完備化)
G を分離位相アーベル群とする。
分離かつ完備な位相アーベル群 Ω と G から Ω への連続準同型 φ で
次の性質をもつものが存在する。
1) φ は G から φ(G) への位相群としての同型を引き起こす。
2) G から分離かつ完備な位相アーベル群 G' への連続準同型
f : G → G' に対し、連続準同型 g: Ω → G' で
f = gφ となるものが一意に存在する。
証明
Ω として
>>352 の Ω を取る。
1) は明らかである。
φ により G と φ(G) を同一視する。
f を G から分離かつ完備な位相アーベル群 G' への連続準同型とする。
>>351 より f は一様連続だから一様連続写像の延長定理(
>>272 )により
f は一様連続写像 g : Ω → G' に一意に拡張出来る。
等式延長の原理により g(x + y) = g(x) + g(y) となる。
従って g は連続準同型である。
これで 2) が証明された。
証明終
355 :
132人目の素数さん :2007/08/09(木) 17:32:31
>>298 > ∩___∩
> | ノ ヽ
> / ● ● | Kummer──!!
> | ( _●_) ミ
> 彡、 |∪| 、`\
>/ __ ヽノ /´> )
>(___) / (_/
> | /
> | /\ \
> | / ) )
> ∪ ( \
> \_)
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | Kummer──!!
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
356 :
132人目の素数さん :2007/08/09(木) 17:33:19
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_) ∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
357 :
Kummer ◆SP1RWrm9VI :2007/08/09(木) 22:55:31
(
>>1 の続き)
妹が風邪をひいて家で寝ていて様子を見に行ったら、
「座薬を入れてよ!熱が下がんないから!」と言ってきた。
親に言えや!と返したら母親は今いない。親父には見られたくない。
という事らしい。 妹は後ろ向きに四つん這いになってその下は見るな!と
半分ケツをペロリとだした。 ロケット型の白い座薬を妹の*にゆっくりと入れる。
が、直ぐケツの力で這い出してしまう。 奥まで入れろ!と言われ、汚ねぇから触れねぇーよ!と
切り返したら、引出しからコンドームを1つ渡し「これで!」と。
指に不自然にそれをハメると妹は何度も絶対に変な事するなよ!
絶対に変な事するなよ!と言いながらもう一度四つん這いに。
オレは無心でゆっくりと奥まで一気に入れる。
妹はアッ!と少しだけ悶える。すまん!と意味も無く謝る兄のオレ。
ところがそのまま指が穴から抜けなくなる。 抜けない!とオレが
焦って動かすとウッ!動かさないで!と妹はマジ悶える。
力入れるなよ!と叫ぶオレ。じゃあ関節曲げんなよ!エロ!と妹も負けじと叫ぶ。
分かった。落ち着こうよ。な!力抜いて。ほら。よし!抜けた。 そしてヌポッ!という音ともに
358 :
Kummer ◆YH5yPZVZn. :2007/08/09(木) 23:20:21
>>11 河村隆一「Love」(97/11/22)
1.I Love You 言わずと知れたソロデビュー駄曲。サビの「〜探してたー、うっふっふ」ってとこがキモい駄曲。
2.好き Say A Litlle Prayerに提供した駄曲をセルフカバー。引き続きキモいです!
3.涙色 酒井のり子(のりP)に提供した曲。ここまで来るとアイドルヲタのカラオケみたいです!
4.Birthday 誕生日にこんな曲をRYUICHIに隣りで歌われたらその日は眠れないかも、キモくて、っていうおぞましい駄曲です
5.Love Song アコースティックな優しい響きに乗せたメッセージが絶望的にサムイです。
6.BEAT 「波乗りに行ったときに出来た曲。波の音が、別れた彼女の声に聞こえて・・・」との事ですが、
何言ってんだおまえ、って感じです!!
7.蝶々 これも酒井法子への提供曲。「女言葉を僕が歌ったら、面白いかなって思って」との事ですが、
ちっとも面白くなく不快な仕上りになってます。
8.Love アルフィーの高見沢作曲。繰り返し歌われるRYUICHIの恋愛観に辟易させられる駄曲です。
9.Evolution アルバム中盤で、ちょっとしたアクセントになっている駄曲。
10.小さな星 セイアへの提供曲。RYUICHIが歌う事によって鳥肌が立つほどの駄曲になってます。
11.Glass ソロ2ndシングル曲。テレビでもよく歌っていたせいか、サビでは高音を張り上げるRYUICHIの顔が浮かんできて怖いです!
12.でも淋しい夜は・・・ まだ続くのかよこのアルバム、って駄曲です。
13.SE,TSU,NA このアルバムでは珍しくアップテンポのアレンジに乗せて歌われるメッセージが圧倒的にウンコです。
14.Love is… 「僕の、究極の理想の愛を歌ってます」との事ですが、そんなのどうでもいいと思える駄曲です。
15.Christmas RYUICHIと一緒にクリスマスを過ごすくらいなら居眠りして終わらせたほうがましだと突っ込みたくなる駄曲。
16.Hope 長かったね、この駄アルバムもこの駄曲でやっと終わりという、開放感ある駄曲でした。
総評:全16駄曲という圧倒的なボリュームのソロデビュー作。主婦は狂気し、
LUNA SEAファンはいろいろな意味で腰を抜かした250万枚のヒット作です。
中古屋では50円で売ってました。50円出すのも勿体無いです!
359 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 03:42:31
命題
A を位相環とし、B をその部分環とする。
A における B の閉包 cls(B) は A の部分環である。
証明
>>339 より cls(B) は A の部分アーベル群である。
写像 f : A×A → A を f(x, y) = xy で定義する。
f は連続だから
f(cls(B×B)) = f(cls(B)×cls(B)) ⊂ cls(f(B×B)) となる。
f(B×B) ⊂ B だから f(cls(B)×cls(B)) ⊂ cls(B) である。
よって cls(B) は A の部分環である。
証明終
360 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 03:43:02
命題
A を位相環とし、I をその左イデアルとする。
I における B の閉包 cls(I) は A の左イデアルである。
証明
>>339 より cls(I) は A の部分アーベル群である。
写像 f : A×A → A を f(x, y) = xy で定義する。
f は連続だから
f(cls(A×I)) = f(A×cls(I)) ⊂ cls(f(A×I)) となる。
f(A×I) ⊂ I だから f(A×cls(I)) ⊂ cls(I) である。
よって cls(I) は A の左イデアルである。
証明終
361 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 03:48:40
命題
A を位相環とし、I をその右イデアル、 J をその両側イデアルとする。
A における I の閉包 cls(I) は A の右イデアルであり、
A における J の閉包 cls(J) は A の両側イデアルである。
証明
cls(I) が A の右イデアルであることの証明は
>>360 と同じである。
cls(J) が A の両側イデアルであることは cls(J) が
左イデアルでもあり、右イデアルでもあることから分かる。
証明終
362 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 03:56:34
命題
A を位相環とし、I をその両側イデアルとする。
A/I は商位相で位相環になる。
証明
>>337 と同様である。
363 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 04:01:10
A を位相環とし、N を {0} の A における閉包とする。
>>361 より N は A の閉両側イデアルである。
>>349 より A/N は分離的である。
A/N を A に伴う分離環と言う。
364 :
Kummer ◆YH5yPZVZn. :2007/08/10(金) 04:13:12
>>361 の続き
河村隆一「Love」(97/11/22)
1.I Love You 言わずと知れたソロデビュー駄曲。サビの「〜探してたー、うっふっふ」ってとこがキモい駄曲。
2.好き Say A Litlle Prayerに提供した駄曲をセルフカバー。引き続きキモいです!
3.涙色 酒井のり子(のりP)に提供した曲。ここまで来るとアイドルヲタのカラオケみたいです!
4.Birthday 誕生日にこんな曲をRYUICHIに隣りで歌われたらその日は眠れないかも、キモくて、っていうおぞましい駄曲です
5.Love Song アコースティックな優しい響きに乗せたメッセージが絶望的にサムイです。
6.BEAT 「波乗りに行ったときに出来た曲。波の音が、別れた彼女の声に聞こえて・・・」との事ですが、
何言ってんだおまえ、って感じです!!
7.蝶々 これも酒井法子への提供曲。「女言葉を僕が歌ったら、面白いかなって思って」との事ですが、
ちっとも面白くなく不快な仕上りになってます。
8.Love アルフィーの高見沢作曲。繰り返し歌われるRYUICHIの恋愛観に辟易させられる駄曲です。
9.Evolution アルバム中盤で、ちょっとしたアクセントになっている駄曲。
10.小さな星 セイアへの提供曲。RYUICHIが歌う事によって鳥肌が立つほどの駄曲になってます。
11.Glass ソロ2ndシングル曲。テレビでもよく歌っていたせいか、サビでは高音を張り上げるRYUICHIの顔が浮かんできて怖いです!
12.でも淋しい夜は・・・ まだ続くのかよこのアルバム、って駄曲です。
13.SE,TSU,NA このアルバムでは珍しくアップテンポのアレンジに乗せて歌われるメッセージが圧倒的にウンコです。
14.Love is… 「僕の、究極の理想の愛を歌ってます」との事ですが、そんなのどうでもいいと思える駄曲です。
15.Christmas RYUICHIと一緒にクリスマスを過ごすくらいなら居眠りして終わらせたほうがましだと突っ込みたくなる駄曲。
16.Hope 長かったね、この駄アルバムもこの駄曲でやっと終わりという、開放感ある駄曲でした。
総評:全16駄曲という圧倒的なボリュームのソロデビュー作。主婦は狂気し、
LUNA SEAファンはいろいろな意味で腰を抜かした250万枚のヒット作です。
中古屋では50円で売ってました。50円出すのも勿体無いです!
365 :
Kummer ◆YH5yPZVZn. :2007/08/10(金) 04:20:05
お前ら、フルーチェオナホ造った事ある? カタクリX並らしいんだけど・・
366 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 05:12:58
命題 A を位相環とする。 (x_n), n ∈ Z+ と (y_n), n ∈ Z+ をそれぞれ A の Cauchy 点列 とすると、(x_ny_n) も Cauchy 点列である。 証明 写像 (x, y) → xy は連続だから A の 0 の任意の近傍 W に対して U^2 ⊂ W となる 0 の近傍 U がある。 n0 ∈ Z+ があり n, m ≧ n0 なら x_n - x_m ∈ U, y_n - y_m ∈ U となる。 写像 x → x(y_n0) と写像 y → (x_n0)y は連続だから V ⊂ U があり x_n - x_m ∈ V なら (x_n - x_m)y_n0 ∈ W y_n - y_m ∈ V なら x_n0(y_n - y_m) ∈ W となる。 n1 ≧ n0 があり n, m ≧ n1 なら x_n - x_m ∈ V y_n - y_m ∈ V となる。 従って n, m ≧ n1 なら x_n y_n - x_m y_m = (x_n - x_m)y_n0 + x_n0(y_n - y_m) + (x_n - x_m)(y_n - y_n0) + (x_m - x_n0)(y_n - y_m) ∈ W + W + W + W 従って (x_ny_n) は Cauchy 点列である。 証明終
367 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 08:45:52
命題 A を位相環とする。 Φ と Ψ をそれぞれ A の Cauchy フィルターの基底とする。 f : A×A → A を f(x, y) = xy により定義する。 f(Φ, Ψ) は Cauchy フィルターの基底である。 証明 写像 f(x, y) は連続だから A の 0 の任意の近傍 W に対して U^2 ⊂ W となる 0 の近傍 U がある。 M ∈ Φ と N ∈ Ψ を U 程度に小さい集合とする。 x_1 ∈ M y_1 ∈ N を任意に取る。 写像 x → xy_1 と写像 y → x_1y は連続だから V ⊂ U があり x' - x ∈ V なら (x' - x)y_1 ∈ W y' - y ∈ V なら x_1(y' - y) ∈ W となる。 M' を V 程度に小さい集合で M' ⊂ M かつ M' ∈ Φ とする。 N' を V 程度に小さい集合で N' ⊂ N かつ N' ∈ Ψ とする。 x, x' ∈ M' y, y' ∈ N' のとき x'y' - xy = (x' - x)y_1 + x_1(y' - y) + (x' - x)(y' - y_1) + (x - x_1)(y' - y) ∈ W + W + W + W 即ち M'N' は 4W 程度に小さい。 従って f(Φ, Ψ) は Cauchy フィルターの基底である。 証明終
368 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 09:14:10
A を分離位相環とする。
Ω を A のアーベル群としての完備化とする。
写像 f : A×A → A を f(x, y) = xy により定義する。
>>271 より f は連続写像 g: Ω×Ω → Ω に一意に拡張できる。
g(x, y) = xy と書くことにする。
等式延長の原理(
>>265 )より (xy)z = x(yz) となる。
1 を A の乗法の単位元 とするとやはり等式延長の原理より
x1 = 1x = x となる。
従って Ω は位相環になる。
369 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 09:15:32
定理(分離位相環の完備化)
A を分離位相環とする。
分離かつ完備な位相環 Ω と A から Ω への連続準同型 φ で
次の性質をもつものが存在する。
1) φ は A から φ(A) への位相環としての同型を引き起こす。
2) A から分離かつ完備な位相環 B への連続準同型
f : A → B に対し、連続準同型 g: Ω → B で
f = gφ となるものが一意に存在する。
証明
Ω として
>>368 の Ω を取る。
1) は明らかである。
φ により A と φ(A) を同一視する。
f を A から分離かつ完備な位相環 B への連続準同型とする。
>>354 より位相アーベル群としての連続準同型 g: Ω → B で
f = gφ となるものが一意に存在する。
等式延長の原理により g(xy) = g(x)g(y) となる。
従って g は位相環としての連続準同型である。
これで 2) が証明された。
証明終
370 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 09:19:14
>>369 の Ω を分離位相環 A の完備化と言う。
Ω は通常 A^ で表す。
371 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/10(金) 09:41:45
定理(位相環の分離完備化)
A を位相環とする。
分離かつ完備な位相環 Ω と A から Ω への連続準同型 ψ で
次の性質をもつものが存在する。
A から分離かつ完備な位相環 B への連続準同型
f : A → B に対し、連続準同型 g: Ω → B で
f = gψ となるものが一意に存在する。
証明
N を {0} の A における閉包とする。
>>361 より N は A の閉両側イデアルである。
>>349 より A/N は分離的である。
p: A → A/N を標準写像とする。
A/N の完備化を Ω とし、φ : A/N → Ω を標準写像とする。
ψ : A → Ω を標準写像 p: A → A/N と φ : A/N → Ω の
合成とする。即ち ψ = φp である。
f を A から分離かつ完備な位相環 B への連続準同型とする。
f^(-1)(0) は A の閉両側イデアルだから N ⊂ f^(-1)(0)
従って、環としての準同型 h : A/N → B があり、f = hp となる。
B の開集合 U に対して f^(-1)(U) = p^(-1)(h^(-1)(U)) は
開集合だから h^(-1)(U) は開集合である。
従って h は連続である。
>>369 より連続準同型 g : Ω → B で
h = gφ となるものが一意に存在する。
f = hp = gφp = gψ
ψ(A) は Ω で密だから g は一意に決まる。
証明終
372 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 01:34:52
定義
A を位相環(
>>189 )とし、E を左 A-加群とする。
E が以下の条件を満たすとき E を 左 A-位相加群と言う。
1) E にはその加法と両立する位相が入る。
即ち位相アーベル群である。
2) (a, x) に ax を対応させる写像 A×E → E は連続である。
373 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 01:48:20
命題
E を A-位相加群、M をその A-部分加群とする。
E/M は商位相により A-位相加群となる。
証明
写像 ψ : A × E/M → E/M を (a, [x]) = [ax] で定義する。
ψ が連続であることを示せばよい。
>>333 より φ: A × E → A × E/M は開写像である。
ψφ: A × E → E/M は連続写像 A × E → E
と標準写像 E → E/M の合成だから連続である。
>>335 より ψ は連続である。
証明終
374 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 02:06:29
次の命題の証明は
>>367 と同様だが一応証明する。
375 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 02:07:28
命題 E, F, G を位相アーベル群とし、 f: E×F → G を連続な双線形写像とする。 Φ と Ψ をそれぞれ E と F の Cauchy フィルターの基底とする。 f(Φ, Ψ) は G の Cauchy フィルターの基底である。 証明 写像 f(x, y) は連続だから G の 0 の任意の近傍 W に対して f(U, V) ⊂ W となる 0 の近傍 U と V がある。 M ∈ Φ と N ∈ Ψ をそれぞれ U, V 程度に小さい集合とする。 x_1 ∈ M y_1 ∈ N を任意に取る。 写像 x → f(x, y_1) と写像 y → f(x_1, y) は連続だから 0 の近傍 U' ⊂ U があり x' - x ∈ U' なら f(x' - x, y_1) ∈ W 0 の近傍 V' ⊂ V があり y' - y ∈ V' なら f(x_1, y' - y) ∈ W となる。 M' を U' 程度に小さい集合で M' ⊂ M かつ M' ∈ Φ とする。 N' を V' 程度に小さい集合で N' ⊂ N かつ N' ∈ Ψ とする。 x, x' ∈ M' y, y' ∈ N' のとき f(x', y') - f(x, y) = f(x' - x, y_1) + f(x_1, y' - y) + f(x' - x, y' - y_1) + f(x - x_1, y' - y) ∈ W + W + W + W 即ち M'N' は 4W 程度に小さい。 従って f(Φ, Ψ) は Cauchy フィルターの基底である。 証明終
376 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 02:24:35
A を分離位相環、E を A-分離位相加群とする。
A^ と E^ をそれぞれ A と E の完備化とする。
>>271 と
>>375 より
(a, x) に ax を対応させる写像 A×E → E は
A^×E^ → E^ に連続延長される。
等式延長の原理(
>>265 ) より a, b ∈ A^, x ∈ E^ のとき
a(bx) = (ab)x となる。
従って E^ は A^-位相加群となる。
E^ を A-位相加群 E の完備化と言う。
377 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 03:26:30
A を位相環、N を A における {0} の閉包とする。
>>349 より A/N は分離位相環である。
A/N の完備化(
>>370 ) を A の分離完備化と言い、A^ で表す。
378 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 03:27:32
A を位相環、E を A-位相加群とする。
N を A における {0} の閉包とし、
F を E における {0} の閉包とする。
>>349 より A/N は分離位相環であり、
E/F は分離位相アーベル群である。
a ∈ A, x ∈ F なら ax ∈ F だから、
写像 f : A/N × E/F → E/F を ([a], [x]) → [ax] により
定義出来る。
A × E → A/N × E/F は開写像であり、
(a, x) ∈ A × E のとき [ax] ∈ E/F を対応させる写像
A × E → E/F は連続だから
>>335 より f も連続である。
従って E/F は A/N-位相加群である。
>>376 より E/F の完備化 (E/F)^ は A の分離完備化環 A^ 上の
位相加群であり、これを E の分離完備化と言い、E^ と書く。
379 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 09:08:52
命題
A を位相環、E を A-位相加群とし、
A^ と E^ をそれぞれ A と E の分離完備化(
>>371 と
>>378 )とする。
φ: E → E^ を標準写像とする。
G を分離かつ完備な A^-位相加群とし、
f : E → G を A-位相加群としての連続準同型とする。
このとき A^-位相加群としての連続準同型 g : E^ → G が一意に存在し
f = gφ となる。
証明
F を E における {0} の閉包とする。
p: E → E/F を標準写像とする。
f^(-1)(0) は E の閉部分加群だから F ⊂ f^(-1)(0)
従って、A-加群としての準同型 h : E/F → G があり、f = hp となる。
G の開集合 U に対して f^(-1)(U) = p^(-1)(h^(-1)(U)) は
開集合だから h^(-1)(U) は開集合である。
従って h は連続である。
ψ : E/F → (E/F)^ を標準写像とする。
E^ = (E/F)^ である。
>>354 より連続準同型 g : (E/F)^ → G で
h = gψ となるものが一意に存在する。
f = hp = gψp = gφ
φ(A) は Ω で密だから g は一意に決まる。
g は等式延長の原理(
>>265 )より A^-位相加群としての連続準同型で
ある。
証明終
380 :
Kummer ◆U3fGsUclmg :2007/08/11(土) 09:21:27
★天使=AV女優 ★★大天使=あいり&めいり・天海麗・小倉ありす・角松かのり・森下くるみ・あいだゆあ・吉岡なつみ・つかもと友希・みひろ・小沢菜穂・酒井るんな・etc… ★★★主天使(中級天使)= 蒼井そら・乃亜・桜朱音・志保・nao.・松島かえで・小澤マリア・穂花・光月夜也・片瀬まこ ★★★★智天使(上級天使) 高樹マリア・吉崎直緒・南波杏・堤さやか・高井桃・天野こころ・滝沢優奈 ★★★★★熾天使 (四大天使長) 朝河蘭・古都ひかる・ 葉山レイコ・吉沢明歩 ∞:ネ申 小林ひとみ
381 :
132人目のKummerさん :2007/08/11(土) 09:53:20
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
382 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 10:21:31
命題
分離位相体(
>>190 ) K の完備化環 K^ が位相体であるためには
K^* に含まれ、0 に収束しない (K の加法群に関する)
Cauchy フィルターの基底の写像 x → x^(-1) による像が
(K の加法群に関する) Cauchy フィルターの基底であることが
必要十分である。
証明
K が離散的でないなら K^* = K - {0} は K^ - {0} において密である。
K が離散的な場合は K^ = K であるからやはり K^* = K - {0} は
K^ - {0} において密である。
f: K^* → K^* を f(x) = x^(-1) で定義する。
K^ が位相体であるためには写像 f が写像 g : K^ - {0} → K^ - {0}
に連続延長出来ることが必要十分である。
必要なことは明らかである。
十分なことは、x ∈ K^ - {0} のとき g(x)x = 1 と xg(x) = 1 が
等式延長の原理(
>>265 )より出ることから分かる。
従って、
>>271 より直ちに命題の主張が出る。
証明終
383 :
132人目の素数さん :2007/08/11(土) 10:31:29
384 :
132人目のKummerさん :2007/08/11(土) 10:34:12
∩___∩ /) | ノ ヽ ( i ))) / ● ● | / / | ( _●_) |ノ / 彡、 |∪| ,/ / ヽノ /´ 代数的整数論では円分体が大事だクマ
385 :
Kummer ◆6l0Hq6/z.w :2007/08/11(土) 10:38:24
386 :
132人目の素数さん :2007/08/11(土) 10:49:51
387 :
132人目の素数さん :2007/08/11(土) 10:58:01
388 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 11:07:32
命題 K を分離的な可換位相体とする。 Φ を K^* を位相群とみたときの K^* における Cauchy フィルターの基底とする。 Φ は K を位相アーベル群とみたときの Cauchy フィルターの基底 であり、0 には収束しない。 証明 U を K における 0 の任意の近傍として V を 0 の閉近傍で V ⊂ U, V^2 ⊂ U で -1 は V に含まれない とする。 A ∈ Φ で任意の x, y ∈ A に対して y/x ∈ 1 + V となるものがある。 a ∈ A のとき A ⊂ a + aV である。 W を 0 の近傍で aW ⊂ V とする。 B ∈ Φ, B ⊂ A で任意の x, y ∈ B に対して y/x ∈ 1 + W となるものがある。 y - x ∈ xW ⊂ AW ⊂ aW + aVW K は可換だから aVW = aWV ⊂ V^2 ⊂ U 従って y - x ∈ U + U 即ち Φ は K を位相アーベル群とみたときの Cauchy フィルターの基底 である。 A ⊂ a + aV であり、 a + aV は 0 を含まない閉集合であるから Φ は 0 に収束しない。 証明終
389 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 11:10:18
命題
K を分離かつ完備な可換位相体とする。
K^* は位相群とみたとき完備である。
証明
>>388 より明らかである。
390 :
132人目の素数さん :2007/08/11(土) 11:10:27
○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 代数的整数論、いつも熱心に書いてあるな。 \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ ん?最近荒らしが多いな。 \/ / ○_○ ( ・(ェ)・ ) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 何で「クマー」が Kummer って叫んでるんだろう? \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 「クンマー」だからか。くだらねえ。 \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ゚(ェ)゚ ) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ こっちみんな \/ /  ̄ ̄ ̄
391 :
132人目の素数さん :2007/08/11(土) 12:53:25
○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 代数的整数論、いつも熱心に書いてあるな。 \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ ん?最近荒らしが多いな。 \/ / ○_○ ( ・(ェ)・ ) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 何で「クマー」が Kummer って叫んでるんだろう? \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ・(ェ)・) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ 「クンマー」だからか。くだらねえ。 \/ /  ̄ ̄ ̄ ○_○ ( ゚(ェ)゚ ) _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_ king氏ね \/ /
>>390 このスレは熱心というよりは基地外じみている
有る意味キングと同じ
393 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14:25:49
補題 実数体 R において写像 f(x) = 1/x は 任意の δ > 0 に対して、 |x| ≧ δ において一様連続である。 証明 δ > 0 に対して、 |x| ≧ δ |y| ≧ δ とする。 任意の ε > 0 に対して、|y - x| < (δ^2)ε なら |1/y - 1/x| = |y - x|/|xy| < ε 従って写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。 証明終
394 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14:30:03
命題
実数体 R は位相体である。
証明
a, b を任意の実数とする。
任意の ε > 0 に対して、
|x - a| < ε/2, |y - b| < ε/2 のとき
|x + y - (a + b)| ≦ |x - a| + |y - b| < ε
従って写像 f(x, y) = x + y は連続である。
任意の ε > 0 に対して、
|x - a| < ε のとき
|-x - (-a)| = |x - a| < ε
従って写像 g(x) = -x は連続である。
任意の ε > 0 に対して、
δ > 0 を δ < min(1, ε/(1 + |a| + |b|)) とする。
δ < 1 だから δ^2 < δ < ε/(1 + |a| + |b|)
|x - a| < δ, |y - b| < δ のとき
|xy - ab| = |(x - a)(y - b) + (x - a)b + a(y - b)|
≦ |(x - a)(y - b)| + |(x - a)b| + |a(y - b)|
≦ δ^2 + δ|b| + |a|δ < δ(1 + |a| + |b|) < ε
従って写像 h(x, y) = xy は連続である。
>>393 より、任意の δ > 0 に対して、
写像 φ(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
よって φ(x) は R^* で連続である。
証明終
395 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14:32:49
命題
複素数 C は位相体である。
証明
>>394 と同様である。
396 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14:43:48
命題
実数体と複素数体はそれぞれ分離かつ完備な位相体である。
証明
>>394 と
>>395 より実数体と複素数体はそれぞれ位相体である。
両者が分離的であることは明らかである。
K を実数体または複素数体とする。
n ≧ 1 を有理整数としたとき
V(1/n) = {(x, y) ∈ K^2; |y - x| < 1/n} の全体は
K の一様構造の基本近縁系である。
即ち K は可算な基本近縁系をもつ。
実数体及び複素数体において Cauchy 点列は収束するから
>>325 より両者は完備である。
証明終
397 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/11(土) 14:46:58
命題
K を実数体または複素数体とする。
K^* は位相群として完備である。
証明
>>396 と
>>389 より明らかである。
398 :
1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/11(土) 17:13:50
昨日、西麻布の某グラブバーで、 君がいるだけで飛べる女優さんのS・Eさんを見ました。 服装は、ベージュっぽい色(ゴールド?)のフリルのトップスに、 上にピンクのベロアっぽい光沢のある生地のパーカを羽織ってました。 ボトムはたしかインディゴっぽい色のデニムミニでした。 なんか、最初入ってきたときにずっと年上の男の人二人連れてて、 三人で入ってきたんですが、Sさんがすごく顔が小さくて目立ってました。 私以外にも彼女に気付いていた人いると思うのに、 彼女は見せびらかすみたいに片方の男の人の腰に手をまわして顔寄せあって話してて (店の中はうるさかったから、顔を近づけないと話せないのはわかるんですが) そのまま抱き合うみたいにして、奥のVIPルームに入っていきました。 もう一人の人も、歩きながらSさんの肩に手をやったりしてて、かなり仲のいい感じでした。 男の人は、抱き合ってた方の人はモスグリーンのジャケットに黒いパンツで、色黒で髭を生やしていて、 Sさんより背の低い人でした。 もう一人の人は、服装はあまり覚えていないんですが、太っていて、 サングラスしててアゴのところだけ髭があったのは覚えてます。 そのあと、3人はVIPルームに入っていったので、中の様子はよくわからないんですが、 トイレに行くとき前を通ったときに、カーテンから覗いたときには、 (そのお店のVIPルームは、バーカウンターからトイレへ向かうときにちょうどVIPの前を通れるんです) 彼女はやっぱり背が低いほうの男の人の前にひざまづいて、 男の人の股間に顔をうずめてました。 性的なイメージとかなかったので、かなりびっくりしました。 あの様子だったら、精子も飲んでたと思うんですけど、 彼女ってもう成人してるんでしょうか? この間までドラマで高校生の役やってたし、未成年のイメージがあったからかなり驚きました。 こういうレポ(?)って初めてするので、わかりにくかったらすみません。 あまりにびっくりしたので、どうしても誰かに言いたくなって、 ここに書き込んでしまいました。
400 :
Kummer ◆uval53l3ZI :2007/08/11(土) 19:11:34
ロイヤルミルクティー 作詞:反町隆史/作曲:都志見隆/編曲:都志見隆 フレームの世界で生きている自分のことを 人はみなすごい奴よばわりするが 作り笑顔でいれば失って行くものが必ずある 俺はそんなに強い男じゃない みんなと同じように不安を感じ怖さを感じる 近くに愛があったとしても その愛が突然壊れてしまうのではないかと おびえる夜が何度もある 彼女はロイヤルミルクティーが好きだった 俺にとって何の興味がなかったそれを 俺は好きになった 彼女の安らぎがそこにあり 俺の安らぎも今はそこにある 彼女はロイヤルミルクティーが好きだった 好きだった
401 :
132人目の素数さん :2007/08/11(土) 19:23:31
>>400 とても良い歌詞ですね。調べてみたら、
「反町さんはもっと評価されていい。ロイヤルミルクティーの歌詞は、俺にも書けない」
と、かの押尾先生が絶賛した歌詞らしいですYO!
上、 /⌒ヽ, ,/⌒丶、 ,エ `,ヾ / ,;;iiiiiiiiiii;、 \ _ノソ´ iキ / ,;;´ ;lllllllllllllii、 \ iF iキ' ,;´ ,;;llllllllllllllllllllii、 ナf !キ、._ ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサヘ. / `ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´ 'i、 i' ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_ | | ;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi | | if! |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi | | ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi | | ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi | | iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi | | iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi | | iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、 | ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、 ,√ ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi `ヾ ´ ;サ, |彡彡彡彡川川リゞミミリ ,キi ;サ, |彡彡彡彡リリリミミミシ ,キi ,;#, |彡彡ノリリリリミミミシ ,キi ;メ'´ !彡ノリリリリリゞミミシ `ヘ、 ;メ ヾリリリリノ巛ゞシ `ヘ、 ;メ ``十≡=十´ `ヘ、
403 :
132人目の素数さん :2007/08/12(日) 05:48:27
404 :
132人目の素数さん :2007/08/12(日) 07:25:49
↑「勇気が無くて見られない画像解説スレ3@数学板」と間違えて誤爆しますた
405 :
132人目の素数さん :2007/08/12(日) 10:09:57
ロイヤルミルクティーって和製英語でそんなレシピはない。 酒を入れるカフェロワイヤル ミルクテイーはロイヤルはつけない ビックルが好きな・・・といってるのとおなじ ヤクルトかバヤリースにしておけば・・・
406 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10:15:41
命題
コンパクト空間 Xは正則(
>>210 )である。
証明
>>211 より
X の任意の閉集合 A と A に含まれない任意の点 x に対して
x の近傍 U と A の近傍 V で交わらないものがあることを
証明すればよい。
X はハウスドルフだから A の各点 y に対して y の開近傍 V_y と
x の開近傍 U_y で交わらないものがある。
A はコンパクトだから A は有限個の V_y で被覆される。
これ等を V_(y_1), . . . , V_(y_n) とする。
これ等の合併集合を V とし、
U_(y_1), . . . , U_(y_n) の共通集合を U とすればよい。
証明終
407 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10:27:42
命題 ハウスドルフ空間のコンパクトな部分集合は閉集合である。 証明 A を ハウスドルフ空間 X のコンパクトな部分集合とする。 x を A に含まれない任意の点 x とする。 X はハウスドルフだから A の各点 y に対して y の開近傍 V_y と x の開近傍 U_y で交わらないものがある。 A はコンパクトだから A は有限個の V_y で被覆される。 これ等を V_(y_1), . . . , V_(y_n) とする。 これ等の合併集合を V とし、 U_(y_1), . . . , U_(y_n) の共通集合を U とする。 U と V は交わらないから U は A と交わらない。 U は x の近傍で x は X - A の任意の点だから X - A は X の 開集合である。 即ち、A は閉集合である。 証明終
408 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10:35:47
命題
局所コンパクト空間(
>>128 ) X は正則(
>>210 )である。
証明
X の点 x とそれを含む開集合を U とする。
x はコンパクトな近傍 V を持つ。
>>406 より V は正則だから x の V における閉近傍 W で
W ⊂ V ∩ U となるものがある。
>>407 より V は X の閉集合だから W も X の閉集合である。
V は x の近傍だから W も X における x の近傍である。
W ⊂ U だから
>>211 より X は正則である。
証明
409 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10:49:47
命題
局所コンパクト空間(
>>128 ) の任意の点はコンパクトな
基本近傍系をもつ。
証明
x を局所コンパクト空間の任意の点とし U をその近傍とする。
>>408 より x の閉近傍 V で U に含まれるものがある。
x のコンパクト近傍を W とする。
V ∩ W は W の閉集合であるからコンパクトである。
よって V ∩ W は x のコンパクトな近傍である。
証明終
410 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10:52:55
命題
局所コンパクト空間(
>>128 ) の開集合は局所コンパクトである。
証明
>>409 より明らかである。
411 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 10:57:16
命題
局所コンパクト空間(
>>128 ) の閉集合は局所コンパクトである。
証明
A を局所コンパクト空間 X の閉集合とする。
A の任意の点 x は X におけるコンパクト近傍 V を持つ。
V ∩ A は A における x の近傍であるが、
V の閉集合だからコンパクトである。
証明終
412 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 11:22:35
命題
局所コンパクト群は右一様構造(
>>200 )および左一様構造(
>>200 )に
関して完備である。
証明
G を局所コンパクト群とする。
Φ を G の右一様構造に関する Cauchy フィルターとする。
V を G の単位元のコンパクト近傍とする。
V 程度に小さい M ∈ Φ がある。
即ち x, y ∈ M なら yx^(-1) ∈ V となる。
従って M ⊂ Vx である。
Φ_0 = { M ∩ N ; N ∈ Φ } とおく。
Φ_0 は Φ の基底である。
Vx はコンパクトだから
>>315 より完備である。
Φ_0 は Vx に含まれるから収束する。
従って Φ も収束する。
Φ を G の左一様構造に関する Cauchy フィルターとしても同様である。
証明終
413 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 11:27:30
>>397 の別証
命題
K を実数体または複素数体とする。
K^* は位相群として完備である。
証明
K は局所コンパクトである。
K^* = K - {0} は K の開集合だから
>>410 より局所コンパクトである。
従って
>>412 より K^* は位相群として完備である。
証明終
414 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 11:56:29
定義 実数体を R とする。 R の部分集合 { x ∈ R; x ≧ 0 } を R+ で表す。 K を可換とは限らない体とする。 K から R+ への写像 x → |x| が以下の条件を満たすとき、この写像を K の絶対値と言う。 1) |x| = 0 と x = 0 は同値である。 2) |xy| = |x||y| 3) |x + y| ≦ |x| + |y|
415 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 11:59:31
定義
K を可換とは限らない体とする。
K とその上の絶対値(
>>414 ) |*| が与えられたとき
K を付値体と言う。
416 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12:10:44
命題
K を付値体(
>>415 )とする。
K の元 x の絶対値を |x| とする。
n ≧ 1 を有理整数とし K の元 x が x^n = 1 を満たすとする。
このとき |x| = 1 である。
証明
|x^n| = |x|^n = 1
従って |x| = 1 である。
証明終
417 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12:12:10
>>416 から |1| = 1, |-1| = 1 が出る。
従って K の任意の元 x に対して |-x| = |x|
418 :
132人目の素数さん :2007/08/12(日) 12:16:48
419 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12:19:23
付値体 K において d(x, y) = |y - x| とおくと d は K の距離になる。 従って、K はこの距離により距離空間になる。 特に断らなければ K の位相はこの距離空間から引き起こされた ものとする。
420 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12:24:41
補題 付値体 K において写像 f(x) = 1/x は 任意の δ > 0 に対して、 |x| ≧ δ において一様連続である。 証明 δ > 0 に対して、 |x| ≧ δ |y| ≧ δ とする。 任意の ε > 0 に対して、|y - x| < (δ^2)ε なら |1/y - 1/x| = |(1/y)(x - y)(1/x)| = |y - x|/|x||y| < ε 従って写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。 証明終
421 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12:27:23
命題
付値体(
>>415 ) K は位相体である。
証明
K の元 x の絶対値を |x| とする。
a, b を K の任意の元とする。
任意の ε > 0 に対して、
|x - a| < ε/2, |y - b| < ε/2 のとき
|x + y - (a + b)| ≦ |x - a| + |y - b| < ε
従って写像 f(x, y) = x + y は連続である。
任意の ε > 0 に対して、
|x - a| < ε のとき
|-x - (-a)| = |-(x - a)| = |x - a| < ε
従って写像 g(x) = -x は連続である。
任意の ε > 0 に対して、
δ > 0 を δ < min(1, ε/(1 + |a| + |b|)) とする。
δ < 1 だから δ^2 < δ < ε/(1 + |a| + |b|)
|x - a| < δ, |y - b| < δ のとき
|xy - ab| = |(x - a)(y - b) + (x - a)b + a(y - b)|
≦ |(x - a)(y - b)| + |(x - a)b| + |a(y - b)|
≦ δ^2 + δ|b| + |a|δ < δ(1 + |a| + |b|) < ε
従って写像 h(x, y) = xy は連続である。
>>393 より、任意の δ > 0 に対して、
写像 φ(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
よって φ(x) は K^* で連続である。
証明終
422 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12:32:38
体 K において x ≠ 0 のとき |x| = 1 x = 0 のとき |x| = 0 と定義すれば |x| は K の絶対値になる。 これを自明な絶対値と言う。
423 :
132人目の素数さん :2007/08/12(日) 12:33:21
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
Kummer----------!!! --ミ、、_:::::::::::::::::`:"'':―┼――――l.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| ミ三三ミ'ー‐-- 、、_:::::::|:::::::::::::::::::::::j:-―――‐t―――----┴-{:_;:_;_:_;:_;:_;:_;:_;:_;:i;:_;:_;:_;:_;:_;:| ミミ三三、 .u 、ー=、`'┴―――fミ',ニ三三三三 r―、 rミ、_;_:_;:_;:_;:_;:_;:_;:;i;:_;:_;:_;:_;:_;:;| ミミミ三シ . . .u `―' l ii l (ヲ lミil三三三三彡' j ` ̄ ヾ'i. , 一, 、ー、 ヾミl ミミミf'" _,,.,,_:.:.:.:.. _j_ .:.:.:. j lミリニ三三シ´ _,. - 、 : __ l、,. .. `""´ `" ,iミl ミミミ ',ィでiンミ、:.:.、__, -,ィも=、',l:l三三三ミ .:.:.:.:ィ'"でi、.:. :,rtッ'.: j , -‐‐-'. .: ー- 、.ヾl ミミ' J. ´ ̄`゙`ラ .:. 三 f"´ ̄`' lj \三三ミ .:.:.:.:.``=゙^ .: 'iー{ ,ィ'で入 . '. ,ィ'で)'、 ‖ ミミ `二ニノ ,、 jl ',` ―''" ,l!人 ヾ三ミ u ', ゙', `゙゙゙"´ノ.:: ',`゙゙゙"´ .| ;ミ' ,ィ'" ト、 ,!rぅ ',三シ ,r __ ) !. u ' ,::: ', .:| ミ; u / `^ヽ,_ノi ,'ヽ二ノ l三'゙ U ,. `´ 'ーイ ,':::... /ゝ =、_,,r`、.u ::l ミ' / _,,...,_,,..,、l u ./ヾミ. ',三 ,' ,:'´ / _,,__,、/:: : :::.. ,' : : i .::l N / ,ィiTTTTTト, ,} ,/ l三 `'" / / /_,∠二,ーアノ/: u: .::: : _,ィェェェュ、 :l ::i ;ヽ U { ,/⌒'ー'‐'‐'‐',リ l / ,l^`' .:.:.:.:l ,' ,. h、:.:゙':.:.lf´,'/ ', : : .::: i 〈-‐‐rー, i l .:/ 、 ヽ l {,ゝ、‐r‐'ン-i/ ,/ ,イ/7 .:' ,::' .:.:.:.:; :; :, ヾゞzェソ ;/ヽヽ: : ::: l ヽzェェェュリ :! / ヽヽ丶 丶 ヾ<Zェェェシ' ノ ,i'∧', ,' ,. - 、 丶 、_`'一' /,、.|: :ヽ: ::.. ヽ ヽニ二ノ / ヽヽ 丶、 ` ` ‐ -- ‐'"/ノ:::::ヽヽ、 .::.::.::.::丶、 ゙゙゙゙ /l |ノ: : : ヽ: :. /
425 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/12(日) 12:51:29
命題 K を付値体, |x| をその絶対値とする。 K の位相が離散であるためには |x| が自明であることが必要十分である。 証明 絶対値が自明なら K の位相は離散である。 逆に K の位相が離散とする。 従って、ある δ > 0 があり |x| < δ となる x は 0 以外に無い。 絶対値が自明でないなら |x| ≠ 1 となる x ≠ 0 がある。 |x| < 1 とすると点列 (x^n) は 0 に収束する。 即ち任意の ε > 0 で |x^n| < ε となる n がある。 x^n ≠ 0 だから、K の位相は離散でない。 |x| > 1 とすると点列 ((1/x)^n) は 0 に収束するから 上と同様に K の位相は離散でない。 証明終
アタシね、最近教師になったんですねぇ。 私立の吉祥寺学園ってところに赴任しましてねぇ仮にこの高校をKとしましょうかアタシ1番の問題児がいるクラスの担任になっちゃんたんだ。どうしよー怖いよ怖いよーってもんでついに新学期が始まったんですねぇ。アタシナメられないように黒板に稲川淳二☆って書いて 「今日からおまえらの担任になった稲川だ!なんか文句あるか!」 ってかましたんですねぇその瞬間生徒の視線がアタシからスゥーっと外されていったんですねぇまるでアタシを幽霊みたいに見ちゃいけない!見てなるものか!って意地になってスルーされたんですねぇ。その日はなんとか乗り切れたんですがねぇ 次の日登校すると生徒の様子がなーんかおかしい… ふと黒板を見るとワタシが三角木馬に乗ってる写真が貼られてたんだ! ありえないんだそんな事! アタシにそんな趣味なんかあるわけないあっちゃいけない! ってなもんでアタフタしてたら同僚の冬月先生にビンタされてアタシ取り乱して証拠にみんなの前でお尻の傷見せたんだ! その瞬間アタシ意識がスゥーと消えて気付いたらアタシ警察の前にいたんですねぇ。 そんなお話です。
427 :
Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/13(月) 20:52:09
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚⌒ ⌒゚o \ またあしたも代数的整数論板に書き込む仕事が始まるお… | (__人__) | \ ` ⌒´ /
428 :
132人目の素数さん :2007/08/13(月) 22:15:15
なんでカス板に書き子つづけるの?AMSの板にでも書いたら?
私の前の上司(課長)は無口、無表情。雑談には加わらず、お酒も飲まず、人付き合いをしない堅物でした。 誠実公平、どんな時でも冷静なので頼もしい上司なのですが、堅過ぎて近寄りにくい雰囲気がありました。 そんな課長の机の上には奥さん、子供四人と写った写真が飾られてて、 「あの朴念仁でも家族は愛してるんだな」と微笑ましく思ったものです。 何年経っても同じ写真が飾ってあったので、理由を聞いてみたら、 「一番かわいかった頃の写真だからね」と照れ笑いを浮かべながら答えてくださいました。 それが私の見た唯一の課長の笑顔でした。 そんな真面目一徹、入社以来無遅刻無欠勤の課長が三日続けて無断欠勤。 家に電話しても誰も出ず、親族の連絡先も分からなかったので、 部長が直接課長のマンションを訪ね、管理人さんにお願いしてドアを開けていただきました。 課長は玄関で倒れていて、既に冷たくなっていました。急性心不全だったそうです。 部長が管理人さんに課長の家族がいつ戻ってくるか聞くと、「○○さんには家族はいないですよ」という返事。 あわてて人事部の資料をほじくり返すと、確かに課長には家族がいません。 課長は10年前に中途入社した人なので、それ以前に家族に逃げられていて、 写真を見て幸せだった時代を懐かしんでいたんだと思い、少し悲しくなりました。 結局、課長の葬儀にも家族も親族も顔を出さず、血縁の人たちの冷たさにもっと悲しくなりました。 後日墓参りに行くと、立派なお墓が立っていました。死んでやっと家族と和解できて、 立派なお墓を立ててもらえたのかと安心して墓石を見てみると、愕然としました。 お墓は古びていて、課長と同じ名字の名前が墓誌にいくつも彫ってありました。 課長以外は全員十数年前の同じ日に亡くなっていました。 家族を一度に亡くしてからの十数年の歳月を、彼はどんな気持ちで過ごしていたんでしょうか? 二度と会えない家族の写真をどんな思いで毎日眺めていたんでしょうか? 人を遠ざけ、自分のことを決して語らなかった課長の姿を思い出し、涙が止まりませんでした。
430 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 04:34:17
補題
K を可換とは限らない体とする。
φ と ψをそれぞれ K の絶対値(
>>414 )とする。
φ は自明ではないとする。
φ(x) < 1 となる全ての x に対して ψ(x) < 1 となれば、
ある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が全ての x ∈ K で
成り立つ。
証明
φ は自明(
>>422 )でないから φ(a) ≠ 1 となる a ≠ 0 がある。
φ(a) < 1 なら φ(1/a) = 1/φ(a) > 1 だから φ(a) > 1 と仮定
してよい。
任意の K の元 x をとり、φ(x) = φ(a)^γ とする。
即ち γ = log(φ(x))/log(φ(a)) である。
ここで log の底は任意の正数 > 1 でよいが考えを固定するため
自然対数の底 e とする。
(続く)
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
432 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 04:37:33
n と m を有理整数として m > 0 とし、γ > n/m とする。 φ(x) > φ(a)^(n/m) となる。 よって φ(x)^m > φ(a)^n となる。 よって 1 > φ(a^n)/φ(x^m) = φ(a^n/x^m) 仮定から 1 > ψ(a^n/x^m) よって ψ(x)^m > ψ(a)^n となる。 よって ψ(x) > ψ(a)^(n/m) となる。 有理数 n/m を γ の左から γ に近づけて、この等式の両辺の極限を 取れば、ψ(x) ≧ ψ(a)^γ となる。 同様に γ < n/m なら ψ(x) < ψ(a)^(n/m) となる。 有理数 n/m を γ の右から γ に近づけて、この等式の両辺の極限を 取れば、ψ(x) ≦ ψ(a)^γ となる。 従って ψ(x) = ψ(a)^γ となる。 即ち γ = log(ψ(x))/log(ψ(a)) である。 よって log(φ(x))/log(φ(a)) = log(ψ(x))/log(ψ(a)) となる。 即ち log(φ(x))/log(ψ(x)) = log(φ(a))/log(ψ(a)) α = log(φ(a))/log(ψ(a)) とすれば log(φ(x)) = αlog(ψ(x)) よって φ(x) = ψ(x)^α となる。 ψ(a) > 1 だから α > 0 である。 x ≠ 0 と仮定したが x = 0 のときもこの等式は成り立つ。 証明終
補題
K を可換とは限らない体とする。
φ と ψをそれぞれ K の絶対値(
>>414 )とする。
φ は自明ではないとする。
φ(x) < 1 となる全ての x に対して ψ(x) < 1 となれば、
ある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が全ての x ∈ K で
成り立つ。
証明
φ は自明(
>>422 )でないから φ(a) ≠ 1 となる a ≠ 0 がある。
φ(a) < 1 なら φ(1/a) = 1/φ(a) > 1 だから φ(a) > 1 と仮定
してよい。
任意の K の元 x をとり、φ(x) = φ(a)^γ とする。
即ち γ = log(φ(x))/log(φ(a)) である。
ここで log の底は任意の正数 > 1 でよいが考えを固定するため
自然対数の底 e とする。
(続く)
434 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 04:57:24
定義
可換とは限らない体 K 上の二つの絶対値(
>>414 )は K 上に同じ位相を
引起す(
>>419 )とき同値と言う。
435 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05:12:18
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ と ψ をそれぞれ K の絶対値(
>>414 )とする。
φ は自明ではないとする。
φ と ψ が同値(
>>434 )であるためには
φ(x) < 1 となる全ての x に対して ψ(x) < 1 となることが
必要十分である。
このとき、ある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が全ての
x ∈ K で成り立つ。
証明
φ と ψ が同値であるとする。
φ(x) < 1 と位相体 (K, φ) において
n → ∞ のとき lim x^n = 0 は同値である。
φ と ψ は同値だから 位相体 (K, ψ) においても
n → ∞ のとき lim x^n = 0 である。
従って ψ(x) < 1 である。
これで本命題の条件が必要なことが分かった。
逆に本命題の条件が成り立つとする。
>>430 よりある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が
全ての x ∈ K で成り立つ。
このとき φ と ψ が K 上に同じ位相を引起すことは明らかである。
証明終
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437 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05:29:35
補題 λ, c, d を実数で 0 < c 0 < d 1 = c + d 0 < λ ≦ 1 のとき 1 ≦ c^λ + d^λ である。 証明 c < 1 だから 1/c > 1 λ ≦ 1 だから 1/c^λ ≦ 1/c よって c ≦ c^λ 同様に d ≦ d^λ よって 1 = c + d ≦ c^λ + d^λ 証明終
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
439 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05:32:33
補題
λ, a, b を実数で
0 < λ ≦ 1
a > 0
b > 0
とする。
このとき
(a + b)^λ ≦ a^λ + b^λ
証明
c = a/(a + b)
d = b/(a + b)
とおけば
(a + b)^λ ≦ a^λ + b^λ は 1 ≦ c^λ + d^λ と同値である。
1 ≦ c^λ + d^λ は
>>437 で証明されている。
証明終
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおはよう!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
441 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05:49:20
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の絶対値(
>>414 )とする。
λ を実数で 0 < λ ≦ 1 とする。
|x|^λ も (|x| と同値な) 絶対値である。
証明
|x + y| ≦ |x| + |y| だから |x + y|^λ ≦ (|x| + |y|)^λ
>>439 より (|x| + |y|)^λ ≦ |x|^λ + |y|^λ
よって|x + y|^λ ≦ |x|^λ + |y|^λ
証明終
442 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 05:55:15
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の絶対値(
>>414 )とする。
r と s を実数で 0 < s < r とする。
|x|^r が絶対値なら |x|^s も絶対値である。
証明
0 < s/r < 1 だから
>>441 より |x|^s = (|x|^r)^(s/r) は
絶対値である。
証明終
444 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 06:13:41
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の絶対値(
>>414 )とする。
|x|^r が絶対値となる r > 0 の全体は有限区間 (0, c] または
無限区間 (0, ∞) である。
証明
>>442 より |x|^r が絶対値となる r > 0 の全体は
ある実数 c > 0 に対して区間 (0, c) または (0, c] となるか
無限区間 (0, ∞) である。
ある実数 c > 0 に対して 0 < r < c となる任意の r に対して
|x|^r が絶対値であるとする。
|x + y|^r ≦ |x|^r + |y|^r の両辺の r → c の極限を取れば
|x + y|^c ≦ |x|^c + |y|^c となって |x|^c も絶対値である。
証明終
445 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 06:23:18
補題 a, b を実数で a ≧ 0, b ≧ 0 とする。 r > 0 を実数とする。 r → ∞ のとき lim (a^r + b^r)^(1/r) = sup(a, b) となる。 証明 b ≦ a と仮定してよい。 a^r ≦ (a^r + b^r) ≦ 2a^r よって a ≦ (a^r + b^r)^(1/r) ≦ 2^(1/r)a よって r → ∞ のとき lim (a^r + b^r)^(1/r) = a 証明終
446 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 06:29:09
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の絶対値(
>>414 )とする。
任意の r > 0 に対して |x|^r が絶対値となるなら
K の任意の2元 x, y に対して
|x + y| ≦ sup(|x|, |y|) となる。
証明
仮定より任意の r > 0 に対して
|x + y|^r ≦ |x|^r + |y|^r となる。
よって
|x + y| ≦ (|x|^r + |y|^r)^(1/r) となる。
>>445 より
r → ∞ のとき lim (|x|^r + |y|^r)^(1/r) = sup(|x|, |y|)
となる。
よって
|x + y| ≦ sup(|x|, |y|) となる。
証明終
448 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 08:11:03
定義
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の絶対値(
>>414 )とする。
集合 {φ(n・1) ; n は有理整数 n > 0 全体} が有界でないとき
φ をアルキメデス的と言う。
このとき付値体 K もアルキメデス的と言う。
φ がアルキメデス的でないとき φ を非アルキメデス的と言う。
このとき付値体 K も非アルキメデス的と言う。
>>435 より φ がアルキメデス的か否かは φ の同値類のみにより
決まる。
449 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 08:55:45
補題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の非アルキメデス的(
>>448 )な絶対値とする。
|x| ≦ 1 となる K の全ての元 x に対して |1 + x| ≦ 1 となる。
証明
任意の有理整数 n > 0 に対して |n・1| ≦ M とする。
x を K の元で |x| ≦ 1 とする。
1 と x は K の乗法で可換だから二項定理より
(1 + x)^n = 1 + nx + . . . + x^n
よって
|1 + x|^n ≦ (n + 1)M
よって
|1 + x| ≦ ((n + 1)M)^(1/n)
n → ∞ のとき ((n + 1)M)^(1/n) → 1 だから
|1 + x| ≦ 1
証明終
450 :
Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/14(火) 09:00:21
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
451 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 09:03:24
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の非アルキメデス的(
>>448 )な絶対値とする。
K の任意の2元 x, y に対して |x + y| ≦ sup(|x|, |y|) となる。
証明
|y| ≦ |x| と仮定して良い。
x = 0 なら y = 0 だから |x + y| ≦ sup(|x|, |y|) は自明である。
よって x ≠ 0 と仮定する。
|y(1/x)| ≦ 1 だから
>>449 より |1 + y(1/x)| ≦ 1 である。
よって
|x + y| = |1 + y(1/x)||x| ≦ |x| である。
証明終
452 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 09:21:25
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の絶対値(
>>414 )とする。
以下の条件は同値である。
1) |x| は非アルキメデス的(
>>448 )である。
2) K の任意の2元 x, y に対して |x + y| ≦ sup(|x|, |y|) となる。
3) 任意の実数 r > 0 に対して |x|^r は絶対値となる。
証明
1) ⇒ 2) は
>>451 で証明されている。
2) ⇒ 1) は |1 + . . . + 1| ≦ 1 より出る。
2) ⇒ 3)
r > 0 を任意の実数とする。
|x|^r ≦ 1 のとき |x| ≦ 1 だから |1 + x| ≦ 1 である。
よって |1 + x|^r ≦ 1 となる。
これから
>>451 と同様にして
K の任意の2元 x, y に対して |x + y|^r ≦ sup(|x|^r, |y|^r)
となる。
よって |x|^r は絶対値である。
3) ⇒ 2) は
>>446 で証明されている。
証明終
453 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 10:39:50
定義 実数体を R とする。 R の部分集合 { x ∈ R; x ≧ 0 } を R+ で表す。 K を可換とは限らない体とする。 写像 φ : K → R+ が以下の条件を満たすとき、φ を K の一般絶対値(この名前は一般に通用してるわけではない)と言う。 1) φ(x) = 0 と x = 0 は同値である。 2) K の任意の2元 x, y に対して φ(xy) = φ(x)φ(y) 3) A > 0 があり K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ A sup(φ(x), φ(y))
454 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 11:03:23
注意
>>453 の 3) において x = 1, y = 0 とすれば
φ(1) ≦ A sup(φ(1), φ(0))
よって 1 ≦ A である。
455 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 11:04:22
命題
K を可換とは限らない体とする。
>>453 の 1) と 2) を満たす写像 φ : K → R+ が一般絶対値で
あるためには、
A > 0 があり φ(x) ≦ 1 となる全ての x に対して
φ(1 + x) ≦ A となることが必要十分である。
証明
φ が一般絶対値なら
>>453 の 3) において y = 1 とおけば、
φ(1 + x) ≦ A sup(φ(x), 1)
従って、φ(x) ≦ 1 なら φ(1 + x) ≦ A となる。
従って、この条件は必要である。
逆に φ がこの条件を満たしているとする。
φ(y) ≦ φ(x) と仮定して良い。
x = 0 なら φ(x) = 0 だから φ(y) = 0 で y = 0 である。
この場合、φ(x + y) ≦ A sup(φ(x), φ(y)) は自明である。
よって x ≠ 0 とする。
φ(y) ≦ φ(x) だから φ(y(1/x)) ≦ 1 である。
よって φ(1 + y(1/x)) ≦ A である。
よって
φ(x + y) = φ(1 + y(1/x))φ(x) ≦ Aφ(x) である。
証明終
456 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 15:38:33
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の絶対値(
>>414 )とする。
K の任意の2元 x, y に対して
φ(x + y) ≦ φ(x) + φ(y) ≦ 2sup(φ(x), φ(y))
従って、φ は K の一般絶対値(
>>453 )である。
457 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 16:02:54
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の一般絶対値(
>>453 )とする。
φ が K の絶対値であるためには、C > 0 があり
任意の有理整数 n > 0 に対して φ(n・1) ≦ Cn となることが
必要十分である。
証明
φ が K 上の絶対値なら、φ(n・1) ≦ n である。
逆に任意の有理整数 n > 0 に対して φ(n・1) ≦ Cn とする。
r に関する帰納法により、任意の有理整数 r > 0 に対して
m = 2^r 個の K の元の列 x_1, . . . , x_m に対して
φ(x_1 + . . . + x_m) ≦ A^r sup(x_i), 1 ≦ i ≦ m である。
この関係式は 1 ≦ m < 2^r でも成り立つことは明らかである。
任意の有理整数 n > 0 に対して 2^(r-1) < n + 1 ≦ 2^r となる
有理整数 r > 0 が存在する。
x ∈ K のとき、1 と x は K の乗法で可換だから二項定理より
(1 + x)^n = 1 + nx + . . . + x^n
よって [n, i] を 2項係数とすれば、
φ(1 + x)^n ≦ A^r sup(φ([n. i]x^i))
≦ (A^r)C sup([n. i]φ(x)^i) ≦ (A^r)C(1 + φ(x))^n
よって φ(1 + x) ≦ (A^(r/n))C^(1/n)(1 + φ(x))
n → ∞ のとき (A^(r/n))C^(1/n) → 1 だから φ(1 + x) ≦ 1 + φ(x)
y ≠ 0 を K の元として x を x(1/y) で置き換えれば
φ(1 + x(1/y)) ≦ 1 + φ(x(1/y)) より
φ(1 + x(1/y))φ(y) ≦ φ(y) + φ(x)
よって φ(x + y) ≦ φ(x) + φ(y)
証明終
458 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 16:16:38
命題
K を可換とは限らない体とする。
写像 φ : K → R+ が絶対値(
>>414 )であるためには
φ が以下の条件を満たすことが必要十分である。
1) φ(x) = 0 と x = 0 は同値である。
2) K の任意の2元 x, y に対して φ(xy) = φ(x)φ(y)
3) K の任意の2元 x, y に対して φ(x + y) ≦ 2sup(φ(x), φ(y))
証明
φ が絶対値なら K の任意の2元 x, y に対して
φ(x + y) ≦ φ(x) + φ(y) ≦ 2sup(φ(x), φ(y))
逆に φ が 1), 2), 3) を満たすとする。
r に関する帰納法により、任意の有理整数 r > 0 に対して
m = 2^r 個の K の元の列 x_1, . . . , x_m に対して
φ(x_1 + . . . + x_m) ≦ 2^r sup(x_i), 1 ≦ i ≦ m である。
この関係式は 1 ≦ m < 2^r でも成り立つことは明らかである。
任意の有理整数 n > 0 に対して 2^(r-1) < n ≦ 2^r となる
有理整数 r > 0 が存在する。
上で述べたことから φ(n・1) ≦ 2^r < 2n
よって
>>457 より φ は K の絶対値である。
証明終
459 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 16:46:16
命題
K を可換とは限らない体とする。
写像 φ : K → R+ が一般絶対値(
>>453 )であるためには
K の絶対値 ψ と実数 s > 0 があり、
φ = ψ^s となることが必要十分である。
証明
K の絶対値 ψ と実数 s > 0 に対して φ = ψ^s とする。
>>458 より ψ(x + y) ≦ 2 sup(ψ(x), ψ(y)) となるから
ψ(x + y)^s ≦ 2^s sup(ψ^s(x), ψ^s(y)) である。
よって φ は一般絶対値である。
逆に φ が一般絶対値とする。
A > 0 があり K の任意の2元 x, y に対して
φ(x + y) ≦ A sup(φ(x), φ(y)) となる。
任意の実数 t > 0 に対して
φ(x + y)^t ≦ A^t sup(φ^t(x), φ^t(y)) となる。
従って φ^t も一般絶対値である。
A ≦ 2 なら
φ(x + y) ≦ 2 sup(φ(x), φ(y)) となるから
>>458 より φ は絶対値である。
従って A > 2 とする。
t = (log 2)/(log A) とすれば、t > 0 で 2 = A^t である。
上記から φ(x + y)^t ≦ 2 sup(φ^t(x), φ^t(y)) となり、
>>458 より ψ = φ^t は絶対値である。
s = 1/t とおけば φ = ψ^s である。
証明終
暑いな
461 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 17:33:00
補題
φ を有理数体の任意の絶対値(
>>414 )とする。
任意の有理整数 m > 1 と n > 1 に対して
φ(m) ≦ (sup(1, φ(n)))^(log m/log n)
証明
m を n 進展開して、
m = a_0 + (a_1)n + . . . + (a_r)n^r
0 ≦ a_i < n
a_r ≠ 0
とする。
n^r ≦ m だから r log n ≦ log m
よって
r ≦ (log m)/(log n)
φ(a_i) < n より
φ(m) ≦ n(1 + (log m)/(log n))(sup(1, φ(n)))^(log m/log n)
s ≧ 1 を有理整数として m を m^s に置きかえれば、
φ(m)^s ≦ n(1 + s(log m)/(log n))(sup(1, φ(n)))^s(log m/log n)
よって
φ(m)
≦ n^(1/s)(1 + s(log m)/(log n))^(1/s)(sup(1, φ(n)))^(log m/log n)
s → ∞ とすれば、φ(m) ≦ (sup(1, φ(n)))^(log m/log n)
証明終
462 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 17:53:47
命題
φ を有理数体の任意の絶対値(
>>414 )とする。
任意の有理整数 n > 1 に対して φ(n) > 1 なら
ある実数 0 < s ≦ 1 があり、任意の有理数 x に対して
φ(x) = |x|^s となる。
ここで、|x| は通常の絶対値である。
証明
>>461 より、任意の有理整数 m > 1 と n > 1 に対して
φ(m) ≦ (φ(n))^(log m/log n)
対称的に
φ(n) ≦ (φ(m))^(log n/log m)
よって
φ(m)^(1/log m) = φ(n)^(1/log n)
log (φ(n)^(1/log n)) = s とおけば、
log φ(n) = s(log n) = log n^s
よって
φ(n) = n^s
よって、任意の有理数 x に対して φ(x) = |x|^s となる。
1 < φ(n) ≦ n だから 0 < s ≦ 1 である。
証明終
463 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 18:52:17
命題 p を有理素数とする。 0 < c < 1 となる任意の実数を取る。 有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、φ_p(x) = c^r とし、φ_p(0) = 0 とする。 φ_p は有理数体の非アルキメデス絶対値である。 証明 有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数 としたとき、ν(x) = r と定義する。 以下の 1) と 2) は容易に分かる。 1) x ≠ 0, y ≠ 0 なら ν(xy) = ν(x) + ν(y) となる。 2) x ≠ 0, y ≠ 0, x + y ≠ 0 なら ν(x + y) ≧ min(ν(x), ν(y) である。 これから明らかに φ は有理数体の非アルキメデス絶対値である。 証明終
465 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:02:28
命題
p と q を有理素数とする。
0 < c < 1 となる任意の実数を取る。
>>463 の φ_p と同様に φ_q を定義する。
φ_p は有理数体の絶対値として自明でない。
さらに、φ_p と φ_q は有理数体の絶対値として同値でない。
証明
φ_p(p) = c であるので φ_p(p) < 1 である。
従って φ_p は自明でない。
φ_q(p) = 1 であるので
>>435 より φ_p と φ_q は同値でない。
証明終
466 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:07:38
467 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:36:26
命題
φ を有理数体の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
ある有理整数 n > 1 に対して φ(n) ≦ 1 なら
有理素数 p と 0 < c < 1 となる実数があり、
有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数
としたとき、φ(x) = c^r となる。
即ち φ は
>>463 の φ_p と一致する。
証明
>>461 より任意の有理整数 m > 1 に対して φ(m) ≦ 1 となる。
従って φ は非アルキメデス的(
>>448 )である。
有理整数環 Z の部分集合 I を
I = { m ∈ Z ; φ(m) < 1 } で定義する。
x, y を I の元とすると φ(x - y) ≦ sup(φ(x), φ(y)) < 1
よって x - y ∈ I
任意の a ∈ Z に対して φ(ax) = φ(a)φ(x) < 1
よって ax ∈ I
よって I は Z のイデアルである。
φ は自明でないから I ≠ 0 である。
1 は I に含まれないから I ≠ Z である。
(続く)
468 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:37:20
従って、ある有理整数 p > 0 があり I = Zp となる。
a > 1, b > 1 を有理整数として p = ab とする
φ(p) = φ(a)φ(b) < 1 だから φ(a) < 1 または φ(b) < 1
即ち a ∈ I または b ∈ I となる。
a ∈ I なら a は p で割れるから矛盾である。
同様に b ∈ I なら b は p で割れるから矛盾である。
従って p は素数である。
有理整数 s が p で割れないときは s は I の元でないから
φ(s) = 1 である。
従って、φ(p) = c とすると、0 < c < 1 であり、
任意の有理整数 n ≠ 0 に対して n = (p^r)s, s は p と素な有理整数
としたとき、φ(n) = c^r となる。
よって φ は
>>463 の φ_p と一致する。
証明終
469 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 19:43:57
命題
有理数体の自明でない絶対値(
>>414 )は以下のどれかと同値である。
1) 有理数体の通常の絶対値。
2) p を任意の有理素数としたとき
>>463 の φ_p
証明
>>462 と >467 より明らかである。
470 :
132人目の素数さん :2007/08/14(火) 20:32:46
単に言葉の趣味の問題かもしれないが、「絶対値」よりは「付値」の方が通りがよいね。 非アルキメデス的な体に関する考察が続いているということは、この後 p-進数に進むんだろうな。
471 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 20:50:36
補題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の絶対値(
>>414 )とする。
φ は K から R+ への写像として一様連続である。
証明
x と y を K の任意の元とする。
φ(x) ≦ φ(x - y) + φ(y) より
φ(x) - φ(y) ≦ φ(x - y)
φ(y) ≦ φ(y - x) + φ(x) より
φ(y) - φ(x) ≦ φ(x - y)
よって
|φ(x) - φ(y)| ≦ φ(x - y)
これから直ちに φ の一様連続性が出る。
証明終
472 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 21:10:19
>>470 「付値」は英語の valuation に対応するが、これは通常、
体から実数の加法群または全順序アーベル群へのある種の写像として
定義されるものを意味する。
例えば離散付値(discrete valuation)は体から有理整数環の加法群への
ある種の写像である。
従って、我々の「絶対値」(absolute value)を「付値」と呼ぶのは
混乱の原因となる。
「絶対値」(absolute value) という用語は Bourbaki に従った。
Frohlich-Taylor の Algebraic number theory もこの用語を使っている。
因みに Bourbaki は用語の選択には細心の注意を払っているが、
よほどのことがない限り慣用に従うと書いている。
今の場合はその「よほどのこと」に当たるのだろう。
473 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 21:44:01
命題(不等式延長の原理) X を位相空間とし、Y をその密な部分集合とする。 f と g を X から実数体への連続写像とする。 Y の全ての点 y で f(y) ≦ g(y) となるなら X の全ての点 x で f(x) ≦ g(x) となる。 証明 f(x) > g(x) となる x ∈ X があるとする。 f と g は連続だから、x の近傍 V があり、 V の任意の点 z で f(z) > g(z) となる。 Y は X で密だから V と Y は交わる。 y ∈ V ∩ Y とすれば f(y) > g(y) となり、仮定に反する。 証明終
474 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22:32:40
命題
X を分離かつ完備な一様空間、α をその一様構造、
Y を X の密な部分空間とする。
β を X の一様構造で β ⊂ α であり、
Y において α と同じ一様構造を引き起こすなら
α = β である。
証明
α と β は Y において同一の一様構造を引き起こす。
従って、β の Y における Cauchy フィルターは α の
Y における Cauchy フィルターでもあるから X において
収束する。
従って
>>263 より β は完備である。
φ : Y → X を標準単射とする。
φ を Y から一様空間 (X, α) への写像と見ると、φ は
一様連続である。
一様連続写像の延長定理(
>>272 )より φ は (X, β) から (X, α) へ
の一様連続写像 ψ に一意に拡張される。
X の恒等写像は Y ⊂ X において φ を引き起こすから
等式延長の原理(
>>265 ) より ψ と一致する。
即ち恒等写像 (X, β) → (X, α) は一様連続である。
即ち α ⊂ β である。
β ⊂ α であったから、α = β である。
証明終
475 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22:46:16
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の絶対値(
>>414 )とする。
>>421 より付値体(
>>415 ) K は位相体である。
勿論、K は分離的である。
>>369 より K の完備化環 K^ が存在する。
このとき K^ は体になる。
φ を K^ に連続延長したものは K^ の絶対値になり、
それは K^ の位相を定義する。
証明
>>382 より分離位相体 K の完備化環 K^ が位相体であるためには
K^* に含まれ、0 に収束しない (K の加法群に関する)
Cauchy フィルター Φ の基底 Φ_0 の写像 f(x) = 1/x による像が
(K の加法群に関する) Cauchy フィルターの基底であることが
必要十分である。
Φ_0 は 0 に収束しないから δ > 0 と A ∈ Φ があり
x ∈ A なら |x| ≧ δ となる。
>>393 より、任意の δ > 0 に対して、
写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
Φ_1 = { B ∈ Φ_0 ; B ⊂ A } は Φ の基底である。
>>240 より φ(Φ_1) は Cauchy フィルターの基底である。
従って φ(Φ_0) も Cauchy フィルターの基底である。
これで K^ が位相体であることが証明された。
(続く)
476 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22:47:01
>>471 より φ は一様連続であるから一様連続写像の延長定理(
>>272 )
より K^ に連続延長される。
これを φ^ とする。
x, y を K^ の任意の2元とする。
等式延長の原理(
>>265 )より
φ^(xy) = φ^(x)φ^(y)
不等式延長の原理(
>>473 )より
φ^(x + y) ≦ φ^(x) + φ^(y)
よって φ^ は K^ の絶対値である。
K^ の K の完備化としての一様構造を α とし、
φ^ で定義される一様構造を β とする。
φ^ は α で連続だから、任意の ε > 0 に対して、
K^ における 0 の近傍 V があり x ∈ V なら |φ^(x)| < ε
となる。
よって y - x ∈ V なら φ^(x - y) < ε
よって β ⊂ α である。
α と β は K で一致するから
>>474 より α = β である。
証明終
477 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/14(火) 22:52:00
>>475 の訂正
>
>>393 より、任意の δ > 0 に対して、
>写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
>>420 より、任意の δ > 0 に対して、
写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
478 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 00:40:06
命題 ハウスドルフ位相群 G の離散部分群 H は G の閉集合である。 証明 G の単位元 e の近傍 V, W を (V^(-1))V ⊂ W かつ W ∩ H = {e} となるようにとる。 x が H の閉包の元なら xV ∩ H は1個の元からなる。 何故なら、v , w を V の元として、xv ∈ xV ∩ H, xw ∈ xV ∩ H なら ((xv)^(-1))xw = (v^(-1))w ∈ W ∩ H = {e} だから xv = xw となる。 G はハウスドルフだから1個の元からなる集合は閉集合である。 従って xV ∩ H は xV で閉である。 x は xV において xV ∩ H の接触点だから {x} = xV ∩ H である。 即ち x ∈ H である。 よって H は閉である。 証明終
479 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:06:40
命題
実数体 R の加法群の離散部分群 H で単位群 {0} と異なるものは
H = Za の形である。ここで a > 0 である。
証明
>>478 より H は閉集合である。
仮定より H ≠ {0} だから H の元 h で 0 と異なるものがある。
-h ∈ H だから h > 0 と仮定してよい。
閉区間 [0, h] はコンパクトであり、H は閉集合だから
[0, h] ∩ H もコンパクトである。
[0, h] ∩ H は離散でもあるから [0, h] ∩ H は有限集合である。
h ∈ (0, h] ∩ H だから (0, h] ∩ H は空でない。
従って (0, h] ∩ H の最小元 a がある。
x ∈ H に対して ma ≦ x < (m+1)a となる m ∈ Z がある。
0 ≦ x - ma < a で x - ma ∈ H だから x = ma である。
証明終
480 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:23:27
命題 R を実数体とし、 (R^*)+ = { x ∈ R ; x > 0 } と書く。 R^* = R - {0} は乗法に関して位相群である。 (R^*)+ は R^* の部分群だからやはり位相群である。 指数関数 exp : R → (R^*)+ は位相群の同型である。 証明 x と y を R の任意の2元としたとき exp(x + y) = exp(x)exp(y) である。 従って exp : R → (R^*)+ は連続準同型である。 log : (R^*)+ → R も連続準同型である。 exp と log は互いに逆写像であるから exp は位相群の同型である。 証明終
481 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:29:02
命題
R を実数体とし、 (R^*)+ = { x ∈ R ; x > 0 } と書く。
>>480 で見たように (R^*)+ は乗法に関して位相群である。
(R^*)+ の離散部分群 H で単位群 {1} と異なるものは
ある a > 0 で生成される無限巡回群である。
即ち、H = {a^n ; n ∈ Z} である。
証明
>>479 と
>>480 より明らかである。
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおやすみ──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
483 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:55:06
定義
K を可換とは限らない体とする。
φ を自明でない K の非アルキメデス的(
>>448 )絶対値(
>>414 )とする。
R を実数体とし、 (R^*)+ = { x ∈ R ; x > 0 } と書く。
φ(K^*) が (R^*)+ の離散部分群であるとき φ を離散的と言う。
このとき
>>481 より φ(K^*) は無限巡回群である。
484 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 01:58:34
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の離散的絶対値(
>>483 )とする。
s > 0 を任意の正の実数とすると
>>452 より φ^s も絶対値である。
φ(K^*) = {a^n ; n ∈ Z} とする。
x ∈ K^* として φ(x) = a^n とする。
φ^s(x) = (a^n)^s = a^(ns) = (a^s)^n
よって φ^s(K^*) = {(a^s)^n ; n ∈ Z} となる。
即ち φ^s も離散的である。
従って φ が離散的か否かは φ の属する同値類で決まる。
485 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 08:43:29
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス的(
>>448 )絶対値(
>>414 )とする。
K の2元 x , y に対して、φ(x) ≠ φ(y) なら
φ(x + y) = sup(φ(x), φ(y)) である。
証明
φ(y) < φ(x) としてよい。
φ(x + y) ≦ φ(x) である。
φ(x + y) < φ(x) と仮定すると、
φ(x) = φ(x + y - y) ≦ sup(φ(x + y), φ(y)) < φ(x)
即ち φ(x) < φ(x) となって矛盾である。
従って φ(x + y) = φ(x) でなければならない。
証明終
486 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 08:54:46
命題(
>>485 の拡張)
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス的(
>>448 )絶対値とする。
K の元の列 x_1, . . . x_n
φ(x_1 + . . . + x_n) ≦ sup(φ(x_i)), i = 1. . . . n である。
さらに、もし唯一の k があって x_k = sup(φ(x_i)) なら
φ(x_1 + . . . + x_n) = sup(φ(x_i)), i = 1. . . . n である。
証明
φ(x_1 + . . . + x_n) ≦ sup(φ(x_i)) は n に関する帰納法から
出る。
唯一の k があって x_k = sup(φ(x_i)) とする。
k = 1 と仮定してよい。
y = x_2 + ,. . . + x_n
z = x_1 + . . . + x_n
とおく。
φ(y) < φ(x_1)
φ(z) ≦ φ(x_1)
である。
φ(z) < φ(x_1) と仮定すると
φ(x_1) = φ(z - y) ≦ sup(φ(z), φ(y)) < φ(x_1)
となって矛盾。
よって φ(z) = φ(x_1) である。
証明終
487 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 09:49:36
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス的(
>>448 )絶対値とする。
1) φ(x) ≦ 1 となる K の元 x 全体 A は K の部分環である。
2) 任意の実数 0 < a ≦ 1 に対して
I_a = { x ∈ K ; φ(x) < a }
J_a = { x ∈ K ; φ(x) ≦ a }
とおく。
I_a と J_a は A の両側イデアルである。
3) A の任意の左または右イデアル J ≠ 0 は、ある J_a を含む。
4) m(A) = { x ∈ K ; φ(x) < 1 } は A と異なる
最大のイデアルである。
5) U(A) = A - m(A) は A の可逆元全体である。
6) A/m(A) は可換とは限らない体である。
7) 任意の x ∈ K - A に対して 1/x ∈ m(A) である。
Kummer さん、当座の目標を教えて下さい。
489 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 09:56:09
>>487 の証明
1), 2) は自明である。
3) の証明。
x ≠ 0 を左イデアル J の元とする。
φ(y) ≦ φ(x) なら φ(y(1/x)) ≦ 1
即ち y(1/x) ∈ A
よって y ∈ Ax
よって J_φ(x) ⊂ Ax ⊂ J である。
J が右イデアルの場合も同様である。
5) の証明。
x ∈ U(A) なら φ(x) = 1
よって φ(1/x) = 1/φ(x) = 1
よって 1/x ∈ U(A)
逆に y を A の可逆元とすると、φ(y)φ(1/y) = 1
φ(y) ≦ 1, φ(1/y) ≦ 1 だから φ(y) = 1 である。
よって y ∈ U(A) である。
4), 6) は 5) から直ちに出る。
7) は自明である。
490 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 10:20:05
>>488 初めの計画では Dirichlet の類数公式の証明です。
そのために級数論の基礎を述べたんですが、ついでに数論で使われる
位相の基礎もやろうということに考えを変えました。
類数公式にはいずれ戻るので、位相の基礎にあまり興味がなかったら
それまで待ってください。
このシリーズは予備知識を少なくしようとしているため
必要な基礎知識をなるべくここで述べるようにしています。
そのため、数論本体の流れが途切れる場合もありますが
それはご容赦願います。
なお、基礎部分は後で必要になった時点で参照するということで
いいと思います。
491 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 10:43:31
定義
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の離散的絶対値(
>>483 )とする。
φ(K^*) は無限巡回群である。
u ∈ K^* で φ(u) が φ(K^*) の生成元になっているとき
u を φ の一意化元(uniformizer) または素元と言う。
492 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 11:06:17
494 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 11:29:52
p を有理素数とする。
>>463 の φ_p を取り上げる。
0 < c < 1 となる任意の実数 c を固定する。
有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数
としたとき、φ_p(x) = c^r である。
a = 1/c とおくと a > 1 で
φ_p(x) = a^(-r) である。
log を a を底とする対数とすると、
log φ_p(x) = -r
即ち
r = -log φ_p(x)
よって
ν(x) = -log φ_p(x) とおくと、
ν は有理数体の離散付値(過去スレ3の546)である。
495 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 11:47:30
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス的(
>>448 )絶対値とする。
>>494 に示唆を受けて
ν(x) = -log φ(x) とする。
ここで log は任意固定の実数 > 1 を底とする対数である。
ν(x) は体 K から R ∪ {∞} への写像 ν で以下の条件を満たす。
1) ν(x) = ∞ となるのは x = 0 のときだけである。
2) x ≠ 0, y ≠ 0 なら
ν(xy) = ν(x) + ν(y)
3) ν(x + y) ≧ inf(ν(x), ν(y))
496 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 12:17:19
定義 K を可換とは限らない体とする。 体 K から R ∪ {∞} への写像 ν で以下の条件を満たすものを K の実付置または誤解の恐れがなければ単に付値と言う。 1) ν(x) = ∞ となるのは x = 0 のときだけである。 2) x ≠ 0, y ≠ 0 なら ν(xy) = ν(x) + ν(y) 3) ν(x + y) ≧ inf(ν(x), ν(y))
497 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 12:45:30
K を可換とは限らない体とする。
ν を K の実付値(
>>496 )とする。
ν(K^*) は R の部分群である。
これを ν の値群と言う。
ν(K^*) が 0 でない離散群のとき ν を離散付値と言う。
ν(K^*) = {0} のとき ν を自明な実付値と言う。
α > 0 を任意の正の実数としたとき
μ(x) = αν(x) とおけば μ も実付値である。
二つの実付値 ν, μ がこのような関係にあるとき ν, μ は
同値であると言い、ν 〜 μ と書く。
498 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 12:46:10
命題
K を可換とは限らない体とする。
ν を K の実付値(
>>496 )とする。
1) ν(x) ≧ 0 となる K の元 x 全体 A は K の部分環である。
2) 任意の実数 a ≧ 0 に対して
I_a = { x ∈ K ; ν(x) > a }
J_a = { x ∈ K ; ν(x) ≧ a }
とおく。
I_a と J_a は A の両側イデアルである。
3) A の任意の左または右イデアル J ≠ 0 は、ある J_a を含む。
4) m(A) = { x ∈ K ; ν(x) > 0 } は A と異なる
最大のイデアルである。
5) U(A) = A - m(A) は A の可逆元全体である。
6) A/m(A) は可換とは限らない体である。
7) 任意の x ∈ K - A に対して 1/x ∈ m(A) である。
証明は
>>487 と本質的に同じである。
499 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 13:10:56
>>498 の A, m(A), A/m(A) をそれぞれ ν の付値環、極大イデアル、
剰余体と言う。
U(A) を ν の単数群と言う。
500 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 13:50:02
命題
K を可換とは限らない体とする。
ν と μ を K の実付値(
>>496 )とする。
ν と μ が同値(
>>497 )であるためにはそれぞれの付値環が
一致することが必要十分である。
証明
必要性は明らかである。
ν と μ のそれぞれの付値環が一致するとする。
それを A とする。
A の極大イデアル m(A) は
>>498 より
{ x ∈ K ; ν(x) > 0 } = { x ∈ K ; μ(x) > 0 } である。
ν が自明なら A = K であり m(A) = 0 である。
従って、U(A) = K - {0} である。
即ち x ∈ K - {0} のとき μ(x) = 0 である。
よって μ も自明である。
よって ν = μ である。
ν は自明でないとする。
φ(x) = exp(-ν(x)) と書くと、φ は K の絶対値である。
φ は自明でない。
同様に ψ(x) = exp(-μ(x)) も K の絶対値である。
A の極大イデアル m(A) は
{ x ∈ K ; φ(x) < 1 } = { x ∈ K ; ψ(x) < 1 }
だから
>>430 よりある実数 α > 0 があり、φ(x) = ψ(x)^α が
全ての x ∈ K で成り立つ。
従って、ν(x) = -log φ(x) = -αlog ψ(x) = αμ(x)
証明終
501 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 14:14:39
定義
K を可換とは限らない体とする。
ν を K の離散付値(
>>497 )とする。
>>479 より ν(K^*) は無限巡回群である。
ν(K^*) = Z のとき ν は正規付値と言う。
明らかに任意の離散付値は正規付値と同値である。
ν が離散付値のとき ν(K^*) には最小の正数 a がある。
従って、ν(π) = a となる π ∈ K がある。
このような π を ν の一意化元または素元と言う。
502 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/15(水) 15:17:44
命題
K を可換とは限らない体とし、ν を K の離散付値(
>>497 )とする。
π を ν の素元(
>>501 )とし、A を ν の付値環(
>>499 ) とする。
A の 0 でないイデアルは両側イデアルで A(π^n), n ≧ 0 の形である。
証明
ν は正規付値(
>>501 )と仮定してよい。
K^* の任意の元 x に対して ν(x) = n となる n ∈ Z が
定まる。ν(x(1/π^n)) = 0 だから z = x(1/π^n) は A の可逆元である。
x = z(π^n) である。
同様に x = (π^n)y となる A の可逆元 y がある。
I ≠ 0 を A の(例えば)左イデアルとする。
x ≠ 0 が I の元なら ν(x) ≧ 0 である。
x ≠ 0 を I の元全体に動かしたときの ν(x) の最小値を n とする。
b を I の元で ν(b) = n とする。
b = u(π^n) と書ける。ここで u ∈ U(A) である。
x ≠ 0 を I の元とし、ν(x) = m とする。
x = v(π^m), v ∈ U(A) と書ける。
x = v(π^(m-n))(π^n) = v(π^(m-n))(1/u)u(π^n) ∈ Ab
従って I = Ab である。
y を A の任意の元とする。
y = w(π^k), w ∈ U(A) と書ける。
上で見たように、(π^n)w = w'(π^n) となる w' ∈ U(A) がある。
by = u(π^n)w(π^k) = uw'(π^n)(π^k) = uw'(π^k)(π^n)
= uw'(π^k)(1/u)u(π^n) ∈ Ab
よって I = Aa は両側イデアルである。
証明終
503 :
Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/16(木) 08:23:40
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer おはよう──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
504 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 08:45:58
命題 G を無限巡回群とし、g をその生成元とする。 G の生成元となり得る元は g と g^(-1) だけである。 証明 h を G の生成元とする。 g = h^n h = g^m となる有理整数 n, m がある。 g = h^n = (g^m)^n = g^(nm) よって nm = 1 よって m = ±1 即ち h = g^(±1) 証明終
505 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 08:50:29
>>491 を以下のように訂正する。
定義
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の離散的絶対値(
>>483 )とする。
φ(K^*) は無限巡回群である。
>>504 より φ(K^*) の生成元 a で a < 1 となるものが
唯一つ存在する。
u ∈ K^* で φ(u) = a となっているとき
u を φ の一意化元(uniformizer) または素元と言う。
506 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 09:09:15
K を可換とは限らない体とする。
a > 1 を任意の実数とする。
K の非アルキメデス(
>>448 )絶対値 φ と K の実付値(
>>496 ) ν は
ν(x) = -log φ(x), log の底は a
φ(x) = a^(-ν(x))
により1対1に対応する。
s > 0 のとき sν(x) = -log φ^s(x)
だから同値な非アルキメデス絶対値には同値な実付値が対応する。
従って、非アルキメデス絶対値と実付値は本質的には同じものの
別表現と考えることが出来る。
507 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 14:46:51
H をハミルトンの4元数体とする。 即ち、H は実数体上の多元環で 1, i, j, k を基底に持つ。 これ等の元は以下の関係を持つ。 1^2 = 1, 1i = i1 = i, 1j = j1 = j, 1k= k1= k i^2 = j^2 = k^2 = -1 ij = -ji = k, jk = -kj = i, ki = -ik = j 実数体 R は R1 と同一視され、 複素数体 C は R1 + Ri と同一視される。 q = a + bi + cj + dk のとき z = a + bi w = c + di とおくと、 q = z + wj である。 wj = jw~ である。ここで w~ は w の共役を表す。 q = a + bi + cj + dk のとき q~ = a - bi - cj - dk と書き、 q の共役と言う。 N(q) = qq~ を q のノルムと言う。 q~ = z~ - wj だから N(q) = (z + wj)(z~ - wj) = |z|^2 - zwj + wjz~ - wjwj = |z|^2 - zwj + wzj - ww~jj = |z|^2 +|w|^2 = a^2 + b^2 + c^2 + d^2
508 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 15:24:34
>>507 の続き。
q~q = (z~ - wj)(z + wj)
= |z|^2 - z~wj - wz~j - ww~jj
= |z|^2 +|w|^2
= N(q)
よって q と q~ は可換である。
従って、q ≠ 0 のとき q' = q~/N(q) とおくと
qq' = q'q = 1
即ち q' は q の逆元である。
よって H は体である。
ij ≠ ji だから H は非可換体である。
|q| = √(N(q)) と書き、q の絶対値と言う。
509 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 15:33:44
命題
H をハミルトンの4元数体とする。
x, y を H の2元としたとき
(xy)~ = y~x~
証明
>>507 より z, w, u, v を適当な複素数として
x = z + wj
y = u + vj
と書ける。
xy = (z + wj)(u + vj) = zu + zvj + wu~j - wv~
= zu - wv~ + (zv + wu~)j
よって
(xy)~ = z~u~ - w~v - (zv + wu~)j
一方
x~ = z~ - wj
y~ = u~ - vj
だから
y~x~ = (u~ - vj)(z~ - wj) = u~z~ - u~wj - vzj - vw~
= (xy)~
証明終
510 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 15:37:18
命題
H をハミルトンの4元数体とする。
H の元 x の絶対値(
>>508 )は H の
>>414 の意味の絶対値である。
証明
x, y を H の2元としたとき
|xy| = |x||y| となることのみ証明すればよい。
これは N(xy) = N(x)N(y) と同値である。
>>509 より (xy)~ = y~x~ だから
N(xy) = (xy)(xy)~ = (xy)(y~x~) = xN(y)x~ = xx~N(y) = N(x)N(y)
証明終
511 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 16:07:15
p を有理素数とする。
0 < c < 1 となる任意の実数を取る。
有理数 x ≠ 0 に対して x = (p^r)(s/t), s と t は p と素な有理整数
としたとき、φ_p(x) = c^r とし、φ_p(0) = 0 とする。
>>463 より φ_p は有理数体の非アルキメデス絶対値である。
c として 1/p を取る場合が多い。
この場合、以下のようにHasse の積公式が成り立つ。
x ≠ 0 を有理数とし、x = ±Πp^r を素因数分解とする。
|x| = Π(1/φ_p(x))
よって
|x|Πφ_p(x) = 1
ここで右辺の積は全ての素数に渡る。
有限個を除いた全ての素数 p に対して φ_p(n) = 1 だから
この積は意味がある。
512 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/16(木) 16:12:26
定義
p を有理素数とする。
>>463 の c として 1/p を選んだときの φ_p を p-進絶対値という。
a
b
c
d
e
f
g
h
521 :
Kummer ◆p5Ne5aK0Lg :2007/08/17(金) 07:16:17
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummer おはよう──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
540 :
132人目の素数さん :2007/08/17(金) 07:43:01
541 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 08:27:20
>>508 >q~q = (z~ - wj)(z + wj)
>= |z|^2 - z~wj - wz~j - ww~jj
>= |z|^2 +|w|^2
>= N(q)
>
>よって q と q~ は可換である。
これは次のように説明したほうが良い。
N(q) = a^2 + b^2 + c^2 + d^2 だから N(q~) = N(q)
qq~ = N(q) において q を q~ に置き換えると、
q~(q~)~ = q~q = N(q~) = N(q)
542 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 09:14:15
命題
K と L を可換とは限らない体とする。
φ と ψ をそれぞれ K と L の絶対値(
>>414 )とする。
>>421 より K と L は位相体である。
f: K → L を位相体としての同型とする。
即ち f は体の同型であり位相同型でもある。
このとき、ある実数 α > 0 があり、φ(x) = (ψ(f(x)))^α が
全ての x ∈ K で成り立つ。
証明
φ_1(x) = ψ(f(x)) とおく。
明らかに φ_1 は絶対値である。
φ が自明(
>>422 )なら
>>425 より ψ も自明である。
よって x ≠ 0 のとき f(x) ≠ 0 だから ψ(f(x)) = 1 である。
x = 0 なら f(x) = 0 だから ψ(f(x)) = 0 である。
よって φ(x) = ψ(f(x)) が全ての x ∈ K で成り立つ。
よって α = 1 として本命題の主張が成り立つ。
φ が自明でないとき。
φ(x) < 1 なら n → ∞ のとき x^n → 0 である。
f は連続だから f(x^n) → 0 である。
f(x^n) = f(x)^n だから ψ(f(x)) < 1 である。
よって
>>430 より本命題の主張が成り立つ。
証明終
543 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 09:43:55
定義
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の絶対値(
>>414 )とする。
>>475 より K の完備化環 K^ は体であり、
φ を K^ に連続延長したもの φ^ は K^ の絶対値になる。
付値体(
>>415 ) (K^, φ^) を付値体 (K, φ) の完備化と言う。
考えている絶対値 φ が明らかなときは、単に K^ を K の完備化とも
言う。
544 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 09:47:17
K を可換とは限らない体とする。
φ と ψ を K の同値な絶対値とする。
(K, φ) の完備化(
>>543 ) K^ は位相体として (K, ψ) の完備化と
同じものである。
従って ψ を K^ に連続延長したもの ψ^ は φ^ と同値である。
545 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 10:03:25
補題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス絶対値(
>>448 )とする。
K の元の列 (x_n) と K の元 x ≠ 0 があり
n → ∞ のとき x_n → x なら
ある n_0 ∈ Z+ があり n ≧ n_0 のとき φ(x_n) = φ(x) である。
証明
φ(x) > 0 だから、ある n_0 ∈ Z+ があり n ≧ n_0 のとき
φ(x - x_n) < φ(x) である。
>>485 より
φ(x_n) = φ(x_n - x + x) = sup(φ(x - x_n), φ(x)) = φ(x)
証明終
546 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 10:09:45
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス絶対値(
>>448 )とする。
K^ を K の完備化(
>>543 )とし、φ を K^ に連続延長した絶対値を
φ^ とする。
φ と φ^ のそれぞれの値群は一致する。
即ち φ(K^*) = φ^((K^)^*)
証明
>>545 より明らかである。
547 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 10:12:21
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の離散的絶対値(
>>483 )とする。
K^ を K の完備化(
>>543 )とし、φ を K^ に連続延長した絶対値を
φ^ とする。
φ^ は K^ の離散的絶対値である。
証明
>>546 より明らかである。
548 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 10:26:22
>>487 の A, m(A), A/m(A) をそれぞれ φ の付値環、極大イデアル、
剰余体と言う。
549 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 10:44:39
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス的(
>>448 )絶対値とする。
K^ を K の完備化(
>>543 )とし、φ を K^ に連続延長した絶対値を
φ^ とする。
φ の付値環(
>>548 ) を A とする。
任意の実数 0 < a ≦ 1 に対して
I_a = { x ∈ K ; φ(x) < a }
J_a = { x ∈ K ; φ(x) ≦ a }
とおく。
>>487 より I_a と J_a は A の両側イデアルである。
このとき
cls(I_a) = { x ∈ K^ ; φ^(x) < a } である。
ここで cls(I_a) は I_a の K^ における閉包である。
同様に
cls(J_a) = { x ∈ K^ ; φ^(x) ≦ a } である。
550 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 10:45:11
>>549 の証明
x ∈ cls(I_a) - {0} とする。
φ^(x) > 0 だから φ^(x - y) < φ^(x) となる y ∈ I_a がある。
>>545 と同様に φ^(y) = φ^(x) である。
よって φ^(x) < a である。
逆に x ≠ 0 で φ^(x) < a とする。
φ^(x) > 0 だから 任意の 0 < ε < φ^(x) に対して
φ^(x - y) < ε となる y ∈ K がある。
>>545 と同様に φ^(y) = φ^(x) である。
よって φ^(y) < a である。
即ち y ∈ I_a である。
よって x ∈ cls(I_a) である。
以上から
cls(I_a) = { x ∈ K^ ; φ^(x) < a } である。
cls(J_a) = { x ∈ K^ ; φ^(x) ≦ a } の証明も同様である。
証明終
551 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 10:51:36
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス的(
>>448 )絶対値とする。
K^ を K の完備化(
>>543 )とし、φ を K^ に連続延長した絶対値を
φ^ とする。
A, m(A) をそれぞれ φ の付値環、極大イデアルとする。
cls(A), cls(m(A)) をそれぞれ A, m(A) の K^ における閉包とすると、
cls(A), cls(m(A)) はそれぞれ φ^ の付値環、極大イデアルである。
証明
>>549 において a = 1 とすれば A = J_1, m(A) = I_1 である。
従って本命題は
>>549 の特別の場合である。
552 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 12:15:25
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の離散的絶対値(
>>483 )とする。
A, m(A) をそれぞれ φ の付値環、極大イデアルとする。
A/m(A) が有限体なら
任意の有理整数 n ≧ 0 に対して A/m(A)^n は有限環である。
証明
>>506 より φ には K の実付値(
>>496 ) ν が対応する。
ν は離散付値(
>>497 ) である。
π を ν の素元(
>>501 )とする。
>>502 より m(A) = Aπ, m(A)^n = A(π^n) である。
A のアーベル群としての部分群の列を考える。
A ⊃ Aπ ⊃ . . . A(π^n) ⊃ . . .
x ∈ A に x(π^n) を対応させる写像は
A/Aπ から A(π^n)/A(π^(n+1)) へのアーベル群としての同型を
引起こす。
従って A/A(π^n) は有限アーベル群である。
A/A(π^n) は環でもあるから有限環である。
証明終
553 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 12:22:21
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の離散的絶対値(
>>483 )とする。
A, m(A) をそれぞれ φ の付値環、極大イデアルとする。
A/m(A) が有限体なら A は位相環として全有界(
>>302 )である。
証明
>>506 より φ には K の実付値(
>>496 ) ν が対応する。
ν は離散付値(
>>497 ) である。
π を ν の素元(
>>501 )とする。
>>502 より m(A) = Aπ, m(A)^n = A(π^n) である。
>>552 より
任意の有理整数 n ≧ 0 に対して A/A(π^n) は有限環である。
φ(π) < 1 だから任意の ε > 0 に対して
φ(π)^n < ε となる n > 0 がある。
A/A(π^n) の任意の剰余類を a + A(π^n) とする。
ここで a ∈ A である。
a + A(π^n) の2元
u = a + x(π^n), v = a + y(π^n)
に対して
φ(u - v) = φ((x - y)(π^n)) ≦ φ(π)^n < ε
即ち A/A(π^n) の剰余類の2元の距離は n を大きくすれば
いくらでも小さくなる。
A の任意の元は A/A(π^n) の剰余類(それは有限個である)のどれか
に含まれるから A は全有界である。
証明終
554 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 12:40:21
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の離散的絶対値(
>>483 )とする。
K は φ で完備とする。
A, m(A) をそれぞれ φ の付値環、極大イデアルとする。
A/m(A) が有限体なら A はコンパクトであり、
K は局所コンパクトである。
証明
>>553 より A は全有界である。
A は K の閉集合だから
>>250 より完備である。
従って
>>316 より A は準コンパクトである。
A はハウスドルフだからコンパクトである。
m(A) は K の開集合で 0 を含む。
m(A) ⊂ A だから A は 0 のコンパクト近傍である。
従って K の任意の元 x に対して x + A は x のコンパクト近傍である。
即ち K は局所コンパクトである。
証明終
555 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 13:04:01
>>554 の条件を満たす体は数論では非常に重要である。
Weilの Basic Number Theory では、この体を p-field と
呼んでいる。
因みに、英語圏では field は可換体を意味するのが普通である。
可換とは限らない体は division ring と言う。
Weil はフランス人なのでこの点、英書にもかかわらず
フランス風になっている。
フランスでは体のことを corps と言い、可換とは限らない。
しかし環は英語で ring だがこれは可換とは限らない。
この点で英語の field の用法は一貫性がないとも言える。
556 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 13:44:00
補題 G を位相群、H をその部分群とする。 U を G の単位元の近傍で U ⊂ H とする。 このとき H は G の開集合である。 証明 x ∈ H とすると Ux は x の近傍で Ux ⊂ H である。 よって H は G の開集合である。 証明終
557 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 13:45:00
命題 G を位相群、H をその開部分群とする。 H は G の閉集合である。 証明 G - H は xH の形の左剰余類 xH の和集合である。 xH は開集合であるから G - H も開集合である。 従って H は閉集合である。 証明終
558 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 13:54:00
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス的(
>>448 )絶対値とする。
任意の実数 0 < a ≦ 1 に対して
I_a = { x ∈ K ; φ(x) < a }
J_a = { x ∈ K ; φ(x) ≦ a }
とおく。
I_a と J_a は K の加法群の開かつ閉部分群である。
証明
A を φ の付値環とする。
>>487 より I_a と J_a は A の両側イデアルである。
従って K の加法群の部分群である。
>>556 より I_a は K の開部分群である。
従って
>>557 より K の閉部分群である。
I_a ⊂ J_a である。
従って
>>556 より J_a は K の開部分群である。
従って
>>557 より K の閉部分群である。
証明終
559 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 14:04:28
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の非アルキメデス的(
>>448 )絶対値とする。
K^ を K の完備化(
>>543 )とし、φ を K^ に連続延長した絶対値を
φ^ とする。
A, m(A) をそれぞれ φ の付値環、極大イデアルとする。
cls(A), cls(m(A)) をそれぞれ A, m(A) の K^ における閉包とすると、
cls(A) = A + cls(m(A)) となる。
よって
cls(A)/cls(m(A)) は A/m(A) に体として標準的に同型である。
証明
x ∈ cls(A) とする。
φ^(x - y) < 1 となる y ∈ A がある。
z = x - y とおくと z ∈ m(A)
x = y + z ∈ A + m(A)
よって cls(A) = A + cls(m(A)) である。
cls(A)/cls(m(A)) = (A + cls(m(A)))/cls(m(A))
は A/(A ∩ cls(m(A))) に標準的に同型である。
>>558 より m(A) は A の閉集合だから
A ∩ cls(m(A)) = m(A) である。
証明終
560 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 14:22:48
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の離散的絶対値(
>>483 )とする。
A, m(A) をそれぞれ φ の付値環、極大イデアルとする。
A/m(A) は有限体とする。
K の完備化(
>>543 ) K^ は局所コンパクトである。
証明
φ を K^ に連続延長した絶対値を φ^ とする。
>>547 より φ^ は K^ の離散的絶対値である。
>>551 より
cls(A), cls(m(A)) をそれぞれ A, m(A) の K^ における閉包とすると、
cls(A), cls(m(A)) はそれぞれ φ^ の付値環、極大イデアルである。
>>559 より
cls(A)/cls(m(A)) は A/m(A) に標準的に同型である。
よって
>>554 より K^ は局所コンパクトである。
証明終
561 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 16:06:51
定義
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K-左加群とする。
実数体を R とし、R の部分集合 { x ∈ R; x ≧ 0 } を R+ で表す。
K から R+ への写像 p が以下の条件を満たすとき p を
E のノルムと言い、E をノルム空間と言う。
1) p(x) = 0 と x = 0 は同値である。
2) 任意の x ∈ E, y ∈ E に対して p(x + y) ≦ p(x) + p(y)
3) 任意の α ∈ K, x ∈ E に対して p(αx) = φ(x)p(x)
562 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 17:21:01
命題
K を可換とは限らない体とする。
φ を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K-左加群とし、p を E のノルム(
>>561 )とする。
E は K-位相加群(
>>372 )である。
証明
x, y を E の任意の元とする。
d(x, y) = p(x - y) は E の距離である。
この距離により E に一様構造(
>>194 )を入れる(
>>199 )。
x, y, u, v を E の任意の元とする。
任意の ε > 0 に対して、
p(x - u) < ε/2, p(y - v) < ε/2 のとき
p(x + y - (u + v)) ≦ p(x - a) + p(y - b) < ε
従って写像 f(x, y) = x + y は E×E → E の連続写像である。
任意の ε > 0 に対して、p(x - u) < ε のとき
p(-x - (-u)) = p(-(x - u)) = p(x - u) < ε
従って写像 g(x) = -x は E → E の連続写像である。
α、β を K の元、x, y を E の元とする。
任意の ε > 0 に対して、
δ > 0 を δ < min(1, ε/(1 + φ(β) + p(y))) とする。
δ < 1 だから δ^2 < δ < ε/(1 + φ(β) + p(y))
p(α - β) < δ, p(x - y) < δ のとき
p(αx - βy) = p((α - β)(x - y) + (α - β)y + β(x - y))
≦ φ(α - β)p(x - y) + φ(α - β)p(y) + φ(β)p(x - y)|
≦ δ^2 + δp(y) + φ(β)δ < δ(1 + φ(β) + p(y)) < ε
従って写像 h(α, x) = αx は K×E → E の連続写像である。
証明終
563 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 17:34:45
C^n を n 次元の複素列ベクトル全体のなすベクトル空間とする。 x と y を C^n の2元とする。 (x, y) は (x^)y~ を表すとする。ここで x^ は x の転置行列、 y~ は y の各成分の複素共役を成分とするものとする。 (x, y) をエルミート内積または単に内積と言う。 |x| = |(x, x)| と書き、|x| を x のノルムと言う。
564 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 17:49:10
訂正
>>563 >|x| = |(x, x)| と書き、|x| を x のノルムと言う。
|x| = √((x, x)) と書き、|x| を x のノルムと言う。
565 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 17:49:49
命題(Cauchy-Schwartzの不等式)
C^n を n 次元の複素列ベクトル全体のなすベクトル空間とする。
x と y を C^n の2元とする。
(x, y) を内積(
>>563 )とする。
このとき
|(x, y)| ≦ |x||y|
証明
y = 0 のときは自明なので y ≠ 0 としてよい。
λ を複素数とする。
|x - λy|^2
= (x - λy, x - λy) = (x, x) - λ~(x, y) - λ(y, x) + |λ|^2(y, y)
λ = (x, y)/(y, y) とすると、
|x - λy|^2
= (x, x) - |(x, y)|^2/(y, y) - |(x, y)|^2/(y, y) + |(x, y)|^2/(y, y)
= (x, x) - |(x, y)|^2/(y, y)
従って
|(x, y)|^2/(y, y) ≦ (x, x)
即ち
|(x, y)|^2 ≦ (x, x)(y, y)
よって
|(x, y)| ≦ |x||y|
証明終
566 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 18:18:22
命題
C^n を n 次元の複素列ベクトル全体のなすベクトル空間とする。
x と y を C^n の2元とすると
|x + y| ≦ |x| + |y|
証明
|x + y|^2 = (x + y, x + y) = (x, x) + (x, y) + (y, x) + (y, y)
= |x|^2 + (x, y) + (x, y)~ + |y|^2
= |x|^2 + 2Re((x, y)) + |y|^2
≦ |x|^2 + 2|(x, y)| + |y|^2
>>565 よりこの右辺 ≦ |x|^2 + 2|x||y| + |y|^2 = (|x| + |y|)^2
よって
|x + y|^2 ≦ (|x| + |y|)^2
即ち
|x + y| ≦ |x| + |y|
証明終
567 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/17(金) 18:20:43
568 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 03:16:10
H をハミルトンの4元数体(
>>507 )とする。
n > 0 を有理整数として H^n を H 上の n 次元列ベクトルの全体とする。
x と y を H^n の2元とする。
(x, y) は (x^)y~ を表すとする。ここで x^ は x の転置行列、
y~ は y の各成分の共役(
>>507 )を成分とするものとする。
(x, y) をシンプレクティック内積または単に内積と言う。
|x| = √(x, x) と書き、|x| を x のノルムと言う。
x = (x_1, . . . , x_n)^ ∈ H^n としたとき、
(x, x) = (x_1)(x_1)~ + . . . + (x_n)(x_n)~
= N(x_1) + . . . + N(x_n)
ここで、各 N(x_i) は4元数 x_i のノルム(
>>507 )である。
従って、H^n を R^(4n) と同一視したとき |x| はユークリッドノルムと
なる。
従って、x と y を H^n の2元とすると、|x + y| ≦ |x|+ |y| となる。
x = (x_1, . . . , x_n)^ ∈ H^n, q ∈ H のとき
(qx, qx) = N(q(x_1)) + . . . + N(q(x_n))
= N(q)N(x_1) + . . . + N(q)N(x_n)
= N(q)(N(x_1) + . . . + N(x_n))
= N(q)(x, x)
よって |qx| = |q||x|
以上から H^n は |x| によりノルム空間(
>>561 )である。
569 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 03:32:53
C^n を n 次元の複素列ベクトル全体のなすベクトル空間とする。 x = (x_1, . . . , x_n)^ ∈ C^n としたとき、 p(x) = sup(|x_i|), i = 1, . . ., n と書く。 p(x + y) = sup(|x_i + y_i|) ≦ sup(|x_i| + |y_i|) ≦ p(x) + p(y) λ ∈ C のとき p(λx) = sup(|λx_i|) = |λ|sup(|x_i|) = |λ|p(x) 以上から p(x) は C^n のノルムである。 q(x) = Σ|x_i|, i = 1, . . ., n と書く。 q(x + y) = Σ(|x_i + y_i|) ≦ Σ(|x_i| + |y_i|) ≦ q(x) + q(y) λ ∈ C のとき q(λx) = Σ|λ||x_i| = |λ|Σ|x_i| = |λ|q(x) 以上から q(x) も C^n のノルムである。
570 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 03:42:40
定義
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を 左 K-加群とし、p と q を E のノルム(
>>561 )とする。
p と q が E 上に同じ位相を定義するとき同値であると言う。
571 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 03:57:34
補題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を 左 K-加群とし、p と q を E のノルム(
>>561 )とする。
実数 a > 0, b > 0 が存在して任意の x ∈ E に対して
ap(x) ≦ q(x) ≦ bp(x)
とする。
このとき p と q は同値(
>>570 )である。
証明
任意の実数 ε > 0 に対して q(x) ≦ aε なら
ap(x) ≦ q(x) より p(x) ≦ (1/a)q(x) ≦ ε
よって恒等写像 (E, q) → (E, p) は連続である。
同様に、任意の実数 ε > 0 に対して p(x) ≦ ε/b なら
q(x) ≦ bp(x) より q(x) ≦ ε
よって恒等写像 (E, p) → (E, q) は連続である。
証明終
572 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 04:27:26
補題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を 左 K-加群とし、p と q を E のノルム(
>>561 )とする。
恒等写像 (E, q) → (E, p) が連続なら、
実数 a > 0 が存在して任意の x ∈ E に対して
ap(x) ≦ q(x) となる。
証明
恒等写像 (E, q) → (E, p) が連続だから、
実数 δ > 0 が存在して任意の x ∈ E に対して
q(x) ≦ δ なら p(x) ≦ 1 となる。
K 上の絶対値は自明でないから 0 < |λ| < 1 となる λ ∈ K がある。
x ≠ 0 を E の任意の元とする。
n を (|λ|^n)q(x) ≦ δ となる整数 n の中で最小のものとする。
(|λ|^n)q(x) ≦ |λ|δ なら (|λ|^(n-1))q(x) ≦ δ となって
n の最小性に反するから |λ|δ < (|λ|^n)q(x) である。
(|λ|^n)q(x) = q((λ^n)x) ≦ δ だから p((λ^n)x) ≦ 1
よって p(x) ≦ 1/|λ^n|
一方 |λ|δ < (|λ|^n)q(x) より
1/|λ^n| < q(x)/(|λ|δ)
よって p(x) < q(x)/(|λ|δ)
a = |λ|δ とおけば ap(x) ≦ q(x)
この不等式は x = 0 のときにも成り立つ。
証明終
573 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 04:37:53
補題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を 左 K-加群とし、p と q を E のノルム(
>>561 )とする。
p と q が同値(
>>570 )であるための必要十分条件は
実数 a > 0, b > 0 が存在して任意の x ∈ E に対して
ap(x) ≦ q(x) ≦ bp(x)
となることである。
証明
十分なことは
>>571 で証明されている。
必要なことを証明する。
p と q が同値なら恒等写像 (E, q) → (E, p) が連続だから
>>572 より実数 a > 0 が存在して任意の x ∈ E に対して
ap(x) ≦ q(x) となる。
恒等写像 (E, p) → (E, q) も連続だから
>>572 より実数 1/b > 0 が存在して任意の x ∈ E に対して
(1/b)q(x) ≦ p(x) 即ち q(x) ≦ bp(x) となる。
証明終
574 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 04:38:49
575 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 04:52:32
C^n を n 次元の複素列ベクトル全体のなすベクトル空間とする。
x = (x_1, . . . , x_n)^ ∈ C^n としたとき、
次の不等式は容易に確かめられる。
sup(|x_i|) ≦ √(Σ|x_i|^2) ≦ Σ|x_i| ≦ n sup(|x_i|)
よって
>>573 より三つのノルム(
>>567 ,
>>569 )
√(Σ|x_i|^2), sup(|x_i|), Σ|x_i| は同値である。
576 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 09:50:51
補題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を 左 K-加群とし、p を E のノルム(
>>561 )とする。
p は E から R+ への写像として一様連続である。
証明
x と y を E の任意の元とする。
p(x) ≦ p(x - y) + p(y) より
p(x) - p(y) ≦ p(x - y)
p(y) ≦ p(y - x) + p(x) より
p(y) - p(x) ≦ p(x - y)
よって
|p(x) - p(y)| ≦ p(x - y)
これから直ちに p の一様連続性が出る。
証明終
577 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 10:21:44
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を 左 K-加群とし、p を E のノルム(
>>561 )とする。
K の完備化(
>>475 )を K^ とし、
E の位相アーベル群としての完備化を E^ とする。
>>562 より E は K-位相加群(
>>372 )である。
従って
>>376 より E^ は K^-位相加群となる。
p は E^ に連続延長され、延長された p^ は E^ のノルムとなり、
それは E^ の位相を定義する。
578 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 10:23:41
>>577 の証明
>>576 より p は一様連続だから一様連続写像の延長定理(
>>272 )
より E^ に連続延長される。その延長された写像を p^ と書く。
x, y を E^ の任意の2元とする。
不等式延長の原理(
>>473 )より
p^(x + y) ≦ p^(x) + p^(y)
λ を K^ の任意の元とする。
(λ, x) → λx は連続写像 K^×E^ → E^ だから
等式延長の原理(
>>265 )より
p^(λx) = |λ|p^(x)
よって p^ は E^ のノルムである。
位相アーベル群 E の完備化としての E^ の一様構造を α とし、
p^ で定義される一様構造を β とする。
φ^ は α で連続だから、任意の ε > 0 に対して、
E^ における 0 の近傍 V があり x ∈ V なら |p^(x)| < ε
となる。
よって y - x ∈ V なら p^(x - y) < ε
よって β ⊂ α である。
α と β は K で一致するから
>>474 より α = β である。
証明終
579 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 11:02:20
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
K 上の有限個のノルム空間の列 E_1, . . ., E_n を考える。
各 E_i のノルムは p_i とする。
積空間 E = ΠE_i の元 x = (x_1, . . ., x_n) に対して
p(x) = sup(p_i(x_i)) とおく。
p が E のノルムになることは
>>569 と同様である。
p(x) < a は各 i で p_i(x_i) < a と同値である。
よって p が定義する位相は各 E_i の積位相である。
q(x) = Σp_i(x_i) とおく。
q が E のノルムになることは
>>569 と同様である。
r(x) = (Σ(p_i(x_i))^2)^(1/2) とおく。
r(x + y) ≦ r(x) + r(y) は
a_i ≧ 0, b_i ≧ 0 のときのユークリッドノルムの不等式
(Σ(a_i + b_i)^2)^(1/2) ≦ (Σ(a_i)^2)^(1/2) + (Σ(b_i)^2)^(1/2)
から出る。
よって r も E のノルムである。
>>575 と同様に p, q. r は同値である。
580 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 11:11:38
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
>>579 より K^n にも3個の同値なノルム p, q, r が定義される。
K として複素数体 C を取れば、
C^n のノルム r は
>>566 で定義したノルム |x| と同じである。
K としてハミルトンの4元数体(
>>507 ) H を取れば、
H^n のノルム r は
>>568 で定義したノルム |x| と同じである。
581 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 12:27:14
命題
K を可換とは限らない体とする。
|x| を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E と F を K 上のノルム空間とし、
f: E → F を K-線形写像とする。
x と y がそれぞれ E と F の元のとき各ノルムはそれぞれ |x|, |y|
で表す。
f が連続であるためには、a > 0 があり、任意の x ∈ E に対して
|f(x)| ≦ a|x| となることが必要十分である。
証明
十分なこと:
任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ a|x| となるとする。
s を E の任意の点とする。
任意の ε > 0 に対して
|x - s| < ε/a なら
|f(x) - f(s)| = |f(x - s)| ≦ a|x - s| < ε
よって f は s で、従って E で連続である。
(続く)
582 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 12:31:19
必要なこと:
f は 0 で連続だから、実数 δ > 0 が存在して任意の x ∈ E に対して
|x| ≦ δ なら |f(x)| ≦ 1 となる。
K 上の絶対値は自明でないから 0 < |λ| < 1 となる λ ∈ K がある。
x ≠ 0 を E の任意の元とする。
>>572 と同様に
|λ|δ < (|λ|^n)|x| ≦ δ
となる整数 n が唯一つ存在する。
|(λ^n)x| = (|λ|^n)|x| ≦ δ だから |f((λ^n)x)| ≦ 1
よって (|λ|^n)|f(x)| ≦ 1
よって |f(x)| ≦ 1/|λ|^n
一方
|λ|δ < (|λ|^n)|x| だから
1/|λ|^n < |x|/(|λ|δ)
よって |f(x)| < |x|/(|λ|δ)
a = 1/(|λ|δ) とおけば、|f(x)| < a|x|
よって |f(x)| ≦ a|x|
これは x = 0 のときにも成り立つ。
証明終
583 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 12:46:03
定義
K を可換とは限らない位相体(
>>190 )とする。
左 K-位相加群(
>>372 )を K 上の左位相ベクトル空間または単に
K 上の位相ベクトル空間と言う。
K 上の右位相ベクトル空間も同様に定義される。
584 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 17:32:18
位相ベクトル空間をその原点の近傍全体で特徴付けよう。 まず位相空間の各点の近傍全体を特徴付ける。
585 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 17:37:34
命題
X を位相空間とする。
X の点 x の近傍全体 Φ(x) は以下の条件を満たす。
1) Φ(x) は X のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ(x) なら x ∈ V
3) V ∈ Φ(x) なら W ∈ Φ(x) があり、W の任意の点 y に対して
V ∈ Φ(y)
証明
近傍の定義(
>>80 )から明らかである。
586 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 19:15:07
命題
集合 X の各点に以下の条件をみたす X の部分集合の集合 Φ(x)
が対応しているとき、X の位相が定まり、全ての x ∈ X に対して
その近傍全体が Φ(x) となる。
1) Φ(x) は X のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ(x) なら x ∈ V
3) V ∈ Φ(x) なら W ∈ Φ(x) があり、W の任意の点 y に対して
V ∈ Φ(y)
証明
X の部分集合 U が開集合であるとは、x ∈ U なら U ∈ Φ(x) である
と定義する。
(U_λ), λ ∈ L を開集合の族とし、U を (U_λ) の和集合とする。
x ∈ U なら x ∈ U_λ となる λ がある。
U_λ ∈ Φ(x) だから 1) より U ∈ Φ(x) である。
U と V を開集合とする。
x ∈ U ∩ V なら U ∈ Φ(x), V ∈ Φ(x) だから
1) より U ∩ V ∈ Φ(x) である。
以上で X の位相が定まった。
V ∈ Φ(x) のとき U = { y ∈ X; V ∈ Φ(y) } とおく。
y ∈ U なら V ∈ Φ(y) だから 3) より W ∈ Φ(y) があり、
任意の z ∈ W に対して V ∈ Φ(z) である。
よって W ⊂ U である。
W ∈ Φ(y) だから 1) より U ∈ Φ(y) である。
y は U の任意の元だから U は開集合である。
x ∈ U ⊂ V だから V は x の近傍である。
証明終
587 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 19:23:13
命題
G を位相群とする。
G の単位元 e の近傍全体 Φ は以下の条件を満たす。
1) Φ は G のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり WW ⊂ V
3) V ∈ Φ なら V^(-1) ∈ Φ
4) V ∈ Φ なら任意の g ∈ G に対して gVg^(-1) ∈ Φ
証明
位相群の定義(
>>72 )から明らかである。
588 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 20:53:13
命題
群 G の部分集合の集合 Φ が以下の条件を満たすとき
Φ が G の単位元 e の近傍全体と一致するような G の位相が
唯一つ存在し、その位相により G は位相群となる。
1) Φ は G のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり WW ⊂ V
3) V ∈ Φ なら V^(-1) ∈ Φ
4) V ∈ Φ なら任意の g ∈ G に対して gVg^(-1) ∈ Φ
589 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 20:56:45
>>588 の証明
2) より x ∈ W なら e = xx^(-1) ∈ V である。
よって g ∈ G に対して Φg は g を含むフィルターになる。
V ∈ Φ のとき WW ⊂ V となる W ∈ Φ がある。
x ∈ Wg なら Wx ⊂ WWg ⊂ Vg
よって Vg ∈ Φx
よって Φg は
>>586 の 3) を満たす。
従って
>>586 より Φg は g の近傍のフィルターである。
μ : G×G → G を μ(x, y) = xy により定義される写像とする。
ν : G → G を ν(x) = x^(-1) により定義される写像とする。
μ と ν が連続であることを証明すればよい。
g, h を G の元とする。
任意の V ∈ Φ に対して WW ⊂ V となる W ∈ Φ がある。
U = W ∩ g^(-1)Wg とおくと、U ∈ Φ である。
U ⊂ W
gUg^(-1) ⊂ W
よって
UgUh = UgUg^(-1)gh ⊂ WWgh ⊂ Vgh
よって μ は (g, h) で連続である。
g を G の元とする。
任意の V ∈ Φ に対して W^(-1) ⊂ gVg^(-1) となる W ∈ Φ がある。
(Wg)^(-1) = g^(-1)W^(-1) ⊂ Vg^(-1)
よって ν は g で連続である。
証明終
590 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 21:04:16
命題
アーベル群 G の部分集合の集合 Φ が以下の条件を満たすとき
Φ が G の単位元 0 の近傍全体と一致するような G の位相が
唯一つ存在し、その位相により G は位相アーベル群となる。
1) Φ は G のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V
3) V ∈ Φ なら -V ∈ Φ
証明
>>588 より明らかである。
591 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 22:38:26
命題 A を可換とは限らない環であり同時に位相空間とする。 A が位相環であるためには A が以下の条件すべてを満たすことが 必要十分である。 1) A は加法に関して位相群である。 2) 任意の a ∈ A に対して写像 x → ax と写像 x → xa は x = 0 で連続である。 3) A×A から A への写像 (x, y) → xy は (0, 0) で連続である。 証明 上記の条件が必要なことは明らかである。 上記の条件が成り立つとする。 A×A から A への写像 (x, y) → xy が連続であることを示せばよい。 a, b を A の任意の元とする。 2) より 0 の任意の近傍 V に対して a(W_1) ⊂ V, (W_2)b ⊂ V となる 0 の近傍 W_1, W_2 がある。 3) より、UU ⊂ V となる 0 の近傍 U がある。 W = U ∩ W_1 ∩ W_2 とする。 x - a ∈ W, y - b ∈ W なら xy - ab = (x - a)(y - b) + (x - a)b + a(y - b) ∈ WW + Wb + aW ⊂ V + V + V 証明終
592 :
132人目の素数さん :2007/08/18(土) 22:39:50
Kummer----------!!! --ミ、、_:::::::::::::::::`:"'':―┼――――l.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| ミ三三ミ'ー‐-- 、、_:::::::|:::::::::::::::::::::::j:-―――‐t―――----┴-{:_;:_;_:_;:_;:_;:_;:_;:_;:i;:_;:_;:_;:_;:_;:| ミミ三三、 .u 、ー=、`'┴―――fミ',ニ三三三三 r―、 rミ、_;_:_;:_;:_;:_;:_;:_;:;i;:_;:_;:_;:_;:_;:;| ミミミ三シ . . .u `―' l ii l (ヲ lミil三三三三彡' j ` ̄ ヾ'i. , 一, 、ー、 ヾミl ミミミf'" _,,.,,_:.:.:.:.. _j_ .:.:.:. j lミリニ三三シ´ _,. - 、 : __ l、,. .. `""´ `" ,iミl ミミミ ',ィでiンミ、:.:.、__, -,ィも=、',l:l三三三ミ .:.:.:.:ィ'"でi、.:. :,rtッ'.: j , -‐‐-'. .: ー- 、.ヾl ミミ' J. ´ ̄`゙`ラ .:. 三 f"´ ̄`' lj \三三ミ .:.:.:.:.``=゙^ .: 'iー{ ,ィ'で入 . '. ,ィ'で)'、 ‖ ミミ `二ニノ ,、 jl ',` ―''" ,l!人 ヾ三ミ u ', ゙', `゙゙゙"´ノ.:: ',`゙゙゙"´ .| ;ミ' ,ィ'" ト、 ,!rぅ ',三シ ,r __ ) !. u ' ,::: ', .:| ミ; u / `^ヽ,_ノi ,'ヽ二ノ l三'゙ U ,. `´ 'ーイ ,':::... /ゝ =、_,,r`、.u ::l ミ' / _,,...,_,,..,、l u ./ヾミ. ',三 ,' ,:'´ / _,,__,、/:: : :::.. ,' : : i .::l N / ,ィiTTTTTト, ,} ,/ l三 `'" / / /_,∠二,ーアノ/: u: .::: : _,ィェェェュ、 :l ::i ;ヽ U { ,/⌒'ー'‐'‐'‐',リ l / ,l^`' .:.:.:.:l ,' ,. h、:.:゙':.:.lf´,'/ ', : : .::: i 〈-‐‐rー, i l .:/ 、 ヽ l {,ゝ、‐r‐'ン-i/ ,/ ,イ/7 .:' ,::' .:.:.:.:; :; :, ヾゞzェソ ;/ヽヽ: : ::: l ヽzェェェュリ :! / ヽヽ丶 丶 ヾ<Zェェェシ' ノ ,i'∧', ,' ,. - 、 丶 、_`'一' /,、.|: :ヽ: ::.. ヽ ヽニ二ノ / ヽヽ 丶、 ` ` ‐ -- ‐'"/ノ:::::ヽヽ、 .::.::.::.::丶、 ゙゙゙゙ /l |ノ: : : ヽ: :. /
593 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/18(土) 22:42:53
命題
可換とは限らない環 A の部分集合の集合 Φ が以下の条件を満たすとき
Φ が 0 の近傍全体と一致するような A の位相が
唯一つ存在し、その位相により A は位相環(
>>189 )となる。
1) Φ は A のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V
3) V ∈ Φ なら -V ∈ Φ
4) 任意の a ∈ A と任意の V ∈ Φ に対して W ∈ Φ があり
aW ⊂ V, Wa ⊂ V,
5) 任意の V ∈ Φ に対して W ∈ Φ があり WW ⊂ V
証明
>>590 と
>>591 より明らかである。
594 :
132人目の素数さん :2007/08/18(土) 23:59:46
(
>>593 の続き)
大学時代、サークルのやつらでドライブしてるときに
いちばんカワイイ子に
「オナニーしてんの?」て唐突にきいたら
「えっ?えっ?」て感じで戸惑ってたから
「あー、オナニーしてんだw」て畳みかけたら
顔真っ赤にして、コクリと肯いたのには激しく勃起しました。
そのときは夜中の妙なハイテンションになってて
いま思えば俺も変態まるだしだったのだが
「こんな勃起しちゃったよ〜」てチンコ出して握らせた。
そしたらその子も勃起してて、しかも俺よりデカくてビックリ。顔かわいいのに・・・
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
621 :
132人目の素数さん :2007/08/19(日) 07:11:51
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおはよう!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
622 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 08:17:54
命題
A を位相環(
>>189 )とし、E を左 A-加群とする。
E が左 A-位相加群(
>>372 )であるためには以下の4条件が成り立つこと
必要十分である。
1) E は加法に関して位相群である。
2) 任意の x ∈ E に対して写像 λ → λx は λ = 0 で連続である。
3) 任意の λ ∈ A に対して写像 x → λx は x = 0 で連続である。
4) A×E から E への写像 (λ, x) → λx は (0, 0) で連続である。
証明
上記の条件が必要なことは明らかである。
上記の条件が成り立つとする。
A×E から E への写像 (λ, x) → λx が連続であることを示せばよい。
α と c をそれぞれ A と E の任意の元とする。
2), 3), 4) から A と E のそれぞれの 0 の近傍 T と W が存在し、
Tc ⊂ V, αW ⊂ V, TW ⊂ V
となる。
λ - α ∈ T, x - c ∈ W なら
λx - αc = (λ - α)(x - c) + (λ - α)c + α(x - c)
∈ TW + Tc + αW ⊂ V + V + V
証明終
623 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 08:36:56
命題
A を位相環(
>>189 )とし、E を左 A-加群とする。
E の部分集合の集合 Φ が以下の条件を満たすとき
Φ が 0 の近傍全体と一致するような E の位相が
唯一つ存在し、その位相により E は A-位相加群(
>>372 )となる。
1) Φ は E のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V
3) V ∈ Φ なら -V ∈ Φ
4) 任意の x ∈ E と任意の V ∈ Φ に対して A における 0 の近傍 S
が存在して Sx ⊂ V
5) 任意の λ ∈ A と任意の V ∈ Φ に対して W ∈ Φ があり
λW ⊂ V
6) 任意の V ∈ Φ に対して、U ∈ Φ と A における 0 の近傍 T が
存在して TU ⊂ V
証明
>>590 と
>>622 より明らかである。
624 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 08:47:35
訂正
>>589 >2) より x ∈ W なら e = xx^(-1) ∈ V である。
2) より V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり WW ⊂ V
3) より W^(-1) ∈ Φ だから U = W ∩ W^(-1) ∈ Φ
U ⊂ W だから UU ⊂ WW ⊂ V
U = U^(-1) だから UU^(-1) ⊂ V
よって x ∈ U なら e = xx^(-1) ∈ V である。
625 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 08:52:26
>>588 2) と 3) は 1) を仮定すると次の条件と同値である。
V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり WW^(-1) ⊂ V
証明は読者にまかす。
626 :
132人目の素数さん :2007/08/19(日) 09:05:47
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−┃ ┃麻呂用しおり | 三シ ヾミ 彡シ ヾ三 | ピキーン!! ┃ ┃ | 三| -丶、.,_ノ 'i'´(_,,/`_,. i三 | ┃ ┃_________ト、ニ| <でiンヽ ;'i"∠でiン |三|._∧,、_________○┃ ┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄',.iヽ!i ヾ`= ‐' / 、 `ー´ i|シ,イ ̄'`'` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ┃ ┃ i,ヽリi ,': :、 i|f ノ Kummerーーー−! ┃ ┃−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
627 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 09:38:47
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
任意の x ∈ E に対して写像 λ → λx は λ = 0 で連続であるから
任意の V ∈ Φ に対して A における 0 の近傍 S が存在して
Sx ⊂ V となる。
即ちある実数 a > 0 があり |λ| ≦ a なら λx ∈ V となる
よって |μ| ≧ 1/a なら x ∈ μV となる。
628 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 09:47:40
定義
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
E の部分集合 A, B に対して、ある実数 a > 0 があり
|λ| ≧ a なら B ⊂ λA となるとき A は B を吸収すると言う。
A が E の任意の点を吸収するとき、A は吸収的と言う。
629 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 09:58:16
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
E における 0 の任意の近傍は吸収的(
>>628 )である。
証明
>>627 より明らかである。
630 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 10:02:42
定義
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
M を E の部分集合とする。
|λ| ≦ 1 なら λM ⊂ M となるとき M を平衡的と言う。
631 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 10:34:05
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
M を E の部分集合で 0 ∈ M とする。
N = ∩μM とおく。ここで μ は |μ| ≧ 1 となる全ての μ ∈ K を
動く。
N は M に含まれる最大の平衡的集合である。
証明
x ∈ N とする。
K の元 λ ≠ 0 で |λ| ≦ 1 となるものをとる。
|1/λ| ≧ 1 だから |μ| ≧ 1 なら |μ/λ| ≧ 1 である。
よって x ∈ (μ/λ)M である。
よって λx ∈ μM である。
よって λx ∈ N である。
0 ∈ N だから N は平衡的である。
L を M に含まれる平衡的集合とする。
x ∈ L とする。
K の元 μ で |μ| ≧ 1 となるものをとる。
|1/μ| ≦ 1 だから (1/μ)x ∈ L ⊂ M
よって x ∈ μM である。
よって x ∈ N である。
即ち L ⊂ N である。
従って N は M に含まれる最大の平衡的集合である。
証明終
632 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 10:41:27
定義
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
M を E の部分集合とする。
M に含まれる最大の平衡的(
>>630 )集合を M の平衡核と言う。
633 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 10:42:14
M の平衡核(
>>632 )が空でないなら 0 ∈ M である。
逆に 0 ∈ M なら
>>631 より M の平衡核 N は存在し、
0 ∈ N だから空でない。
634 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 11:15:11
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
E における 0 の任意の近傍の平衡核は 0 の近傍である。
証明
V を E における 0 の任意の近傍とする。
K×E から E への写像 (λ, x) → λx は連続であるから、
実数 a > 0 と 0 の近傍 W が存在し、|λ| ≦ a なら λW ⊂ V
となる。
K の絶対値は自明でないから 0 < |μ| ≦ a となる μ ∈ K がある。
μ ≠ 0 だから μW は 0 の近傍である。
|λ| ≦ 1 なら |λμ| ≦ a だから λ(μW) ⊂ V である。
よって μW は V の平衡核に含まれる。
証明終
635 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 11:35:53
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
E の 0 の近傍全体を Φ とすると、Φ は以下の条件を満たす。
1) Φ は E のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V
3) 任意の V ∈ Φ と任意の K の元 λ ≠ 0 に対して λV ∈ Φ
4) 任意の V ∈ Φ は吸収的(
>>628 )である。
5) 任意の V ∈ Φ に対して平衡的(
>>630 )な W ∈ Φ があり、
W ⊂ V となる。
証明
1), 2), 3) は位相ベクトル空間の定義(
>>583 )から明らかである。
4) は
>>629 で証明されている。
5) は
>>634 で証明されている。
証明終
636 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12:21:50
命題
K を可換とは限らない体とし、| | を K の自明でない絶対値とする。
E を K 上の左加群とする。
E の部分集合の集合 Φ が以下の条件を満たすとき
Φ が 0 の近傍全体と一致するような E の位相が
唯一つ存在し、その位相により E は K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )
となる。
1) Φ は E のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V
3) 任意の V ∈ Φ と任意の K の元 λ ≠ 0 に対して λV ∈ Φ
4) 任意の V ∈ Φ は吸収的(
>>628 )である。
5) 任意の V ∈ Φ に対して平衡的(
>>630 )な W ∈ Φ があり、
W ⊂ V となる。
証明
>>623 より、以下の a), b), c), d) を示せばよい。
a) V ∈ Φ なら -V ∈ Φ
b) 任意の x ∈ E と任意の V ∈ Φ に対して a > 0 が存在して
|λ| ≦ a なら λx ∈ V
c) 任意の λ ∈ K と任意の V ∈ Φ に対して W ∈ Φ があり λW ⊂ V
d) 任意の V ∈ Φ に対して、W ∈ Φ と a > 0 が存在して
|λ| ≦ a なら λW ⊂ V
(続く)
637 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12:22:21
a) は 3) より明らかである。 b) の証明: 4) より、任意の V ∈ Φ は吸収的だから任意の x ∈ E に対して b > 0 が存在して |μ| ≧ b なら x ∈ μV よって a = 1/b とおけば 0 < |λ| ≦ a なら λx ∈ V λ = 0 のときも λx ∈ V である。 c) の証明: 3) より、任意の K の元 λ ≠ 0 と任意の V ∈ Φ に対して (1/λ)V ∈ Φ である。 W = (1/λ)V とおけば W ∈ Φ であり、λW ⊂ V である。 λ = 0 のときは W = V とすればよい。 d) の証明: 5) より、任意の V ∈ Φ に対して平衡的な W ∈ Φ があり、 W ⊂ V となる。 |λ| ≦ 1 なら λW ⊂ W ⊂ V 証明終
638 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12:25:26
>>628 >E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
E は K-加群でありさえすればよい。
639 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12:26:10
>>630 >E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
E は K-加群でありさえすればよい。
640 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 12:42:53
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
E の閉集合の平衡核(
>>632 )は閉集合である。
証明
M を E の閉集合とし、その平衡核を N とする。
0 ∈ M でないなら N は空集合だから閉集合でもある。
よって 0 ∈ M と仮定する。
>>631 より N = ∩μM である。
ここで μ は |μ| ≧ 1 となる全ての μ ∈ K を動く。
μM は閉集合だから N は閉集合である。
証明終
641 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/19(日) 13:08:51
命題
K を実数体、複素数体または4元数体(
>>507 )とし、
E を K 上の左加群とする。
E の部分集合の集合 Φ が以下の条件を満たすとき
Φ が 0 の近傍全体と一致するような E の位相が
唯一つ存在し、その位相により E は K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )となる。
1) Φ は E のフィルター(
>>75 )である。
2) V ∈ Φ なら W ∈ Φ があり W + W ⊂ V
3) 任意の V ∈ Φ は吸収的(
>>628 )である。
4) 任意の V ∈ Φ に対して平衡的(
>>630 )な W ∈ Φ があり、
W ⊂ V となる。
証明
>>636 の
3) 任意の V ∈ Φ と任意の K の元 λ ≠ 0 に対して λV ∈ Φ
を示せばよい。
2) より 2W ⊂ V である。
帰納法により 任意の整数 n > 0 に対して
(2^n)W_n ⊂ V となる W_n ∈ Φ がある。
任意の K の元 λ ≠ 0 に対して |1/λ| ≦ 2^n となる n がある。
|(1/2^n)(1/λ)| ≦ 1 である。
4) より、平衡的な W ∈ Φ があり、W ⊂ W_n となる。
((1/2^n)(1/λ))W ⊂ W_n だから (1/λ)W ⊂ (2^n)W_n ⊂ V
よって W ⊂ λV
よって λV ∈ Φ
証明終
642 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 00:58:46
定義
A を位相環(
>>189 )とし、E を左 A-位相加群(
>>372 )とする。
M_1, . . . , M_n を E の A-部分加群で、E はこれ等の直和とする。
積群 ΠM_i から E への標準写像 (x_i) → Σx_i が位相同型のとき
E は (M_i) の位相直和であると言う。
643 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 01:32:59
命題 X を位相空間、E を位相アーベル群とする。 f と g を X から E への連続写像とする。 X から E への写像 h を h(x) = f(x) + g(x) で定義すると、 h は連続である。 証明 ψ: X → E×E を ψ(x) = (f(x), g(x)) で定義する。 μ: E×E → E を μ(x, y) = x + y で定義する。 h = μψ であり、ψ と μ は連続であるから h も連続である。 証明終
644 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 01:43:39
命題
A を位相環(
>>189 )とし、E を左 A-位相加群(
>>372 )とする。
M_1, . . . , M_n を E の A-部分加群で、E はこれ等の直和とする。
p_i : E → M_i を射影とする。
E が (M_i) の位相直和(
>>642 )であるためには、各 p_i が連続である
ことが必要十分である。
証明
必要なことは明らかである。
ΠE_i から E への写像 (x_i) → Σx_i を f とする。
E_i から E への標準単射を k_i とする。
ΠE_i から E_i への射影を q_i とする。
ΠE_i の元 x = (x_i) に対して f(x) = Σk_iq_i(x) である。
k_i と q_i は連続だから k_iq_i も連続である。
従って
>>643 より f も連続である。
E から ΠE_i への写像 x → (p_i(x)) を g とする。
各 p_i が連続なら g も連続である。
f と g は互いに逆写像だから f は位相同型である。
証明終
645 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 01:55:41
命題
A を位相環(
>>189 )とし、E を左 A-位相加群(
>>372 )とする。
E は A-部分加群 M と N の直和とする。
p : E → M
q : E → N
をそれぞれ射影とする。
p または q が連続なら E は M と N の位相直和(
>>642 )である。
証明
p が連続であるとする。
i: M → E
j: N → E
を標準単射とする。
1 = ip + jq より、jq = 1 - ip である。
>>643 と同様にして jq も連続である。
従って q も連続である。
よって
>>644 より E は M と N の位相直和である。
証明終
646 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 02:20:05
命題
A を位相環(
>>189 )とし、E を左 A-位相加群(
>>372 )とする。
E は A-部分加群 M と N の直和とする。
E/M と N は A-加群として同型である。
f : E/M → N を標準同型とする。
E が M と N の位相直和(
>>642 )であるためには、
f が位相同型であることが必要十分である。
証明
j: N → E を標準単射とする。
φ: E → E/M を標準写像とする。
p = fφ とおくと、
p: E → N は射影である。
g = φj とおく。
g : N → E/M
g は連続であり、f と g は互いに逆写像である。
E が M と N の位相直和なら射影 p は連続である。
従って、f は連続である。
f の逆写像 g は連続だから f は位相同型である。
逆に f が位相同型なら p = fφ は連続である。
>>645 より E は M と N の位相直和である。
証明
647 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 02:27:33
命題
A を位相環(
>>189 )とし、E を左 A-位相加群(
>>372 )とする。
M_1, . . . , M_n を E の A-部分加群で、
E はこれ等の位相直和とする。
E が分離的なら各 M_i は E の閉部分加群である。
証明
p_i : E → M_i を射影とする。
M_i = { x ∈ E ; p_i(x) = x } である。
>>264 より M_i は閉集合である。
証明終
648 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 02:53:48
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の1次元の分離位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
任意の E の元 a ≠ 0 に対して
写像 f: K → E を f(ξ) = ξa で定義する。
f は位相同型である。
証明
f は連続である。
ε > 0 を任意の正の実数とする。
| | は自明でない絶対値だから 0 < |λ| < ε となる λ ∈ K が
存在する。
V を 0 の近傍で平衡的(
>>630 )かつ λa を含まないとする。
E は分離的だから、
>>635 よりこのような V は存在する。
ξa ∈ V とする。
|λ| ≦ |ξ| なら |λ(1/ξ)| ≦ 1 となり、λ(1/ξ)ξa = λa ∈ V
これは仮定に反する。
従って |ξ| < |λ| < ε である。
これは f の逆写像が連続であることを意味する。
証明終
649 :
132人目の素数さん :2007/08/20(月) 03:01:40
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおはよう!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
650 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 03:10:53
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
H を E の閉部分空間、L を E の1次元部分空間で
E は H と L の直和とする。
このとき E は H と L の位相直和(
>>642 )である。
証明
H ∩ L = {0} で H は閉だから L において {0} は閉集合である。
よって L は分離的である。
g: L → E/H を標準写像とする。
g は連続線形写像である。
>>648 より g は位相同型である。
>>646 より E は H と L の位相直和(
>>642 )である。
証明終
651 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 03:34:23
定理
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
K はこの絶対値による位相で完備とする。
E を K 上の n 次元の分離位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
e_1, . . . , e_n をその任意の基底とする。
写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)(e_i) は K^n から E への位相同型である。
証明
n に関する帰納法による。
n = 1 のときは
>>648 より成り立つ。
H を e_1, . . . , e_(n-1) で生成される部分空間とする。
帰納法の仮定より、
写像 (ξ_1, . . ., ξ_n) → ξ_1e_1 + . . . + ξ_(n-1)e_(n-1) は
K^(n-1) から H への位相同型である。
>>255 より H は完備である。
よって
>>253 より H は E の閉部分空間である。
L = Ke_n とする。
E は H と L の直和である。
>>650 より E は H と L の位相直和(
>>642 )である。
よって写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)(e_i) は K^n から E への
位相同型である。
証明終
652 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 03:35:45
訂正
>>651 >K はこの絶対値による位相で完備とする。
K はこの絶対値による一様位相で完備とする。
653 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 03:46:53
>>651 は普通、E を完備付値体上の有限次ノルム空間として
証明している。
しかし、
>>651 のように E をノルム空間とは限らないほうが
その証明のメカニズムがより良く分かると思う。
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
680 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 10:32:06
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
K はこの絶対値による一様位相で完備とする。
E を K 上の n 次元の分離位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
E の任意の有限次部分ベクトル空間は E の閉集合である。
証明
E の有限次部分ベクトル空間 F は
>>651 より K^n に同型である。
仮定より K は完備だから
>>255 より K^n は完備である。
従って F は完備である。
>>253 より F は E の閉集合である。
証明終
681 :
132人目の素数さん :2007/08/20(月) 10:34:07
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | Kummerおはよう!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
682 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 10:34:58
>>680 は以下のように訂正する。
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
K はこの絶対値による一様位相で完備とする。
E を K 上の分離位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
E の任意の有限次部分ベクトル空間は E の閉集合である。
証明
E の有限次部分ベクトル空間 F は
>>651 より K^n に同型である。
仮定より K は完備だから
>>255 より K^n は完備である。
従って F は完備である。
>>253 より F は E の閉集合である。
証明終
683 :
132人目の素数さん :2007/08/20(月) 10:46:28
〇∧〃 でもそんなのking氏ねぇ! / > そんなのking氏ねぇ! < \ そんなのking氏ねぇ!
684 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 10:49:47
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
K はこの絶対値による位相で完備とする。
E を K 上の n 次元の分離位相ベクトル空間(
>>583 )とする。
F を K 上の位相ベクトル空間とする。
E から F への任意の線形写像は連続である。
証明
f : E → F を線形写像とする。
E の基底を e_1, . . . , e_n とする。
>>651 より
写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)(e_i) は K^n から E への位相同型である。
一方、各 ξ → ξf(e_i) は K から F への連続写像である。
よって
>>643 より、写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)f(e_i) は
K^n から F への連続写像である。
f(Σ(ξ_i)(e_i)) = Σ(ξ_i)f(e_i) であるから f は連続である。
証明終
685 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 11:02:01
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
K はこの絶対値による位相でコンパクトではない。
証明
絶対値 | | は自明でないから |λ| > 1 となる λ ∈ K がある。
従って n → ∞ のとき |λ|^n → ∞ である。
K がコンパクトなら | | は有界だから、これは矛盾である。
証明終
686 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 11:21:30
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
K 上のコンパクト位相ベクトル空間は一点 {0} のみからなる。
証明
E を K 上のコンパクト位相ベクトル空間とする。
K^ を K の完備化とする。
E は完備だから
>>376 より K^ 上の位相ベクトル空間となる。
E ≠ 0 なら E は1次元の K^-部分空間 F を含む。
>>648 より F は K^ と位相同型だから完備である。
>>253 より F は E の閉集合である。
E はコンパクトだから F もコンパクトである。
従って K^ もコンパクトになる。
これは
>>685 と矛盾する。
証明終
687 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 12:40:16
定理
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
K はこの絶対値による一様位相で完備とする。
K 上の局所コンパクト(
>>128 )な位相ベクトル空間は有限次元である。
証明
E を K 上の局所コンパクト位相ベクトル空間とする。
V を E における 0 のコンパクトな近傍とする。
絶対値 | | は自明でないから、
0 < |λ| < 1 となる λ ∈ K がある。
λV は 0 の近傍であるから V の元 x_1, . . . , x_n があり
V ⊂ ∪(x_i + λV) となる。
x_1, . . . , x_n で生成される E の部分空間を M とする。
>>682 より M は E の閉集合である。
(続く)
688 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 12:41:08
F = E/M とおく。
M は閉だから F は分離的である。
ψ: E → F を標準写像とする。
W = ψ(V) とおく。
ψ は開写像だから W は F における 0 の近傍である。
V ⊂ ∪(x_i + λV) だから W ⊂ λW である。
n に関する帰納法により任意の整数 n > 0 に対して
W ⊂ (λ^n)W となる。
>>641 より W は吸収的である。
即ち、任意の x ∈ F に対して、ある実数 α > 0 があり
|μ| ≧ α なら x ∈ μW となる。
|1/λ| > 1 だから |1/λ^n| > α となる n がある。
よって x ∈ (1/λ^n)W ⊂ W である。
x は F の任意の元だったから F = W である。
W は V の連続写像 ψ による像だから準コンパクトである。
F は分離的だから F はコンパクトである。
>>686 より F = 0 である。
即ち E = M である。
証明終
689 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 14:07:04
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
K はこの絶対値による位相で完備とする。
E を K 上の n 次元のベクトル空間とする。
E 上の任意の二つのノルム(
>>561 )は同値(
>>570 )である。
証明
>>651 より明らかである。
690 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 14:20:55
定義
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間(
>>561 )とし、
f: E → F を K-線形写像とする。
f のノルム |f| を
|f| = sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| ≦ 1 }
で定義する。
691 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 14:44:51
命題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間(
>>561 )とし、
f: E → F を K-線形写像とする。
f のノルム(
>>690 ) |f| は以下のようにも定義できる
|f| = sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| = 1 }
証明
α = sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| = 1 } とおく。
α ≦ |f| は明らかである。
従って α = +∞ のとき |f| = +∞ である。
よって α < +∞ と仮定する。
|f| ≦ α を示せばよい。
y ∈ E, 0 < |y| ≦ 1 とする。
β = |y| とおく。
x = (1/β)y とおく。
|x| = 1 である。
|f(x)| = |f((1/β)y)| = (1/β)|f(y)| ≦ α
よって
|f(y)| ≦ αβ ≦ α
|f(y)| ≦ α は x = 0 のときも成り立つ。
よって |f| ≦ α である。
証明終
692 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 15:30:21
命題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間(
>>561 )とし、
f: E → F を K-線形写像とする。
f のノルム(
>>690 ) |f| が有限のとき、
|f| = min{ α ∈ R ; 任意の x ∈ X で |f(x)| ≦ α|x| }
証明
x ∈ X で x ≠ 0 なら β = 1/|x| とおくと、
|βx| = 1
よって
|f(βx)| = β|f(x)| ≦ |f|
よって
|f(x)| ≦ (1/β)|f| = |f||x|
よって
|f(x)| ≦ |f||x|
この不等式は x = 0 のときも成り立つ。
逆に、任意の x ∈ X で |f(x)| ≦ α|x| とする。
|x| = 1 なら |f(x)| ≦ α である。
よって
>>691 より |f| ≦ α
証明終
693 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 15:42:59
命題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間(
>>561 )とし、
f: E → F を K-線形写像とする。
f が連続であるためには、|f| < +∞ が必要十分である。
証明
|f| < +∞ とする。
|f| = 0 なら
>>692 より f = 0 である。
よって f は連続である。
|f| ≠ 0 なら
>>692 より、任意の x ∈ X で |f(x)| ≦ |f||x|
よって
>>581 より f は連続である。
逆に f が連続なら
>>581 より、a > 0 があり、
任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ a|x| となる。
|x| = 1 なら |f(x)| ≦ a だから
>>691 より |f| ≦ a < +∞ である。
証明終
694 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 19:12:24
定義
K を可換体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
A を単位元をもつ結合的な K-代数とする。
A がノルム空間(
>>561 )で以下の条件を満たすとき
A を K 上のノルム環と言う。
1) 任意の A の2元 x, y に対して |xy| ≦ |x||y|
2) A の単位元 e に対して |e| = 1
695 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 19:26:35
K を可換体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
A を K 上のノルム環とする。
A の単位元を e とする。
|e| = 1 だから e ≠ 0 である。
従って λ → λe は K から Ke への体としての同型である。
λ ∈ K のとき |λe| = |λ| だから K と Ke は位相体として
同型である。
よって K と Ke を同一視出来る。
このとき e = 1 と書ける。
696 :
132人目の素数さん :2007/08/20(月) 21:27:30
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おやすみ Kummer !! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
697 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 22:14:22
定義
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上のノルム空間とし、
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする E の元の族とする。
(|x_i|), i ∈ I が実数体 R において総和可能(
>>147 )のとき、
(x_i), i ∈ I は E において絶対総和可能であると言う。
698 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 22:55:00
命題
R+ を非負実数全体の集合とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする R+ の元の族とする。
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
J が空集合のときは S(J) = 0 とする。
族 (x_i) は総和可能(
>>147 )であるためには
集合 { S(J) ; J ∈ Φ(I) } が有界であることが必要十分である。
このとき Σx_i = sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } である。
証明
十分なことは
>>52 で証明されている。
>>52 は I を高々可算な集合としているが、その仮定がなくても
>>52 が成り立つことは
>>52 の証明から明らかである。
>>52 より、このとき Σx_i = sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } である。
必要なこと:
族 (x_i) が総和可能(
>>147 )とし、S をその和とする。
任意の ε> 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
J_0 ⊂ J となる任意の J ∈ Φ(I) に対して
|S - S(J)| < ε となる。
よって S(J) < S + ε である。
任意の H ∈ Φ(I) に対して J = H ∪ J_0 とおくと、
S(H) ≦ S(J), J_0 ⊂ J だから
S(H) ≦ S(J) < S + ε である。
よって、集合 { S(J) ; J ∈ Φ(I) } は有界である。
証明終
699 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 23:27:10
700 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 23:27:40
命題
R+ を非負実数全体の集合とする。
(x_i), (y_i), i ∈ I を I を添字集合とする R+ の元の二つの族と
する。
各 i に対して x_i ≦ y_i とする。
(y_i) が総和可能(
>>147 )なら (x_i) も総和可能で
Σx_i ≦ Σy_i である。
x_k < y_k となる k ∈ I があれば Σx_i < Σy_i である。
証明
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i とおく。
ここで右辺の和の i は J の元全体を動く。
同様に J ∈ Φ(I) に対して T(J) = Σy_i とおく。
任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ≦ T(J) である。
>>698 より T = sup{ T(J) ; J ∈ Φ(I) } < ∞
任意の J ∈ Φ(I) に対して S(J) ≦ T(J) ≦ T である。
よって S = sup{ S(J) ; J ∈ Φ(I) } ≦ T である。
>>698 より T = Σy_i, S = Σx_i だから Σx_i ≦ Σy_i である。
x_k < y_k となる k ∈ I があるとする。
Σx_i = x_k + Σ'x_i である。
ここで Σ'x_i は I' = I - {k} に関する和である。
同様に Σy_i = y_k + Σ'y_i である。
x_k < y_k, Σ'x_i ≦ Σ'y_i だから
x_k + Σ'x_i < y_k + Σ'y_i である。
証明終
701 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/20(月) 23:34:50
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を 左 K-加群とし、p と q を E の同値(
>>570 )な
ノルム(
>>561 )とする。
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする E の元の族とする。
(x_i), i ∈ I がノルム p に関して絶対総和可能なことと
ノルム q に関して絶対総和可能なことは同値である。
証明
>>573 より、
実数 a > 0, b > 0 が存在して任意の x ∈ E に対して
ap(x) ≦ q(x) ≦ bp(x)
よって、各 i に対して ap(x_i) ≦ q(x_i) ≦ bp(x_i)
よって、
>>700 より本命題の主張が得られる。
証明終
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
91
90
89
90
89
88
734 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 07:46:31
訂正
>>691 >|f(y)| ≦ α は x = 0 のときも成り立つ。
|f(y)| ≦ α は y = 0 のときも成り立つ。
735 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 08:08:59
命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の完備ノルム空間とし、
(x_i), i ∈ I を I を添字集合とする E の元の族とする。
(x_i) が絶対総和可能(
>>697 )なら総和可能(
>>147 )でもある。
証明
I の有限部分集合全体の集合を Φ(I) とする。
J ∈ Φ(I) に対して S(J) = Σx_i, T(J) = Σ|x_i| とおく。
|S(J)| ≦ T(J) である。
>>152 より 任意の ε > 0 に対して J_0 ∈ Φ(I) があり、
K ∈ Φ(I) で J_0 ∩ K が空集合なら T(K) < ε となる。
|S(K)| ≦ T(K) だから S(K) は Cauchy の判定条件(
>>153 )を満たす。
E は完備だから
>>158 より (x_i) は総和可能である。
証明終
736 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 08:17:33
定義
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上のノルム空間とし、
(x_n), n ∈ Z+ を E の点列とする。
級数 Σ|x_n| が実数体 R において収束するとき
級数 Σx_n は絶対収束すると言う。
737 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 08:24:55
定義
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
E を K 上の完備ノルム空間とし、
(x_n), n ∈ Z+ を E の点列とする。
級数 Σx_n が絶対収束(
>>736 )するなら級数 Σx_n は
可換収束(
>>186 )する。
証明
Σx_n が絶対収束するから (x_n) は絶対総和可能(
>>697 )である。
>>735 より (x_n) は総和可能(
>>147 )でもある。
>>187 より 級数 Σx_n は可換収束する。
証明終
738 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 08:33:42
>>66 より C^n では
(x_i) が総和可能であることと、絶対総和可能であることは
同値である。
しかし、一般の完備ノルム空間では
>>735 の逆は必ずしも
成り立たない。
739 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 09:19:39
一般の完備ノルム空間では
>>735 の逆は必ずしも
成り立たない例を挙げる(Bourbaki)。
有界実数列全体を B(Z+) とする。
α = (x_n) ∈ B(Z+) のとき |α| = sup |x_n| とする。
容易にわかるように B(Z+) は | | で完備なノルム空間になる。
B(Z+) の点列 (α_n) を以下のように定める。
α_n = (x_(n, m)), m ∈ Z+ とする。
n ≠ m のとき x_(n, m) = 0
n > 0 のとき x_(n, n) = 1/n
x_(0, 0) = 0
点列 (α_n) は2次元平面の格子点 (n, m) を考えると分かりやすい。
点列 (α_n) は総和可能でその和は Σα_n = β である。
ここで β = (y_n) ∈ B(Z+) で、
n > 0 のとき y_n = 1/n, n = 0 のとき y_0 = 0 である。
一方、n > 0 のとき |α_n| = 1/n だから (|α_n|) は総和可能でない。
740 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 09:55:29
命題
A を完備なノルム環(
>>694 )とする。
x ∈ A で |x| < 1 なら 1 - x は A の可逆元であり
1/(1 - x) = Σx^n である。
ここで Σx^n は絶対収束(
>>736 )する。
証明
|x^n| ≦ |x|^n であり Σ|x|^n は収束するから
>>700 より Σ|x^n| も収束する。
よって
>>735 より (x^n) は総和可能である。
従って、級数 Σx^n は収束する。
(1 - x)(1 + x + . . . + x^n) = 1 - x^(n+1)
この等式の両辺の n → ∞ の極限をとれば
(1 - x)(Σx^n) = 1
同様に
(Σx^n)(1 - x) = 1
よって (1 - x) は可逆で、1/(1 - x) = Σx^n である。
証明終
741 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 11:11:38
命題
A を完備なノルム環(
>>694 )とする。
A の可逆元全体 G は A の開集合である。
証明
V = { x ∈ A ; |1 - x| < 1 } とおく。
>>740 より V ⊂ G である。
V は A の開集合である。
a ∈ G のとき x → ax は A の位相同型である。
従って aV は A の開集合である。
aV ⊂ G で a ∈ V だから G は A の開集合である。
証明終
742 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 11:58:31
命題
A を完備なノルム環(
>>694 )とする。
A の可逆元全体 G は A の部分空間としての位相で位相群になる。
証明
(x, y) → xy が G×G で連続なことは明らかである。
よって x → 1/x が G で連続なことを示せばよい。
a を G の任意の元とする。
x ∈ G に対して 1 - u = (1/a)x とおく。
即ち u = 1 - (1/a)x = (1/a)(a - x) とおく。
|u| ≦ |1/a||x - a| だから
|x - a| < |a| なら |u| < 1 である。
よって
>>740 より Σu^n は収束する。
1/(1 - u) = (1/x)a だから
1/x = (1/(1 - u))(1/a) = (1 + u + u^2 + . . .)(1/a)
= 1/a + (u + u^2 + . . . )(1/a)
よって
|1/x - 1/a| ≦ |1 + u + u^2 + . . . ||u||1/a|
≦ |1 + u + u^2 + . . . |(|1/a|^2)|x - a|
|1 + u + u^2 + . . . | ≦ Σ|u|^n = 1/(1 - |u|)
よって |x - a| → 0 のとき |1 + u + u^2 + . . . | は有界である。
よって x → 1/x は a で連続である。
証明終
743 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 22:17:59
補題
A を完備なノルム環(
>>694 )とする。
>>742 より A の可逆元全体 G は A の部分空間としての位相で
位相群になる。
G の左一様構造に関する Cauchy フィルター Φ は
A の加法一様構造に関しても Cauchy フィルターの基底である。
証明
任意の ε に対して M ∈ Φ があり任意の x ∈ M, y ∈ M に対して
|(1/x)y - 1| < ε となる。このとき、|y - x| < ε|x| となる。
M の元 a を選び ε' = ε/((1 + ε)|a|) とおく。
N ∈ Φ で N ⊂ M となり、任意の x ∈ N, y ∈ N に対して
|(1/x)y - 1| < ε' となるものがある。
|y - x| < ε'|x| となる。
|x - a| < ε|a| だから
|x| ≦ |x - a| + |a| ≦ ε|a| + |a| = (1 + ε)|a|
よって |y - x| < ε'|x| ≦ ε'(1 + ε)|a| = ε
即ち、Φ は A の加法一様構造に関して Cauchy フィルター
の基底である。
証明終
744 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 22:40:30
命題
A を完備なノルム環(
>>694 )とする。
>>742 より A の可逆元全体 G は A の部分空間としての位相で
位相群になる。
G はその左一様構造(
>>200 )および右一様構造(
>>200 )に関して
完備である。
証明
>>743 より G の左一様構造に関する Cauchy フィルター Φ は
A の加法一様構造に関して Cauchy フィルターの基底である。
A は完備なので b ∈ A があり、Φ は b に収束する。
任意の 0 < ε < 1 に対して M ∈ Φ があり
任意のx ∈ M, y ∈ M に対して |(1/x)y - 1| < ε となる。
このとき |y - x| < ε|x| である。
任意の ε' に対して N ∈ Φ で N ⊂ M となるものがあり、
任意の z ∈ N に対して |z - b| < ε' となる。
|b - x| ≦ |b - z| + |z - x| ≦ ε' + ε|x|
ε' → 0 とすると |b - x| ≦ ε|x|
よって |(1/x)b - 1| < ε となる。
ε < 1 だから
>>740 より (1/x)b ∈ G である。
従って b ∈ G である。
即ち G の左一様構造に関して Φ は b に収束する。
G の右一様構造(
>>200 )に関しても同様である。
証明終
745 :
132人目の素数さん :2007/08/21(火) 22:45:59
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おやすみ Kummer !! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
746 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 23:27:21
命題
A を完備なノルム環(
>>694 )とする。
x ∈ A で |x| < 1 なら 1 + x は A の可逆元であり
1/(1 + x) = Σ(-1)^n(x^n) である。
さらに、
|1/(1 + x) - 1 + x| ≦ |x|^2/(1 - |x|)
証明
1/(1 + x) = Σ(-1)^n(x^n) は
>>740 において x を -x に
置きかえればよい。
|1/(1 + x) - 1 + x| ≦ |x|^2 + |x|^3 + . . . = |x|^2/(1 - |x|)
証明終
747 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 23:44:27
命題
A を完備なノルム環(
>>694 )とする。
x を A の可逆元とする。h ∈ A で |h| < |x| とする。
|x| = α, |h| = β とおく。
x + h は可逆であり、
|1/(x + h) - 1/x + (1/x)h(1/x)| ≦ β^2/(α^2(α - β))
証明
|h/x| < 1 だから
>>746 より 1 + (1/x)h は可逆である。
x + h = x(1 + (1/x)h) だから x + h も可逆である。
1/(x + h) = (1/(1 + (1/x)h))(1/x)
よって
1/(x + h) - 1/x + (1/x)h(1/x) = (1/(1 + (1/x)h) - 1 + (1/x)h)(1/x)
>>746 より
|(1/(1 + (1/x)h) - 1 + (1/x)h)(1/x)| ≦ (β^2/α^2)/α(1 - β/α)
= β^2/(α^2(α - β))
証明終
748 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 23:53:39
定義
複素数体 C 上の完備なノルム環(
>>694 ) A を Banach 代数と言う。
x ∈ A に対して x - λ が可逆とならない λ 全体の集合を
x のスペクトルと言い、σ(x) と書く。
749 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/21(火) 23:57:30
Rudin の Real and complex analysis に従って Banach 体 に関する Gelfand-Mazur の定理を証明する。
750 :
132人目の素数さん :2007/08/21(火) 23:58:19
くやしいのうwwww くやしいのうwwww くやしいのうwwww くやしいのうwwww くやしいのうwwww くやしいのうwwwwくやしいのうwwwwくやしいのうwwwwくやしいのうwwwwくやしいのうwwwwくやしいのうwwwwくやしいのうwwwwくやしいのうwwwwくやしいのうwwwwくやしいのうwwwwくやしいのうwwww
751 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 00:12:36
命題
A を Banach 代数(
>>748 )とする。
任意の x ∈ A に対して σ(x) はコンパクトである。
さらに λ ∈ σ(x) なら |λ| ≦ |x| である。
証明
G を A の可逆全体とする。
|λ| > |x| なら
>>740 より 1 - (1/λ)x ∈ G である。
x - λ = -λ(1 - (1/λ)x) だから x - λ ∈ G である。
よって λ ∈ σ(x) なら |λ| ≦ |x| である。
即ち、σ(x) は有界集合である。
f(λ) = x - λ により、写像 C → A を定義する。
f は連続であり、σ(x) = f^(-1)(A - G) である。
>>741 より G は A の開集合である。
よって σ(x) は閉集合である。
σ(x) は有界だからコンパクトである。
証明終
752 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 00:51:43
命題
A を Banach 代数(
>>748 )とする。
ψ : A → C を連続線形写像とする。
x ∈ A を任意にとり固定する。
f(λ) = ψ(1/(x - λ)) は A - σ(x) で定義される。
f(λ) は正則関数である。
さらに λ → ∞ のとき f(λ) → 0 である。
証明
>>747 において x を x - λ に置き換え、h を λ - μ に
置き換えると
|1/(x - μ) - 1/(x - λ) + (λ - μ)/(x - λ)^2)| ≦ C|μ - λ|^2
ここで C は x と λ のみで決まる定数である。
μ は λ に十分小さい複素数である。
μ → λ のとき
(1/(x - μ) - 1/(x - λ))/(μ - λ) → 1/(x - λ)^2
よって、μ → λ のとき
ψ((1/(x - μ) - 1/(x - λ))/(μ - λ)) → ψ(1/(x - λ)^2)
即ち、μ → λ のとき
(f(μ) - f(λ))/(μ - λ) → ψ(1/(x - λ)^2)
従って f(λ) は A - σ(x) で正則である。
λf(λ) = ψ(λ/(x - λ)) = ψ(1/(x/λ - 1))
>>742 より、G において x → 1/x は連続だから
λ → ∞ のとき λf(λ) → ψ(-1) である。
よって、λ → ∞ のとき f(λ) → 0 である。
証明終
753 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 01:01:49
次の Hahn-Banach の定理の証明は後で述べる。
754 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 01:03:48
定理(Hahn-Banach)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間(
>>561 )とし、F をその部分空間とする。
f : F → K を連続線形写像とする。
連続線形写像 g: E → K で、f の拡張であり、|f| = |g| となる
ものが存在する。
ここで、|f|, |g| はそれぞれ f, g のノルム(
>>690 )である。
755 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 01:21:19
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間(
>>561 )とする。
E の任意の元 x ≠ 0 に対して
連続線形写像 f: E → K で、f(x) ≠ 0 となるものが存在する。
証明
x で生成される E の1次元部分空間を F とする。
線形写像 h: F → K で h(x) = 1 となるものが一意に存在する。
λ ∈ K のとき、
|h(λx)| = |λh(x)| = |λ|
よって、|λx| ≦ 1 のとき、即ち、|λ| ≦ 1/|x| のとき
|h(λx)| ≦ 1/|x| である。
よって、|h| ≦ 1/|x| である。
よって、
>>693 より h は連続である。
>>754 より h は連続線形写像 f: E → K に拡張される。
f が求めるものである。
証明終
756 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 01:32:38
訂正
>>752 >f(λ) = ψ(1/(x - λ)) は A - σ(x) で定義される。
f(λ) = ψ(1/(x - λ)) は C - σ(x) で定義される。
757 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 01:38:33
命題
A を Banach 代数(
>>748 )とする。
任意の x ∈ A に対して σ(x) は空ではない。
証明
σ(x) が空であるとする。
任意の λ ∈ C に対して x - λ は可逆である。
特に、例えば λ = 0 として x は可逆である。
従って、
>>755 より、連続線形写像 ψ : A → C で
ψ(1/x) ≠ 0 となるものが存在する。
>>752 より f(λ) = ψ(1/(x - λ) は全複素平面で正則で、
λ → ∞ のとき f(λ) → 0 である。
よって f(λ) は有界である。
複素関数論の Liouville の定理より f(λ) は定数 0 である。
しかし、ψ(1/x) ≠ 0 だから f(0) ≠ 0 である。
これは矛盾である。
証明終
758 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 01:59:23
定理(Gelfand-Mazur)
A を Banach 代数(
>>748 )で必ずしも可換とは限らない体とする。
このとき A は複素数体 C と Banach 代数として標準的に同型である。
証明
x ∈ A と複素数 λ ≠ μ に対して x - λ ≠ x - μ だから
少なくとも x - λ と x - μ のどちらか一方は 0 でない。
よって、どちらか一方は可逆である。
よって、σ(x) は相異なる2点を含まない。
>>257 より σ(x) は空でないから1点のみからなる。
その点を λ(x) とする。
x - λ(x) は可逆でないから x - λ(x) = 0 である。
よって x = λ(x) である。
よって φ : C → A を標準写像、即ち φ(λ) = λ1 とすると、
φ(C) = A である。
>>695 より φ は位相体としての同型である。
|λ1| = |λ| だから φ は Banach 代数として同型である。
証明終
98
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95
94
93
765 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 08:52:23
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはよう Kummer ---!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
766 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 09:12:35
/\ / \ / \ / 熱湯注意. \ / \ / 〇∧〃 \ \ | ∬ / >∬| / \ |〜〜<\〜.| / \└――――‐┘/ \日本テレビ / \ / ゙゙̄`∩ \/ノ ヽ, ヽ | |● ● i'゙ ゙゙゙̄`''、 | | (_●_) ミノ ヽ ヾつ | | ヽノ ノ● ● i | {ヽ,__ )´(_●_) `,ミ | | ヽ / ヽノ ,ノ
767 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 10:36:21
補題 E を実数体 R 上のノルム空間とし、f : E → R を連続線形写像とする。 このとき任意の x ∈ E, y ∈ E に対して、次の不等式が成り立つ。 f(x) - |f||x - a| ≦ f(y) + |f||y - a| 証明 f(x) - f(y) = f(x - y) ≦ |f||x - y| ≦ |f|(|x - a| + |y - a)| よって f(x) - |f||x - a| ≦ f(y) + |f||y - a| 証明終
768 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 10:42:36
補題
E を実数体 R 上のノルム空間とし、F をその部分空間とする。
f : F → R を連続線形写像とする。
a ∈ E - F に対して L = F + Ra とおく。
連続線形写像 g: L → R で、f の拡張であり、|f| = |g| となる
ものが存在する。
ここで、|f|, |g| はそれぞれ f, g のノルム(
>>690 )である。
証明
>>767 より、任意の x ∈ E, y ∈ E に対して、
f(x) - |f||x - a| ≦ f(y) + |f||y - a|
よって、α = sup{f(x) - |f||x - a|} とおくと
f(x) - |f||x - a| ≦ α ≦ f(x) + |f||x - a|
即ち、|f(x) - α| ≦ |f||x - a|
両辺に |-λ| を掛けると
|f(-λx) + λα| ≦ |f||-λx + λa|
λ ≠ 0 のとき y を F の任意の元とし、x = -(1/λ)y とおくと
|f(y) + λα| ≦ |f||y + λa|
λ = 0 のときもこの不等式は |f(y)| ≦ |f||y| になり成り立つ。
よって g(y + λa) = f(y) + λα と定義すると
g: L → R は線形写像で |g| ≦ |f| である。
g は f の拡張であるから |f| ≦ |g| である。
よって |g| = |f| である。
|g| は有限であるから
>>693 より、g は連続である。
証明終
769 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 11:12:40
命題(Hahn-Banach)
E を 実数体 R 上のノルム空間(
>>561 )とし、F をその部分空間とする。
f : F → R を連続線形写像とする。
連続線形写像 g: E → R で、f の拡張であり、|f| = |g| となる
ものが存在する。
ここで、|f|, |g| はそれぞれ f, g のノルム(
>>690 )である。
証明
F を含む E の部分空間 M と 線形写像 h: M → R で
f の拡大であり |h| = |f| となるものの対 (M, h) 全体を Ψ とする。
(M, h) ≦ (M', h') を M ⊂ M', h' は h の拡張と定義する。
これは明らかに Ψ の順序関係である。
Ψ_0 を Ψ の全順序部分集合とする。
(M, h) ∈ Ψ_0 となる M 全部の和集合を M~ とすると、
M~ は E の部分空間である。
x ∈ M~ のとき (M, h) ∈ Ψ_0 があり、x ∈ M だから
H(x) = h(x) により写像 H : M~ → R を定義する。
Ψ_0 は (M, h) ≦ (M', h') により全順序集合になっているから
H(x) は x ∈ M となる (M, h) ∈ Ψ_0 の選び方によらない。
H(x) は明らかに線形写像である。
x ∈ M~ で |x| ≦ 1 のとき (M, h) ∈ Ψ_0 で x ∈ M とすると、
|H(x)| = |h(x)| ≦ |h| = |f|
よって |H| ≦ |f| である。H は F で f と一致するから
|f| ≦ |H| である。
よって |H| = |f| となり、(M~, H) ∈ Ψ_0 である。
以上から Zorn の補題により Ψ には極大元 (M_0, h_0) が存在する。
E ≠ M_0 とすると、
>>768 より (M_0, h_0) は極大元でなくなる。
よって E = M_0 であり、g = h_0 が求めるものである。
証明終
770 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 11:33:29
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● |_ | ( _●_) ⊂ ` ̄\ 俺もアホだけどコイツには負ける 彡、 |∪| ` ̄ ノ /__ ヽノ / ̄ ̄ (___) /
771 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 11:35:25
E を複素数体 C 上のノルム空間(
>>561 )とし、
f : E → C を連続線形写像とする。
Re(f(x)) = u(x) とおく。
u : E → C は E と C をそれぞれ実数体 R 上の線形空間とみたとき、
R-線形写像である。
z = a + bi を複素数としたとき Re(iz) = -b である。
よって z = Re(z) - iRe(iz)
Re(if(x)) = Re(f(ix)) = u(ix) であるから
f(x) = u(x) - iu(ix) である。
772 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 11:52:24
補題
E を複素数体 C 上のノルム空間(
>>561 )とする。
u : E → R を連続な R-線形写像とする。
f(x) = u(x) - iu(ix) により
f : E → C を定義する。
f は連続な C-線形写像であり、|f| = |u| である。
証明
x ∈ E, y ∈ E, α ∈ R のとき
f(x + y) = f(x) + f(y)
f(αx) = αf(x)
は明らかである。
f(ix) = u(ix) - iu(-x) = u(ix) + iu(x) = if(x)
よって f は C-線形写像である。
V の元 x ≠ 0 に対して λ = |f(x)|/f(x) とおくと、
|λ| = 1 であり、λf(x) = |f(x)| である。
このとき f(λx) = λf(x) = |f(x)| は実数だから
f(λx) = u(λx) である。
よって
|f(x)| = f(λx) = u(λx) ≦ |u||λx| = |u||x|
よって
|f| ≦ |u| である。
他方、|u(x)| ≦ |f(x)| だから |u| ≦ |f| である。
よって |f| = |u| である。
証明終
773 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 12:06:44
定理(Hahn-Banach)
E を複素数体 C 上のノルム空間(
>>561 )とし、F をその部分空間とする。
f : F → C を連続線形写像とする。
連続線形写像 g: E → C で、f の拡張であり、|f| = |g| となる
ものが存在する。
ここで、|f|, |g| はそれぞれ f, g のノルム(
>>690 )である。
証明
x ∈ F のとき、u(x) = Re(f(x)) とおく。
u : F → R は R-線形写像で |u(x)| ≦ |f(x)| だから
|u| ≦ |f| である。
f(x) = u(x) - iu(ix) だから
>>772 より |u| = |f| である。
>>769 より u は U : E → R に拡張される。
ここで |U| = |u| である。
g(x) = U(x) - iU(ix) により
g : E → C を定義する。
>>772 より g は連続な C-線形写像であり、|g| = |U| = |u| = |f|
である。
x ∈ F のとき g(x) = u(x) - iu(ix) = f(x) だから
g が求めるものである。
証明終
774 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 13:01:57
K を可換体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
A を K 上のノルム環とする。
K の完備化(
>>475 )を K^ とし、
A の位相アーベル群としての完備化を A^ とする。
A は位相環だから A^ も位相環である(
>>371 )。
>>577 より A^ は K^ 上のノルム空間となる。
等式延長の原理(
>>265 )より
任意の λ ∈ K^, x ∈ A^, y ∈ A^ に対して
(λx)y = x(λy) = λ(xy) となる。
不等式延長の原理(
>>473 )より
任意の x ∈ A^, y ∈ A^ に対して
|xy| ≦ |x||y| となる。
以上から A^ は K^ 上のノルム環となる。
775 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 13:10:22
>>774 の補足。
>>577 より A^ の位相は A^ のノルムから定義されたものと一致する。
776 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 13:31:14
補題
K を可換体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
A を K 上のノルム環で必ずしも可換とは限らない体とする。
A - {0} における写像 f(x) = 1/x は
任意の δ > 0 に対して、
|x| ≧ δ において一様連続である。
証明
任意の x ∈ A - {0}, y ∈ A - {0} に対して
|1/x - 1/y| = |(1/x)(y - x)(1/y)| ≦ |x - y|/(|x||y|)
である。
δ > 0 に対して、
|x| ≧ δ
|y| ≧ δ
とする。
任意の ε > 0 に対して、|x - y| < (δ^2)ε なら
|1/x - 1/y| ≦ |x - y|/(|x||y|) < ε
従って写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
証明終
777 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 13:36:19
命題
K を可換体とする。
| | を K の自明でない絶対値(
>>414 )とする。
A を K 上のノルム環で必ずしも可換とは限らない体とする。
>>774 より A^ は K^ 上のノルム環となる。
このとき A^ は必ずしも可換とは限らない体になる。
証明
>>382 より分離位相体 A の完備化環 A^ が位相体であるためには
A^* に含まれ、0 に収束しない (A の加法群に関する)
Cauchy フィルター Φ の基底 Φ_0 の写像 f(x) = 1/x による像が
(A の加法群に関する) Cauchy フィルターの基底であることが
必要十分である。
Φ_0 は 0 に収束しないから δ > 0 と A ∈ Φ があり
x ∈ A なら |x| ≧ δ となる。
>>776 より、任意の δ > 0 に対して、
写像 f(x) = 1/x は |x| ≧ δ において一様連続である。
Φ_1 = { B ∈ Φ_0 ; B ⊂ A } は Φ の基底である。
>>240 より f(Φ_1) は Cauchy フィルターの基底である。
従って f(Φ_0) も Cauchy フィルターの基底である。
これで A^ が位相体であることが証明された。
証明終
778 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 13:46:01
定理(Gelfand-Mazur)
A を複素数体上の(必ずしも完備とは限らない)ノルム環で
必ずしも可換とは限らない体とする。
このとき A は複素数体に標準的に同型である。
証明
>>777 より A の完備化 A^ は Banach 代数(
>>748 )で
必ずしも可換とは限らない体となる。
>>758 より A^ は複素数体に標準的に同型である。
よって A も複素数体に標準的に同型である。
証明終
779 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 17:10:38
K を実数体 R 上の完備なノルム環(
>>694 ) で可換な体とする。
さらに、K には j^2 = -1 となる元 j があるとする。
σ : C → L を σ(a + bi) = a + bj で定義する。
ここで、a ∈ R, b ∈ R である。
σ は体としての同型である。
z ∈ C のとき φ(z) = |σ(z)| と定義する。
z ∈ C, w ∈ C のとき
φ(z + w) = |σ(z + w)| = |σ(z) + σ(w)| ≦ φ(z) + φ(w)
α ∈ R のとき
φ(αz) = |σ(αz)| = |σ(α)σ(z)| = |ασ(z)| = |α|φ(z)
よって φ は C を R-線形空間と見て C のノルム(
>>561 )である。
φ(zw) ≦ |σ(zw)| = |σ(z)σ(w)| ≦ |σ(z)||σ(w)| = φ(z)φ(w)
よって C は φ により R 上のノルム環(
>>694 )である。
σ : C → L により C と L を同一視する。
x ≠ 0 を K の元とする。h ∈ K で |h| < |x| とする。
|x| = α, |h| = β とおく。
>>747 と同様に、x + h は可逆であり、
|1/(x + h) - 1/x + (1/x)h(1/x)| ≦ β^2/(α^2(α - β))
である。
780 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 17:26:00
>>779 の続き。
C を φ により R 上のノルム空間と見ると、
>>651 より、これは C の通常の位相を引き起こす。
よって
>>573 より、
実数 a > 0, b > 0 が存在して任意の z ∈ C に対して
a|z| ≦ φ(z) ≦ b|z|
となる。
ここで |z| は通常の絶対値である。
K ≠ C と仮定する。
x ∈ K - C を任意にとり固定する。
ψ : K → C を連続線形写像とする。
f(λ) = ψ(1/(x - λ)) は全複素平面 C で定義される。
|1/(x + h) - 1/x + (1/x)h(1/x)| ≦ β^2/(α^2(α - β))
において x を x - λ に置き換え、h を λ - μ に
置き換えると
φ(μ - λ) ≦ b|μ - λ| に注意して、
|1/(x - μ) - 1/(x - λ) + (λ - μ)/(x - λ)^2)| ≦ C|μ - λ|^2
ここで C は x と λ のみで決まる定数である。
μ は λ に十分小さい複素数である。
>>752 と同様に f(λ) は C で正則で、
λ → ∞ のとき f(λ) → 0 である。
よって 複素関数論の Liouville の定理より f(λ) は定数 0 である。
クマクマなはは
782 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 17:30:04
>>780 の続き。
>>755 より、連続線形写像 ψ : K → C で
ψ(1/x) ≠ 0 となるものが存在する。
このとき、f(0) ≠ 0 である。
これは矛盾である。
よって K = C である。
以上をまとめると次の命題が得られる。
783 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 17:31:50
命題
K を実数体 R 上の完備なノルム環(
>>694 ) で可換な体とする。
さらに、K には j^2 = -1 となる元 j があるとする。
このとき K は複素数体と体として標準的に同型である。
784 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 17:36:00
命題
K を実数体 R 上の(完備とは限らない)ノルム環(
>>694 ) で、
可換な体とする。
さらに、K には j^2 = -1 となる元 j があるとする。
このとき K は複素数体と体として標準的に同型である。
証明
>>777 より K の完備化 K^ は R 上の完備なノルム環で可換な体である。
よって
>>783 より K^ は複素数体と体として標準的に同型である。
よって K も複素数体と体として標準的に同型である。
証明終
785 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 18:33:25
命題
K を実数体 R 上の(完備とは限らない)ノルム環(
>>694 ) で、
可換な体とする。
さらに、K には x^2 = -1 となる元 x が存在しないとする。
このとき K は実数体と体として標準的に同型である。
証明
L を K に X^2 + 1 の根 j を添加した体とする。
L の任意の元は x + yj と一意に書ける。
ここで x と y は K の元である。
|x + yj| = |x| + |y| と定義する。
明らかに L は | | により R 上のノルム空間になる。
z = x + yj
z' = x' + y'j
を L の2元とすると
|zz'| = |(x + yj)(x' + y'j)| = |xx' - yy'| + |xy' + x'y|
≦ |xx'| + |yy'| + |xy'| + |x'y|
≦ |x||x'| + |y||y'| + |x||y'| + |x'||y|
= (|x| + |y|)(|x'| + |y'|) = |z||z'|
従って L は | | により R 上のノルム環になる。
>>784 より L は複素数体と標準的に同型である。
R ⊂ K ⊂ L で K ≠ L だから K = R である。
証明終
786 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 19:26:17
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはよう Kummer ---!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | つ / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
787 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 19:26:58
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはよう Kummer ---!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | ⊃ / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
788 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 19:27:49
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはよう Kummer ---!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | ⊃ / | /ω\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
789 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 20:52:16
>>778 「複素数体上の」ノルム環と言うのが、本質的ですよね。
これが「実数体上」と言う条件に置き換わると、
非可換な場合は、4元数体に同型になるのだろうか??
790 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/22(水) 20:57:15
>>789 そうです。
それをこれからやろうとしてます。
791 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 21:00:49
>>790 ∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | 無限次元のノルム環はないのか Kummer ---!?
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
| つ /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
792 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 21:10:53
>>791 あっても、体にはならないんじゃないか?
a
b
c
d
e
f
g
800 :
132人目の素数さん :2007/08/22(水) 23:26:44
king
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
820 :
1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/22(水) 23:49:01
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
54
55
54
53
52
51
853 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 04:17:54
ノルム環の例
(1)
区間 [0, 1] における連続な実数値関数全体 C[0, 1] を考える。
f ∈ C[0, 1] のとき |f| = sup{f(x); x ∈ [0, 1]} と定義すれば
C[0, 1] は R 上の完備な可換ノルム環である。
(2)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間(
>>561 )とする。
E の連続な K-自己準同型写像全体を X とする。
f ∈ X に対して |f| を f のノルム(
>>690 )とする。
即ち、|f| = sup{|f(x)| ; x ∈ E, |x| ≦ 1 }
f は連続だから |f| は有限である(
>>693 )。
>>692 より、任意の x ∈ X に対して |f(x)| ≦ |f||x| である。
よって、f ∈ X, g ∈ X のとき、任意の x ∈ X に対して
|fg(x)| ≦ |f||g(x)| ≦ |f||g||x|
よって
|fg| ≦ |f||g|
即ち、X は K 上のノルム環である。
854 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 05:23:53
k
855 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 05:24:50
i
856 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 05:31:02
n
857 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 05:36:58
g
858 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 05:41:30
士
859 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 05:45:47
ね
860 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 06:29:45
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | あらすな Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
861 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 09:02:28
>>758 の証明は、
>>779 の証明のように以下のようにしたほうが
分かりやすい。
定理(Gelfand-Mazur)
A を Banach 代数(
>>748 )で必ずしも可換とは限らない体とする。
このとき A は複素数体 C と Banach 代数として標準的に同型である。
証明
A ≠ C と仮定する。
x ∈ A - C を任意にとり固定する。
>>755 より、連続線形写像 ψ : K → C で
ψ(1/x) ≠ 0 となるものが存在する。
A は体だから、f(λ) = ψ(1/(x - λ)) は全複素平面 C で定義される。
>>752 より f(λ) は C で正則で、
λ → ∞ のとき f(λ) → 0 である。
よって 複素関数論の Liouville の定理より f(λ) は定数 0 である。
しかし、ψ(1/x) ≠ 0 だから f(0) ≠ 0 である。
これは矛盾である。
よって A = C である。
証明終
862 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 09:09:15
訂正
>>861 >連続線形写像 ψ : K → C で
連続線形写像 ψ : A → C で
863 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 10:53:41
>>790 次の命題の証明をしようとしていたが、意外と準備に
時間がかかることが分かった。
従って、この命題の証明は後でやる予定の単純多元環論の副産物として
証明することにする。
命題
K を実数体 R 上の(完備とは限らない)ノルム環(
>>694 ) で、
非可換な体とする。
このとき K は4元数体と標準的に同型である。
864 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 12:07:42
補題
L を必ずしも可換とは限らない体とする。
K をその部分体で必ずしも可換とは限らないとする。
さらに、L は K 上の有限次元の左ベクトル空間とする。
g を L 上の絶対値(
>>414 )とし、 f をその K への制限とする。
f が自明でなく K が f で完備なら L は g で完備である。
h を L の絶対値で、その K への制限が f と一致するなら
g = h である。
証明
g により L は K 上のノルム空間(
>>561 )になる。
>>651 より L は K^n と位相ベクトル空間として同型である。
ここで n は L の K 上の次元である。
K^n は完備空間の直積として完備である(
>>255 )。
よって、L も完備である。
h により L は K 上のノルム空間(
>>561 )になる。
>>651 より g と h は L に同じ位相を定義する。
>>435 より、ある実数 s > 0 があり、h(x) = g(x)^s が全ての
x ∈ L で成り立つ。
f は自明でないから a ∈ K があり f(a) ≠ 1 となる。
h(a) = g(a) = f(a) だから f(a) = f(a)^s となる。
よって、s = 1 である。
証明終
865 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 12:38:35
補題
K を必ずしも可換とは限らない体とする。
K の標数が p > 0 なら K の任意の絶対値(
>>414 )は
非アルキメデス的(
>>448 )である。
証明
fを K の任意の絶対値とする。
K の素体を F とする。
F の任意の元 x ≠ 0 に対して x^(p-1) = 1 となる。
よって f(x) = 1 である。
よって、任意の整数 n > 0 に対して f(n) ≦ 1 となる。
よって、f は非アルキメデス的である。
証明終
866 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 13:22:13
定理(Ostrowski)
K を必ずしも可換とは限らない体とする。
f を K 上のアルキメデス的(
>>448 )絶対値とする。
K が f で完備なら K から R, C, または H への体同型 j と、
実数 0 < s ≦ 1 が存在し、f(x) = |j(x)|^s となる。
ここで、R, C, H はそれぞれ実数体、複素数体、4元数体である。
証明
>>865 より K の標数は 0 である。
よって K は Q 上の代数である。
x ∈ Q に対して h(x) = f(x.1) とおく。
h は Q のアルキメデス的絶対値である。
>>469 より 実数 s > 0 があり、
任意の x ∈ Q に対して h(x) = |x|^s となる。
g = f^(1/s) とおく。
任意の整数 n > 0 に対して g(n.1) = n となる。
>>459 より g は一般絶対値(
>>453 )である。
>>457 より g は絶対値である。
(続く)
867 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 13:23:01
任意の x ∈ Q と y ∈ K に対して g(xy) = |x|g(y) である。
従って g により K は Q 上のノルム環(
>>694 )である。
K は完備だから
>>774 より K は R = Q^ 上のノルム環である。
>>784 ,
>>785 ,
>>863 より、K は、 R, C または H のどれかに
R-代数として標準的に同型である。
この同型を j とする。
x ∈ K に対して g'(x) = |j(x)| とおくと g' は K の絶対値である。
g と g' は K の部分体 R.1 で一致する。
K は R 上有限次だから
>>864 より g = g' である。
よって g(x) = |j(x)| である。
即ち、f(x) = |j(x)|^s である。
f は絶対値だから f(1 + 1) ≦ f(1) + f(1)
即ち、|j(1) + j(1)|^s ≦ |j(1)|^s + |j(1)|^s
よって、2^s ≦ 2
よって、s ≦ 1 である。
証明終
459KB
869 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 17:23:23
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | あらすな Kummer──!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
870 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 18:17:33
>>863 の命題につて、
Bourbaki の可換代数 VI の§6 の演習2にヒントが書いてあった。
これを参考にして
>>863 を証明してみる。
871 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 18:18:04
定義 K を非可換な体とする。 Z = {x ∈ K; 全ての y ∈ K に対して xy = yx } を K の中心と言う。 K の中心は可換体である。
872 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 18:34:06
命題
K を実数体 R 上の(完備とは限らない)ノルム環(
>>694 ) で、
非可換な体とする。
K は R 上4次元のベクトル空間である。
証明
R を K の部分体 R.1 と同一視する。
λ ∈ K - R に対して R(λ) は R 上の可換なノルム環である。
>>784 と
>>785 から R(λ) は R または複素数体 C と同型である。
R ≠ R(λ) であるから R(λ) は C と同型である。
よって、i ∈ R(λ) で i^2 = -1 となる元がある。
x ∈ K に対して σ(x) = ixi^(-1) と定義する。
σ は K の体としての自己同型である。
σ^2 = 1 である。
K+ = {x ∈ K ; σ(x) = x }
K- = {x ∈ K ; σ(x) = -x } とおく。
K+ と K- は R 上のベクトル空間である。
x ∈ K+ ∩ K- なら σ(x) = x = -x だから x = 0 である。
即ち、K+ ∩ K- = {0} である。
任意の x ∈ K に対して
y = (x + σ(x))/2
z = (x - σ(x))/2
とおく。
x = y + z で y ∈ K+, z ∈ K- である。
以上から K は K+ と K- の直和になる。
(続く)
873 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 18:38:15
>>872 の続き。
C を R + Ri と同一視する。
K+ = {x ∈ K ; ix = xi } である。
よって、K+ は K の可換な部分体で C を含む。
K+ は R 上の可換なノルム環である。
よって、
>>784 より K+ = C である。
K- の元 j ≠ 0 を取る。
x ∈ K- に対して y = xj^(-1) = -xjとおく。
σ(y) = σ(-xj) = -σ(x)σ(j) = -xj = y
よって y ∈ K+
x = yj だから K- = (K+)j と書ける。
K+ = C だったから K は R 上4次元である。
証明終
874 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 18:46:33
補題
K を実数体 R 上の(完備とは限らない)ノルム環(
>>694 ) で、
非可換な体とする。
K の中心は R である。
証明
K の中心 Z は R を含む可換体である。
>>872 より Z は R 上有限次だから R または C と同型である。
Z が C と同型であるとする。
x ∈ K - Z に対して Z(x) は Z を真に含む可換体である。
C は代数的閉体なので、これはあり得ない。
証明終
875 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 19:10:51
命題
K を実数体 R 上の(完備とは限らない)ノルム環(
>>694 ) で、
非可換な体とする。
このとき K は4元数体と同型である。
証明
>>872 の証明と同じ記号を使う。
K- の元 j ≠ 0 を取る。
>>873 より K- = (K+)j と書ける。
j ∈ K- だから σ(j) = -j
即ち、iji^(-1) = -j
よって、ij = -ji
よって、jij^(-1) = -i
よって、(j^2)ij^(-2) = i
即ち、j^2 は i と交換可能である。
j^2 は j とも交換可能だから j^2 は K の中心に含まれる。
>>874 より K の中心は R だから j^2 ∈ R である。
j^2 = a で a ≧ 0 とすると、a = b^2, b ∈ r と書ける。
j^2 - b^2 = (j - b)(j + b) = 0
よって j = b または -b となって矛盾である。
よって a = -b^2, b ∈ R, b ≠ 0 と書ける。
(j/b)^2 = -1 だから j を j/b に置き換えて j^2 = -1 としてよい。
(続く)
876 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 19:11:51
>>875 の続き。
C を R + Ri と同一視すれば、
K = C + Cj である。
よって
K = R + Ri + Rj + Rij である。
i^2 = j^2 = -1 で ij = -ji であった。
ij = k とおくと、k^2 = (ij)(ij) = (-ji)ij = -1
jk = j(ij) = j(-ji) = i
ki = (ij)i = (-ji)i = j
kj = (ij)j = -i
ik = i(ij) = = -j
以上から K は4元数体に同型である。
証明終
877 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 19:16:47
命題
K を実数体 R 上の有限次の代数で非可換な体とする。
このとき K は4元数体と同型である。
証明
>>872 と殆ど同じである。
878 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 19:22:11
879 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 19:22:46
この辺りで、次の疑問が自然に湧く。 実数体 R 上の無限次の代数で非可換な体は存在するか? どなたか答えを知ってますか?
880 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 19:57:16
>>879 僕がすぐに思いついたのは、超準解析の方法によるものです:
H を4元数体、I を連続濃度 κ を持つ無限集合、
F を I 上の κ 級正則超フィルターとし、
F を法とする H の超冪 H' をとれば、H' の濃度は、
2^κ となりますから。
文献:斎藤正彦著「超積と超準解析」pp.71-72
881 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 19:59:14
Kummer 様の
>>875 に依れば、
>>880 の H' は、もちろん、ノルム環とはならない。
882 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 20:53:36
>>880 有難うございます。
しかし、超準解析は全然知らないのでお手上げです。
883 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 20:57:19
>>879 ∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | R(X) 上の非可換体はないのか Kummer ーーー!!
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
884 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 21:05:41
>>882 そうでしたか。これはかえって混乱させたかもしれません。
でも、R 上の無限次代数で、非可換体なるものですから、
超準解析という大道具を使わなくても、
代数的に構成できないものかと思ってしまいます。
まず、R の無限次拡大(可換)体を L として、
L 上の (-1,0,-1) 型の4元数線型環 D をとれば、
D は R 上無限次で、(L 上4次元の)非可換な体となります。
えーと、ブルバキの和訳では、
代数の chpter 3 (1971 年版),§2 の no.5 の最後のほうの
アナロジーです。
885 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 21:08:18
>>883 R(X) 上の (-1,0,-1)型の4元数線型環
886 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 21:09:52
>>783 の命題は
>>778 の定理から直接には導けないことに
注意をする。
何故なら
>>783 の K の部分体としての C には K のノルムを制限した
ノルムが入るが、これは等式 |zw| = |z||w| を満たすとは限らないから
である。このため、K は C 上のノルム環とは必ずしもならない。
C のノルムで絶対値とはならないものの例としては、
次のようなものがある。
z = a + bi のとき φ(z) = |a| + |b| と定義する。
φ は C の R 上のノルムで、これにより C は R 上のノルム環となるが
φ は C の
>>414 の意味の絶対値ではない。
887 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/23(木) 21:14:33
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
898 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 23:47:23
king氏ね
k
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o
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q
r
s
t
u
v
w
x
y
914 :
132人目の素数さん :2007/08/23(木) 23:55:49
z
z
a
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m
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o
p
q
r
s
t
u
v
w
x
y
z
942 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 06:25:43
∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | おはようKummer ーーー!! | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___) / (_/ | つ / | /\ \ | / ) ) ∪ ( \ \_)
943 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 06:27:07
944 :
Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/08/24(金) 06:45:35
a
b
c
d
e
f
g
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k
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n
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p
q
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z
二十九日十二時間。
972 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 09:10:12
974 :
γ◇Homotopy :2007/08/24(金) 09:29:04
代数的整数論、もう6も終わりかぁ。 Kummer さん、がんばってるなぁ・・。
975 :
1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/24(金) 11:35:53
Reply:
>>898 お前に何が分かるというのか?
976 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 12:15:19
kjng 死んじゃえ
king 氏ね
三十日。
979 :
1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/24(金) 21:20:17
980 :
132人目の素数さん :2007/08/24(金) 21:27:28
981 :
976 :2007/08/24(金) 21:31:53
>>979 今死にました。なのであなたも死んで下さい。king 氏ね
982 :
1stVirtue ◆.NHnubyYck :2007/08/24(金) 22:06:38
Reply:
>>980 お前に何が分かるというのか?
Reply:
>>981 それでは私の前で死んでみせろ。
三十一日。
k
三十二日。
986 :
132人目の素数さん :2007/08/26(日) 20:03:42
king 師ね。
三十二日。
king 氏ね
三十四日。
うめ
king 氏ね
992