【数学史】小松彦三郎先生【佐々木】

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147 :『建部賢弘数学著作集』の編纂:2005/08/26(金) 23:03:48
本編纂事業は単なる著作集の出版ということにとどまらず,日本数学史におけるテキスト批判,解釈批判の刷新を目指すものである.
本年度は主に『不休綴術』の校異の作業を進めた.
佐々木力先生(東大),森本光生先生と具体的な計画の策定を行った.

■『綴術算経』の研究・英訳
『綴術算経』は建部賢弘が享保7年(1722年)に著し,後に将軍徳川吉宗に献上された数学書である.
本書には小数第41までの円周率の計算(Romberg法)や,円弧の長さの無限級数展開(Taylor展開)を述べたものとしてつとに有名である.
ここ数年の研究の成果として2001年度より森本光生先生(国際基督教大学)と本書の英訳を進めてきた.
本年度は第8章まで完了した.
日本数学に特有のテクニカルタームの英訳が困難を極め,来年度も主要な研究の一つである.
なお本年度は来日中の徐澤林氏(天津師範大学)を囲んで7月11,12日(国際基督教大),9月8日(四日市大)にセミナーを開催した.
徐氏は『綴術算経』の研究家でもあり,中国からみた日本数学の研究のスタンスが興味深かった.

■数学史京都セミナー
2003年10月より上野健爾先生(京大)と数学史のセミナーを立ち上げ,10月18日,11月15日,12月27日,1月25日,3月14日の計5回で沼田敬忠著『小学九数名義諺解』上下を読んだ.
来年度はHuygens, "DeE Circuli Magnitudine Inventa Accedunt Problematum Quorundam Illustrium Constructiones"(1654)を読む予定である.

http://www.yokkaichi-u.ac.jp/kankyo/teacher/teacher16.html