授業で「借金の数学」 −福岡の中学校−
「数学を勉強せなアカン理由? それは将来、借金で泣かんようにするためや!」
なぜ数学を勉強するのか分からないという思いを抱える生徒たちに、
数学を通じて借金や多重債務などの怖さを知ってもらおうという授業実践が福岡市の中学校で行われ、
札幌市で7日に開幕する日教組の教育研究全国集会で報告される。
「借金の数学」と題した授業をしたのは福岡市の○○順一郎教諭(47)。
「(数学が)実生活につながっていることを伝えたい」と、中3の授業に選んだ。
5万円を借りた時の複利計算からスタート。
縦軸に総返済額、横軸に返済年数を取ってグラフにすると、中3で学ぶ二次関数のグラフによく似た曲線を描き、
総返済額が雪だるま式に膨らんでいくことが一目で理解できるという。
生徒からは「利子がこんなに膨らむなんて借金は怖い」と驚きの声も。
○○教諭は「いつでも簡単に借金ができる時代だが、学校では危険性を教えていない。
生徒が社会に出たとき、この授業を思い出してくれればうれしい」と話している。
サンケイスポーツ H17年(2005)1月7日付,p.25