ぱーそん 「もっと数学を」提言
日本数学会が「提言 我が国の数学力向上を目指す」を発表し
た。学会理事長で、東京工業大教授の K.T.さん(54)は、「競争
原理導入、予算重点配分という政策の中で、人以外にはお金のかか
らない数学は忘れられがちでした」という。
数学は研究費は大してかからないが、科学技術の「道具」として
欠かせず、欧米では数学の国家プロジェクトがあるほど重視されて
いる。日本はといえば、大規模校を除いて、大学の数学担当教員数
はじり貧というのが実態という。
5月には文部科学省科学技術政策研究所が、日本の数学の地盤沈
下を指摘する報告書を発表した。
提言では、研究所の設置や、小学校から大学までの数学教育の充
実、数学界と他の応用分野との交流の仕組み作りなどを訴えた。
「意欲的な数学者はもちろんいますが、われわれ数学者の努力だけ
では限界がある。社会からの支持も受けながら長いレンジで取り組
まないと」 (U.N.)
某朝日新聞 2006.10.3 夕刊