証明 X → Y, Y → Z をそれぞれ射影射とする。 X → Y は X → P x Y → Y と分解し、 Y → Z は Y → Q x Z → Z と分解する。 ここに、P, Q は有理整数環上の射影空間であり、 X → P x Y と Y → Q x Z は共に閉埋入である。
補題(>>958)より、ある射影空間 R に対して、 閉埋入 P x Q → R が存在する。 下の可換図式を考える。
X → PxY → PxQxZ → RxZ ↓ ↓ ↓ Y → QXZ → QXZ ↓ Z 中央の四角はファイバー積である。 Y → Q x Z は閉埋入であるから、P x Y → P x Q x Z も 閉埋入である。よって、上段の3個の射はすべて閉埋入である。 これから、X → Y と Y → Z の合成は X → R x Z → Z と分解し、X → R x Z は閉埋入だから 射影射である。
補題 f: X → Y をスキームの射とし、 Y' を Y の部分スキームとする。 (X x Y')/Y → X を射影とする。 Z → X をスキームの射とする。 Z → X → Y が Z → Y' → Y と分解する為には Z → X が Z → (X x Y')/Y → X と分解することが必要十分 である。
補題 f: X → Y をスキームの射とし、 X' を X の f による 閉像(scheme-theoretic image)とする(II Ex. 3.11 (d))。 U を Y の開集合とする。f_U: f^(-1)(U) → U を f の制限射とする。f_U の閉像は X' ∩ U である。 ここで、X' ∩ U は X' の開部分スキームと見なす。
補題 S をスキームとし、X と Y を S 上射影的なスキームとする。 X と Y の直和は S 上射影的である。
証明 定義より構造射 X → S は X → P^n x S → S と分解する。 ここに、X → P^n x S は閉埋入。 同様に構造射 Y → S は Y → P^m x S → S と分解する。 補題(>967)より、P^n x S と P^m x S の直和は P^(n+m+1) x S の閉部分スキームに同型である。 よって X と Y の直和は S 上射影的である。
補題 X → Y を 準射影的な射とし、Y → Z を開埋入とする。 このとき、合成射 X → Z は準射影的である。
証明 X → Y は準射影的であるから、X → Y は X → Y' → Y と 分解する。ここに X → Y' は開埋入であり、Y' → Y は射影的 である。Y' → Y は射影的だから、Y' → P x Y → Y と分解する。ここに、 P は有理整数環上の射影空間 であり、Y' → P x Y は開埋入である。 ここで、次の可換図式を考える。
PxY → Y ↓ ↓ PxZ → Z
これは、ファイバー積になっている。 X → Y → Z は X → Y' → P x Y → Y → Z と分解する。 これは、上記の可換図式より、X → Y' → P x Y → P x Z → Z に等しい。Y → Z は開埋入だから、P x Y → P x Z も開埋入 である。よって、X → Y' → P x Y → P x Z の合成射 X → P x Z は埋入である。よって、X → P x Z → Z の合成射 X → Z は準射影的である。
補題 f: X → Y をS-スキームの射とし、Y は X の f による閉像と なっているとする。Z を S 上分離的スキームとし、 g_1, g_2 : Y → Z をS-スキームの射で、(g_1)f = (g_2)f と すると、g_1 = g_2 となる。
証明 g_1, g_2 により h: Y → (Z x Z)/S が定まる。 Δ: Z → (Z x Z)/S を対角射とする。 Z は S 上分離的だからΔ(Z) は(Z x Z)/Sの閉部分スキームで ある。よってh^(-1)(Δ(Z))は Y の閉部分スキームである (>>964)。T = h^(-1)(Δ(Z)) とおく。
T → Δ(Z) ↓ ↓ Y → (ZxZ)/S
(g_1)f = (g_2)f だから hf: X → Y → (Z x Z)/S は X → Δ(Z) → (Z x Z)/S と分解する。よって補題(>>965) より、f: X → Y は X → T → Y と分解する。 一方 Y は f の閉像だから T = Y となる。よって g_1 = g_2 である。
(c) U_i, P_i は (b) (>>972)と同じものとする。 P = (P_1 x P_2 x ... x P_n)/S とおく。 U を 各 U_i の共通集合とし、 f: U → (X x P)/S を U → X と U → P_i から得られる射とする。 X' を U の f による閉像とする。 g: X' → X を X への射影、h: X' → P を P への射影とする。 このとき, h は閉埋入である。
証明 U → (X x P)/S → X は埋入だから、U → (X x P)/S も埋入 である(>>975)。 p_i: P → P_i を射影とする。V_i = (p_i)^(-1)(U_i) とおく。 まず、h^(-1)(V_i) が X' の被覆であることを証明する。 U_i は X の被覆だから、g^(-1)(U_i) は X' の被覆である。 よって、g^(-1)(U_i) ⊆ h^(-1)(V_i) を示せばよい。 (続く)
Harstshorne II Ex. 4.10 の解答の続き (d) g^(-1)(U) → U は同型である。
証明 g^(-1)(U) = X' ∩ (U x P)/S は f(U) の (U x P)/S における (部分スキームとしての)閉包であることに注意する。 f(U) は U → P のグラフであるから、f(U) は (U x P)/S の 閉集合である。よって g^(-1)(U) = X' ∩ (U x P)/S = f(U) である。よって、g^(-1)(U) → U は同型である(逆の同型は f)。
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補題 Kを体、v をその離散付値、L を K の有限生成拡大体とする。 L の離散付値で v の拡張になっているものが存在する。
証明 A を K の付値環、m を A の極大イデアルとし、πをその生成元 とする。L の K 上の超越基を x_1, x_2, ..., x_n とする。 B = A[x_1, ...,x_n] とおく。 A は UFD だから B も UFDである(Gaussの定理)。 よってπは B の既約元であるから、πB は B の素イデアルで あり、B の πB による局所化 B_πB は離散付値環である。 B の商体を M とすると、B_πB は M の離散付値 w を 引き起こす。w は v の拡張である。 L は M の有限次拡大体だから補題より w は L の 離散付値に拡張される。