関数解析&ルベーグ積分

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878132人目の素数さん
2つ質問させていただきます。
(A)
「ほとんどいたるところで成立する」の定義が本によって違うのですが、
どちらが正しいのでしょうか?
測度空間(X,F,m)上で定義された可測関数列fn(x)がm-a.e.x∈Xで関数f(x)
に収束する、すなわちlim(n→∞)fn(x)=f(x) m-a.e.x∈Xを例に挙げます。
(1)A={x∈X:lim(n→∞)fn(x)≠f(x)}とおくと、m(A)=0が成り立つ。
(2)m(E)=0を満たすある集合E∈Fの点を除くすべての点x∈Xで
lim(n→∞)fn(x)=f(x)が成り立つ。
A⊂Eかつm(E)=0なので、Aがm-零集合であることが分かります。
(2)においては、(X,F,m)が完備測度空間またはf(x)が可測関数でなければ、
m(A)=0であることは言えないと思います。
そこで、次の質問です。
(B)
測度空間(X,F,m)上で定義された可測関数f(x)がm-a.e.x∈Xで関数g(x)に
等しい時、すなわちf(x)=g(x) m-a.e.x∈Xである時、
g(x)は可測関数である。これは正しいのでしょうか?
(B)に関しては、正しければ証明をお願いしたいです。
「測度空間(X,F,m)上で定義された可測関数f(x)が各点で関数g(x)に
等しい時、g(x)は可測関数である。」は証明済みとします。

879878:04/03/05 14:33
追加です
「ただし、(X,F,m)は完備測度空間でないものとします」
880132人目の素数さん:04/03/05 14:59
>>877 ちゃうちゃう全然。関数解析だろうが確率論だろうが
関係ない。
汎関数積分?確率積分のことか?確率積分は
ルベーグ積分が前提だぞ。
連続関数の空間の上で積分するにはルベーグ(式)積分が必要だぞ。
関数解析での「抽象積分」ってなに?
連続スペクトルの積分?「スペクトル測度」による
ルベーグ(式)積分のことか?
ボホナー積分は関数解析では必須。その基礎となるのは
ルベーグ(式)積分論だよ。
880は知識が狭いんとちゃう?
>>878
(A)について
(1)の集合Aは、(測度空間が完備でなくとも)fnが可測関数ならば可測になる
ので、どちらの定義でもよい。
理由: A = ∪[ε>0] ∩[N≧1] ∪[n≧N] {x∈X ; |fn(x) - f(x)| >ε }
と書けることに注意すればわかる。(ε>0のところは、εn→0となる適当な可
算列で十分であることにも注意)

(B)について
測度空間が完備でない場合、成り立たない。
反例:Eを零集合とし、Eの部分集合で非可測なものをE'とする。gとしてE'の
定義関数をとれば、gは可測関数f≡0とX-Eで一致するが、非可測関数である。

測度論の理解を深める役に立つ良い質問と思いますが、ひとつだけ気になった
記述:

>「測度空間(X,F,m)上で定義された可測関数f(x)が各点で関数g(x)に
>等しい時、g(x)は可測関数である。」は証明済みとします。

各点で一致する関数というのは完全に同一物だから、「証明」するまでもなく
自明では?
(A)については
(1)のAは確かに可測でない場合がある。
m(A)=0というのは、
Aが可測であってさらにm(A)=0だといってるんだと思う。
これが成立すればf(x)は可測関数でもある
(2)のほうが普通の定義だと思うね
(2)が成立してもf(x)が可測関数とはいえないから、弱い定義。

P(x) a.e.の意味を普通は
m({x:P(x)でない})=0
ではなくて
∃A:可測集合 m(A)=0かつx∈AでないときP(x)が成立
と定義するのと同じこと
884132人目の素数さん:04/03/05 17:33
>>881
理由は?
885132人目の素数さん:04/03/05 17:43
881 君の知識を披露してくれ。何も知らないと思うが。
>>883>>881と逆の主張をしている?

>(1)のAは確かに可測でない場合がある。
>(2)が成立してもf(x)が可測関数とはいえないから、弱い定義。

証明というか例キボン。
887886:04/03/05 18:01
間違えた
>>883>>882の話ね
888883:04/03/05 18:53
(1)はコピペですまぬが
Eを零集合とし、Eの部分集合で非可測なものをE'とする。fとしてE'の
定義関数をとれば、f≡0とX-Eで一致するが、非可測関数である。
さらに、fn≡0 on X とすれば
A={x∈X:lim(n→∞)fn(x)≠f(x)}={x∈X:0≠f(x)}=E'
なのでAは可測ではない。
というか>>882 が同じこと書いてる気がする
一方、(2)はこの場合でも成立する
889883:04/03/05 18:58
>これが成立すればf(x)は可測関数でもある
スマソ、これは嘘だ釣ってくる
なんかややこしくなってきたので、事実をまとめよう。
・fnが可測関数ならば、f=limfnも(存在する限り)可測関数である。(cf.伊藤清三 定理10.6)
・fn,fが可測関数ならば、A={x∈X:lim(n→∞)fn(x)≠f(x)}は可測集合である。cf.>>882
・fnが可測関数でも、fが可測関数でないならば、Aは可測集合とは限らない。cf.>>888
・P(x) a.e.の定義は、通常「∃A:可測集合 m(A)=0かつx∈AでないときP(x)が成立」とする。
・f=limfn a.e.を考えるときはfはX-E上でのみ定義されたものと考えるようである
(たとえば伊藤でegoroffの定理10.9の記述を、>>888の例を念頭において読むとよくわかる)。

伊藤のように「fとfnを別々に与える場合はつねに各点収束で考え、a.e.収束におい
てはfはlimfnにより定義された場合だけ考える」ようにして議論できるので、これで
問題はない。(一番上の主張のfは各点収束で定義されていることに注意)
しかしそれだと、「fとfnをX上の関数として別々に与えてa.e.収束を問題にする」よ
うな場合の記述が不便ではある。

P(x)a.e.を「A={x;P(x)が成立しない}とおくときAが可測でm(A)=0」と定義したほう
が本当はすっきりするように思うがどうだろう。(この定義だと>>878の質問(B)も真
になる。)
891883:04/03/05 21:16
>この定義だと>>878の質問(B)も真になる。
漏れも一瞬そう思ったが、それは間違ってる。
例えば、B,C を互いに交わらない非可測零集合で、B∪Cは可測集合とすると
0=χ_B(x)-χ_C(x) a.e.
だけど、右辺は可測関数ではない
892890:04/03/05 21:35
>>891
おおなるほど、おっしゃる通り。
893878:04/03/06 02:56
質問のお答えありがとうございます
>>882
(A)について
>(1)の集合Aは、(測度空間が完備でなくとも)fnが可測関数ならば
可測になるので、どちらの定義でもよい。

少し分かりづらかったかもしれませんが、f(x)が可測関数であるという
条件は付けていません。したがって、「(1),(2)のどちらの定義でもよい」
となるためには、「f(x)が可測関数である,あるいは(X,F,m)が完備測度
空間である」でないといけませんよね?

(B)について
>測度空間が完備でない場合、成り立たない。

その通りだと思います。
逆に、測度空間が完備な場合は成り立つと思います。

>各点で一致する関数というのは完全に同一物だから、「証明」するまでも
なく自明では?

すいません。少しぼけてました。
実は(B)のf(x)の部分はlim(n→∞)fn(x)だったのですが、勝手にf(x)に
変えたら、自明になってしまいました。

>>883
そう、(2)の方が弱い定義なんだよなあ。
だから、(2)を定義とするときは、上にも書いたように、「f(x)が
可測関数である,あるいは(X,F,m)が完備測度空間である」という
条件がなければ、よく本で使われている(1)を使うことはできない
と思います。
>>893を補足しておくと、
>「f(x)が可測関数である,あるいは(X,F,m)が完備測度空間である」という
>条件がなければ、よく本で使われている(1)を使うことはできない
というのはたしかにそうだけれども、本で(1)を使う場合は>>890にあるようにf(x)
はlimfn(x)によって定義されたものと考えているはずで、そのとき>>890の一番上
にあるようにf(x)は可測になる。
limfn(x)が定義できないxがある場合にどう約束するかとか、∞という値を許すか
どうかなどで、主張の記述に微妙な差が生じ、微妙だがtrivialでない問題を含む
のだが、そのへんを明確に書いてある本はほとんどない。>>893はそのあたりのひ
とつを浮き彫りにするいい指摘と思う。
(漏れも同様の問題意識から、「単調収束定理」と「Beppo-Leviの定理」が本質的
に異なる主張であることに気づいたときは愕然とした)