1 :
名も無きマテリアルさん:
世界史板の住人です。クロムメッキについて教えてください。
先日NHKスペシャルで「四大文明」を見ていたら、約2200年前の秦の始皇帝陵から
クロムメッキした青銅剣が発見されたと紹介していました。
クロムの厚みは数十ミクロンで、現在でも黒光りしていてとてもキレイなものでした。
電気の無い時代に、どうやってあんなメッキが出来たのでしょうか。
当時は水銀アマルガム法で金メッキはやっていましたから、
基本的なメッキの技術は存在したようです。
宇宙人が教えてくれたんじゃないかな。
3 :
もけもけ:2001/01/23(火) 15:32
「電気がない時代」というのは誤解だよ。
インダスやエジプト文明の時代にもれっきとした電気が存在していた。
簡単に言うと今の電池に近いものかもれない。
確か〜2ボルトくらい発電できたという話。
素焼きの壺に電極をアスファルトで固定し、電解水を加える。
そんな簡単なものだと記憶している。
4 :
名も無きマテリアルさん:2001/01/23(火) 16:28
う、出遅れた。俺も、インダスの電池の話を書こうと思ったんだけど...
後、ヒドロキシドを付けといて、か焼してオキサイドにするってのはどうだろ?
2Vでるなら、Pourbaixダイヤグラム見る限りでは、どっちも付けられそうに見えるけど。
でも、電池があったとしても、下処理の問題があるんだよね。
純銅は、Crとほとんど固溶しないし、化合物も作らないし、濡れないんで、純銅の上に
Crをめっきするときって、必ずストライクNiを付けるんじゃなかったっけ?
当時そんな知識がすでにあったのかな?それとも、青銅だから問題なかったのかな。
5 :
1です:2001/01/23(火) 20:37
早速レスをありがとうございます。
>>2さん
他にもいろいろ教えてくれてもいいのにね。(反応しちゃった)
>>3さん
正確には古代パルティア(現イラク)の遺跡から発掘されたものですね。
紀元前後とされている遺跡なので、秦始皇帝陵よりは200年ほど新しいものです。
中国ではこれに類する壷は発見されていませんし、ほかのメッキについても
電気メッキではないようです。もちろん、電気がなかったという証明は出来ませんが。
なお普通の考古学者はこの壷=電池説については非常に懐疑的です。
>>4さん
2Vでもメッキは可能なんですね。(すごい初歩的驚きで申し訳ない。)
メッキ関係のサイトを見ると、ニッケルメッキの上からクロムメッキをするのが
一般的な方法のようです。ただ、問題の青銅にそのような加工がされていたかは
情報がありません。
そもそもニッケルがそのころ知られていたのか・・・?
2Vの電池でニッケルメッキが可能なのか。
電池がない場合にクロムメッキが可能なのか。
このあたりが今後お聞きしたいところです。よろしくお願いします。
6 :
名も無きマテリアルさん:2001/01/23(火) 21:24
4です。
NiはCrよりノーブルなんで、もっと低い電位でもOKのはずです。
還元剤の条件さえ整えば、無電解でもめっき可能です。
(ホスフェートの価数変化を使った奴がエンプレートとかいう商品名で結構出まわってます。)
かなり強力な還元剤が無いと、電池無しじゃ、Crは、難しいんじゃないかなあ。
少なくとも湿式は、かなり難しそう。
Au-Hg系と違って、Cr-Hg系は低融点アマルガムを作らないから、アマルガム法も無理だし。
第一、メタリックなCrが作れない..
蒸気圧が高いんで、蒸着も可能だろうけど、気密容器なんて無理だろうし、熱源も難しいだろうね。
ところで、ホントにCrめっきなんでしょうか?
黒光りっていうのが気になるんですけど。(普通はギンピカです。)
Cr入の釉ってことは無いですか?
7 :
1です:2001/01/24(水) 07:37
>>4=
>>6さん
ホントにいろいろありがとうございます。専門板に恥をしのんで聞きに来た甲斐がありました。
(じつは6さんが懇切丁寧に書かれたレスも、単語一つ理解するのに検索かけまくりです。)
電池がない場合はかなり難しいのですね。前にも書いたように、中国では電池に類する
(と思われる)遺物は見つかっておりませんし、この秦の時代までには既にいろいろな本が書かれており、
記録好きな中国人がそのことに言及しないとは考えられないので、電池が存在した可能性は
かなり低いと思われます。しかし、この秦の始皇帝陵には「消えることのない灯明」とか、
「水銀で出来た池(自動的に流れる)」などが備えられたと司馬遷の「史記」に記載されているので、
あながち電気の存在も否定できないかとも思います。
>ところで、ホントにCrめっきなんでしょうか?
>黒光りっていうのが気になるんですけど。(普通はギンピカです。)
>Cr入の釉ってことは無いですか?
光の加減なのかもしれませんが、黒光りのように見えました。周囲に暗幕を張り巡らせて
撮影していたので、それが映り込んだのかもしれません。「釉」というのはクロム入りの
釉薬を塗った上でもう一度焼入れをするなどの製法のことでしょうか。
番組の中では「メッキ」と表現されていました。素人には区別できない程度に似ているのでしょうか。
>蒸気圧が高いんで、蒸着も可能だろうけど、気密容器なんて無理だろうし、熱源も難しいだろうね。
クロムを蒸発させて目的物に付着させる製法のことでしょうか。「気密容器」は普通のレンガでは
難しそうですね。「熱源」はクロムの沸点が2672℃なので難しいとのことでしょうか。
確かに炭などでは難しそうですが、鏡で反射炉をつくる方法ではいかがでしょうか。
8 :
名も無きマテリアルさん:2001/01/24(水) 10:45
4です。
めっきと釉では外見は全然違うと思います。銀色の金属質のものと黒いガラス質のものですから。
ただ、素人が「金属元素であるCrの化合物を使った表面処理だから」という程度の理由で、
釉薬をかけたものを「めっき」と誤称することはありうるかなと思います。
現物か写真が見れれば、もうちょっと良く分かるんでしょうが。
Cr酸化物に硼砂などを混ぜてやれば、かなり低融点になりそうな気がします。
色合いの話もそうなんですが、酸化や、熱源、皮膜の安定性などいろんな意味で実は釉だったって方が説明はつき易いですね。
蒸着の話ですが、岩石をくりぬいた容器に、擦り合わせでぴったりはまる蓋をつけてやれば、
割と良い線の容器になる可能性はあるでしょうね。
でも、Crは、極めて酸化し易いんで、これを抑えるのが結構大変です。
あと、蒸着のソースとしては、メタリックなCrが必要になりますけど、
これを入手する方法がちょっと想像つきません。
蒸着するとなると、融点までは上げないにしても、かなり高温(最低でも1500〜1600℃ぐらいかなあ)が必要です。
そうなると、耐火物が持ちません。現在でも耐火物坩堝によるCrの溶解はほとんど行われていないはずです。
仮にCrの膜がついたとしても、結構膜応力が高いんで、剥がれ落ちることも多いです。
あと、厚さが数十μmとありますが、どうやって測定されたものなのでしょうか?
基本的に非破壊測定だと思うんですが。
番組で紹介してるの見たけど金属光沢なんてしてないからめっきなんかじゃないと思う。
皆が書いてる様に七宝だと思う。
アルミのバックルの件もある事だし、インチキ過ぎるよ>中国
10 :
1です:2001/01/24(水) 18:48
レス感謝です。
少ない情報でいろいろと教えていただいて本当にありがとうございます。
私もTVで見ただけなので、疑問にはっきりお答えすることが出来ず、歯がゆいばかりです。
現時点での専門の方のご意見を総合すると、クロムメッキはやはり当時の技術では無理なので、
七宝(釉薬による焼付け)をメッキとして紹介しただけ、と言うことでしょうか。
もっともこうすれば長い間輝きを保てるという知識があっただけでもたいしたものですね。
新しい情報が入り次第また書き込みいたしますので、よろしくお願いいたします。
11 :
名も無きマテリアルさん:2001/02/22(木) 14:14
関係者なので無水クロム酸と硫酸age
光沢剤はぜひともわが社のものを
12 :
名も無きマテリアルさん:2001/02/22(木) 14:35
数十μmなら超音波で計れますよ。
もっとも、妊婦に使うようなのじゃなくてもっと周波数の高いやつね。
13 :
NASAしさん:2001/02/25(日) 01:34
14 :
名も無きマテリアルさん:2001/07/10(火) 13:38
age
15 :
大和:2001/07/19(木) 18:07
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16 :
名も無きマテリアルさん:2001/08/07(火) 12:52
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☆:01/08/27 10:50 ID:yB9B/vyU
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名も無きマテリアルさん:
やっぱ鍍金は天麩羅に限る