熊本大大学院自然科学研究科の河村能人[よしひと]教授(49)の研究グループは14日、
世界で初めて500メガパスカルを超える室温降伏強度を持つマグネシウム合金の開発に成功したことを明らかにした。
航空機の構造材に使われる高強度アルミニウム合金(超々ジュラルミン)並みの強さだが、より軽い。
国内の自動車メーカーなどと共同研究を進め、3〜5年後の実用化を目指す。
室温降伏強度は変形しない最大の強さを示す。河村教授らは2004年に世界最高の440メガパスカルを誇る高強度マグネシウム合金(通称・熊大マグネシウム合金)の開発に成功。
これまではマグネシウムに亜鉛とイットリウムを加えていたが、
今回の合金では亜鉛の代わりにニッケルを使い、配合率も変更した。
新合金の室温降伏強度は、熊大マグネシウム合金を約16%上回る512メガパスカル。超々ジュラルミンと比べると、
同等の強度で重さは約3分の2。一般的な高強度合金で必要な熱処理工程が不要な上、圧延などの加工率が低くても強度が出るため、生産性が高いという。
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