やっちゃた!今日の朝日のドキュン記事 その3

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読売の一面にサミュエル・ハンチントン登場。
以下、引用

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 米同時多発テロは、過激派テロ集団による米国および世界のほかの文明社会
に対する攻撃だが、現時点では、まだ私が自著で指摘した「文明の衝突」には
発展していないように見える。

 しかし、もしウサマ・ビンラーディン一派がパキスタンなどほかのイスラム
諸国で力を握り、政府を動かすことに成功したら、イスラム教社会とキリスト
教社会の間の「文明の衝突」が起こることになるだろう。米国は欧州始め、ロ
シア、中国、日本、インドなどの主要国の協力を得て、この「衝突」を食い止
めなければならない。

 冷戦後の社会では、イデオロギーの果たす役割はほとんどなくなり、変わっ
て文化、宗教、民族などがより重要な役割を果たすようになってきている。中
でもイスラム教世界では、イスラムに対する宗教意識が極めて大規模に復活し
た。

 イスラム意識の高まりはモロッコからインドネシアにいたるまで広がってお
り、相互扶助や社会福祉意識の向上に繋がっている。しかし、ごく少数の過激
派があまり建設的でない行動をしている。ビンラーディン一派はその中のさら
に一部であり、千人単位の小さな集団だ。

 テロという「弱者の戦闘手段」に頼らざるを得ないのは、他の戦闘手段を欠い
ているからだろう。

 問題は、イスラム諸国が、米国に対する「ジハード(聖戦)]を唱えるビンラ
ーディンのテロを黙認、または支持すべきだという一部の国民の圧力にさらさ
れていることだ。サウジアラビアやエジプトのような米国に近い国々を含め、
イスラム諸国の大半は民主主義国家ではない。このことが状況をさらに厄介に
している。思想の自由や人権を認めず、イスラム原理主義を力で弾圧しようと
するために、かえって原理主義過激派を生み出してしまうのだ。

 米国と他の諸国の連合勢力がビンラーディンとアフガニスタンのタリバン勢
力軍事行動を実行に移しても、「文明の衝突」につながるとは思わない。しか
し、イスラム諸国はそれぞれテロ団体を国内に抱えている。軍事行動の対象を
広げすぎると過ちを犯すことになるかもしれない。また、ビンラーディンを倒
しても変わりの過激派指導者が出てくるだろう。

 テロとの戦いで決定的な勝利を得るのは無理かもしれない。
722card:01/09/27 15:23 ID:f.TN.VZk
 冷戦が終わって、米国は唯一の超大国になった。その影響力は高まったが、
米国に対するほかの諸国の反感もそれにつれて、大きくなっている。一方、冷
戦後の世界では、イデオロギーに変わって多用な宗教や民族に基づく、いくつ
もの文明が存在を主張するようになってきた。

 冷戦後の世界は、米国が唯一の超大国であるという点で、一極世界といえる
が、複数の文明が並び立つという点では多極世界とも言える。

 このような世界の中で、米国は一国だけでは国際社会を巻き込むような行動
を取ることはできない。必ずほかの主要国の協力が必要だ。諸外国の協力を取
り付けようと努力しているブッシュ大統領のやり方は正しい。テロ以前にはブ
ッシュ政権は「一国主義」と批判されることもあったが、テロとの戦いで諸外
国との協調の重要性を学んだのではないか。

 日本は、欧州諸国のように米国と文明を共有しているわけではないが、同じ
民主主義国家で、オウム真理教などのテロに悩まされた経験もあり、積極的な
役割を果たすべきだろう。協力する上で、憲法の制約があるのはわかっている
が、最近では、制約もしだいに緩くなり、日本の国内世論も世界第二の経済大
国にふさわしい「普通の国」になることを容認するようになってきているよう
に見える。

 冷戦後、日米同盟の重要性はむしろ高まっている。クリントン前大統領は米
国にとって中国は「戦略的パートナー」だと述べたが、まったく非現実的だ。
ブッシュ大統領の言うように「競争相手」というほうがより現実的だ。中国が
東アジアを支配し、覇権を唱えるようにするのを日米両国は見とめないだろう。

 テロ撲滅のための軍事行動を私は支持する。だが、米国は十字軍になるわけ
ではない、。ブッシュ大統領は、モスクを訪問するなどして、今回の行動がア
ラブ世界やイスラム教徒を対象にしたわけではないと協調している。軍事行動
で一般市民にも被害が出ることは仕方がないが、米軍はこれまでそのような被
害を限定的なものに食い止めてきた。ビンラーディンがテロを実行した時にそ
のような配慮があったとは思えない、それが我々との違いだ。