やっちゃた!今日の朝日のドキュン記事 その3

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544文責:名無しさん
27 文化総合 2001年(平成13年)9月12日 水曜日 朝日新聞
元寇資料館での出会い eメール時評 詩人 龍 秀美

今福岡では、元寇ゆかりの博多湾の海浜で「中世博多展」が開かれており、
NHK大河ドラマの撮影にも使われた鎌倉時代の街並みが再現され、人気を呼ん
でいる。
 しかし博多には実は明治37年開館の「元寇記念館(現・元寇資料館)
」があり、モンゴル本国にも残されていない、当時の鎧(よろい)や弓
など貴重な資料が多い。先日ここで思いがけない出会いをした。
 所蔵品を熱心に見ている3人の若者がいる。内モンゴル自治区からの
留学生だった。
 土壌改良を学んでいるダブシラト君は、モンゴルが日本を攻めたこと
は教科書には一行もなかったと言う。館内には蒙古人の虐殺パノラマ図
も多い。意見を聞くと、屈託の無い返事。「800年前の先祖の遺品が大
切に保存されている。感動しました」と目を輝かす。
 日本人にとって、元寇は唯一異国から侵略を受けた特別な体験だ。そ
のため日本を取り巻く世界情勢が緊迫した時には必ずというほど、ホコ
リを払って取り出される。カミカゼはいまだに日本人の心のどこかで生
きているのかも知れない。今年元寇720年記念という、あまりキリの良
いとも思われない時期に話題に上るのも、えたいの知れない閉そく感
に危機感を持っているためではないかと思う。
 しかしモンゴルの若者の、知らない歴史を積極的に学ぼうとする姿勢
は、今の日本人にも大切ではないかと思わされた。