やっちゃた!今日の朝日のドキュン記事 その3

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4文責:名無しさん
「むごいご都合主義」 扶桑社教科書採択で大江健三郎氏


都立養護学校の一部で扶桑社の教科書が採択されることについて語る大江健三郎さん=7日、東京都世田谷区成城で

 病気と闘いながら東京都立養護学校で学ぶ子どもたちに、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版中学歴史・公民教科書が届けられることになった。都教育委員会は7日、病弱養護学校の2校などに限って、同社の教科書採択を決めた。

 知的障害のある息子と歩んできた作家の大江健三郎氏は、次のように語った。

 「つくる会」の教科書は、市販されベストセラーになりました。もちろん中学生が早く読みたいと思ったからではない。「日本は優れている」「誇りと自信がいる」と思い詰める大人に空元気をつける癒(いや)し系の本だからでしょう。子どものためによく考えられた本ではありません。

 でも、教科書の実物をこれほど多くの大人が読んで、考えたことはない。その結果、公立で採択したと公表した教育委員会はこれまで一つもなかった。父親や母親の反省が、日本人の世論として、力を持ったのです。東京都教委の結論は、これに真っ向から対立しています。

 もし沖縄や広島、長崎でこの教科書が使われたら、教師と子どもらの話し合いが、歴史の真実を逆に照らし出すでしょう。

 しかし、養護学校とは……。私の息子は知的障害で養護学校に通いました。身体の障害を持つ子どもにも健常児より困難な勉強の場なのです。

 一人当たり、障害をもつ生徒に使われる税金は健常児より多い。そこに付け込んで、影響力を示す都知事は国際的な感覚からズレています。

 検定を通った以上、どんな考え方の教科書にしろ、採用する公立学校が出るのは仕方がない。そこで教室での、教え方、学び方に工夫がいります。養護学校に使わせるのは、抵抗の弱い相手への狙い撃ちです。権力を持った者と、その意を体する者らの、勘定合わせにすぎません。どこに障害者への教育的配慮がありますか?


 東京都教委のやったことは、もっとも弱い部分に向けられた、むごいご都合主義です。(00:11)