やっちゃた!今日の朝日のドキュン記事 その3

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395文責:名無しさん
日本サヨクの到達点がコレだ!

朝日新聞・9月13日(木)14版より
「日本の市民として考える」小田実(作家)
私が書くのは「事件」の真相はこうだ、というたぐいではない。ひとりの日本の市民として「事件」をどう考えるか、だ。
ここで「日本の」と書くのは、日本がかつてアメリカ合州国を「敵」として戦い、「神風」自爆攻撃まで行った国である
からだ。しかし、日本が、同時にまた、その過去の反省に基づいて、問題解決に武力、暴力を用いないことを原理とした
「平和憲法」をもつ国としてあるからだ。
「市民として」と私が書くのは、この「事件」であまた市民が殺されたからだ。殺されたのはまず、非戦闘員、民間人の
市民ばかりだ。「世界貿易センタービル」には世界各国の市民が来る。「市民が殺される」という事態は、国の別、民族
の別をこえて世界全体の市民の問題としてある。「事件」はその事実を端的に示している。
私にとって「事件」は意外ではなかった。ブッシュ大統領は、これはアメリカに対するテロだと言ったが、実行者がだれ
であれ、彼らにとってはアメリカを敵とした戦争であったに違いない。「宣戦布告」なき戦争だが、日本の「日中戦争」、
アメリカの「ベトナム戦争」も、「宣戦布告」なき戦争だった。その戦争の中で日本は市民を殺し、アメリカは枯れ葉剤
をまいた。
現在のイスラエルによる戦車を投入してミサイルをぶち込む対テロ作戦は、パレスチナ側から見れば、まさに「戦争」だ
ろう。実際の関係がどうであれ、この事態が、実行者が今、「イスラム世界」の人間であるといわれている「事件」に
まちがいなく影をおとしている。眼には眼、力には力、テロにはテロの過程は、当然、戦争には戦争、にまで発展する。
アメリカ合州国には、ことにブッシュ政権の出現以来、巨大な軍事力を背景に力のゴリ押しを強行してきた国だ。この
アメリカに対して、戦争を行って、何がわるいか−「事件」の実行者がそう事態をとらえてふしぎはない。
どの戦争も大義名分をかかげる。彼らはこれまでの「西洋」中心の文明のあり方はまちがっていたと断じる。その文明は
「イスラム世界」などの非「西洋」を武力で制圧、支配収奪した。この世界のあり方を変えよ、彼らの武力に自らも武力で、
テロで、いや、戦争を行ってまで。他人ごとではない。
日本もかつて同じような大義名分をかかげて戦争を行い、敵味方にわたって市民を殺し、「神風」自爆攻撃まで行った国だ。
しかし、その上で、過去の反省に基づいて、日本は「平和憲法」をもった。
私はこことでその日本の市民として、今、日本がなすべきことを考える。それは、軍備と「安保体制」強化して、世界の
「テロ」にいっそう強力に対することではない(世界最大最強の軍備をもつアメリカの本拠の地の市民があまた殺された
ことは何を意味しているのか)。私はかつてユーゴスラビアへの「北大西洋条約機構(NATO)」軍の空爆が始まったとき、
国をあげて「反戦」にとり組んでいたギリシャで、「平和憲法」をもつ日本がどうして同じ努力をしないのかと言われたこと
がある。
「構造改革」を叫ぶ日本の首相は、たとえば今、どうしてイスラエルとパレスチナの和平交渉に乗り出して、世界の「構造改革」
に少しでも貢献しようとしないのか。