藤原彰先生の大発見を朝日がスクープ!

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1文責:名無しさん
日本軍の軍人・軍属戦死者、死因は6割が餓死と栄養失調


 アジア太平洋戦争で死亡したとされる日本軍軍人・軍属約230万人のうち、約6割にあたる約140万人の死因は戦闘による狭義の「戦死」ではなく、栄養失調による病気や飢えだった――。こんな結果を歴史学者の藤原彰・一橋大名誉教授(77)が約10年がかりの研究でまとめた。

 戦後の旧厚生省調査では日本人戦没者は約310万人とされ、空襲の内地の被災者らを除いた軍人・軍属が約230万人に上る。藤原さんは、餓死が多かったガダルカナル島、ニューギニア、メレヨン島(現ウォレアイ島)などの南洋諸島などをはじめフィリピン、タイ、中国大陸など、ほぼ全地域にわたって戦線や作戦ごとに現存する軍資料や幹部の証言録、戦後の戦没者調査などを基に死因別の死者数(一部推計を含む)を数えた。

 藤原さんによれば、食糧について「現地自活(調達)主義」をとった日本軍では補給の途絶などで膨大な飢餓が発生。体力や抵抗力を失い、マラリアやアメーバ赤痢などの伝染病や下痢による死亡が相次いだ。

 大量の餓死を生み出した背景について、藤原さんは(1)過剰な精神主義(2)敵の火砲の軽視(3)補給部門の軽視(4)参謀らの机上の空論的作戦主義、などを挙げる。兵士の人権を無視し、天皇や国を守る弾丸や盾のように兵士らを扱ったことなども指摘し、欧米の近代軍隊との差が出たという。

 藤原さん自身、陸軍士官学校で教育を受け、中国大陸縦断作戦の前線に中隊長として参加した。道路補修を命じられても工事器材がなく、食糧も弾薬も補給がない中で未明の急襲作戦を取り、右胸に被弾した。銃弾が今も右肺の奥にとどまっている。

 藤原さんは「『靖国の英霊』の過半数は飢餓地獄の中での野垂れ死にだった。首相による靖国神社公式参拝が取りざたされるが、国をあげてたたえようとしている戦死の実態をもっと知ってほしい」と話す。


 研究結果は「餓死(うえじに)した英霊たち」(青木書店)として24日、出版される。(15:08)http://www.asahi.com/national/update/0521/017.html