読売と朝日の比較スレッド その4

このエントリーをはてなブックマークに追加
49文責:名無しさん
本日の1面のトップ記事の比較です。これといって大きな話題の無かった日。読売、朝日のトップ記事は個性がでています。

・読売
「国税の一部、地方に移譲 分権委報告初案」
「交付税削除 受益と負担明確化」
(政治面に報告書案の要旨)
「米大型減税法成立へ 上下院可決 10年で1兆3500億ドル」
(国際面に関連記事)

・朝日
「「高め死亡率」で巨額差益 生保業界、金融庁調査で判明」
「運用「逆ざや」穴埋め」
(総合面に解説)
「あなたの隣で 進行がん突然の発覚」
「検診「異常なし」に落とし穴」
(総合面に解説)

読売の記事を読んでいると世の中が良くなると錯覚してしまいます。また、政府は地方分権に向けて前進しているような内容となっており、提灯そのものです。マスコミたるものいかなる理由が有ろうとも権力に迎合してはならないことを理解していない記事の選択と言えるでしょう。米の大型減税は大統領の公約の最大の目玉でもあり、停滞中の景気を改善するためにも重要な施策であることは疑い有りません。しかしこのように悪党の米大統領を肩を持ってはいけません。ミサイル防衛を反対し、内向きの経済政策を批判し、常に政策には難癖をつけ揚げ足を拾うべきです。景気が良くなったとしたら、それは政策ではなく、民間の自助努力との印象を読者に植えつけなければなりません。

朝日の記事の選択は読者を引きつけます。まず、生保の記事。生保が死亡率を操作して、読者を含む国民から巨額の金を不正に巻き上げ、私服を肥やしているという内容です。今回の悪役は大企業の生命保険会社で善は保険料を巻き上げられている読者、国民。勧善懲悪のストーリーにぴったりとはまっています。このストーリーを崩さないため、生保側には一切の弁明の余地を与えないため、生保側にコメントを求めていない(あるいは求めていても掲載していない)点も良かったと思います。ここで生保にコメントでももらおう物なら、死亡率の算定根拠を理路整然と説明され、「「高め死亡率」で巨額差益」という記事の根拠が崩れる可能性があります。

また、がんの話しも読者を引きつけます。誰しも自分の命は最も大事で興味のある話題です。読者に自分の死の不安を感じさせるこの記事は当然読者の注意が払われます。ここでの悪役は医療機関、善はやはり読者を含む国民という、善悪の配役も完璧です。医療的な検査の限界を読者のがんへの不安に転嫁する。根本的な解決策は提示しないが、医療機関の情報公開を中立的な立場から批判し、読者の医療機関への不信を煽る。死への不安からこの記事に引きつけられた読者は、朝日を通して医療機関に批判を持つ正義の判事になったと勘違いできることでしょう。

これといった話題がない日でも読者を引きつけるすばらしい話題を朝日は見つけてくることができます。私は、読売より朝日の方が今日も読者を引きつけるいい記事を書いていたと思いますが、みなさんはどう思いますか?